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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目

1 :冒険の書庫の書記代理 :2005/12/17(土) 22:49:59 ID:wtVzywQO0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレが容量制限で書けなくなったため立てました。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目」(容量制限落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128780044/

過去スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
※最近更新してない…書庫の中の人捜索中

615 :魚間 ◆4PnqyfvO3. :2006/03/02(木) 01:47:33 ID:eOp6HauB0
え〜と以前荒れる原因を作った私ですが、続きを投下することを皆様は許してくださるでしょうか?

616 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 02:00:05 ID:7/LJ+Xe90
>>615
もちろんOK

617 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 02:00:50 ID:7/LJ+Xe90
スマン、上げてしまった・・・

618 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 03:31:11 ID:R9zfZjltO
初代からいる住人としては4の人と総長の行方が気になるもうもどってこないのかなorz

619 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 04:26:46 ID:AMpwjSplO
>618
4の人はたまに光臨するだろが

620 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/02(木) 11:42:41 ID:I6sZjJpU0
職人さん達乙です

名前が出たのでちょっとカキコ
一行二行書くのに手間取ってとっても時間かかってます…
でもゆっくり投下していきますよ

621 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:52:33 ID:BJ3YrwGW0

>>610-611 つづきから

眠りから覚めようとしているんだな。と分かった。
水底から浮かび上がってくるようなふわふわした感覚は、毎朝繰り返していた事だったから。
「飼ってもいい?」
「拾ったの」
「ダメです!」
目を開ける前に、ぼんやりとした意識ながらそんな言葉を聞いた。
「犬・猫・魔物ならまだしも、人間の娘を飼うなんてもってのほかです!…まぁ、本当に呆れた。
そもそも、この娘さんの意志を考えてごらんなさい。そんな事が言えますか?……おっと、気が付かれましたか?」
喋っていたのは、白髪混じりの赤毛を切りそろえた壮齢の男だった。いかにもお人好しそうな丸々とした顔を、心配そうに歪めている。
私は、ベッドに横になっていた。
一瞬、また例のあの宿泊施設で寝ていたのかと思ったが、それとは違う場所のようだ。石壁でなく、豪奢な壁紙が見える。
顔だけ動かして傍らに目をやると、男を挟むようにして、金髪の少年と少女がこちらを見ていた。
二人とも小学生くらいだ。少女は、肩より少し上のサラサラの金髪で、両脇に蝶々結びのリボンをつけていた。
男の子の方はというと、くせっ毛があちこちはねていて、まるでヒヨコのようだ。しかも青い眼は好奇心に輝いていて、いかにも子供らしい。
「ご気分はどうです?少し話が出来ますかな?」
男は日本語を喋った…しかも流暢に…と、思った矢先、彼は奇妙な言葉をつむいだ。
「アンクルホーン」
何かの外国語かと思い、私は不理解を示すため首を横に振った。が、男は構わず続ける。
「あんたを襲っていた魔物の名前ですよ」
男は、子供たちに聞かせてはならないといったふうに、私だけに耳打ちした。
「高い知能を持ち、人間をいたぶって食らう種です」
魔物。あの悪鬼が…。私は総毛だった。
しかし『魔物』。なんだこのリアリティのない、けれども私の体験を一括で説明できる言葉は。
「だからこそ助かったんですよ。ヤツがあんたに微弱な攻撃を加えているスキに、この子達が助けたんですよ。アンクルホーンを倒してね」

…え、この人今なんて?

622 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:53:47 ID:BJ3YrwGW0

男の話だと、この子供達があの赤い鬼――アンクルホーンを倒したらしい。
信じられない。嘘でしょ、こんな小さな子供達が…。
私はまじまじと二人の子供を見た。私の目にはあからさまな疑いが込もっていたが、子供達の方ではそんな事は気にならないらしく
無邪気に見詰め返してきた。
「あと、ボロンゴもいたよ」
「ボロンゴ、おいで。おねぇさんにごあいさつするの」
「ちょっと、お二人ともお待ちな…」
ボロンゴ?疑問に思う間もなく、そして男が子供達の呼びかけを制するよりはやく、何かが部屋に入ってきた。

心臓が止まるかと思った。
扉を破らんばかりに押し開けて部屋に乱入してきたのは、あの炎のようなたてがみの獣ではないか。
アンクルホーンとやらに私が襲われて、怪我をして、気絶する直前に見た大きな豹だ。
男の話からして、異形のものを魔物と呼ぶのなら、この『ボロンゴ』とやらも魔物に類するのではないか?
そんな私の混乱と疑問を察したらしい男が説明してくれた。
「ええと…、このボロンゴは、キラーパンサーという魔物なんですが、いい魔物というか…」
「ともだちなんだよね」
『ボロンゴ』はそう言った女の子の脇に巨大な顔をすり寄せて、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「とにかく危害はありませんので」
私はボロンゴのサーベルタイガーのような牙をこわごわ見詰めるばかりで、言葉を返すどころではなかった。

623 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:54:48 ID:BJ3YrwGW0

さらに男からは、ここはグランバニアという名前の街だという事を聞いた。あの湖の近くの、そして例の宿泊施設のある街。
この部屋は、そのグランバニアのとある施設らしい。病院みたいなものだろう、と私はそのとき思っていた。
「出血は多かったです。ですが、見た目の割りに傷は浅く済んでいます。もちろん命に別状ありません。
大丈夫ですよ。しっかり気をお持ちなさいな」
男は、励ますように言った。言い聞かせるような様子はまるで父親のようだった。
「それよりも深刻なのは、…あんたちっともごはんを食べていなかったでしょう。急性の栄養失調ですよ」
「それは…この辺りでは頼る人がいないから」
自分ではれっきとした返事をしたつもり――むしろなんでこんな当たり前の事を聞くんだろうと疑問に思いながら言葉をかえした。
しかし男と子供達は3人が3人とも顔を見合わせて笑った。
「この街の誰かに助けてもらえばよかったんだよ。なんでそうしなかったの?」
少年の言葉に私は絶句した。子供だから知らないのだろう。見ず知らずの人に助けを求めても、誰も関心を示さない事を。
しかし、いい大人でもある男が言った言葉に、私は自分の中にある何かが崩壊するのを感じた。
「このグランバニアの城下町の人々はみんないい人たちばかりなんですよ。行き倒れになりそうな人間をほっとくはずありません。
あんたはどこかの家のドアを叩いて、助けてくださいと一言言えばよかったんです」

624 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:55:45 ID:BJ3YrwGW0

いや……そんな事言われても…知らないよ、そんなの…。

理不尽なこの状況に対する怒りが、緊張の糸が、キレた。
「そんな事知るわけないじゃない」
私の口から、呪詛のような声が出た。
いつも無気力な私からは想像できない声だ。あれどうしたんだろう、と思う間もなく次々と言葉がほとばしった。
「目が覚めたら全然知らない場所で、周りに知り合いはいないどころか、外人ばっかりで…」
愚痴が止まらない。
「どうしろっていうの?…何をしろって!?」
とうとう私はパニックになった。
この街はそうかもしれないけれど、日本の、私の住んでいる町では理不尽な犯罪と、他人に対する徹底的な無視がはびこっていて…。
そんな平和な街があるなんて事、知らない。
「ケータイはどこに行っても圏外だし、こ…ころされかけるし…!」
アンクルホーンに殺されかけた恐怖を思い出し、体中に震えが走った。
私の言葉の奔流は、涙声になって唐突に終わった。
辺りはシンとなった。
気遣わしげな男。私と男を心配そうに交互に見比べる子供達。そして未だ震えの止まらない私。四者の重い沈黙で部屋が満たされた。

最低だ…私。
この人たちは助けてくれたのに。
頼れる存在にやっと出遭えて、私、間違った甘え方してるよ。

私は、言葉の壁を勝手に感じ取り、誰にも助けを求めなかった。
街の露店で果物や食べ物を売っている店を見かけたが、同じことだった。
言葉が通じなさそうでも、彼等が自分とは何の関わりもない他人でも、ぶつかってみれば良かったのだ。
自分がこんなに甲斐性無しだったとは。

625 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:56:50 ID:BJ3YrwGW0

「娘さん、あんたどうやら訳有りのようだ。しばらくこの城で養生なさい」
長い沈黙の果てに、男が真面目な顔をしてこう言った。
「え…城?」
私は、あまりにも意外な言葉に、謝る事も忘れて、おうむがえしに言葉を返した。
「申し遅れました。あたしは城仕えの小姓のサンチョです」
私が口を挟む暇もなく、男――サンチョは二人の子供を抱き寄せて、さらに言った。
「こちらはグランバニア王家のレックス王子様と、レミ王女様にあらせられます」
子供達はそれぞれサンチョが言った通りの名前で自己紹介した。
王子?王女?ああ、なんかもう……ついていけない…、けど…、

