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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目

645 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:23:01 ID:O9/XClJG0
 
 それでも全くの他人になっていたのは予想外だった。
 昨日まで名前は佐藤≠セった。それが起きてみればシャルル≠セという。
 佐藤≠ナあるのにシャルル≠ニして認識され扱われるのは、されて始めて知ったが中々に応える。
 見知らぬ土地、見知らぬ時代、そこで常に認識されない。本当の独りというのだ。
 正直に話しても信じて貰えないだろう。下手をすると宗教裁判にでも掛けられるかもしれない。
 これからも元に戻らないかぎり孤独は続く。
 そんなのは御免だった。
 少しでも多くの情報を集め、対策を立てる必要がある。そう思い、男に渡された本に目をやった。
 古めかしい装丁の本で、重かったのは表紙が牛皮とおぼしき皮で、紙ではなく羊皮紙を使っているからだった。
 ロ…リア記<^イトルは掠れていてはっきりと読めなかった。開いて中を見ることにする。
 しかし、先ほどの会話もそうだったが明らかに日本語ではないのに何の問題も無く使えているものだ。
 まぁ使えないよりは断然良いし、今考えても答えなど出ないからそれも保留だな。等と考えながら本を開く。
 けれども判明した事態は予想の斜め上をいっていた。
 中に記されていた本のタイトルはロマリア記
 他にも登場している地名がポルトガ、カザーブ、アッサラーム、イシス、と並んでいた。
 ……中世ヨーロッパですらなかったのだ。ここは。
 今、自分が居る世界はかって愉しんだゲーム。
 ――ドラクエVの世界だった。

つづく

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