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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目

1 :冒険の書庫の書記代理 :2005/12/17(土) 22:49:59 ID:wtVzywQO0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレが容量制限で書けなくなったため立てました。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目」(容量制限落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128780044/

過去スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
※最近更新してない…書庫の中の人捜索中

500 :497 :2006/02/16(木) 04:26:27 ID:XybJyWMG0
>>498
個人的には「現実世界」と「仮想(DQ)世界」が入り混じるところが、このスレの一つの醍醐味だとも思う。
でも作者の作った世界は、作者の作った小説です。だから好きに書くべきではないでしょうか。
面白ければ良いというものではないが、良いものは皆面白いのですから。

なんてグダグダと書いて、職人の方のやる気を殺いではいないかと
感想つける方も正直ヒヤヒヤです

読み手に状況を伝えるだけの文章量と、
テンポを崩さないようにするだけの文章量。このあたりのバランス、凄く難しいとは思います
頑張って欲しい

501 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/16(木) 09:30:03 ID:g/MDmo5BO
>>499
ありがとう
必ず完結させます

>>500
感想を貰える事は例え一文字であってもうれしいですし励みです
やる気無くなったりする事は全くありません
先のレスは言葉足らずでした
とてもわかりやすい助言、感謝してます

502 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 17:46:00 ID:KPChIJ+S0
オルテガさんの作品で気になる事が・・・
作品自体は楽しく読ませてもらってるけど、主人公の記憶が無いってのは
このスレの趣旨からは反してるような気がするんだけど。

余計なお世話かもしれないけどね。



503 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 19:13:36 ID:1hyFGOxsO
>502
趣旨なんてねぇよ
宿で起きればいいのだから

504 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 21:08:14 ID:O1x+4KIIO
レッドマンも他人の体内から始まったんだけどまぁいいんじゃね?
楽しめたら。

505 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 22:46:45 ID:laoKLGLn0
ローディ氏マダー?
マチクタビレタヨ…

506 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/17(金) 04:27:03 ID:OcPq5lT20
とりあえずあげ

507 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 03:43:49 ID:JmicaQ130
>>483続き

それからアモスにこの世界の地図を見せてもらう。
・・・なるほど、この世界は想像以上に広い。
アリアハン、レーべ地方なんてほんの一部に過ぎない事がよく分かる。

それにしても、これと同じような地図を見た事があるような気がする。
その事を考えると、失った記憶がうずくような感覚が・・・
元の世界に関係する何かがあるような気がしてならない。

「どうしたんだ?やけに深刻そうな顔だが」
アモスの声で思考が中断される。
記憶を取り戻す糸口を掴んだような気がしたんだが・・・
まあ、慌てる事はないか。

そうしてる内に、ようやくさっきの兵士の内の一人が戻ってきた。
「お待たせしました。ご足労ですが、これからアリアハン城まで同行願いたい
 のですが、よろしいですか?王様が直々に会いたいと申しております。
 ところでお二人の名前は?」
さっきとはうって変わって丁寧な口調だ。

508 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 03:58:40 ID:JmicaQ130
アモスが驚きと嬉しさが入り混じった顔で答える。
「オレがアモスでコイツがルークだ。勿論OKさ。まさか王様本人からお褒めの
 言葉を頂戴できるとは光栄だね」

兵士はそんなアモスを見て不安を覚えたのか、
「あの、分かっているとは思いますが、王様の御前ではくれぐれも粗相の無いように・・・」
と、釘を刺してくる。

「大丈夫さ。オレは見た目通り紳士だからな。オレよりもコイツの事を心配したらどうだ?」

誰が紳士だって?
でも、確かに王様の前でどんな態度をとればいいかなんて、オレには分からない。
アモスを見て、それを真似するしかないな。不安だけど。
 
城門まで来て間近で城を見ると、その大きさ、美しさに圧倒されそうになる。



509 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 04:22:38 ID:JmicaQ130
城の中に入り、真っ直ぐに絨毯の上を進む。
周りの連中が興味深そうにこっちを見つめ、こそこそ話しなどをしているのが
少し癇に障る。

階段を上り、大きな部屋に入るとその先に玉座に座り、堂々とこちらを見つめる人物。
この人が・・・

兵士に促されるままに前に進み、王様の前でアモスに習って跪く。
 
兵士がオレ達の説明を始める。
「この二人が、ナジミの塔に住み着いた魔物達の親玉を倒したという、アモスと
 ルークであります」
 
「アモス、ルークよ、面を上げよ」
「はっ」
王様の言葉に、俺たちは顔を上げて正面を向く。

王様は無言のまま、真っ直ぐにこちらを見据えたままだ。
気のせいか、オレ達を観察するような、二人の人間性を量るような・・・
そんな感じを受けるのは考えすぎか。
 
ようやく王様が口を開く。
「この度のお主達の働き、まことに見事なものだ。その働きに報わねばな」
そう言って側近に何かを命じている。


510 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 04:50:37 ID:JmicaQ130
やがて兵士が大きな袋を運んできた。
 
「お主達には金5000Gを取らせる。今後、一層世の中の為に励んでくれる事を
 期待する」
「はっ」
慌てて頭を下げるオレとアモス。

割と呆気なく王様との体面を終え、城の外に出た。
アモスは緊張感から開放され、金も入った事でハイテンションだ。
「思ったよりも呆気なかったな。それにしても・・・5000Gだぜ!
 苦労した甲斐があったな」
とニヤニヤしている。

「さあ、今夜はドンチャンと行くか!」
「あ、その前に相談したい事が・・・」
「分かってるって。分け前の事だろ?ちょっと待ってろよ」
「いや、ちがうんだけど・・・」
人の話は最後まで聞けよ・・・
 

511 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:04:49 ID:JmicaQ130
「そらっ、それがお前の分だ。それと、明日までの約束だったけど、今の内に
 給金も払っておくよ。合計で2000Gだ」
 
硬貨の入った袋をアモスから受け取った。ズシリと重い。
 
2000Gか・・・
Gの価値はまだよく分からないが、かなりの大金だろう。
確か薬草が8Gだから・・・薬草250コ分!
・・・多いのか?

それにしても、アモスのセコさから考えて、5000Gの内の1000Gでもくれれば
いい方だと思っていたけど・・・
ケチだという認識を改める事にしよう。
 
「さあ、飲みに行くぞ!」
そう言って駆け出して行くアモス。
せっかちなのは決定だな・・・

今の内にこれからの旅について話したかったんだがな。
まあ明日でもいいか・・・
今日はぱーっと行くか!

二人で夜の酒場に繰り出した。

512 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:17:57 ID:JmicaQ130
この世界の酒は最高に美味い。
達成感、開放感を満喫しながら飲んでいるから余計にそう感じるのかもしれないけど。
そんな事はどうでもいい、とにかく美味い!
以前の世界でもこんなに美味い酒は飲んだ事が無いに違いない。

オレのペース速さに心配したのか、アモスが
「おいおい、顔が真っ赤だぞ。それくらいにしとけ」
などとくだらない事を言ってくる。
 
「何言ってんだい?今日飲まなくていつ飲むんだよ。手が止まってんぜ?オレが
 ついでやるからぐっと行きな」
「ルーク、お前・・・酒乱だったのかよ・・・」

この辺から意識が朦朧となる。
アモスに担ぎ込まれて宿屋に着く頃、完全に意識が離れ、眠りについていた。

513 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:28:38 ID:JmicaQ130
ここは何処だ?
頭が重く、現実なのか夢なのかよく分からない。

そこは見覚えがあるような部屋だった。
ベッドの上に男が寝ている。

少しして男が目を覚ます。
男はしばらくぼーっとしていたが、やがて体を起こして驚いた表情を浮かべている。
部屋を見渡してさらに混乱しているようだ。

男に声を掛けようとしたが、オレの姿が目に入らないようで完全に無視される。
やがて男は意を決したようにドアを開け、外へ出て行った。

追いかけようとしたがまるで体が動かない。
やがて少しずつ視界が狭まって行き、その内に完全に闇に包まれて行った。

514 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:48:19 ID:JmicaQ130
目が覚めると最初にこの世界に来た時の部屋だった。
「夢だったのか・・・」
さっきの映像がまだ目に焼き付いている。
夢にしてはあまりにも鮮明だったが・・・
それにさっきの部屋と、そこにいた男。
これも失った記憶に関する事なのか?

昨日の酒が残っており、頭痛が酷くて考えがまとまらない。
これ以上考えても無駄みたいだな。
 
かなり寝坊したみたいだ。 
早く準備をしないとまたアモスが怒鳴り込んで来るだろう。
そう思い、準備をしようと立ち上がる。
と、サイドテーブルに手紙のような物がおいてある。これは?

開けてみると、それにはこう書かれていた。
『自分の甘さを少しは思い知ったかい?  アモス』

どういう意味だ?
自分の甘さ・・・
そこでやっとピンと来た。ひょっとして・・・

慌てて自分の荷物を持って来て、中を探る。
やはり無い・・・
昨日アモスから受け取った2000G、それに元々持っていた財布も無くなっている。


515 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:09:31 ID:JmicaQ130
部屋を出てロビーに行き、フロントの男にアモスの事を聞くと、昨夜オレを部屋に
運び入れ、そのまま去って行ったと言う。
オレの宿代は前金で払って行ったらしいが・・・

ロビーのソファーに座り呆然としているオレに、見覚えのある老人が声を掛けてきた。
「どうやらアモスに一杯食わされたようだな。だから気を付けろと言ったというのに・・・」
ああ、あの時の爺さんか。

「爺さんはアモスの知り合いなのか?」
「いや、向こうはワシの事はしらんだろうが・・・でも関係ないとはいえないな」
「・・・どういう意味だ?」
「それは・・・いや、話すと長くなる。いずれ話す機会もあるだろうて」

そう言って宿を出て行く老人。
まだ聞きたいことは山ほどあるんだ。
慌てて追いかけて宿の外に出るが、すでに老人の姿は無かった。


あても無くアリアハンの町を歩く。
これからどうしたらいいんだろう・・・
考えてみればこの世界に来てからというもの、アモスの後について行動して
いただけだ。勿論、そうせざるを得ない事情があったが。

そのアモスはもういない。
殆ど何も分からない世界でただ一人、しかも無一文。
今日に孤独感が襲って来る。


516 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:33:48 ID:JmicaQ130
我ながら不思議だが、あまり腹は立たない。
確かにどちらかといえばケチな男だった。
やられてみれば、いかにもアモスらしいじゃないか。

でも心の何処かでまだアモスの事を信じていたい。
こんな考えさえ、もしアモスが聞いていたら「甘い」の一言で済まされるだろうけど。
それでも異世界に飛ばされて、そこでの唯一の心を許せる相手。そう思い始めていたから。

「ルークさん!探しましたよ」
背後から声を掛けられ、思考が打ち切られる。
振り向くと、昨日の兵士だった。

「オレ?何か用があるのか?」
「はい。今から城まで来て頂けませんか?王様から話があるそうです」
「えっ、王様が?」
「はい、付いて来て下さい」
そう言うと、返事も聞かずに兵士は歩き出した。

王様がオレに用・・・
勿論どんな用かまったく想像がつかない。
まあいい、ついて行けば分かる事だ。

兵士について行き、城に向かって歩き出す。
まあなるようになるさ・・・

つづく

517 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:42:46 ID:JmicaQ130
>>515
今日に→急に
です。

二度とこういうことが無いように気を付けます。
レスを無駄にしてスマン

518 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/18(土) 09:52:58 ID:eT5SAexF0


519 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/18(土) 23:04:31 ID:Sr6RQ7Sq0
オルテガ乙

展開も速いし伏線も気になる。
かなりいい感じ。

あと、誤字脱字くらいでそんな謝罪はイランかと。

520 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/19(日) 00:02:21 ID:3IMlwAI70
了解。

521 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/19(日) 00:21:30 ID:2QPWnaG/0
age