「娘さん、あんた名前は?」
「……ナナセマナミ」
「ナナ…マ…?」
「マナミでいいよ」

これだけは言わなきゃいけない。
「あの…助けてくれてありがとう」

怒鳴った事が本当に恥ずかしく、申し訳なく、私は蚊の泣くような声でお礼を言った。
顔を上げられなかったので彼等の表情は分からない。けれど、三人とも、笑っている。そんな気がした。
私、何やってるんだろう。こんなむず痒い事して。
不思議と心地よく感じる温かさを、どうすればいいのか分からずに、もてあましていた。

 つづく

626 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 18:55:58 ID:64mjN3bi0
GJ

627 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 19:43:22 ID:7/LJ+Xe90
乙です

628 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/03/02(木) 21:06:05 ID:ZwMG3db50
「すげぇ!」
そこには今まで見たこともない壮大な景色が広がっていた。
森の中をぬけると、広大な海が姿を見せた。
まだ魔物は出現していない。
無駄にテンションが上がった俺はくちぶえをふきながら歩いた。
(早くでてきやがれ、モンスター共。レベル上がらねーだろ。)
せいぜい最初だからスライムや大がらす程度だと決め込んでた俺は
自信満々で歩いていた。
「グルル・・・。」
後ろで嫌な声が聞こえた。声の主はスライムや大ガラスじゃないことだけは確かだった。
おそるおそる振り向く。目の前に写った物は熊だった。
しかもごうけつそうな。
(ひぃぃ!熊!? しかもすげーごうけつそう!ごうけつ熊!?
 何で!?そういえばダーマ付近はスライムなんてでねーよ!
どないしよ・・・。)

629 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/03/02(木) 21:07:18 ID:ZwMG3db50
俺「バギクロス!」

俺「・・・。」
(終わったな・・・。あぁなんでよりによってダーマだったん
 だ。これじゃレベル上げできないじゃん・・・。)
覚悟を決めた俺はジャブを打ってみた。
(左ジャブは内側にえぐりこむようにして打つべし!)
ペシッ
情け無い音がした。熊にダメージはなさそうだ。当然だった。
しかもどうやら怒っているようだ。
熊「グワォ!!」突然熊は襲いかかってきた。
俺「ヒィ!?」
そのときだった。
※「ベギラマ!」
その声と同時に帯状の炎が熊を包んだ。熊は速攻森の中へ逃げていった。
※「大丈夫か?」
ベキラマでごうけつ熊を追っ払ったこれまたごうけつそうな
男は言った。
俺「ありがとうございます!弟子にしてください!」
とりあえず今の気持ちを簡潔に述べた。
※「は!?」
やれやれ俺の大嫌いな説明をしなければならないようだ。




Eぬののふく
 

630 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:15:52 ID:Y8SkKjqq0
>>496 続き

3568行目から
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10385.txt

631 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:16:43 ID:Y8SkKjqq0
上に追記

見出し「●賢者メイ」から

632 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:42:25 ID:Y8SkKjqq0
>>630-631
間違って消してしまったので再アップ
何度もゴメン
>>496 からの続きは「3568行目 ●賢者メイ」から
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10388.txt

633 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 15:38:15 ID:e78HWHGKO
GJ
毎度おもしろく読ませてもらってるぜ
ただケータイだと長くて途中で切れちまったorz
区切りのいいところでページを分けてくれないか?

634 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 16:09:52 ID:6H7EVfwIO
>>632読めんし

635 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 16:30:33 ID:O9/XClJG0
>>632  タカハシ
GJ!
特に賢者の石の辺りの解釈、面白かったです。
次回も楽しみにしてます。


ところで漏れもss書いてみたんだけどまだプロローグしか完成してない物でも
投下してしまって大丈夫だろうか?
     


636 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 17:25:22 ID:Y8SkKjqq0
ほんとにごめん
携帯の亊、全く考えてなかった
二部を切り出してアップし直しました
次回からはスレにちょっとづつ直接投下していこうと思います 今回までご容赦を…

>>496 からの続き
1103行目の見出し●賢者メイから
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10392.txt


>>635
投下したモノ勝ちみたいですよw

637 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 17:52:11 ID:fgJksskTO
>>633-634
http://fileseek.net/proxy.html
↑これ使ってごらん

638 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 17:58:00 ID:Y8SkKjqq0
>>637
これで携帯でも読めるようになるのかな?
ありがとう!
というわけで携帯は以下のURLを。
http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10392.txt

639 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:12:22 ID:O9/XClJG0
635です。落とした物勝ちとのことですんで思い切ってw
では投下します。


――少女が泣いている。

 一筋の光も差さないくらい、くらい闇の中。
 体は脳に何も伝えず、地面の存在すら怪しい。
 何も、無い。
 少女の他は何も無い世界。
 そんな世界で少女は声すら上げずに。
 誰にも見せず、誰にも見られず。

 ただ、泣いていた――そんな夢を、見た。


640 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:14:48 ID:O9/XClJG0
陽射しと鳥の鳴き声で意識が覚醒する。
 目が覚めた後、一時のまどろみ。
 自分が毎朝ささやかな愉しみにしている時間だ。
 ただ、こんな夢を見た後では反転して嫌な時間となる。
 それは目に見えていた。
 だから、目覚ましの二度寝防止を頼りにいつもは被る布団を、今日は足で跳ね上げ一気に起き上がろうとした。
 いつもの日常との違いなんてそれだけの筈だった。
 ――違和感。
 布団が跳ね上げられないのだ。
 風邪で力が入らないのではなく、足は完全に布団を蹴り上げている。
 けれど上がらない。まるで布団が大きくなった感じがする。
 自分はこんな大きな布団は持ってない。
 第一、ワンルームの一人暮らしをしている部屋にはそんなスペースはない。
 妙だ。と思いつつも手で布団を跳ね除け目を開いた。
 視界に映るのはいつもの見慣れた天井ではなく、木製の知らない天井だった。
「――ッ! 」
 どこか朦朧としていた意識が一気にローからオーバートップすら突き抜けて覚醒する。
 心臓の鼓動が早まり。体中の毛穴が開いて。じわっ、と嫌な汗が噴き出して来た。

641 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:16:27 ID:O9/XClJG0
見知らぬ天井を見ただけで、ここまで狼狽することは無いだろう。
 だれか。そう、例えば悪友の手が込んだ悪戯かもしれない。
 それとも実は昨日の晩、深酒をして意識が無くなりここに運ばれただけかも知れない。
 ここまで狼狽するのは理由がある。
 いつの間にか震えていた。記憶より小さな手≠ナ鼓動を押さえるように胸元を固く握り締めた。
 自分の体は――5・6才の子供のモノになっていた。
 ごくっ、と息と不安を無理やり飲み干しベットから降りる。
 床はフローリングのように艶のある物では無く、ニスの塗られていないただの板だった。
 窓からの陽射しは強い。自然と目を細め外の様子をうかがう為そちらに足を向けた。
 ぎぃ、ぎぃ、と一歩踏み出すたびに床が軋む。まるで自身の未来が軋むように。
 窓辺まで歩を進め、半開きになっている観音開きの雨戸のような木製の窓を押し開く。
 一瞬、白く視界が染まり飛び込んできたのは石造りの中世ヨーロッパの様な町並みだった。
 眼下には時代がかった服装の人物が大勢歩き回っている。
 教科書のイラストでしか見たことの無い荷馬車まで行き交っていた。
 ――なんで。そう口にしようとしたが声にならなかった。
 本当に驚くと人間は固まってしまうものらしい。
 人が多い路地を駆けてきた馬の蹄の音と罵声で我に返るまで呆けていた。

642 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:18:01 ID:O9/XClJG0
 我に返った後、状況を確認することにした。
 何故こうなったのか考えるにしても材料が足りないからだ。
 まず昨日から順を追って今に至るまで記憶を再生する。
 1、バイトが終わり23時頃帰宅。疲れてはいたが、いつもと変わらない。
 2、コンビニで帰りに買ったパンを食べ、風呂に入り、ジャックダニエルをロックで一杯。
   25時頃までネットをやって寝た。これもいつも通り。   
 3、良く覚えていないが夢を見て目が覚めたら子供になってここに居た。
 夢以外に変わった事は何も無い。
 とはいえフロイトじゃあるまいし夢が原因など――まるで御伽噺だ。
 大体それが原因でも手の出しようが無い。現状無意味だ。これは保留することにする。
 次にどこに居るのか。だ。
 外の町並みは石畳で舗装された幅5・6m程の路地。さっきは気付かなかったが緩やかな斜面になっている。
 これは中世ヨーロッパの町の特徴だ。
 下水道が無かったため窓から投げ捨てた汚物が自然に流れるようにする為だったと思う。
 建築物もテレビで前に見たローマ辺りの物にどこか似ている。
 テーマパークのような安っぽさが無く重厚である。という意味もこめてだ。
 この時点でここは日本ではないことは確信できた。
 更に、時代も現代ではないだろうこともだ。



643 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:19:36 ID:O9/XClJG0

 時代がかった服装の人物達、荷馬車、ここまでなら手の込んだ外国のテーマパークという線もある。
 しかし人が多い路地を駆けてきた馬≠アれは、在り得ない。
 テーマパークで行うには危険すぎるアトラクションだ。
 さらにシーツの肌触りが随分ごわごわしていた。織物の生産技術が低い証拠だ。
 この様な目立たない消耗品まで厳密に再現していてはコストが高すぎる。
 つまりは目の前の光景はリアルタイムで現実。ということ。
 結論。
 目が覚めたら体は子供。おまけに中世ヨーロッパの何処か。原因は不明、あやしいのは夢。対策無し。
 ――全く、最悪だ。
 『正直、ありえねえだろ』とバイト先の先輩の言葉が頭に浮かんだ時。
 ドンドンと部屋をノックする音と、若い男の声が聞こえた。
「シャルル。入るぞ」と。
 思考の海に沈んでいた意識を浮上させ慌てて扉の方へ振り替える。
 すぐ後に軋んだ音を立てて扉が開いた。 
 男はこちらが返事をする間を置かずに部屋に入ってきた。
 大きい。それが第一印象だった。
 なにせ180cmはある。今の自分が子供であることを差し引いてもでかい。
 この時代なら十分に大男の分類に入るだろう。


644 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:20:55 ID:O9/XClJG0

 体格もがっしりしているし、もじゃもじゃの髭と、肩まであるウエーヴしたくすんだブロンドの髪をしている。
 映画に出てくる騎士のような人だった。
 実際に裏付けるように腰には柄に十字の刻まれた立派な剣を下げている。
 男はこちらに向かい真っ直ぐに歩き、目の前まで来るとしゃがんで目線を合わせて口を開いた。
「シャルル、旅の疲れか? だがな、もっと早く起きなければいけない。父さんはもう食事を済ませてしまったから
食事は下で主人に言って出して貰え」
 そう言った後こちらに返事を促すような視線を向けてきたので「はい、解りました」と無難に答えた。
 すると男は一瞬驚いた顔をした後、笑顔を浮かべ乱暴に頭を撫でてきた。
「昨日までのお前がウソみたいだ! やれば出来るんじゃないか。
その調子で今日はおとなしくしててくれよ。父さんはこれから仕事で城に行かねばならないから、
お前は宿で待っててくれ」
 ぽんぽん、と軽く頭を叩き踵を返して男は部屋を出口へ歩いていく。
 扉を閉める瞬間立ち止まり、懐を探った男は振り返り「シャルル」と呼びながら本を投げて寄こしてきた。重い。
「プレゼントだ。退屈だろうからそれを読んで待ってなさい」
 そう言い残し、今度こそ部屋から出て行った。
「――シャルル、か」
 一人、呟く。
 子供になっていたのは判っていた。


645 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:23:01 ID:O9/XClJG0
 
 それでも全くの他人になっていたのは予想外だった。
 昨日まで名前は佐藤≠セった。それが起きてみればシャルル≠セという。
 佐藤≠ナあるのにシャルル≠ニして認識され扱われるのは、されて始めて知ったが中々に応える。
 見知らぬ土地、見知らぬ時代、そこで常に認識されない。本当の独りというのだ。
 正直に話しても信じて貰えないだろう。下手をすると宗教裁判にでも掛けられるかもしれない。
 これからも元に戻らないかぎり孤独は続く。
 そんなのは御免だった。
 少しでも多くの情報を集め、対策を立てる必要がある。そう思い、男に渡された本に目をやった。
 古めかしい装丁の本で、重かったのは表紙が牛皮とおぼしき皮で、紙ではなく羊皮紙を使っているからだった。
 ロ…リア記<^イトルは掠れていてはっきりと読めなかった。開いて中を見ることにする。
 しかし、先ほどの会話もそうだったが明らかに日本語ではないのに何の問題も無く使えているものだ。
 まぁ使えないよりは断然良いし、今考えても答えなど出ないからそれも保留だな。等と考えながら本を開く。
 けれども判明した事態は予想の斜め上をいっていた。
 中に記されていた本のタイトルはロマリア記
 他にも登場している地名がポルトガ、カザーブ、アッサラーム、イシス、と並んでいた。
 ……中世ヨーロッパですらなかったのだ。ここは。
 今、自分が居る世界はかって愉しんだゲーム。
 ――ドラクエVの世界だった。

つづく

646 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 18:25:56 ID:Y8SkKjqq0
>>645
乙です
出だしからものすごく惹きつけられた
展開楽しみ

647 :646 :2006/03/03(金) 18:31:10 ID:Y8SkKjqq0
うわごめん
ageちゃった…

648 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/03(金) 23:56:04 ID:gMfLGjR70
>>545続き

しばらくしてマトリフが帰って来た。何処へ行ってたかを聞いてみたが、言葉を濁される。
まあ、旅立つ準備でもしていたんだろう。
それから3人で今後の方針を決める話し合いをする。

「で、まずは何処へ向かうんだ?」
オレの問いにマトリフが答える。
「そうじゃな・・・まずはトリスタンが行ったと思われる行程をそのまま辿って行く事にしよう。 
まずはロマリアじゃな」
そう言ってマトリフは地図を取り出し、ロマリアを指し示した。
アリアハン大陸とはかなり離れた大陸にロマリアはあった。

「船はどうするんだ?」
オレは当然の疑問を口にした。なぜならアリアハン大陸は周りを海に囲まれている。
違う大陸を目指すとすれば、必然的に船が必要となるだろう。
しかし、マトリフに言わせると船が無くてもロマリアには行けるらしい。
その方法を聞いたが、全く理解不能だった。旅の扉だのワープゾーンだの・・・
ホント良く分からん世界だよな。慣れてきたけど・・・

そこへミリアムが口を挟んできた。
「そんな回りくどい方法より、最初からトリスタンが消息を絶った場所に向かって、その周辺を
探し回った方が早いし、効率がいいんじゃない?」

649 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:04:38 ID:ZUrUvhEl0
オレは悪くないアイデアだと思ったが、マトリフは即座に首を振って却下した。
「最初からあの場所へ向かうのはあまりに無謀じゃ。はっきり言わせて貰うが、ミリアム、それに
ルーク殿の今の力であの辺りのモンスターが相手ではどうにもならんよ・・・
ワシとて、実戦からは数十年は遠ざかっておるからの」

ミリアムは尚も引き下がらずに反論する。
「でも・・・急がないとトリスタンが・・・」
「大丈夫じゃよ。間違いなく、トリスタンは生きておる。それよりも探しに行く我々がくたばっては 
どうしようも無いじゃろう?まずはロマリアからじゃ」

確信を持った口調でマトリフは言う。なぜ生きていると言い切れるんだ?
オレはもちろん口には出さないが、トリスタンが生きている可能性は低いと考えている。
報告が途切れ、行方が分からないとなれば、そう考えるのが妥当だろう。
自分の肉親の無事を信じたいのは当然だろうけど・・・いや、それとは別に100%確信している口調だ。
・・・まあいい、どうやら結論が出たようだ。最初の目的地はロマリアに決まった。

オレはさっきの会話の中で気になった事を聞いてみた。
「さっき言ってたトリスタンが消息を絶った場所は何処なんだ?」
「ジパングと呼ばれる場所じゃ」
マトリフはそう言ってアリアハンの真北にある小さな島を指した。

ジパング・・・ジパング?
頭に衝撃が走った。
ジパング・・・間違いなくその名前に聞き覚えがある!・・・しかし何処で?