522 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:56:39 ID:1KspaAyc0
ヘンリーは死んだ。また一人、尊い命が奪われた。
こうして、人々は苦しみ、死に絶え、絶滅に時々刻々と近づいていく。
魔族の手によって。
テリーは人間…しかし、あれほどの狂気の沙汰を躊躇せずにやってしまうなど、魔族となんら変わりない…。
魔族を…この手で根絶やしにせねばいけない。殺戮で快楽を得る異常者を…。
殺戮者を殺し、根絶やしにする…。納得はいかないが、これ以外に方法がない…。
あれ程の殺戮集団を、この世から滅する為には…。



俺達二人は無言のまま、西の海辺の村に向かっていた。
俺が負ぶっている『物』…ヘンリーの遺体。
せめて…海辺の村に墓を建てようと思い、海辺の村まで運んでいる。
俺に力があれば…テリーを退け、ヘンリーも死ぬ事はなかっただろう。
だからヘンリー…見ていてくれ。俺は誰よりも強くなってみせる。
そして…憎き種族、魔族を根絶やしにしてコリンズを救ってみせる。



3時間程経っただろうか。俺達は、遂に海辺の村に到着した。
船が数隻ある以外、何も特徴のない平凡な村。
ここが…10日後に、人類の運命を賭けた決戦が繰り広げられる場とは到底思えないが…。
しかし、遥か北にある魔族の城が微かに見えた瞬間、その疑問が一気に解消した。
孤島に聳え立つ暗黒の城…これだけ離れていても、恐ろしいほどの魔力が押し寄せてくる感じがする。
最終的にはあの城に乗り込むのだろうか…上陸した瞬間、魔力に呑まれそうな気がしてならない。
いや、弱気になっている場合ではない。ヘンリーやボロンゴ達の仇を、俺が取らねばならないのだから。
それより、まずは墓を建てよう。ヘンリーの墓を…。
俺は決戦の際に巻き込まれないよう、村の端に墓を建てる事にした。
ミレーユに離れてもらう様に言い、地面に拳を垂直に突き立て、深呼吸をする。
「はぁっ!!!」
叫び声と共に拳を引き、一気に地面を抉り込む様に打つ。

523 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:57:15 ID:1KspaAyc0
ドォォォン!!!!
「きゃ!!」
轟音と共に砂が八方に飛び散り、一瞬地面から突風が巻き起こる。それに驚いたのか、ミレーユが声をあげる、
砂が目に入らないよう目を瞑り、風が収まると同時に目を開くと、そこには丁度人一人が入れる程の穴が出来ていた。
ふぅ、と溜息をつくと、今度はヘンリーを担ぎ、今俺によって作られた穴にゆっくりと寝かせた。
ヘンリー…これで…完全にお別れだな…。
後は砂で埋めるだけで、ヘンリーの顔を見る事は二度となくなる………。
俺は最後に、ヘンリーの右手を強く握った。暖かさを失った、冷たい手。
絶対にコリンズを助けるから…お前も…俺を見守っていてくれ…ヘンリー…。
お前が見守っていてくれたら…俺…絶対ゲマ達を倒せると思う…。
………じゃあな………ヘンリー……………。
俺は足元の砂を、力なく握り締めた…。
「お主達…何をやっておる?」
突然、隣から老人の声が聞こえてくる。
声のする方を向くと、紫のゆったりとしたローブを纏い、樫の杖をつく老人がいた。
「…墓を作ってる。魔族との決戦に参加しようとしていた奴だから、せめてここに墓を建ててやろうと…。」
そう言って、俺は黙々と砂をかけていく。
「…ふむ。ちょっと待ちなさい。」
「…?」
老人にそう言われ、砂をかけていた手を止めた。
老人はヘンリーの傍で膝立ちになり、胸の辺りに一目で痩せ細っているのがわかる、細く肌色の悪い手を乗せた。
数秒すると老人は胸から手を離し、ゆっくりと立ち上がった。
「この者…生き返らせる事ができる可能性があるぞ…。」
「何っ!?」
老人の言葉を聞いて、即座に驚きの声をあげる。
本当なのか?一度死んだ者を生き返らせるなど…普通では考えられない。
「まだ最近習得したばかりじゃが…試す時が来たか………蘇生魔法、ザオラルを…!」




524 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:58:18 ID:1KspaAyc0
ヘンリーにかけた砂を払い、老人の家に運んだ俺達は、老人が使っているベッドにヘンリーを寝かせた。
老人の名はカルベと良い、この村の長老であり、世界的にも有名な大魔法使いだそうだ。
「習得までに30年かかった蘇生魔法…まだこの世でわし以外に使える者はいないだろう…。わし自身も成功する自信はあまりない…あまり期待せんほうが良いかもしれんぞ。」
そう言って、老人はヘンリーの胸に手を添えて、何か呪文を唱え始めた。
生き返る可能性は低い…そう言われても、期待せざるを得ない。他に、生き返らせる術がないのなら。
「お主達も決戦に参加する者達か?」
「え?あ…まあ一応…。」
呪文を唱えておきながら突然話し掛けてきたので、一瞬応対に困った。
「ならば修行でもしておくといい…。この呪文はかなり時間がかかるでな…。」



外に出て、俺は剣の素振りをし、ミレーユは呪文書を読んでいるが、全く集中する事ができない。恐らくミレーユも同じであろう。ヘンリーの生死が決まる時に、修行に集中などできるはずもない。
出来れば…いや、絶対にヘンリーとゲマ達を倒したい。だから…生き返って欲しい。
絶対にザオラルを成功させてくれ…カルベ長老…。
「ごめんなさい…。」
家の壁にもたれかかって本を読んでいたミレーユが、いつの間にか涙目でこちらを見ていた。それを見て、適当に剣を振っていた手を止める。
「私があの時…弟を止めていたら…。」
ミレーユの眼から、頬を伝わり、涙が零れ落ちる。
「ミレーユのせいじゃない…。それに…生き返るのかもしれないんだから、泣くなよ…。」
「…そうね………。ごめんなさい…泣いてばかりで…。」
ミレーユは、か細い手で涙を拭う。
弟、テリー…。
何故テリーはあれほどまでに豹変してしまったのだろう。
単に人格が変わった…テリーの持っていた奇跡の剣の魔力…魔族に操られた…。
原因は色々挙げられる。ミレーユはいつかその原因を突き止め、テリーを助けるのだろう。

525 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:58:57 ID:1KspaAyc0
当然、それには協力するつもりだが…俺自身の問題はどうなのだろう。
ボロンゴ達の行方…元の世界に戻る術…。前者は、魔族に聞けば分かるかもしれない。だが、後者は?
この世界に来てから、一度も元の世界に戻る術など聞いた事がない。
もし、この世界で生涯生きていく事となったら…俺に居場所はあるのだろうか。
俺が異世界の人間と言う事実は誰一人知らない…。この際、相談するべきか…。
その時、長老の家の扉が、ゆっくりと開かれた。中から出てくるのは、カルベ長老。
「…!長老、ヘンリーは…!」
待っていた現実は、余りに酷なものだった。
目を閉じたまま、首を横に振るカルベ長老。その姿が、既にヘンリーの生死を物語っていた。
「くっ…!」
ヘンリーの死を信じたくなかったのか、勢い良く家の中に飛び込む俺。
が、その勢いは、ヘンリーがいる部屋の前に来た所で、ピタリと止まってしまった。
開けるのが怖い。答えはもう、分かっているのに。
いや、寧ろ答えが分かっているから、開けるのが怖いのかもしれない。
ドアノブに手をかけるも、手が大きく震え、ノブがカチャカチャと音を立てる。
が、それでも真実をこの目で確かめなければならないので、俺はドアノブを強く握り締め、ゆっくりとドアを開けた。
キィィ…と音を立て、ドアの向こうにあった光景は、やはりヘンリーがベッドで横たわっている姿………否、ヘンリーは上半身を起こしていた。
「心配かけてすまなかった…。」
ヘンリーは、確かに俺に喋りかけた。生きている…?…ヘンリーが…?
「…って事は…爺!騙しやがったな!」
「ひょーっほっほ!わしは死んだとは一言も言っとらん!」
畜生、ジジイめ。漫画に出てきそうな事やりやがって。後で魔人斬りの餌食決定。
「…テリーが…俺がお前を邪魔者扱いしていると言っていただろう。」
「…ああ。」
確かにそう言っていた。あいつの勝手な思い込みだろうと言い聞かせていたが…まさか、本当に…?

526 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/20(月) 00:00:11 ID:1KspaAyc0
「確かにお前は弱い。攻撃も防御も呪文も並以下。戦術も最悪だ。素質もないしな。」
「………。」
ここまではっきり言われると気分が良い。感謝したいぐらいだ。
「だが…一番信頼している奴を邪魔者扱いするはずないだろう?」
「信頼…?」
本気で言っているのだろうか。役立たずの俺を信頼しているなどと。
「普通の奴なら、この世界の現状を知った瞬間逃げ出すさ。」
まあ…確かにそうだが…。
とりあえずアテがないからヘンリーについていった、というのもあるだろう。正常な脳を持ってたらヘンリーについていかないと思うが…。
一番の理由は…やはりボロンゴ達と再会する事か。危険を冒してでも再会したい、と言う気持ちが俺をここまで来させたのかもしれない。
その時、ヘンリーが俺に手を差し出した。
「絶対に魔族を倒して…お互いの目的を果たそう。」
俺はその言葉に、握手で応えた。
ヘンリーの手を握った瞬間、ついぞ感じた事のないような暖かさを感じ、俺が抱えていた不安が薄らいでいった。

魔族との決戦まで、あと11日

Lv27
HP82/140
MP47/70
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き

527 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 00:08:07 ID:6KvRGDUJ0
なんじゃ、こりゃw

528 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 03:15:39 ID:WRHp5rlqO
age

529 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 04:32:46 ID:U2ygrKrMO
オルテガ氏、ローディー氏乙です!

530 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 05:32:25 ID:i1Ue5TwIO
凄まじいほどwktk

531 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 10:56:23 ID:uhstyoW9O
ローディ乙

532 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 15:49:20 ID:jrdLg4W7O
魚目は消えたんかな?まぁあいつおもしろくなかったし…
あいつのせいでこの板荒れたからいなくなってよかったねー

533 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 15:53:47 ID:i1Ue5TwIO
誤爆か?