「どうしたの?大丈夫?」
ミリアムが心配そうな顔でこっちを眺めている。 
「いや、なんでもないさ」
 
言葉を返しながら、また手がかりが遠ざかっていくのを感じていた。



650 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:13:19 ID:ZUrUvhEl0
話し合いを再開して、今度は細かい事を決める。
出発は明日の朝に決まった。薬草、毒消し草などの旅の必需品は、出発のついでに買い込む事にする。
装備も良い物にしたいが、ここアリアハンは武器、防具、共に品揃えが悪いらしいので諦めるしかない。

方針が決まり、ミリアムは旅立ちの準備の為に帰っていった。
 
「今夜は泊まってゆくがよい」
マトリフがそう言ってくれた。無一文のオレにとっては渡りに船だ。
ありがたく泊めてもらう事にする。
 
夕食の後でマトリフが自分の行っている研究について話し始めた。 
その研究とは・・・呪文、それも失われた呪文・・・

マトリフの話によると、この世界には様々な呪文が存在しているという。
敵への攻撃呪文、自分や仲間の傷を回復する呪文、他にも多種多様があるらしい。
それを聞いてようやく納得がいく。塔で使ったホイミの正体の。

マトリフの講義は続く。
「ワシが研究しているのは、遥か昔にこの世界に存在し、やがて失われていった呪文じゃ。 
それを現代に蘇らせる研究をしておる」
「失われた呪文・・・例えばどんな呪文があるんだ?」
「そうじゃな・・・例えば一度でも行った事がある場所なら、そこに瞬間的に移動出来る呪文、これは
完成間近じゃが・・・他には究極の攻撃呪文、さらには死者の魂を蘇らせる呪文すら存在したという」
 


651 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:16:22 ID:ZUrUvhEl0
死者の魂を蘇らせる?それって生き返らせるって事か?
にわかには信じられない話だが、マトリフの顔は真剣そのものだった。

その後も呪文についての講義は続き、正直言って理解出来たとは言い難いが、ひとまず呪文についての
基礎知識を得る事は出来た。

さらにマトリフから呪文書を借りて読んで見る事にした。
ホイミは回復系の呪文の中で一番初歩的な呪文だと書いてある。
他にもオレが使える呪文はあるのだろうか?
考えても分かるはずも無いし、この前みたいに頭の中に声が聞こえて来る事も無いようだ。

・・・これについては今後の宿題だな。
これからの旅には更なる強敵が待っているようだし、早いうちに自分が使える呪文を知っておく事は
絶対に必要不可欠な事だろう。
 
更には、便利な呪文を新たに覚える事が出来ればいいけど・・・
マトリフによると、呪文を覚えるのは閃きに近い感覚らしく、本を読んでいれば覚える事が出来る
という訳ではないらしいので、簡単には行きそうにも無い。

長い講義が終わり、寝室に案内された。
目の回るような一日を振り返り、思わず溜息が漏れる。

652 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:18:43 ID:ZUrUvhEl0
旅の計画は決まったが、だからといってやる気が増すとは限らないようだ。
むしろ今後の事を考えるとテンションが下がる一方だった。
 
魔王バラモス・・・名前だけでどんな奴か分かるはずもないが、世界中に様々な異変を異変を
引き起こしている張本人。万が一トリスタンを探し出せたら、今度はその魔王を倒す旅か・・・
そうなったらどうなる事やら・・・
探し出す前から考えても詮無い事とは分かっているが、考えずにはいられない。
オレは生きて元の世界に帰れるのだろうか?

そう考えているうちに、今日の疲れも手伝っていつの間にか眠りについていた。

・・・その夜、昨日と全く同じ夢を見た。
昨日と同じ部屋、同じ男。男が慌ててる姿まで昨日と一緒だった。
やはり声は掛けられず、やがて昨日と同じ様に夢の世界から少しずつ遠ざかって行くのを感じていた。

次の日

気持ちがいいとはとても言えない目覚めだ。
夢の事が頭から離れそうにない。あの男は・・・

オレの頭の中で、一つの仮説が出来上がりつつあった。
余りに突拍子の無い、非現実的な仮説が・・・
と言っても、それを話す相手もいないんだが。

653 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:19:47 ID:ZUrUvhEl0
誰かにオレの話を聞いてほしい、不意にそんな願望が湧いて来た。

突然こんな世界に飛ばされたという事、この世界での体験、そしてこれからの事も。
どれだけ心細かったか、どれだけ危ない目にあったか、これからどうするべきなのか。
誰かに話したくて、相談に乗って貰いたくて堪らないんだ・・・

勿論、そんな事を話せる相手なんかいりゃしないし、いたとしても信じてもらえる訳も無い。
マトリフとミリアムならあるいは、とは思うが、まだそんな話が出来るほど信じてはいない。
本当の仲間と感じるには時間というものが必要だろう。

この孤独感の本当の正体にようやく気付かされた。
異世界に飛ばされたから、信じ始めていたアモスに裏切られたから、だけではなかったんだ。
自分の正体を誰にも話せない寂しさ、この思いを誰とも共有出来ない寂しさだったんだな・・・

すっかり頭の中がネガティブな思考に支配される。
何を考えてるんだ?オレは。
今から旅立とうと言う時に考える事じゃないだろ・・・
強引にそんな気持ちを振り払い、立ち上がって準備を始める。

寝室を出て、食堂に行くと、マトリフは既に準備万端といった様子だった。
早く出発したいのだろう。朝食もそこそこに、外に出る。

まだ早い時間帯だが、既に町は動き出していた。

654 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:21:07 ID:ZUrUvhEl0
忙しそうに左右を行き交う人々。
そこに魔王やモンスターに怯えるといった様子は窺えない。
バラモスの存在に殆どの人は気付いていないと王様は言っていたが、どうやらその通りのようだな。

そんな事を考えながら町の中心部へ向かって歩き出す。
中心部に着くと、マトリフはG銀行へ金をおろしにいった。
オレはミリアムとの待ち合わせ場所に一人で待つ事にする。

「その旅はやめておいたほうが身のためだぞ」
突然の声に、その方向をみると・・・
そこには宿屋で会った老人が立っていた。
「また爺さんか・・・アンタ一体何者なんだ?何で旅の事を知っているんだ?」
オレの質問には答えず、ろうじんは更に話を続ける。
「老人の忠告は聞いておくものだ。無視して行けば、間違いなくお主の身に災いが降りかかる
事だろう。何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
それだけ言うと、オレから背を向けて人ごみに紛れ、消えるようにいなくなっていた。

続く

655 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:30:56 ID:Xf640Cn60
決戦の日の朝、俺達8人は海辺で魔族がやって来るのを待ち続けていた。
ヘンリー、ブラストが先頭に立ち、その少し後ろに俺と武器屋とカシラ、後方にミレーユとカルベ長老とフンドシが構えている。
フンドシはああ見えて魔法使いだそうだ。上級呪文も複数使えるらしい。修行の時は全く呪文を使っていなかったが、本当なのだろうか。
―――――デモンズタワーで、ヘンリーと再会してから1ヶ月。
俺は、魔族との決戦に向けて死ぬ思いで修行を続けた。
僅か1ヶ月で、ジャミ達にどこまで近づいたのかは分からない。寧ろ、10年前より更に実力差を見せつけられるかもしれない。
霞がかった希望なのか、くっきりと、色濃く輝く希望なのか…。
何れにせよ、決戦は目前に迫っている。
やれる事は全てやった、という訳ではないが、この僅かな時間で出来る事は、魔族が襲撃してくるのを待つのみ―――――

「来たぞ!!!」
先頭にいるブラストの声と共に、一気に心臓が高鳴る。
遥か北の魔族の城を見ると、今まさにこの世の悪魔達が押し寄せてくるところだった。
とてつもない魔力が感じられる、一隻の巨大な黒い船。それを取り囲むように、周りを旋回する鳥の魔物。
それを見るや否や、決戦に参加する者達全員の体が大きく震えるのが分かる。それは俺も例外ではない。
全身大きく震え、剣を握る手からは多量の汗が流れ出る。
戦わずとも、分かる…。魔族の圧倒的な魔力が…。
船が徐々に近づくと共に、全身から危険の信号が発せられる。
多量の汗、無意識に食いしばる歯、速さを増す心臓の音…。
「構えろ!!」
ヘンリーがそう叫ぶと、全員が武器を構える。それに遅れて俺も剣を握り締める。
気がつくと、黒い船よりも先に、鳥の魔物が目の前に迫っていた。
魔物達は俺達を確認したのか、鋭い眼光を放ち、巨大な翼を高速ではばたかせ、一気に迫り来る。
そして遂に、魔物達が鋭い爪をたて、唸り声をあげながら襲い掛かってきた!!!
「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」
ヘンリーが雄叫びをあげ、臆することなく魔物に飛びかかる。それに続き、ブラストも。
キィン!カァン!!
目の前で繰り広げられる、人類の運命を賭けた決戦。今、その決戦に俺も…。
「はぁっ!!」
――――――――――参入する!!!