534 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 17:13:30 ID:COQFI9pV0
ローディ乙!
帰ってくるのを待ってたぞー

オルテガ乙!
どんどん面白くなってきた。今後に期待

535 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 04:47:26 ID:dmebD8d00
>>516続き

城に着き、昨日と同様に王様の前に通される。

「ルークよ、突然呼び出して済まなかった。驚いたであろう?」
「いえ、そんな事は・・・」
昨日とは王様の雰囲気が違うように感じるのは気のせいか。
 
「あの戦士とは袂を分かったようだな。はっきり言って都合が良い。
 どうもあの戦士には信用のおけぬ気がしていた。どうやってお主だけに話せば
 いいか、正直迷っていたのだよ」
「オレだけに?」
「そうだ、今から話す内容は、絶対に国民には知られてならないのだ。
 もし、お主が私の頼みを断るとしても、その内容は自分の胸に秘めておく事だ。
 絶対に他言してはならない」
そう言って言葉を切り、じっとこちらを見つめてくる。
怖いほどの視線で。

「それでは話そう」
ゆっくりとした口調で話し始めた。

536 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:09:35 ID:dmebD8d00
「お主もこの世界中で起きている異変に気付いている事と思う。
 異常気象、モンスターの異常増加、そして世界を覆う澱んだ空気。
 これらの異変にはちゃんとした理由があるのだ。この異変を引き起こしている
 張本人はこの世界に突如現れた魔王だ。その名を『バラモス』という」
「魔王・・・バラモス・・・」

声が掠れている。
魔王だって?お伽話じゃあるまいし・・・

「そう、魔王バラモスだ。世界中の殆どの人々は、その存在にすら気付いていない。
 この異変に対して、何も分からずに怯える事しか出来ないのだ」
「・・・・・・」
それでオレにどうしろと?まさか、まさかな・・・

「数年前、このアリアハンから世界を救う旅に出た勇者がいた。その名を『オルテガ』という。
 勇者オルテガは闘いの末、魔物の手に落ちて命を落としたという」
王様は再び話を中断し、目を閉じて何かを考えているようだ。
まるでその頃を思い出すように。

「そして3ヶ月前、今度はそのオルテガの息子が旅立った。
 親の敵を討ち、世界を救う旅へと・・・
 その名は『トリスタン』という」

魔王バラモス、勇者オルテガ、そしてその息子トリスタン・・・  
 

537 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:29:00 ID:dmebD8d00
「トリスタンが旅立つ前に、現状報告を頻繁に行うように言っておいた。
 実際、最初の頃は報告が来ていたのだ。
 しかし、この1ヶ月間、報告が途切れ、消息は掴めぬままだ」
「・・・それで、オレへの頼みとは何でしょうか?」
「本題はこれからだ。消息が途切れたとはいえ、命を落としたという情報も入ってはいない。 
 私は何処かで生きていると信じているのだ」
 
「・・・・・・」
「お主への頼みとは、これから世界中を旅して、トリスタンの消息を探って貰いたい。
 そして無事に探し出す事が出来たら、今度はトリスタンの旅を助けてやってほしいのだ」
「・・・・・・」
 
あまりの内容に声も出ない。
一人の人間を探して世界中を旅する?
まるで雲を掴むような話じゃないか。
おまけにこの世界の事は殆ど分からないし、仲間もいない。
さらに一文無しの無い無い尽くし。
人探し以前の問題だ。
 
それに万が一見つかっても、今度は魔王退治かよ・・・
話にならない。

538 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:44:10 ID:dmebD8d00
こんな依頼を受けるのは自殺行為もいい所だろう。
なぜオレにこんな事を頼むんだ?
仮にもここは城じゃないか。兵士だって幾らでもいるだろうし、そいつらに行かせれば
いいじゃないか。
無関係のオレに頼むなんて、王様としてのプライドは無いのか?
・・・断ろう。

無言のオレに、尚も王様は話を続ける。
「今回、ナジミの塔のモンスターに報奨金を掛けたのもこの為だ。
 倒して来た戦士を直接見て、信用出来そうな人物ならこの話をしようと思っていた。
 そして私は自分の目に自信を持っている」

・・・そうゆう言い方は卑怯だ。
何とか上手く断らなければ・・・

「でも、オレには世界を旅する為の知識も無いし、仲間もいないので・・・」
「その点は心配無用だ。共に旅をする経験豊富な仲間をこちらで用意しよう」
 
オレの言葉を予想していたように、すぐに返事が返ってきた。
何か外堀がどんどん埋められて行くような・・・

539 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:09:01 ID:dmebD8d00
「ワシをその旅に同行させてほしいのじゃが」
突然の後ろの声に振り返ると、そこには魔法使いのような格好をした老人が立っていた。
いつからそこに居たのか・・・全く気配を感じなかった。

王様も驚いた顔をしている。
「マトリフ殿、何を言うか。第一、その老体で旅などと・・・」
「老体とは聞き捨てなりませんな。それにもう決めた事じゃ。
 息子が殺され、孫が行方不明などと・・・このままでは死んでも死に切れませんな。
 息子の敵を親が討つのは当然の事。止めて下さるな」
 
王様は困った顔を浮かべているが、やがてオレに向かって爺さんの紹介を始めた。
「こちらは勇者オルテガの父親である魔導士、マトリフ殿だ」

マトリフと呼ばれた爺さんは、鋭い眼光をこちらに向けてくる。
「たしか・・・ルーク殿でしたな。話は全部聞かせて貰った。
 どうじゃろう?このワシを連れて行く気は無いかな?ワシは若い頃に世界中を
 旅して回った。今回の旅にきっと役に立つと思うのじゃが、如何かな?」

どうだと言われても・・・
王様の話を聞いた限りでは、かなり危険な旅になりそうだというのに、こんな爺さんを
連れて行って大丈夫か?幾ら旅の役に立つと言われても・・・

・・・って、何で依頼を受けるのを前提で考えているんだ?
断るんじゃなかったのか?


540 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:26:28 ID:dmebD8d00
そんなオレをよそに、マトリフは王様に向かって、
「話はまとまった。旅の許可を頂きましょう。
 このマトリフとルーク殿、そして・・・もう一人ワシに心当たりの人間がいるので、
 その3人で行かせて貰う。そういう事じゃ」

ちょっと待てよ、このじじい。
オレは行くなんて一言も言ってない。
しかも、もう一人連れて行くなんて、なに勝手な事を言ってんだ!

「ちょっと待ってくれよ、まだオレは何も言ってないぜ」
抗議しようとするオレを遮り、
「今後の事を相談するとしよう」
そう言うなり、マトリフは外に向かって歩き出してしまう。

待て、話は終わってないぞ・・・
何でこの世界の人間はせっかちな奴ばかりなんだ・・・
救いを求めて王様を見るが、王様は既に諦めた顔だ。
「まあ・・・そう言う事だ。マトリフ殿と相談して、今後の方針を決めてくれ。
 また出発の時に顔を出すように」

そう言う事だって・・・なんてアバウトな王様なんだ。
こっちもどうでもいい気分になり、マトリフを追いかける。

それにしても、オレってなんて流されやすい男なんだ・・・
元々のオレがそうなのか、ルークという男がそうなのか・・・


541 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:44:39 ID:dmebD8d00
城を出てマトリフに追いつくと、待ちくたびれたという顔だ。
こういう所、誰かに似ている・・・

「若者のくせに、老人を待たせるとは・・・早く付いて来るのじゃ」
「待ってくれよ、マトリフさん。何処へ行くんだ?」
「ワシの家じゃよ。誰もおらんから話しをするのにちょうどいいからな」

マトリフに付いて町を歩く。
町の外れ近くの小さな家の前でマトリフは立ち止まった。
「ここじゃ」

中に入ると、最初に思ったよりも広かった。
周りには何やら実験器具のような物が置いてある。
そして本棚には難しそうな本がズラッと並んでいた。
どうやら何かの研究でもしているようだな。

応接室の様な所に通され、ソファーを勧められる。高そうなソファーだ。
座ってみると、体が沈んで行くほどに柔らかい。

「いつから一人暮らしを?」


542 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:04:24 ID:dmebD8d00
「3ヶ月前からじゃよ・・・オルテガが旅立ったのが8年前・・・その嫁は体が弱くてな。
 オルテガの死を聞き、後を追うように病気で逝ってしまった。
 それからはワシの手でトリスタンを育てて来た。トリスタンが旅立つ時、ワシも付いて
 行きたかったんじゃが、トリスタンは一人で行くと言い張ってな・・・
 それで一人という訳じゃよ・・・」

淡々と話すマトリフ、それでも家族への想いは痛いほど伝わってくる。
何も考えずに無神経な事を聞いた事を後悔する。

「悪かった・・・変な事を聞いて・・・」
「気にする事はない。別にそこまで孤独な訳ではないからな。何故ならば・・・」

その時、玄関の方から大声が聞こえて来た。
「お邪魔しまーす。マトリフさーん、入るよー!」

・・・明らかに女の、それも若い女の声だ。
「おう、噂をすれば・・・」
マトリフの顔が微かに綻んだ。

ドアが開き、若い女が勢い良く入ってくる。
短めに整えられた髪、少しきつめの目、美人に分類される事は間違いない。
それにしても若い。まだ16,7位じゃないか?

ひょっとしてこの爺さん・・・
マトリフを軽蔑の目で見てやった。 

543 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:23:10 ID:dmebD8d00
「こら、何を想像しておるか!この娘の名は『ミリアム』じゃ。
 まあワシの助手のようなもんじゃ」
慌てるとこが怪しい。

ミリアムと呼ばれた少女は心外といった顔でマトリフを睨んでいる。
「ちょっと待ってよ、いつ私がマトリフさんの助手になったのよ?
 ・・・ところであなたは?」
今度はこっちを見て聞いて来る。
「あ、オレの名はルーク。えっと・・・」

今の状況を話そうとして思い留まる。
王様に他言無用と言われたのを思い出したからだ。

しかしマトリフは
「大丈夫じゃよ、この娘は全てを知っておる」
そう言ってミリアムにオレの事を説明し始めた。 
王様に頼まれた内容、それにマトリフも付いて行く事も。

「トリスタンを探す旅?私も行く!絶対に行く!」
説明が終わると同時にミリアムが叫ぶ。
「でかい声を出すな!お前がそう言うと思って、王様には伝えておるわ」
 
・・・ハイ?今、何と言いましたか?
「うむ、先ほどワシが言っていたもう一人とは、この娘の事じゃ」
「さすがマトリフさん!こういうのって以心伝心って言うんだよね?」
そう言ってはしゃぎ回るミリアム。
オレはまた頭痛が酷くなって来た・・・

544 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:29:43 ID:dmebD8d00
オレの苦悩などには気付かず、あくまで明るい声でミリアムは
「よろしく!ルークさん、一緒に頑張ろうね」
と言って、手を差し出して来る。

その手を握りながら、遂に悟りの境地に達する。
世界を旅する仲間が爺さんと小娘か・・・
まあ、爺さんとの2人旅よりはナンボかマシだよな。


・・・待て、別に行くと決めた訳じゃないぞ。

545 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 09:14:50 ID:dmebD8d00
マトリフは用事があると言って出かけて行き、ミリアムと2人きりになる。
ミリアムからトリスタンの事を聞く。
2人は幼馴染で、兄妹同然に育ったと言う。
トリスタンが旅立つ時に付いて行こうとしたが、マトリフ同様、置いてかれたそうだ。

「連れて行けないって言われて凄く悔しかったんだよね。
 私なりにトリスタンの役に立ちたくて、色々特訓してたのに・・・」
「女の子を危険な目に遭わせたくなかったんだと思うけどな」
「それくらい分かってるよ。でも、そんな考え方おかしいよ。
 トリスタンは昔から全てを一人で抱え込もうとするのよ。私はそばで見ていたから分かるの。
 だから尚更力になりたかったのに・・・一人で出来る事なんて限られてるじゃない。
 そうでしょ?」
 
一応フォローのつもりだったが火に油だったようだ。
ただ、ミリアムの想いは十分に伝わって来た。
遊び半分でついて行きたがっている訳じゃないようだ。

オレもそろそろ結論を出す時だな・・・
最初は断るしかないと思っていた。
しかし冷静に考えて、断ってそれからどうする?
断れば、当然今後に何の当ても無くなる。金も無いし今日泊まる所すら不自由するだろう。

それに失った記憶を取り戻す事、そして元の世界に帰る事。共にどうすればいいか、見当も付かない。
依頼を受けて世界中を旅すれば、それに対する手がかりを掴めるかもしれない。

最後に・・・アモスの事だ。あんな目にあったが、やはり又会いたい。
会ってどうしたいのか、自分でも分からない。それは会ってから考える事だ。

それらを考えたら・・・何だ、結論なんて出ているじゃないか

つづく

546 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 12:34:38 ID:sMjgW5A6O
オルテガ乙

547 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 13:42:41 ID:JhVkDqXzO


548 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 22:14:18 ID:fFXuhxIjO
亀レスだが…

ヘンリー(´;ω;`)ウッ…

549 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/22(水) 01:39:00 ID:hbRyLJzT0
オルテガGJ
テンポが良いし文章も読みやすいね。
ただ、テンポが早すぎて状況が分かりにくい部分もあるかな。
その辺のメリハリを付けるともっといいと思う。

他の職人も帰って来てくれー!
期待age


550 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/22(水) 22:22:03 ID:xfCAwDPXO
だるそうな主人公とか出ないかな。エイコさんみたいな…

551 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:05:16 ID:SzDnHggt0
カタリナが俺達を呼びに来て、リアたちがいる部屋に戻った。
部屋に入るとリアとムーンブルグの王女が仲良く話している。

  リア「そうなんだぁ〜」
  王女「ふふふっ。それでね………」

カタリナ「失礼します。王女様。もょもと王子とサマル王子をお連れしました。」
タケ「よう。」
  王女「あっ!変態王子!!」
  タケ「誰が変態王子だと!?お前の一方的だろうが!表出るか!?」
  リア「(ビクッ)」
カタリナ「いくらもょもと王子でも暴言は許しませんよ!!」
 サマル「お、落ち着いて。もょ………!カタリナさんも、ね?」

いきなり変態扱いかよ。たまったもんじゃないな。

 王女「どうしてくれるのよ!」
 タケ「悪かったよ。すまん」
 王女「ふん!素直に謝ったから許してあげる。」
 タケ「はぁ?」
 王女「いいから感謝しなさい!」
 タケ「わかったよ。」

全く美人でも短気な女は嫌なもんだ。


552 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:06:20 ID:SzDnHggt0
サマル「そ、それでね。ムーン王女。トーマスさんの事なんだけど」 
ムーン「ムーンでいいわよ。いったいどうしたの?」
サマル「ご、ごめん。僕が一晩中治療していたのだけど下半身不随なんだ…」
 タケ「トーマスさんはハーゴンの手下にベギラマを喰らって致命的なダメージを受けたんだ。サマルが何とかしてくれたのだが駄目だった。サマルなりに頑張ってくれたんだけどさ。」
ムーン「そうなの………私に任せておいて!」
 タケ「何とかなるのか?ムーン?」
ムーン「とにかくトーマスの所に案内して頂戴。」
 リア「ムーンさん案内するね。」

俺たちはトーマスがいる部屋に向かった。

トーマス「あっ……お、王女様。申し訳ございません。私が不甲斐ないために…」
 ムーン「いいのよ。あなたが無事でよかったわ。」
トーマス「けど私は足が動かないのです…」
 ムーン「ちょっと待ちなさい。すぐ治してあげるから。」

ムーンがなにやら唱え始めた……………………


 ムーン「ベホイミ」



553 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:08:11 ID:SzDnHggt0

何と言う事でしょう…………トーマスの火傷の後が無くなっていったのだ。

トーマス「おおっ……足が…足が動く…」
  タケ「すげぇ…」
 ムーン「上手くいって良かったわ。これで一安心ね。」
カタリナ「あ、ありがとうございます!流石王女様ですね!」
 サマル「僕のホイミと大違いだ………」
 ムーン「サマル。貴方が応急処置してくれたおかげで上手くいったのよ。」
 サマル「そ、そうなの?」
 ムーン「ええ。何も手当てをしていなかったらトーマスは死んでいたわ。」
  タケ「俺も薬草の手当てをしたんだけどな。」
 ムーン「もょもと。薬草は確かに万能な効果はあるのだけど精々軽い軽傷の時ぐらいしか使えないわ。治療する対象が重傷な場合はあまり効果が無いの。」
  タケ「そうなのか…しかし重傷の時に使える道具は無いのか?」
 ムーン「見聞学だけど上薬草や特薬草って呼ばれる道具があるらしいわ。中々市場には出回っていない。初級呪文で治療する場合は継続的に唱えなければいけないのよ。」
 サマル「しかしべホイミってホイミの上級呪文だよね?」
 ムーン「それで合ってるわよ。サマルも覚えたほうが良いわよ。」
  リア「ねぇねぇ、ムーンさんはどうやってべホイミを唱えられるようになったの?」
 ムーン「私の場合は3年前から呪文の特訓をしていたのよ。それで使えるようになったわけ。」

この娘…性格が高慢な所を除けばかなり頼りになるな。

  もょ「じゃあすうじつかんとっくんしよう。みんな。」
  タケ(い、いきなり出てくんなや。びっくりしたやないか!)
  もょ(すまん。わるいけどタケ。フォローにまわってくれ。みんなにだいじなはなしがしたい。」
  タケ(わ、わかったで。)

もょもとの雰囲気が普段と違う…何があったのだろうか?思わず言葉を詰まらせてしまった。
 

554 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:10:10 ID:SzDnHggt0

 ムーン「一体どうしようとしているの?もょもと。」
  もょ「ぜんたいてきにレベルをあげなければいけない。そこでだ。サマル。」
 サマル「何だい?もょ。」
  もょ「トーマスさんからええっと…やりの…なんだったけな…」
  タケ(槍術ね)
  もょ「そう、そうじゅつをおしえてもらってくれ。くさりがまじゃやくぶそくだ。」
 サマル「そんなのキツいよ。僕はもょみたいに力があるわけじゃないよ」
  もょ「なにをいっているんだ。サマルはききかんをかんじなかったのか?きとうしとたたかったときに。」
 サマル「うっ…」
  もょ「さいあくのばあいぜんいんがしぬかのうせいもあるんだ。これをきもにめいじておかないとダメだぞ!」
 サマル「わ、わかったよ。」
  リア「もょもとさん。私はどうすればいいの?」
  もょ「ムーンといっしょにじゅもんのとっくんをしてくれ。できればカタリナさんにけんじゅつのほうもおそわってほしい。」
  リア「うん!私も剣術を学びたい所だったのだから頑張ってみるね!」
  もょ「じゃあおれがつかっていたせいどうのつるぎをわたしておくよ。」

もょもとはリアに青銅の剣を渡した。
 
 ムーン「もょもと、貴方はどうするの?」
  もょ「もういちどムーンブルグのしろにいく。むだあしかもしれないがごせんぞさまがのこしたものがあるかもしれないからな。」
 ムーン「なぜそう言い切れるの?」
  もょ「ムーンみたいにじゅもんがつかえるひとがおおかったとおもう。なにかあるかもしれないっておもってさ。」
 ムーン「一人で行くつもり?」
  もょ「もちろん。じゃあまかせたぞ!」
 ムーン「ちょっと!勝手に行かないでよ!」

もょもとは町の外に向けて走り出した。こいつ足が早ええええええええええええええええ!!!!!1111!!!


555 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:11:56 ID:SzDnHggt0
 もょ「はあっ!はあっ!」
 タケ「どないしたんや?急に。お前らしくないなぁ」
 もょ「まぁ、たまにはおれたちだけでもいいかなっておもってさ。」
 タケ「それはちゃうやろ〜?んん?もょもと君。」
 もょ「な、なんだよ。タケ。」
 タケ「もしかしてちょっと恥ずかしかったんやろ?もょ?」
 もょ「そ、そんなことなかったぞ。」
 タケ「そんな事ないよな。って俺には誤魔化す事は不可能やで。」
 もょ「な、なんでもないぞ。ほんとうに。」
 タケ「まぁええわい。深入りはせんとこ。それより何かあるんか?ムーンブルグに」
 もょ「ああ。むかうりゆうはおれのかんだよ。」
 タケ「えっ?それだけなんか?」
 もょ「おう。」
 タケ「話は変わるけど俺から言えることは一つあるで。もょ。」
 もょ「なんだ?」
 タケ「恋愛は沢山して経験を積むことや。それがお前自身にとって糧になるからな。覚えておき。」
 もょ「な、なんだよ。きゅうにそんなことをいいだして…」
 タケ「気にすんな。俺の独り言やで。とにかくムーンブルグに向かいますか。」

しばらく歩いて行く内に誰かが呼ぶ声がした。

 タケ「おい。もょ。誰かが呼んでいるで。」
 もょ「だれだろう?」

段々人影が見えてきた…………………… 

556 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:15:46 ID:SzDnHggt0
ムーン「もょもと〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 タケ「ムーンちゃんやないか。良かったな。もょ。」
 もょ「バ、バカ!なにいってんだよ。」
 タケ「まぁ俺は楽しませてもらうわい。」

ムーン「ようやく追いついたわよ!はぁ〜疲れた。」
 もょ「どうしたんだ?ムーン?」
ムーン「案内役は必要でしょ。勝手に行動されたら困るわよ!それに私の方がお城について詳しいわ。」
 もょ「おお、たすかるぞ。ムーン。よくトーマスさんたちがきょかしたなぁ。」
ムーン「気にすることは無いわ。私は当たり前の事をするだけよ。さっさと行くわよ!」
 もょ「なにあせっているんだ?ムーン?」
ムーン「べつにあせってないわよ!もう!もょもとの馬鹿!!」

こりゃ〜オモロイ展開になってきたでぇ!俺は楽しく静観するとしますか。

俺たちはムーンと一緒にムーンブルグの城に向かう事にした。
 
もょもと&タケ
Lv.12
HP:86/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)


 

557 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/23(木) 11:24:19 ID:S3uWuhQO0
オルテガ、レッドマン乙

558 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/23(木) 14:23:05 ID:AhbpzWtrO
レッドマン乙。

B級ラブコメみたいだが個人的には後の展開に期待する。

559 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/24(金) 04:38:45 ID:s4mPwJ/60
人格で技チェンジってのは結構面白い要素だと思う。
ゲームならいざしらず、小説で上手く使えるかは賭けだと思うけど。

560 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/24(金) 07:35:49 ID:s98xS4Vd0
つーか眠りや麻痺状態でも交代すればokだしな。
いい意味で素人っぽくて斬新だと思った。
プロ作品なら御都合主義と叩かれそう。

561 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/24(金) 14:04:49 ID:45sH5Ad/0
書き手は以前より減ったけどそれぞれ作風が違っていいね

新人さん出てこないかなー

562 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 08:49:50 ID:6NU2zzLT0
やっぱこの手のSS書くときは攻略本とか必要だよな・・・
世界観やそういうのを知るためにも。

オリジナルで書いてる職人さんもいるようだけど
俺だと知識不足かもしれんな。。。

563 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 09:18:58 ID:2KJnE6XaO
記憶ないとそこの世界の住人だから問題ないけど
記憶あったらスライムぐらい倒しに行こうとするかもな。

あとは町の外に出て「メラ!」とか叫んじゃうんだろうな
で魔法出なくて恥ずかしくなってるに違いない!

564 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 11:12:37 ID:F7iVVm5p0
職人さん降臨待ち

565 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 13:41:49 ID:G8TfpNvM0
もし目が覚めたらDQ世界か・・・

場所によるが、カワイ子ちゃんがいれば文句なしだぜ?

566 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/25(土) 15:08:40 ID:KX6w/5ZI0
その日は泥のように眠った。丸々一日動き続けた反動で、体のあちこちが痛んだ。
夢の入り込む隙間もないほど深い睡眠に落ちていく。
目を覚ましたら元の生活が待っていて、バイトに明け暮れ何となく過ぎていくだけの日々が始まる。そんな
ことを少しだけ、考えたりもした。
けれど、目覚まし時計のかわりに私をたたき起こしたのは、
「おーい起きろ! 朝だよ朝!」
やたらと気合の入ったまだ聞きなれない女性の怒鳴り声だった。
やっぱりこれは現実なのだ。……認めたくないけど。

備え付けの部屋着を、昨日目覚めてからずっと着たきりスズメの一張羅に着替えて、宿の部屋を出る。
カウンターでチェックアウトの旨を伝えているミモザを私はぼんやりと見ていた。まだ眠い。だるい。
「ところで」
緑のオヤジに話しかけていたミモザが、ふと声を潜める。
「この町に強盗が来たって話を聞いたんだけど?」
……やっぱりやる気か。殺る気と書いてやる気。結局、強盗退治なんて危ないと思います(><)という私の
意見はまったく耳に届かなかった。……うー、行きたくない。
「ああ、聞きましたか、お客さん」
溜息をはく私をよそに、宿屋の饅頭ダヌキは訳知り顔で口を開いた。

「そうなんですよ。十日ほど前ですかね……突然現れたんです。この宿は襲われずにすみましたが、道具屋や
武具の店なんかは大変だったみたいですよ。
民家にも押し入ったそうで、金目のものから食料までかなりの被害だったとか」
そしてカウンターに肘を突き、オヤジは話を続ける。どうやら結構喋りたがりのようだ。
「それと、……ちょっと情けない話なんですがね、私どもも一応抵抗はしてみたんですよ。
けれどもこれがまた全然歯が立ちませんで。武具屋の旦那なんか怪我が元で寝込んじまってる始末。それも
たった数人の賊に……おっそろしく暴力的な奴らですね、あの強盗どもは」

567 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/25(土) 15:09:21 ID:KX6w/5ZI0
「ふうん……で、そいつらはどこに?」
ミモザがその続きを促すように相槌を打つ。肝心の情報はまだ出てきていない。

「それがですね、どうもまだこの近辺をうろついてるみたいで……残念ながら私には『どこ』とは分からないのですが、
おそらく近くに根城でも構えているんでしょうな。
それとこれは愚痴になるんですが……昨日も現れまして、その、今度は奪うのではなく、奴らがかっさらっていった
あれやこれやを馬鹿高い値段で売りつけてくるんです。
もともとは自分のものだったとは分かっているんですが、何分逆らえないもんですから、大金出して取り戻す人も
少なくありません」
そこでようやく口を閉ざした宿屋の旦那は、疲れたように溜息を吐き出した。
「まったくもう、住民一同泣き寝入りですよ」
昨夜のミモザの予想は、どうやら大方当たっていたみたいだ。ぽそっとさすが同業者、と言ったら、あんな野蛮な奴と
一緒にするなと鞭を鳴らされた。私だけでなくオヤジも飛び上がる。だからミモザさんこわいってば!