656 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:31:25 ID:ZUrUvhEl0
>>654
老人の忠告→年寄りの忠告です。

657 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:31:43 ID:Xf640Cn60
繰り広げられる戦闘。鳴り響く奇声、雄叫び、爆音。
怒り、憎しみ、悲しみ…俺の中にある全ての感情を、剣に込め、果敢に振るう。
「とどめだ!!」
ズシャァッ!
「ギャァァァァァァス!!!」
旋回していたスターキメラが、奇声をあげ、パタリと地面に崩れ落ちる。対する俺は、2、3撃攻撃を受けた程度。
信じられない程強くなっていた。この村に来るまで魔物に圧倒されていた俺が、今は互角以上に戦っている。
攻撃を受けても平然としているブラストや武器屋、素早い動きで敵に触れさせもせず仕留めるカシラ、そして、ベギラゴンやメラゾーマといった上級呪文を容易く操るカルベ長老、フンドシ…。
なるほど。これほどの実力者達と毎日瀕死になるまで修行をしていたら、強くなる訳だ。
ヘンリーの動きも段違いに良くなっているし、ミレーユも以前までは使えなかったマヒャドを唱えている。
これは、案外容易に倒すという事も有りうるかもしれない。
「バギッ!クロスッ!!!」
俺に集中砲火をかけてきた三匹のガーゴイルに向かって、巨大な真空の刃が襲い掛かる。
真空の刃は瞬く間にガーゴイル達を飲み込み、全身を切り裂いた。
稲妻呪文の代わり、と言うのもどうかと思うが、バギの最上位呪文バギクロス。カルベ長老に教わった呪文だ。
あの稲妻には及ばないが、それでも、魔物を一撃で仕留める程の威力を持つ。
因みにもう一つ、ホイミの最上位呪文ベホマも習得した。まだ1回成功しただけで、実戦の中では未使用ではあるが…。
まあこの決戦の中で、何度も使う時が来るだろう。それ程、大規模で危険な戦いなのだから。



20余りの鳥の魔物を殲滅させる。
ガーゴイル、スターキメラ、ホークブリザード…手強い相手ではあったが、完全にこちらが圧倒していた。
余力はまだ十分に残っている…後は船の中にいる半数程度の魔物…倒せるか、否か。試してやる…!
「中々やりますね…皆さん。」
突然どこからともなく聞こえる高い声に、俺は全身が凍りついた。

658 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:33:08 ID:Xf640Cn60
船からふわりと飛び降りる一匹の魔物…紫のローブ…不気味に微笑む顔…それは紛れもなく、魔導師ゲマ。
ゲマは、ゆっくりと俺達に歩み寄る。不気味な微笑みを崩すことなく。
10年前の…あの時とは段違いの魔力を感じる…。ダメだ…全身ゲマに縛られているかの様に、身動きを取る事ができない…。
「き…貴様が何故ここに…!!!」
ヘンリーが、ゲマに剣を向ける。剣先が震えて定まっていないところから、ゲマに恐怖しているのが分かる。
「自己紹介がまだでしたね…。私はゲマ…。魔王ミルドラース様の側近の者です…ほっほっほ…。」
「くっ…!」
ゲマは、剣を向けるヘンリーを完全無視。8対1という状況下でも、ゲマから焦りや恐れを感じる事は出来ない。
戦わなくても、分かる…。10年前と比べて、ゲマとの差は、縮まるどころか、圧倒的に開いていた。
「ご安心ください…。あなた達と戦うつもりは毛頭ございません。血の宴を拝見しにきただけですから…ほっほっほ…。」
「ち…血の宴だと…!」
ヘンリーが、一歩前に出る。僅か1m足らずだが、ゲマに対して一歩近づくというのは、常人がなせる『業』ではない。ゲマの前では、そんな容易なことですら行うのは困難なのだ。
「そう…血の宴…。魔族と人間が戦い、傷つけ、殺しあう…。その様な最高の興を見ないわけにはいかないでしょう…ほっほっほ…。」
微笑みながら淡々と恐ろしい事を言うその姿は、まさに狂人…。やはり魔族とは皆、この様な思考をしているのだろうか。
「おっと、戦いの途中でしたね…失礼…。では、船の中で拝見していますので頑張って下さい…ほっほっほ…。」
そう言って、ゲマは船の中へと戻っていく。それと同時に、船の中で待機していた魔物達が、一斉に押し寄せる。
悪魔神官、メタルドラゴン、ゴールデンゴーレム…先程の鳥の魔物とは、段違いの強さを誇る魔物達…。さっきのは余興と言うのだろうか。
さっきより厳しい戦いになりそうだが…それでも、絶対に倒してゲマのところまで行ってみせる…!

ザシュッ!
「つっ!」
シュプリンガーの斬撃が、ヘンリーの脇腹に直撃する。

659 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:33:43 ID:Xf640Cn60
「メラゾーマ!!」
カルベ長老の放った巨大な炎の玉メラゾーマが、シュプリンガーの全身を焦がし尽くす。
「キシャァァァァァ!!!」
耳鳴りがする程の断末魔と共に、地面に倒れ絶命するシュプリンガー。
「どうしたんじゃ!勝てない相手ではないじゃろう!」
「す、すまない…!」
先程からヘンリーの動きが悪い。やはり、ゲマと対峙したのが原因なのだろうか。
実のところ、俺も同じだった。戦闘中にゲマの事ばかり考えてしまって、集中できていない。お陰で、仲間に助けられ続けるという失態を晒している。
この戦いにだけ集中したい…そう思ってはいるのだが、ゲマを間近に見た直後に、一時的にゲマを忘れ去るなど、至難の業…。ゲマという存在は、それ程脅威…。
さっきゲマが現れたのは、動揺させるためなんじゃないか…?魔族の恐ろしさを見せつける為に、現れたのでは…。
その様な考えが、無限にループする。
戦闘中にそれ以外の事を考えるなど、この世界では『死』を意味する。
実際、仲間がいなければ今頃、確実に屍と成り果てていただろう。
これではダメだ。ジャミやゴンズ、ゲマのところに辿り着くのは到底無理…。
今は、この戦いに集中しろ。ゲマという、最大の雑念を振り払い…。
「―――スカラ!」
再び剣を構え、魔物の海に飛び込んでいく。ゲマという目標に辿り着くため。



苦戦を強いられながらも、合計50匹の魔物を殲滅させる。
安心したのも束の間、次なる試練が待ち受けていた。
既に船から降りて、高見の見物をしていたジャミと、ゴンズ。
ゲマ程ではないものの、とてつもない殺気と魔力が感じられる。
流石ゲマ直属の部下、と言ったところか。50匹の魔物を倒した俺達を見ても、恐れるどころかゲマの様に不気味に微笑んでいる。

660 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:34:28 ID:Xf640Cn60
「へっへっへ…50匹倒しやがったか…。意外とやるようだな…。」
ゴンズがニヤニヤと笑いながら、口を開く。
「今度は俺達が直々に戦ってやる…と、言いたい所だが…その前にまだ戦って貰わねばいかん奴がいる…。」
まだ他にいるのか…?まさかゲマが戦う訳ではあるまいし…と言う事は…。
「遂に使う時が来たな…魔族の秘密兵器…。」
やはり…来た…!
秘密兵器とは、魔物だったのか。一体、どんな魔物なのだろうか…?
ジャミが、ゆっくりとこちらに手を向ける。それに警戒して、俺は剣を構える。
「秘密兵器、と言うより…実験体なんだがな…。…出でよ!実験体!!」
次の瞬間、周囲が突然光ったかと思うと、ジャミの目の前に、稲妻が舞い落ちた。
ドォーーーーーン!!!!!
「くっ!!」



「へっへっへ…。俺達と戦いたければ、まずこいつを倒すんだな。」
稲妻の後に聞こえたのは、ジャミの声。眩しさで目を瞑っていた俺は、ゆっくりと目を開く。
「―――なっ!?」
そこにあったのは、信じ難い光景…。俺のある一つの期待を、跡形もなく消し去る、最悪の光景…。

661 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:35:07 ID:Xf640Cn60
「ド………ドランゴ………!」
全長4mの、巨大な斧を持つ恐竜…ドランゴ…。
まさか、こんな形で再会する事になるなんて………。
「コロ…ス………コロスコロスコロスコロス…!」
ドランゴは巨大な斧を振りかぶり、俺に向かって一気に振り下ろす。
ドォォン!!!
間一髪で避けるが、斧の着地点の砂が吹き飛び、砂嵐が巻き起こる。
「ド…ドランゴ!俺だ!思い出してくれ!!」
そう叫ぶが、思い出す可能性が無いに等しい事は、既に分かっていた。
ドランゴの紅い眼は、テリーの眼と同じ様に、悪魔の様な眼光を放っていた。
「ん?お前は…へっへっへ、そうか。10年前にデモンズタワーで、ゲマ様に石にされた奴じゃねえか。まさか復活してたとはな…。」
返事をしたのは、ドランゴでなく、ゴンズ。
「元仲間同士が敵として再会…面白ぇじゃねえか。おい実験体!あいつを集中的に狙え!!」
「ググ…リョウ…カイ………。」
ドランゴは標的を俺一人に絞り、再び斧を構える。
10年前に共に戦った仲間は、最早俺を『敵の中の一人』としてしか見ていなかった。

Lv32
HP121/167
MP69/88
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ、ベホマ
攻撃:バギ、バギマ、バギクロス、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き

662 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:45:52 ID:ZUrUvhEl0
ローディ氏
割り込んでスマン

663 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 02:14:31 ID:uEnuVx1G0
なんかここにきてSS作者さん達は質・量ともに充実しだした感じだな

664 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 02:16:22 ID:uEnuVx1G0
スマン!肝心なことを言い忘れた。

投下乙カレー

665 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 03:28:36 ID:6/XeKkEdO
タカハシさん読ませてもらいました。
オルテガさんいよいよ旅始まりますね。
ローディさんいよいよクライマックスかな。
新人さん頑張れ〜

666 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 23:45:32 ID:djV1pkuXO
みんな乙かれー、いつも楽しみに読ませてもらってる。頑張ってくれ。
あとはまとめサイトの人さえ帰ってきてくれたら・・・

667 :1 :2006/03/05(日) 03:22:18 ID:50lPgs5i0
職人の皆さん本当にお疲れさまです。
いつも楽しませてもらってます。

ところで、気が早いようですが、そろそろ次スレの準備が必要なようです。
実はこの現行五泊目スレは既に450KB近い容量になってしまってます。
前スレは容量制限500KBで突然落ちてしまったため、一部の職人さんが迷子になってしまいました。

このような事態を避けるべく、少しだけ早めに次スレを立てたいと思います。
新スレへの要望・テンプレ等、意見をお待ちしております。


668 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 13:57:35 ID:Ot9Q6YHP0
>>1
現在連載中の職人さん達と作品のリストがあるといいかな

669 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 16:20:48 ID:6hmZyX6b0
タカハシさん、オルテガさん、ローディさん、GJです。
それぞれ違った面白さがあって楽しく読ませてもらってます。
 
新人さんは大歓迎です。
これからに期待してます。


670 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 16:26:30 ID:6hmZyX6b0
>>668
同意です。
それと初めての人のために簡単なストーリー紹介があるといいかも。

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 18:39:42 ID:HQKgLTnS0
>>668,670
長らく休載している職人さんや、新しく始めようとしている人にとっては気後れするようにならないか?
>>1 さんの負担が増えることになるけど、まとめサイトのほうで「5スレ目で連載中の職人リスト」みたいにしてもらったほうがいいと思う。

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 20:45:54 ID:XAY1RFAl0
ストーリー紹介はいらんだろ
過去ログ読めばいいんだし

673 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 22:39:25 ID:2CODBMeM0
>>672
社会人は忙しいので過去ログ読む暇が中々ない
そういう層のことを考えるとあった方がよいと思う
この板は意外と30代の人も多いし

674 :1 :2006/03/05(日) 22:52:03 ID:50lPgs5i0
好評連載中な職人さん達を軽くまとめてみました。

ローディ ◆qdB5QYIaRc
オリジ ◆8Ntuwr18d2
魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g
レッドマン ◆U3ytEr12Kg
DQな現代 ◆gqal0QWwZw
魚間◆TRIPなし→4PnqyfvO3
>>305-308→クロベ ◆JNf/CxpPRk
◆gYINaOL2aE ※通称「4の人」
オルテガ ◆8JKqodVw2k→zYgagV2g.w
タカハシ ◆2yD2HI9qc ※うp板にまとめあり
ヘタレ ◆ozOtJW9BFA
キョウ ◆Hju2GLbs6k
591 ◆MAMKVhJKyg
シャルル ◆zu/zVku.Kc

埋めマン ◆TZg1R4cTLE(総長の中の人)→行方不明
アミ ◆36yZlE15gs ※無事完結

ストーリーを紹介するのはテンプレが長くなりすぎて辛いかもです。
>>671さんの意見もあるし、どうしましょうか。
まとめサイトの書記さんは体調不良のようですし。

ところで、総長の中の人と同じトリップを某板の1にて発見。
それとなくレスしておきましたが…。

675 :670 :2006/03/05(日) 23:08:16 ID:6hmZyX6b0
>>674乙です
 
>>670の意見はあれば良いかなと思って書きましたが
無理のようなら気にしなくてもいいですよ

676 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 04:38:06 ID:FIJCDr2nO
>674
前エイコってヘタレいなかったっけ?
スレ荒れで逃げ出したヤツ

677 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 06:41:07 ID:oO/MzAr4O
そーいうこと言うのやめろや、だから荒れるんだろーが。
そもそも途中で止めようが何しようが職人さんの勝手だろ。

678 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 10:49:48 ID:g1eQVqjG0
本人の意思もあるわけだし、ヘタレで済ませるのはいいことではない。
個人的には残念だけど、そういった期待に応える義務は職人にはないのだし、
職人に暴言を吐く権利も我々にはない。

そうは言っても、職人さんには望むレスはつかないかもしれない、という覚悟を持って欲しいし、
読者側にとってもそれは同じこと。ここはFFDQの1スレであって、創作文芸ではないのだから。
そんなこんなを理解した上で、スレとして楽しめるような住民でありたいもんです。

次スレが立っても、1読者の俺としては、引き続き期待します。

679 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 14:19:05 ID:FIJCDr2nO
うほっみんなイイ子だねぇ
ってか俺も言い過ぎたごめんなさい
でも乙コール&感想を嫌がるのがなんか俺的にどうなのかなとオモタ

680 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 16:51:51 ID:PUSnkESU0
あぁ総長・・・

681 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 20:27:50 ID:IaJH4U0l0
>>1を発見したw
ところで次スレはいつ立てるんだい?

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 21:11:40 ID:cOmoHpLlO
>>673
作品のあらすじは職人さんが書いてもらった方がいいんじゃね?
但し、強制ではなく任意で。

683 :1 :2006/03/06(月) 22:12:16 ID:XM++r+dQ0
次スレテンプレ案について続き。

ストーリー(あらすじ)紹介については無しの方向で。
職人さんリスト>>674をテンプレ追加ということでどうでしょうか…。

>>681
次スレは残り10KB程度になってからですかね。
スレの性格上、あまり早く立てすぎても物語の前後関係が混乱しそうですし。

今現在残容量まだ50KB近くあるようです。
職人さん方、まだまだ投下OKです。

684 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/07(火) 06:38:40 ID:yqjkuQXe0
個人的にはパっと書いて気軽に投下、脱退できるような
そういう自由度があってもいいと思う。
色々なルールを付け加えるのもいいけど、職人さんを引かせる原因にはならんかね?


685 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:32:11 ID:t9I8DaG70
>>654続き
 
老人が消えた後も、オレはしばらく呆然としていた。
確かに老人はこう言った。
「何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
・・・オレがこの世界の人間じゃないと知っているのか?
いや、そんなはずは無い!知っているはずが無いじゃないか!

それに、何で旅の事も知っているんだ?しかも危険だからやめろだなんて・・・
一体何なんだ?あの糞ジジイは・・・ひょっこり現れては不吉な事ばかり言いやがって
・・・
オレに対して恨みでもあるのか?
 