「そうか、よく分かった。ありがとう」
これ以上聞くことはないと踏んだ彼女は、旦那に金貨を一枚渡す。情報料、といったところか。
「クロベ、行くよ? あんたは何かいいの?」
「何か?」
「聞くこと。ないならいいけど。……ないでしょ? ないね? さ、行こう。悪かったね、旦那」
ほんと無理やりな人だなぁ。

568 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/25(土) 15:10:04 ID:KX6w/5ZI0
「あの、ちょっと待って、一つだけ!」
なかば引きずられるようにしながら、私は慌てて口を開いた。
「昨夜の前、私を宿まで運んでくれた人がいたって言いましたよね? それって、どんな人だったんですか?」
「……」
宿屋の主人は私の顔をまじまじと見る。そして沈黙する。
そんでもってもう一度まじまじと見て、ようやく思い出したように目をぱちくりとさせた。
「ああ、昨日の困った方でしたか!」
「困った方……」
何かムカつく。けど、とりあえず認めざるを得ない。オヤジの意図する意味とは違えど、困っていたことに違いはない。
「まあそうですけど。で、おとといの私の連れさんて、どんな方なんですか」
もしも会ったら、……もしも会えたら、お礼を言いたかった。こんな世界に突然やってきて、目が覚めたら魔物の腹の
中だった、なんて笑い話にも出来ない。いやいや、笑い話に出来る私がまずいなかっただろう。
「教えてください、お礼、言いたいんです」
全身緑の服を着込んだタヌキ親父は首をかしげ、思い出そうとしている。緑のタヌキか。……そば食べたくなってきた。
「そうですねぇ……紫色のマントを羽織っていて、ずいぶん大振りの剣を背負ってましたね。あとは……少年のような
ナリをしてましたけど、多分女性の方だと思いますよ」
紫色のマントに、大きな剣の女の人。口の中で何度も何度もその言葉を反芻したせいだろう、隣で同じように
その特徴を呟くミモザには、ついに気づかなかった。

クロベ Lv1 フリーター
HP 17/17 MP 0/1
E かれえだ E ピーコート ミモザのにもつ

569 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 15:15:07 ID:o8J9oamt0
>>565
ククール乙

570 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 15:42:21 ID:F7iVVm5p0
クロベさん乙です

571 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 22:58:59 ID:8RMlxeRE0
「お主達、魔族との決戦に参加すると言っていたが…本気か?」
まだ全快には至っていないヘンリーをベッドで休ませたまま、俺達は海辺で長老と話をしていた。
「決戦に参加せずに逃げても、いつかは殺されるだろうし…何より魔族には借りがある。倍にして返すつもりだ。」
俺は右拳を強く握り締める。魔族への怒りは微塵も風化していないようだ。
「そうじゃったか…。」
カルベ長老は僅かに笑みを零す。
「お主達のような勇気ある若者がいるとは思いもせんかった…。まだ、希望はあるかもしれんな…。」
遥か北に見える魔族の城を睨み続けていたカルベ長老が、今度は海辺の村に視線を変えた。
「この村にも、1ヶ月前には大勢の村人が住んでいた…。皆、呪文の知識に長け、中には中級呪文を操れる子供などもおった…だが…。」
カルベ長老の表情がガラリと変わる。今まで微笑んでいたのに、突然悲しみに満ち溢れた表情を浮かべた。
「魔族が攻めてくると知った途端、この有様じゃ。わし以外皆、村から逃げていきおった…。」
多くの呪文を操れる村人達ですら、逃げていったのか…。やはり、それ程魔族は脅威の存在なのだろう。
俺達の行く先々で、人々の悲痛な叫び声を聴かされる。魔族は、どこまで恐ろしいんだ…。
「わし一人でも魔族と戦うつもりじゃったが…正直なところ、確実に死ぬと思っていた。魔族の強さは嫌というほど実感しとるからな。」
カルベ長老はふぅ、と溜息をつき、俺に視線を合わせた。
「じゃが…今は違う。お主達のような者がいれば、魔族を倒すことも可能かもしれん…。」
カルベ長老が杖をつきながらゆっくりと歩き、ミレーユの前で止まる。
「ミレーユ…じゃったか。これを持っておきなさい。」
カルベ長老は、銀色の素朴な首飾りを外すと、ミレーユに手渡した。
「これは…?」
「…お守りのような物じゃ。大切にするんじゃよ。今日はもう遅い。この村の宿を使うといい。」
そう言って、カルベ長老は家に戻っていった。




572 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:00:02 ID:8RMlxeRE0
次の日、ヘンリーはすっかり全快し、既に修行に励んでいた。
俺はヘンリーと剣術修行を行い、ミレーユはカルベ長老に呪文を教わっていた。
決戦に参加する他の戦士達と修行をするのが望ましいのだが、生憎誰も来ていない。『まだ来ていない』のか、『誰も来ない』のかは分からないが…。
ただ、生きている限りカンダタとエテポンゲが来るのは確かだ。今の時点では、カルベ長老を含め6人…思いのほか少ないが、奇跡が起きれば、或いは…。
「隙だらけだ!」
ヒュンッ
剣が空を切る音が響く。俺の左腕を、ヘンリーの剣が掠っていた。
危ない所だった。戦闘中に考え事などしている暇はない。相手が魔物だったら死んでいたかもしれん。
「掠ったか…。中々反応が良くなってきたな。」
とヘンリーに言われるものの、まだまだヘンリーにはかなわない。先程から、ダメージを受けては回復、受けては回復という拷問に近い修行を続けている。
「メラ!!」
ボウッ
俺の左方向から小さな火球が放たれ、俺に直撃した。明らかにおかしい。ヘンリーは俺の目の前にいるのに。
メラを放ったのは、カルベ長老だった。杖先が真っ直ぐこちらに伸びている。
「まだまだ甘いのう…。決戦は1対1で行われる訳ではない。常に自分と戦っている相手以外にも警戒をしておくんじゃ。」
確かに。どうも1対1に慣れすぎていた。完全に不意を突かれてしまったようだ。
「時々わしのメラが飛んでくるから、常に警戒しておくんじゃ。いつ飛んでくるか分からんぞ。」
完全に拷問だ…ただでさえ俺より遥かに強いヘンリーと1対1で戦わなければいけないのに、メラまで飛んでくるとは…。

「やっと着いたぞ!」
俺が再び剣を構えた瞬間、村の入り口から声が聞こえてきた。
そちらの方を見ると、全身痣や切り傷だらけの旅人らしき者が4人いた。

573 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:01:07 ID:8RMlxeRE0
「お前達は?」
ヘンリーが、旅人達に歩み寄る。
「俺達は魔族との決戦に参加する為にこの村に来た。」
金髪のリーゼント頭の剣士が一歩前に出て、ヘンリーに答えた。
「何、それは本当か!?」
「ああ、このまま黙って魔族にやられる訳にはいかないからな。俺達も協力させてもらう。」
一気に仲間が4人も増えた。それは喜ばしい事だ。が…。
俺は心の底から喜ぶ事は出来なかった。その4人の中に、カンダタも、エテポンゲもいなかったのだ。
まあ、まだ10日あるからそれまでに来る可能性は十分あるんだが…。
それにしても気になるのは、この4人の面々。どうにも既視感が拭い去れない。
金髪のリーゼント頭の剣士、小柄で軽装の盗賊風の男、フンドシとマントの変態男、全身防具で身を堅め、顔以外覆い被さっている戦士。
「む…君は、あの時の地下の魔物を倒してくれた少年!?」
フンドシの変態が俺に迫り来る。一瞬生命の危機を感じ取ったが、あまりの恐怖に動けなかった。肩を鷲掴みにされる俺。
「久しいな!君が仲間に加わってくれるとは、頼もしい!」
…ようやく思い出した。地下が虫に占領されていた城の変態王か。どうりでこのインパクトのあるフンドシにデジャヴを感じた訳だ。
しかし、この変態王強いのか?あの時は虫程度に恐れをなしていたのに…。
「ん?おお!わが城の試練を乗り越え、魔物を倒して洞窟を開通させてくれたあの時の少年か!」
今度は、リーゼント。
「お、お前は…宿屋の女を助けるために俺のアジトn




574 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:01:54 ID:8RMlxeRE0
取り敢えず長老の家に入って一旦場が落ち着いた。
どうやらフンドシ=変態王、リーゼント=ブラスト、盗賊=盗賊の頭(エテポンゲの親分)らしい。また懐かしい奴が揃ったな。
結局、無言のまま全く喋らないもう一人の戦士の正体は分からなかったが、やはりどこかで見た事がある気がする。
「ふむ…今のところ8人か…。まさかこれ程集まるとは思わなかったわい。」
俺も、正直カンダタとエテポンゲ以外にはもう誰も来ないと思っていた。まさか、魔族に対抗しようと思っている奴がまだこんなにいるとは。
これは魔族討伐も夢ではなくなってきたかもしれない。いや、確実に『現実』にしてみせる。
「実はな…先日、魔族達がわしにあることを言いに来たんじゃ…。」
突然重々しく口を開くカルベ長老。
「魔族が直接…?一体何を…?」
緊迫した雰囲気の中、俺はカルベ長老の言葉を待った。
「『部隊長ジャミ、ゴンズの他に、部隊員は50。それと、魔族の秘密兵器を用意してきてやる。覚悟していろ。』…と。」
「ご…50…だと…!」
一瞬で部屋全体、いや、世界が『絶望』で埋め尽くされる。
俺は、荒野に生息する野生の魔物ですら対等に戦えない。50匹の部隊員は魔族の城の奴らで、恐らく野生より知能も高く強いだろう。それが、50…。
それに、秘密兵器とは…?武器…?最強の魔物…?それとも他の何か…?
とにかく今分かることは、この瞬間俺の中にある『希望』が『絶望』に変わってしまったということだ。
「面白い…。」
皆が絶望の表情を浮かべる中、ブラストは一人薄ら笑いを浮かべていた。
「数が50?秘密兵器?面白いじゃないか。相手にとって不足はない。」
どうやら、相当の覚悟をしてきているようだ。このブラストという男は。
「わが城の王や兵士、住人、そして世界の人々の為にも、俺は魔族を倒してみせるぞ!」
拳を強く握り、歯を食いしばるブラスト。

575 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:02:33 ID:8RMlxeRE0
「そ、そうだな…。」
「どうせ捨てる命だ。とことんまでやってやろうじゃないか。」
「ビビってる場合じゃない!やってやろうみんな!」
本心なのか一時的な感情の高ぶりなのか、皆が、ブラストに煽られ奮起する。
「決戦は近いぞみんな!今まで散々弄ばれた分、ここで返り討ちにしてやろう!」
「おお!!」
その日は夜も遅いので全員が早々と眠りについた。