一方的に言いたい事を言って、その理由を尋ねる前にいなくなるときている・・・
しかも行動にまで口出しして来るなんて・・・
誰だって理由も分からないままに自分の行動にケチを付けられたら腹が立って当然だろう。

そうだ、あんなジジイいう事なんて気にする事はない。
この旅は絶対に行かなければならない・・・
世界を救うためだなんて事は思わない。自分のために、元の世界に戻るためにも必要なはずなんだ。

不思議なもので、今までイマイチ乗り気になれなかったのが嘘のように変化していた。


686 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:33:31 ID:t9I8DaG70
少しして、ミリアムがやって来た・・・が・・・
「どうしたんだ?その格好は・・・」
思わず口に出してしまった。
昨日の服装とは違い、何やら武道の稽古着のような服を着ているのだ。
 
「ああ、これの事?似合ってるでしょ?」
話を聞いてみると、ミリアムは幼い頃から武道の稽古を積んできたとの事だった。
「トリスタンの旅を助けるつもりでずっと特訓してたのよ。だから結構自信あるよ」
言葉通り、自信満々の顔をしている。
 
武道・・・とてもそんな風には見えないけど・・・
勿論、自分の身を守れる程度の力を持っていてくれないと、こちらとしても困るのも確かだ。
 
最後にマトリフがやってきて、ようやく3人揃う。
 
3人で道具屋に行き、薬草、毒消し草を買い求める。
塔での事を思い出し、少し多めに買っておく事にした。
更には食料等も買い込んで、買い物を済ませる。

これで出発の準備完了・・・いや、大事な事を忘れる所だった。
王様に出発の前に顔を出すように言われていたっけ。
ひょっとしたら、餞別でも貰えるかもしれないし・・・

687 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:34:25 ID:t9I8DaG70
「よし、出発するとしよう」
マトリフはそう言って、ミリアムと共に町外れに向かって歩き始める。
それを慌てて呼び止める。

「ちょっと待ってくれ。王様から出発の前に顔を出すように言われているんだ」
しかし、マトリフはいかにも面倒臭そうな顔で言う。
「そんな事は時間の無駄じゃ。せいぜい長い激励の言葉を聞かされるのが関の山じゃろう。無用無用」

とんでもない事を言う爺さんだ。
「いくらなんでも王様を無視して行くのはまずいんじゃないか?」
と、呆れて言い返すが、
「大丈夫じゃ。ワシは王が幼い頃、その教育係をしていたからの。未だに王はワシには
 全く頭が上がらんわ。出発するぞ」
と言ってまた歩き出してしまう。

仕方なくそれに付いて行きながら、今後に大きな不安を感じていた。
この爺さんには振り回されそうな予感を・・・

その内に町の入り口が見えてきた。
この世界にやって来た日に、アモスと通った時の事をふと思い出す。
あの時は、何も分からないままに流れに身を任せる事しか出来なかった。


688 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:35:20 ID:t9I8DaG70
今回はそれとは違う。
最終的に旅立つ事を決めたのはオレだ。自分の意志で決めたことだ。
流されて行くのではない。

この先に何が待ち受けているかなんて分からないけど・・・
それでも今は行動する事が先に繋がるはずなんだ!

そう心に言い聞かせて町の門をくぐり、再びアリアハンの外へ足を踏み出した。

しかし・・・謎の老人が残した言葉、その予言は忘れようにも忘れられずに頭の片隅の中で
シコリのように残っているのだった・・・
 

序章、完。

第一章につづく


689 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 09:29:47 ID:c0LVIvoB0
ただ今454KB

690 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:27:37 ID:JD699D9z0
>>638
続き

●別宴

「なぁこの輝き… 美しいよなぁ…」

カンダタの手に依って復活した雷鳴の剣を掲げうっとりとしながらつぶやくテリー
二日間掛け修復された雷鳴の剣を携えこの宿の部屋へ戻ってきたのだ

俺はと言うと、鍛冶屋から追い出された後市場でうまい刺身を食べたり砂浜で物思いに耽ったりして過ごした
いざ一人になってみると何もすることが無い
メイから食事の誘いでもあるかとちょっぴり期待していたのだが姿すら見ることがなかった

「確かに、折れる前よりも… なんというか輝いてる気がするなぁ」

うっすらと青白い光を放つ雷鳴の剣を見て俺も言う
刀身から溢れんばかりの力を放っているように見える

「だろう?
 カンダタさんが言うには俺の魔力と強い思いが賢者の石の力を最高にまで高めたそうなんだ
 この剣で早く戦いたいなぁ………」

なるほど
テリーの剣に対する思い入れはとても大きかったから─

691 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:28:26 ID:JD699D9z0
「そうそう、カンダタさんからの伝言だ
 "明日の朝、村の入口へ来い"と言っていたよ
 いよいよお前の剣も鍛え直すんだな、でもなんで村の入口なんだろう?」
「うーん、たぶん俺の剣捌きを見て修正するんじゃないのかな」
「なるほどなぁ ああしかし美しい……」

伝言を伝え終わったテリーは再び自分の世界へ入り込む

雷鳴の剣は復活した
ということはテリーがこの村にいる理由もない
もう 出ていくのか?

「なぁテリー
 雷鳴の剣も直ったし、お前はすぐに出ていくつもりなのか?」

しばらく無言で剣を見つめた後テリーは返事を返した

「ああ… お前には済まないがメルビン殿を待たせてあるからな
 明日、早々に発つつもりだよ」
「そうか…」

この村に着いたらお互いそれぞれの道を歩む事はわかりきっていた
でもやはり別れは─

外は暗い
部屋の真ん中にあるランプは強い光を宿している

692 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:31:10 ID:JD699D9z0
「いよいよ、か…
 ここまで一緒に旅をしてくれてありがとう
 短い間だったけど楽しかったしたくさんの事を学ばせてもらったよ」

少しうつむき、テリーの方は見ずに言う
面と向かって言うのはちょっと照れ臭いからだ

「俺の方こそ、剣を譲ってもらいなにより─」

言いかけた言葉を止めるテリー

「なにより、なんだ?」
「ああ 俺はずっと思っていた
 お前と旅をするのはなんというか宿命だったんじゃないかと、な
 前に言ったよな? お前は他の人と違うと…」
「はは なんだよそれ
 テリーは自分の意志で兵士を止め今以上に強くなろうと決めたんじゃないか
 俺は何も言わないし関係ないと思うぞ?」

そう 俺はたまたまトルネコと出会いテリーと出会い─
全ては偶然だ
この世界は異世界の人間が入ってきたことで何か変わったかもしれないが…

693 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:32:00 ID:JD699D9z0
「そうか、まぁそうだな考え過ぎか
 でもお前に出会えたことは感謝しているんだ、礼を言う
 さぁ今夜は酒でも飲んでお互いの今後を語りあおうじゃないか!」

そう言い部屋を出るテリー

明日から俺は一人なんだな
そういえばこの世界で一人きりっていう状態は半日くらいしかなかった
これからやっていけるのか 不安だらけだが─
トルネコを助けたい気持ちは今も揺るがない
助ける術を探す旅が俺の為にもなると信じてる

「酒を持ってきたぞ!
 と言ってもお前はすぐ酔うからこの小さな瓶一つだ」

二人してドカッと椅子に座りお互いの器に酒を注ぐ

「じゃぁ… お互いの今後に乾杯だ!」

手に持った器をコツッとぶつけ一口
木製だからチィンと気持ちの良い音が出ないのがなんとも味がある

694 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:32:55 ID:JD699D9z0
「なぁタカハシ
 お互い二度と会えなくなるわけじゃないんだ
 旅をしていればきっと再開できる その時が楽しみだな」
「うん、メルビンさんは旅商人だし俺もあちこちを移動する
 次会うときはテリーを越えるくらい強くなるさ」
「言ってくれたな!
 だがその言葉を聞いて安心した、お前なら絶対強くなれるし一人でもやっていける」

そう また会えるさ
明日で別れるのは確かだけどお互い旅を続けることには変わりが無い

「その時まで… 死ぬなよ
 俺たち二人できっと、魔王を倒すんだ
 交わした約束、忘れないでくれよ」

俺は黙って頷きテリーの器に酒を注ぐ

もちろんだよ、死ぬもんか
生きて元の世界へ戻るんだ

その晩遅くまで語り合いいつしか眠りについていた

695 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:33:27 ID:JD699D9z0
朝靄がまだ残る早朝
俺はテリーと共にフィッシュベル入口にいた
テリーはこのまま村を発ちグランバニアへと向かう