「はぁ…やはり一時的に感情が高まってただけかもしれないな…。」
宿のベッドに横になり、ぶつぶつと呟く俺。あれから数時間、既に怖気づいていた。
数が50、というのは冷静に受け止めている。ギリギリ許容範囲だ。
俺が気になっているのは、秘密兵器。
どうも胸騒ぎがする。この『秘密兵器』というのを聞いた時から…。気のせいだろうか…。
カチャッ
突然ドアが開かれる。そこに立っているのは、例の謎の戦士。
戦士は先程の重装備とは違い、ステテコパンツ一枚という大胆な格好をしていた。
「どうした…?」
戦士は何も言わず、俺に歩み寄る。
不気味だ…。一体何を考えているんだ…。何故突然俺のところに…。
「やはり忘れちまったか…俺のことを…。」
「えっ?」
戦士が初めて口を開いた。『忘れちまった』とは…やはりどこかで会っていたのか?
「まあ…会ったのはほんの数分だったしな…忘れていても仕方ないだろう…。」
と言われるものの、全く思い出せない。どこかで見たことはあるんだが…。

576 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:03:05 ID:8RMlxeRE0
「俺だ。魔物に畑を荒らされていた村の、武器屋だよ。」
「あ………ああー………。」
言われてみるとそんな気が……ん?
待て、確かあの村の武器屋は…。
「暫く見ない内に、随分良い体つきになったな。どうだ、今夜一緒に…。」
「うぎゃああああああああああああ!!!!!!」



次の日、俺とカルベ長老を除く6人は、呪文や剣の修行に励んでいた。
武器屋の腹に大きな切り傷が出来ており、皆が心配そうにしていたが、当然俺だけはスルーだ。
それはいいとして、俺はというとカルベ長老とある話をしていた。
「結論から言うと、無理じゃな。」
がくりと俯く俺と、優雅にコーヒーを飲むカルベ長老。
俺はカルベ長老に稲妻の呪文を教えてもらうよう頼んだが、一言目でその希望を断ち切られた。
畜生、大魔導師のカルベ長老なら容易に教えてくれると思ったんだが…。
「昔はただ一人、勇者と呼ばれる者が使えたが…今は誰一人として使えるものはおらん。わしに使えん呪文がお主に使える訳ないじゃろう。」
「いや待て、俺が勇者の血をひいている可能性が…。」
「たわけ!お主のような頼りなさそうな奴が、勇者な訳ないじゃろうが!」
確かにそうだ。第一俺は異世界から来たんだし、勇者な訳がない。
「諦めて、剣の修行でもするんじゃ。稲妻の呪文など、使おうと思うだけ時間の無駄じゃぞ。」
そう言い残して、カルベ長老は部屋を出て行く。
が、それでも俺は、あの稲妻の呪文が使いたかった。あの時見た稲妻の威力は、それ程凄かったのだ。

休憩時間、就寝前、早朝訓練の前。俺は少しでも時間があれば、雷鳴の剣をいじって、この剣を利用して自分の魔力で稲妻を出そうとした。
が、そんな努力も虚しく、雷鳴の剣は稲妻を放つどころかピクリとも反応しなかった。
そうして、無情にも瞬く間に月日が流れ、決戦前夜………。




577 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:03:37 ID:8RMlxeRE0
「まず、ブラストとヘンリーが前線に立ち…。」
カルベ長老が書いた海辺の村の図を見ながら、作戦会議が行われていた。
皆が集中してカルベ長老の話を聞いている中、俺はと言うと全く集中できなかった。
まだ、カンダタとエテポンゲが来ていないのだ。
決戦前夜…もう二人が来る望みは薄い。もしや、二人ともどこかで魔物に…。
いや、あの二人に限ってそんな事がある筈がない。
きっと、今日の夜中に颯爽と現れるんだよな…そう…だよな………。
自分にそう言い聞かせるも、最早そんな考えは俺の中で消えかかっていた。
それに反比例して膨れ上がる思いは、二人の『死』だけだった。



暗黒の雲の遥か彼方で、月が力なく輝く深夜。波の音をBGMに、波打ち際で夜風に当たる俺。
決戦を次の日に控え、俺の意識は覚醒していて眠れなかった。
明日、ここが戦場になるとは考えられないほど、辺りは静まり返っていた。
ここが魔族の墓場となるか俺達の墓場となるか…全ては明日、決まる。
「眠れない…のか?」
突然俺の後ろから声がする。声の正体は、ヘンリー。
「ああ…。決戦のこともあるけど…それより…。」
「カンダタのことか…。」
「………。」
やはり、ヘンリーも気になっていたようだ。未だ姿を見せないカンダタが。

578 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/25(土) 23:04:18 ID:8RMlxeRE0
「あいつのことは…もう何も言うな…。お前も、分かっているんだろう…。」
「………。」
やはり、カンダタはもう………。じゃあ、エテポンゲも………?
俺達二人でもかなわなかった闇のドラゴンを一人で倒したエテポンゲが…まさか…そんな事が…。
使えなかった稲妻呪文…。
魔族の秘密兵器…。
そして、現れないカンダタとエテポンゲ…。
決戦を前に抱える俺の不安は、あまりに大きすぎるものだった。

魔族との決戦まで、あと1日

Lv32
HP167/167
MP88/88
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き

579 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/25(土) 23:09:33 ID:pYfjE/wWO
ローディ乙

580 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/02/25(土) 23:59:56 ID:47zyAGXv0
「あぁ?」
目が覚めて一言目に出た言葉がそれだった。
それはちらかった自分の部屋とは全く違う空間だった。
殺風景な部屋の清潔なベットの上に俺は寝ていた。
とりあえず昨晩のことを思い出してみる。
(えーと、たしか仕事から帰ってきてG1ジョッキーやってて
 いつの間にか寝たんだよな。どうなってんだこりゃ。)
とりあえず部屋の外に出てみることにした。
そこには豪華な廊下が広がっていた。
(なんだここ?まさか北に拉致されたか!?何で俺が・・・。
 うそだろ・・・。俺も曽我ひとみとかの仲間入りかよ。
 冗談じゃねぇ!!)
※「おや、目が覚めましたか!よかった。」
俺「おわ!?」
突然後ろから声がしたので振り向くとそこには太った中年
のオッサンが立っていた。人が良さそうである。
俺「あ、どーも。あの、ここは?」
※「今日の明け方頃、あなた神殿の外に倒れていたそうですよ。
  でこの宿屋に運ばれて来たんです。あ、ここはダーマ神殿
  です。いくらなんでも知ってますよね。」
俺「・・・。はぁ!?wダーマ神殿ってドラクエの?
  なんだドッキリかwあぁ〜ビビったwあれ?カメラは?」
辺りを見回してもカメラなんてなかった。ただ目の前のオッサンがポカンとして俺を見ている。
気まずい空気が流れ始めた。




581 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/02/26(日) 00:01:00 ID:47zyAGXv0
※「どうやら頭を打ってしまったようですね・・・。お気の毒に。
  気晴らしに神殿の中を散歩してきては如何ですが?私は朝食の
  準備をしていますので。着替えはあなたのいた部屋に置いてお   
  きましたから着てみてください。」 
そう言うとオッサンは厨房らしい部屋に入っていった。
(・・・信じられねぇ。なんかの冗談だろ。はは・・・。
 とりあえず散歩してこよ。ん?なんか寒いなここ・・・。)
ふと気付いたら俺はパンツ一丁だった。

Eステテコパンツ


582 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/26(日) 04:25:54 ID:G5B8A/il0
ローディ氏盛り上がってきたー
いよいよ決戦か…。…。

新人ヘタレ氏も乙
うまいね。

583 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/26(日) 05:26:20 ID:H04dSTc2O
ローディ氏乙です
いよいよ決戦、楽しみ!

ヘタレ氏の書き出し一行目の「あぁ?!」が変にツボに入ってしまったw

584 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/02/26(日) 15:19:38 ID:FkC16vvL0
とりあえず部屋にあった布の服を着てみた。
それはまるっきりドラクエの攻略本で見たのと同じ物だった。
(どうやらマジらしいな。まぁ、俺こうゆうことには
 すぐ頭切り替えられるし。うん、ここはドラクエの世界だ。
 納得した。なんでここにいるかとかめんどくせーことは
 後で考えよう。とりあえず散歩だ。つーかドラクエの何だ?
 3か6か7か。まぁそれもそれとなく聞いてみよう。)
とりあえず部屋を出て適当に歩くと大広間みたいなでかい部屋に
でた。そこにはまるっきり仮装大会のような景色が広がっていた。
とりあえず数人で世間話をしてるらしい奴らに近づいてみた。
俺「ムドー」
とりえあえず小声で呟いてみた。反応がない。
(6ではないのか・・・。)
俺「バラモス」
※「ん?魔王バラモスがどうしたんだ?」
(ビンゴ!)
俺「いやバラモスって怖いッスよね。」
※「は?なに言ってんだ?変な奴だな。」
適当に合わせてその場を離れた俺は考えた。
(3か・・・。よしこうなったら俺が転職してバラモス
 倒してやるか。そしたら俺が勇者ロト!俺が伝説を
 はじめてやる!)
そう心で決意すると神官ぽい偉そうなジジイの所に走った。

585 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/02/26(日) 15:21:23 ID:FkC16vvL0
ジジイは高い台の上にいた。本当に偉そうだ。
とりえずジジイの前に立って言った。
俺「あの〜転職したいんすけど。」
爺「ほう。ではどの職に就きたいのじゃ?」
俺「勇者でお願いします。」
爺「たわけ!勇者は職業ではないわ!このスカタンが!!」
俺「え?そーなんすか?そういえばそうだ。じゃ戦士でいいや。」
爺「本当にいいんじゃな!?ん?レベルが足りんわ!!
  顔洗って出直してこい!!」
俺「あら?すいまんしたー。」
(そういやレベル20にならないと転職できないんだっけ。
 忘れてた。よしレベル上げるか。)
レベル上げのため俺は神殿の外にでていった。
丸腰で。




Eぬののふく

586 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/26(日) 18:53:54 ID:/G2IpdXF0
(#^ω^)これは宣伝じゃないお!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

↓このスレだお・・・
■FINAL FANTASY XII 〜FF12スレッド〜ver.0363■
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1140938408/


587 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/27(月) 01:50:49 ID:+/GFcmy20
>>ヘタレ
クソ面白
積極的杉な主人公萌え
つーか丸腰で3ダーマかよw

588 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/27(月) 04:11:05 ID:TMIDZCMiO
ヘタレが早くもyabeeeeeeeeeeee!!!!!11111

589 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/27(月) 09:20:34 ID:7R0yHLBD0
新機軸だなwヘタレ氏
頑張ってw

590 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/27(月) 12:42:35 ID:4nuXj9Sw0
カワイ子ちゃんいないのかよ・・・

591 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/28(火) 09:42:54 ID:gSR118sk0
新たに始めてもいいかい?
前スレとかまとめサイト、隅々まで読んでないので内容被りそうだけども。

592 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/28(火) 16:31:41 ID:fgAuuseJ0
>>591
俺が許す

593 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/28(火) 19:49:36 ID:zPGF0zGpO
>>591に期待!

594 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:32:00 ID:zBZ91LXP0
>>591ではないのですが少し書いてみたので読んでもらえると嬉しいです。

あ〜、また多分一限目さぼっちゃったよ・・・。
眠気具合から考えると今は10時ごろのはずだけど・・・何時だろ。
そんなことを思いながら手探りで携帯を探す。
あれ?いつも枕元に置いてあるのに。目覚ましのアラームがうるさくてベッドから落としたかな?
仕方なく目を開きベッドの下を見る。無い。
まぁいいや、携帯は後だ。
テレビのリモコンを探す。無い。
というかテレビ自体が無い。
何か変だと思い部屋を見渡す。
一気に意識が覚醒した。


595 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:32:30 ID:zBZ91LXP0
友達の家に泊めてもらったときや旅行に行ったときなんかは
朝起きたとき自分がどこにいるのかわからなくなるときがあるものだが、
今回は明らかに異質だ。こんな部屋は見たことが無い。
木造の三畳間に古いベッド。何処かに監禁されたのか?
昨日の記憶・・・しっかりある。確実に昨日は自分のベッドで寝たはずだ。
どうしていきなりこんなところに?ワケがわからない。
しかしこれは考えても仕方が無いだろうと思い、今できることをすることにする。
少しでも現状を把握するため窓の外に視線を移す。・・・中世ヨーロッパだ。
僕の目の前には中世ヨーロッパの町並み。そう遠くないところにお城まで見える。
一瞬夢かとも思えたがこの感覚は夢ではないだろう。
混乱している頭でもわかったことがひとつ。小さいながらも窓は開く。
窓のすぐ下は人通りの多い道。つまり僕が監禁されているという可能性は低いということだ。


596 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:32:59 ID:zBZ91LXP0
もう僕一人では埒が明かない。とにかく人に会おう。部屋を出るため一応持ち物や服装を気にする。
僕が着ているのはロードオブザリングの登場人物が着ているような中世ヨーロッパの旅人風の服。
そのポケットに五枚の金貨の入った袋。もういいや、何でもありだ。
部屋を出ると番号のついた同じようなドアがずらっと並んでいる。ここはどうやら宿泊施設のようだ。
階段を下りがやがやと人の声のするほうへ進む。一気に視界の開けたそこは食堂だ。
屈強な中世ヨーロッパ風の人たちが談笑している、日本語で。
もういいや、なんでもありだ、翻訳コンニャクでも食ったんだろう。
もうそんなどうでもいいことはどうでもいい。いろいろ知りたいことがあるんだ。
出口の横にカウンターを見つけ、多少挙動不審になりながらもそこへ突進する。
「すっ、すぃゃせん!」
恐ろしく間抜けな声だ。しかも聞きたいことがあるのに後の言葉が出てこない。
「お食事ですか?」
「い、いぇ」
「チェックアウトですか?お名前をどうぞ」
名前!?こんな得体の知れない場所で本名を出すのは嫌だ。
僕は咄嗟によく使うハンドルネームを口にしようとした。
「え〜と、スズ様ですか?」
!!
「あ、・・・はい・・・」
「それでは行ってらっしゃいませ」
返事もせずにギクシャクと外に出る。
・・・もういいや、なんでもありだ。


597 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:34:05 ID:zBZ91LXP0
外に出てみたものの行くあてなどあるわけがない。ちょうどいい、少し休もう。



どこなんだろう、ここ。さっき聞きそびれた。
某巨大テーマパークにも見えないことはなかったが、それにしては生活臭過ぎる。
街を見渡す。まず目に入るのは城。落ち着いたら入ってみたいかも。
あとは・・・店とか・・・教会。神父さんならいろいろ聞きやすいかもしれない。そろそろ動くか。いざ教会へ。
教会の中にはまばらに人がいる中に一際目を引く大男が一人。
モヒカンだ・・・初めて見たよ・・・さすがになんでもありだなぁ・・・。
でも今欲しいのは面白い人じゃなくて助けだ。次こそは、と息を整えて神父さんに話しかける。
「あのぅ」
「はい、何かお困りでしょうか?」
「はい、ちょっと僕、記憶に欠けたところがあるみたいで・・・ここはどこなんですか?」
「おお、それはお困りでしょう。私でよければお力になりますぞ。
まずここはレイドックの城下町。レイドックの名に聞き覚えは?」
「いえ・・・ありません」
現実世界では。ゲームの中でならあるのだがそんなふざけたことを言うつもりはない。
と言っても城といい街の並びといいゲームの中のレイドックに妙にしっくりくるのも事実だった。


598 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:34:37 ID:zBZ91LXP0
「あの・・・ここは日本ではないんですね?」
「日本・・・あなたの故郷ですかな?そのような地名は私の頭には無いようです。
お力になれず申し訳ない。」
・・やっぱりおかしい。
思いっきり日本語を使っていながら日本を知らないなんてことがあるだろうか。
僕の頭の中にはとても信じられない仮説がひとつ。とても信じられないが一番しっくりくる仮説。
「あの・・・あとひとつ。昨日爪を切ってたら失敗して深爪しちゃって・・・」
「おお、これは痛そうに、さすれば我が教会に5ゴールドのご寄付を。ホイミ!」
!?
まさかそんな・・・
「さて、まだ私にできることはありますかな?」
「いえ、どうもありがとうございました。おかげですごく助かりました。あ、そうだ。
5ゴールドでしたね?」
「いえいえ寄付というものは余裕のある方からのみ受け取るべきもの。
お困りの方から受け取ろうなどとは思っておりませんよ。
さっきのはつい癖で・・・お気になさらないで下さい。」
「じゃあお言葉に甘えて・・・。それじゃホントにどうもありがとうございました!」
「お気をつけて。あなたに神のご加護があらんことを・・・」


599 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:35:11 ID:zBZ91LXP0
神父さんの話をまとめると、ここはどうやら昨日までとは違う世界であり、
ここでは「レイドック」や「ホイミ」などドラクエの世界にそっくりなものがある。
というかドラクエ世界そのものだ。深爪もきれいに治っている。
こんなこと昨日までじゃあり得ないことだ。それをあの神父さんはさも当たり前のように・・・。
そう。ここはドラクエの世界。
何故かはわからないが僕はドラクエの世界に迷い込んでしまった。
そう思うとさっきの大男はどう考えてもハッサンだ。
この街で唯一の知り合いに会えたような気がした。しかし向こうはこっちのことを知らない
話しかけようにも実際に見たあの大男に話しかけるのはちょっと勇気がいる。
知り合いになる必要性も問われるが、いずれは世界を救う大物だ、仲良くして損はないように思える。
・・・簡単に仲良くなれればだが・・・損得勘定丸出しだなぁ。


600 :キョウ ◆Hju2GLbs6k :2006/02/28(火) 21:36:33 ID:zBZ91LXP0
今日はもう人に話しかけるとか気力が続かないので適当に街をブラブラするだけにする。見れば見るほどレイドックだ・・・。
初めてドラクエ6をやったときのことが思い出される。
・・・やっぱり人の家のタンスとか勝手にあさったら怒られるよなぁ?
2時間程歩いただろうか。体が激しく疲れを感じ、まだ日は出ていたが宿に戻ることにした。
お金を払って部屋へ行き、ベッドに倒れこむ。あ〜、一体何なんだ・・・。
意味わからん・・・。帰れるんだろか・・・。
帰れるんなら一週間くらいいてもいいかもなぁ・・・。そういや宿のオヤジ僕の名前知ってたよな・・・。
そのうちに僕の意識は薄れていった。

続く


601 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 00:33:18 ID:EWU8T+eQO
何か一人称が僕ってのが新鮮だ。
あと翻訳こんにゃくイカス

602 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 04:29:37 ID:ldk627yI0
神父のくだりが聖職者らしくていいね。
次回楽しみにしてます。


603 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 11:26:38 ID:ZQyItkOQ0

18歳にして新社会人の一員となった私を待っていたのは、見知らぬ家々を訪問し、ひたすら保険の話を聞かせてまわるという仕事だった。
デザイナーを夢見て高校に通ったはずなのに、いざ卒業してみると、このバカみたいな会社への就職が決まっていた。
これ以上勉強するのが面倒くさくなり、進学よりも自分が自由に使える金が欲しい、という安易な気持ちで就職したのだ。
「マナミって、居心地はいい奴だけど、いつもダルそうだよねー」
それが友人達から私に寄せられた人物評だった。
だって、私は来る物拒まず、去る物追わず。
高校3年間の交友関係なんて一瞬で終わるものなのに、いちいち怒ったり泣いたりするのって、面倒くさいじゃない…。
 自分は一体何をやっているんだろうと、ふとした瞬間に思わなくもなかったが…。

一日中外回りに出ていた。未だ着慣れないスーツは心なしか重く感じられる。木枯らしが足元をすくっていった。
今日も一件の契約も取れなかった。
事務所に戻るのは気が重かった。自然、足取りも引きずるような重いものとなる。
ふと、足元ばかり見ていた私の視界の端に何かが映った。
深夜を通して営業しているファミレスのネオンだった。
サボりたい。寒さをしのぐという誘惑に勝てず、私はあたたかな店に入り、コーヒーを頼んだ。
安っぽいスポンジの椅子が、やけに柔らかく感じられ、私はうとうとしはじめた。

ハッと気付いて、慌ててポケットの中の携帯電話を探った。折り畳みを開くのももどかしいくらいに時刻表示を見ると、
あれから3時間以上も経ってしまっている。
帰社時間を1時間も過ぎていることになる。課長の鬼のような形相が目に浮かび、傍らのバッグをひったくるようにして手に取った。
帰らなければ。私はうんざりした。またことあるごとにねちっこく嫌味を言われるに決まっている。
勢い込んで立ち上がった私であったが、そのときになってある事に気が付いた。
そこはファミレスではなかった。

604 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 11:28:18 ID:ZQyItkOQ0

どうやらビジネスホテルの一室のようだ。
室内は至って簡素なもので、ベッドとタンス、テーブルしかない。生木が剥き出しの床に、石の壁。
明治か大正にしかお目にかかれないような、いまどき珍しいランプがテーブルの上にはあり、そこからは独特の匂いが漏れている。
ガタンと派手な音がして、何かにけつまづいた。勢いこんで椅子を蹴飛ばしたらしい。
テーブルには、自分の顔の跡がくっきりと付いていた。寝息の湯気が付いているわけだが、それは空恐ろしくなるほどに不細工だった。
ここに突っ伏して寝ていたのか…。
ファミレスからホテルに入った道程がさっぱり思い出せない。しかし、そんなものは課長の説教の前にはどうでもいい事だ。
とにかく今は急がねばなるまい。と、ここでふと私はある事に気が付いた。
このマニアックな部屋…もしかして。
なんて事だ。けだるく生活してはいても、道を踏み外す事は絶対にしまいと思っていたのに。

ここは……ラブホテルなのではないか?