「じゃあなタカハシ
 お前とは戦友であり友だ
 また会えることを信じている」
「もちろんだよ」

静かだ
心臓の音がテリーに聞こえてしまうんじゃないかという位に無音
友との別れにしては落ち着いている
短いつきあいだったけどとても濃い日々だった

「よし、じゃあ俺はいくよ」
「元気、でな!」
「お前もな、じゃあまた!」

村の外へ歩いていくテリー
俺はその姿をじっと見送る

696 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:34:04 ID:JD699D9z0

テリー
俺は元の世界へ戻らなきゃならない
もしかしたら二度と会うこともないかもしれない
だから…
いや、お互いの目的を見事に果たそう
もしも、出来ることならまた会いたい、な


テリーとの別れ
日が昇りきるまで姿が見えなくなっても俺は見送った


〜 第二部 完 〜

〜 第三部へ続く 〜

697 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:40:12 ID:JD699D9z0
第二部終わりです
第三部へ続き、書きはじめてはいるのですが風呂敷を広げすぎたので熟考期間を置きます
必ず続けますので。

まとめテキスト
・第一部
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10543.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10543.txt
・第二部
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10545.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10545.txt

スレ立てについて、住民の皆様よろしくお願いします

698 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 17:59:36 ID:iUfa06iE0
オルテガ氏乙
いよいよ本当の旅立ちですね。続きに期待してます。

タカハシ氏乙
続きは気長に待つ事にします。

699 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 20:10:22 ID:2FYrAcdU0
このスレを見てテリーが好きになったやつは手を上げろ!

ノシ

700 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 04:13:25 ID:UsIXhPcVO
>699
ローディな件について

701 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 08:30:28 ID:s/Y5bsmP0
ノシ

タカハシ氏の影響もあるな。愛着がわいてきた。

702 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2006/03/09(木) 19:38:36 ID:Q2ufQMs+0
広くそして薄暗い部屋・・・・
そこに5人の魔王が集結していた。
「さて・・・奴の様子はどうだ?」
バラモスよりもわずかに小さく、羽のはえている魔王・・バラモスブロスが発言した
「今は試験中だ・・・」
それに兄であるバラモスが答えた
「本当に奴なんだろうな?もし違ったら兄貴に責任をとってもらうぜ」
ブロスがバラモスに向かって吐き捨てるように言った・・・
この兄弟は昔から仲が悪いことで有名だった、魔王となるずっと前から・・・
すると黒色の髪をした長髪の男が発言をし始めた
「それはともかくとして・・・・試験が終わり次第あの男は私の部下として
いただきたいのですか・・・」
「それは貴様の決める事ではない、全てはゾーマ様の考えで我々は動かなく
てはならん」
長髪の男に反対したのは美しい姿をした女性だった、しかしその本当の姿は
六本の首のあるおぞましい姿をした怪物だ・・・
醜い姿を拒む彼女はその能力を使って美しい姿に自分を変えていたのだ・・・
「それならばなぜ我々はこうして集まっているのです?こうして集会
 を開く意味などないでしょう?通信で命令を出せばそれですむはずです」
長髪の男はオロチに反論した、その言葉は冷静だった
「たかが魔人である貴様にそんなことを言われる筋合いはないわ!!!」
それにオロチも反論するが長髪の男はそれでも冷静に言葉を返していった
「いまここで本当の姿を見せてくださいよ
 自分を偽っているような人が偉そうにしないでくださいよ」
オロチは言い返せずにただうなるだけだった、そして我慢が限界を超え
長髪の男に飛びかかろうと言うときに・・・・
「そこまでにしろ、ゾーマ様だ」
ゾーマの気配に素早く気づいたキングヒドラは静かに言い放った
オロチはゾーマの名に反応し、あわててイスに座り直した。

703 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2006/03/09(木) 19:41:52 ID:Q2ufQMs+0
短いけど今日はここまでで。

704 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 23:41:55 ID:oSIj2fc2O
一瞬キングヒドラをキングギドラと思ってしまったw

705 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 02:51:48 ID:WAyi+QsDO
魔人さん乙です
オロチがイスに座る姿を想像して、かわいいって思ってしまいましたw

706 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 02:53:56 ID:WAyi+QsDO
あ、想像したのは魔物の姿のオロチね

707 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 10:59:57 ID:AFB5huz60
面白いね。

708 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 11:46:38 ID:yH5flYq4O
携帯の人で>>697のタカハシ氏の第一部文字化けしないで見られる人いる?

709 :ククール :2006/03/10(金) 12:39:24 ID:RhUULPWW0
おはよう。今日も城でかわいこちゃんをナンパシテキタゼ

710 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 13:17:26 ID:+2KCR3Rw0
>>ククール
kwsk

711 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/10(金) 13:53:02 ID:r42JfvES0
>>697

第一部テキストの文字コードがUTF-8のままでした、ごめんなさい
Shift-JISに変更してアップしなおしました。
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10631.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10631.txt

>>697
この第一部テキストは削除しています

>>708
報告ありがとうです
ごめんなさい

読んでくれてありがとう

712 :ククール :2006/03/10(金) 15:18:30 ID:RhUULPWW0
サザンビークにおそろしいほど可愛い子がいるよ

713 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 17:53:06 ID:yH5flYq4O
>>711
素早い対応ありがとうございます
あのトルネコをあんなにかっこよくみせるのはスゴい…

714 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:06:22 ID:9K/r2Q9C0
俺達はムーンブルグの城に再び戻ったのだが、個人的には戦場の跡地には行きたくないものだ。
流石にムーンも驚きの表情を隠せなかったようだ………

ムーン「…………………………………………」
 もょ「どうしたんだ。ムーン?」
ムーン「………何でもないわよ。行きましょ。」

生まれ故郷が跡形も無く崩れ去っているのだから無理も無い。
さすがに城内も以前俺達が来た時よりも嫌な雰囲気になっていた。
魔素が強くなったと表現してもいいだろう。

探索をしている内にモンスター達が近寄ってきた。リビングデッドだ。

 もょ「ムーン、くるぞ!」
ムーン「もょもと!ちょっと時間を稼いで!私が呪文で援護をするわ!」
 もょ「まかせたぞ!」

もょもとの先制攻撃でリビングデッドに斬りかかったのだが一撃では倒せない。
 もょ「くっ…しつこいやつだ…」
リビングデッドが半身になっても襲い掛かるので切りが無い。その時後ろからムーンの声がした。

ムーン「バギッ!」

ムーンが発声した後に小さな竜巻がリビングデッドを切り裂いたのだ。
ムーン「危機一髪ね。もっとしっかりしなさいよ。」
 もょ「おかげさまでたすかったぞ。」
ムーン「気を抜いては駄目よ。」
この娘もサマルと同様に回復呪文や攻撃呪文も使うのか……戦力的にも魅力的だ。それに美人だし(;´Д`)ハァハァ

715 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:06:52 ID:9K/r2Q9C0

王座の間についた時炎の様な物がうろついていた。確かムーンブルグ王の魂だ。
ムーン「もょもと。あれは魔物なの?」
 もょ「ちがうぞ。あれはおうさまのたましいだ。」
ムーン「ええっ!?う、嘘でしょ?」
 もょ「おうさまのおかげでムーンをたすけることができたんだ。」
ムーン「そんな…」
ムーンはいきなりムーンブルグ王の所に駆け寄った。

ムーン「お父様!」
  王「ダレカイルノカ……?」
ムーン「私よ!ムーンよ!ここにいるわ!」
  王「スマナイ…ワシニハナニモキコエヌ…シカシナツカシイカンジガスル…」
ムーン「うっ…うっ…お父様…」

ムーンが泣き出した。自分の父親に話しかけても意思伝達が出来ない。それを見ている俺も切なくなった。

 タケ「うっ…………………」
 もょ「どうしたのだ。タケ?」
 タケ「ち、ちょっと嫌な事を思い出してしまってな…」
 もょ「なにがあったんだ?」
 タケ「悪いなもょ。それは言えへんのや。俺自身の事やねん。すまん。」
 もょ「わかった…きいてしまってすまないな。」
 タケ「ええんよ。ただ…俺から言える事は女の涙は男にとっては毒やで。」
 もょ「ああ…おれもリアちゃんがないたときはすこしつらいきぶんになった…」
 タケ「そっか…………………」

俺はそれ以上何も答えられなかった。言葉では表現できない感情が込み上げて来たのだから………………


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