ラブホテルというものはとにかく様々な部屋があるらしい。これまで生きて居て入った事は無い。
無いが、しかし。こういう中世みたいな部屋は、何か意味深なものを表現しているような気がした。
なんでこんな部屋があるんだろう。この疑問を解決するため、私は無い知恵しぼって渾身の結論に行きついた。

答え:雰囲気作りのため…ではないか。

しかし、こんなタンスしか無い貧乏くさい部屋に連れてこられたら、普通にリアクションに困るだろうという、新たな疑念が生じた。
いや、違うよ。私のバカ。
どう考えてもラブホじゃないよこれ。
でも、何だって私はこんな妙な所に居るんだよ。
私はこめかみを抑えた。そこは、勢いよくピクピクしていた。
大きく深呼吸して、少し冷静になって考えてみる。

私は、あちこち調べてまわった。不安から、自分のバッグを片時も離さなかった。
窓を見付け、無性に外の空気を吸いたくなってカーテンを開けた。
そこには、またしても私を悩ませる光景が広がっていた。

605 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 11:29:48 ID:ZQyItkOQ0

見渡す限り、濃い緑の森、彼方にそびえる青々とした雄大な山、さんさんと照りつける太陽に反射した湖水の煌きも見える。
眼下には、ドールハウスか何かのように、小奇麗にまとまった古めかしい家々があった。
電線もアスファルトも車もない。
見るからに、そこはヨーロッパのどこかにある光景だった。それも2〜3世紀ほど前の。
何より、今は午後6時頃のはず。この太陽の位置はおかしい。
私はケータイを再び手に取る。18:31とそこには表示されていた。
……おかしい。怪しむ私の目の前で、表示時間は18:32となった。…ちゃんと動いてはいるようだ。


あれからいくら考えても状況に答えが出せず、結局私は部屋を抜け出した。
どこをどう走ったのかよく覚えてはいないが、細長い廊下を渡り、階段を降りたような記憶はうっすらとある。
よほど混乱していたに違いない。気が付くと、簡素なホールらしき場所に居た。目の前にはカウンターがある。
さらに、カウンターには金髪の外人がいた。その向こうに、出口とおぼしき扉がある。

私は壁際に身を潜めた。
金髪が私に気付いた様子はない。
息さえも殺す私。
金髪が扉から背を向けた。
……今だ。

脱出成功だ。どうやら高校時代、校門で待ち構えている服装チェックする教師(スカートの膝丈や、髪やピアス穴を調べるアレだ)
をかわす技術が、ここでも功を奏したらしい。
うしろめたい事をした覚えは無いが、何か聞きとがめられる事を恐れて抜け出した。
そのときは、そこは何かの宿泊施設だろうという見当しかつかなかった。
『宿屋』という古めかしい呼び方をされている事を知るのは、もう少し後になってからだった。

606 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 11:32:01 ID:ZQyItkOQ0
お言葉に甘えて書いてみました。こういうのって初めてで…、
何かと不都合があるかもしれませんが、精一杯頑張りますので、
これからよろしくお願いします。

607 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 12:56:02 ID:qTv48tm80
キョウ ◆Hju2GLbs6k氏、591 ◆MAMKVhJKyg氏乙!
キョウ氏のは軽い感じで文章に入りやすいな。
591氏のは細かい描写で雰囲気が分かりやすい。
どちらの続きも楽しみにしてるよ。


608 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 18:27:40 ID:1+mygfwRO
俺も参加したいんだが、物語の構成上、ドラクエ世界につくまで長さがあるんだ。
それでも平気だろうか?スレ違いになったり・・・

609 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 22:10:00 ID:h7Zzm40KO
>608
ゴタクはいいからやってみろ
君には期待している

610 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 22:20:52 ID:ZQyItkOQ0
少し書いたので更新

>>603-605 つづきから

会社に戻らなければならない。という観念はこのときすでに消え失せていた。
どうやらここは日本ではいようだ。
街をうろついてみたが、モンゴロイドは一人としていなかった。皆、目鼻立ちのくっきりした外人ばかりなのである。
夢ではない。私の体重を支える両手に触れる石畳。その質感は、あまりにもリアルに冷たかった。
ドッキリでもない。だって、私はまる一日半食べていなくて、道端にひっくりかえっても誰も助けには来てくれなかったのだ。

真夜中の街に人気は無い。相変わらず中世じみていて、私のさまよう限り、どこまでも古風な建物が続いていた。
私は道路の代わりに敷き詰められた石畳の上で横になっていた。
『飢え』ってこんなかんじだったのか。体中が熱くなったような感覚を覚えたかと思うと、唐突に虚脱感がやってくる。
何も考えたくなくなってきた。私の頭の中をさまざまな食べ物がよぎる。何より水、水が欲しい…。

水といえば…。私は気力を振り絞り体を起こす。
昨日、例の宿泊施設の窓から、湖を見たのを思い出した。
もうなんでもいい、水が飲みたい…。私はフラフラと立ちあがり湖へ向かう事にした。
方向感覚は危うかったが、こっちだとカンで思った方向へ進むと、城門らしきものが見えてきた。
さらにその向こうに森、そして木々の合間を縫うようにして、あの湖がかすかに見えた。


喉を潤す水は、かすかに草の匂いがした。
生き返った。こんなに水が美味いと思ったのは初めてだ。
あれから湖に辿り付いた私は、思う存分水を飲んだ。
ひと心地つくと、そのままボーッとして湖を眺めていた。
ここはどこなんだろう。とか、はやく帰らなきゃ。とかそういったマトモな考えは不思議な事に思い浮かばなかった。
ただ、静かな夜にひたっていた。
もう会社へ行かなくてもいいような気がした。空腹は困るけれど、胃に穴があくようなストレス社会にいるよりは、
こうして自然の中でアホみたく呆けている方が幸せのような気がした。

611 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/01(水) 22:22:10 ID:ZQyItkOQ0

ガサリ、と背後から音がして、唐突に沈黙が破られた。
反射的に振り向くと、信じがたい生き物がいた。
そいつと目が遭う。私は金縛りにあったように動けなくなった。
鬼というものが本当に存在するなら、こういう姿をしていただろう。
暗闇でもあざやかに映える真っ赤な皮膚をしている。血を浴びたように鮮烈だった。
下半身は人間ではなく獣のもので、つま先は頑健な馬のヒヅメで出来ていた。
顔は…見るからにアブない。二つの角を持った凶悪な面貌が、私を見てニタリと笑う。開いた口の隙間からびっしりと鋭い牙が見えた。
なにこの生き物、ヤバすぎる。やっぱりドッキリ?
なんで私の事を見て『これはうまそうな人間だ』と舌なめずりしているのよ。いくらなんでもやりすぎ…、
ここで私の思考は中断された。
鬼が私に向かって飛びかかってきたからだ。
おぞましい顔が迫る。

気が付くと私の左腕には数本の深い裂傷が出来ていた。…と、傷が見えなくなる。夥しい血が溢れかえり、傷を見えなくしたのだ。
「……!!」
声が出ない。人間は、あまりの痛み、あまりの恐怖に出くわすと、言葉を失うらしい。
悪夢のようだった。

そのとき、目の前を風のような速さで何かがよぎった。
私と鬼の間に出現したのは、炎のようなたてがみを持つ巨大な豹だった。
二抱えはありそうな太い喉から低い唸り声を発し、四肢を力強く地に付けている。
ああ、もう助からない。ただでさえ化け物に襲われているのに、新手がやってくるなんて。
失血からか、涙からか目がかすみはじめた。意識も朦朧としてくる。
だが、気絶する刹那に、見た気がするのだ。
この場にそぐわないリボンをつけた小さい頭、そして青いマントを翻す小柄な人物を。

 つづく

612 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 22:36:27 ID:UZX4R5uL0
最近新人さんが増えてきたな、うれしい限りだ。

613 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/01(水) 23:30:27 ID:+TG0sYFr0
そのかわりに前にいた職人さんがいなくなったような・・・
タカハシとかオルテガとか

614 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 00:06:57 ID:64mjN3bi0
591 ◆MAMKVhJKygさんのはドラクエXかな…?
ドラクエXが舞台なのはあまり見ないなぁ、いっそ自分で作成するしかねえかなぁ…
と思ってた矢先なので渡りに船(?)です。
文体も好みであるし、 超 G J !!!!!

615 :魚間 ◆4PnqyfvO3. :2006/03/02(木) 01:47:33 ID:eOp6HauB0
え〜と以前荒れる原因を作った私ですが、続きを投下することを皆様は許してくださるでしょうか?

616 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 02:00:05 ID:7/LJ+Xe90
>>615
もちろんOK

617 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 02:00:50 ID:7/LJ+Xe90
スマン、上げてしまった・・・

618 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 03:31:11 ID:R9zfZjltO
初代からいる住人としては4の人と総長の行方が気になるもうもどってこないのかなorz

619 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 04:26:46 ID:AMpwjSplO
>618
4の人はたまに光臨するだろが

620 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/02(木) 11:42:41 ID:I6sZjJpU0
職人さん達乙です

名前が出たのでちょっとカキコ
一行二行書くのに手間取ってとっても時間かかってます…
でもゆっくり投下していきますよ

621 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:52:33 ID:BJ3YrwGW0

>>610-611 つづきから

眠りから覚めようとしているんだな。と分かった。
水底から浮かび上がってくるようなふわふわした感覚は、毎朝繰り返していた事だったから。
「飼ってもいい?」
「拾ったの」
「ダメです!」
目を開ける前に、ぼんやりとした意識ながらそんな言葉を聞いた。
「犬・猫・魔物ならまだしも、人間の娘を飼うなんてもってのほかです!…まぁ、本当に呆れた。
そもそも、この娘さんの意志を考えてごらんなさい。そんな事が言えますか?……おっと、気が付かれましたか?」
喋っていたのは、白髪混じりの赤毛を切りそろえた壮齢の男だった。いかにもお人好しそうな丸々とした顔を、心配そうに歪めている。
私は、ベッドに横になっていた。
一瞬、また例のあの宿泊施設で寝ていたのかと思ったが、それとは違う場所のようだ。石壁でなく、豪奢な壁紙が見える。
顔だけ動かして傍らに目をやると、男を挟むようにして、金髪の少年と少女がこちらを見ていた。
二人とも小学生くらいだ。少女は、肩より少し上のサラサラの金髪で、両脇に蝶々結びのリボンをつけていた。
男の子の方はというと、くせっ毛があちこちはねていて、まるでヒヨコのようだ。しかも青い眼は好奇心に輝いていて、いかにも子供らしい。
「ご気分はどうです?少し話が出来ますかな?」
男は日本語を喋った…しかも流暢に…と、思った矢先、彼は奇妙な言葉をつむいだ。
「アンクルホーン」
何かの外国語かと思い、私は不理解を示すため首を横に振った。が、男は構わず続ける。
「あんたを襲っていた魔物の名前ですよ」
男は、子供たちに聞かせてはならないといったふうに、私だけに耳打ちした。
「高い知能を持ち、人間をいたぶって食らう種です」
魔物。あの悪鬼が…。私は総毛だった。
しかし『魔物』。なんだこのリアリティのない、けれども私の体験を一括で説明できる言葉は。
「だからこそ助かったんですよ。ヤツがあんたに微弱な攻撃を加えているスキに、この子達が助けたんですよ。アンクルホーンを倒してね」

…え、この人今なんて?

622 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:53:47 ID:BJ3YrwGW0

男の話だと、この子供達があの赤い鬼――アンクルホーンを倒したらしい。
信じられない。嘘でしょ、こんな小さな子供達が…。
私はまじまじと二人の子供を見た。私の目にはあからさまな疑いが込もっていたが、子供達の方ではそんな事は気にならないらしく
無邪気に見詰め返してきた。
「あと、ボロンゴもいたよ」
「ボロンゴ、おいで。おねぇさんにごあいさつするの」
「ちょっと、お二人ともお待ちな…」
ボロンゴ?疑問に思う間もなく、そして男が子供達の呼びかけを制するよりはやく、何かが部屋に入ってきた。

心臓が止まるかと思った。
扉を破らんばかりに押し開けて部屋に乱入してきたのは、あの炎のようなたてがみの獣ではないか。
アンクルホーンとやらに私が襲われて、怪我をして、気絶する直前に見た大きな豹だ。
男の話からして、異形のものを魔物と呼ぶのなら、この『ボロンゴ』とやらも魔物に類するのではないか?
そんな私の混乱と疑問を察したらしい男が説明してくれた。
「ええと…、このボロンゴは、キラーパンサーという魔物なんですが、いい魔物というか…」
「ともだちなんだよね」
『ボロンゴ』はそう言った女の子の脇に巨大な顔をすり寄せて、ゴロゴロと喉を鳴らした。
「とにかく危害はありませんので」
私はボロンゴのサーベルタイガーのような牙をこわごわ見詰めるばかりで、言葉を返すどころではなかった。

623 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:54:48 ID:BJ3YrwGW0

さらに男からは、ここはグランバニアという名前の街だという事を聞いた。あの湖の近くの、そして例の宿泊施設のある街。
この部屋は、そのグランバニアのとある施設らしい。病院みたいなものだろう、と私はそのとき思っていた。
「出血は多かったです。ですが、見た目の割りに傷は浅く済んでいます。もちろん命に別状ありません。
大丈夫ですよ。しっかり気をお持ちなさいな」
男は、励ますように言った。言い聞かせるような様子はまるで父親のようだった。
「それよりも深刻なのは、…あんたちっともごはんを食べていなかったでしょう。急性の栄養失調ですよ」
「それは…この辺りでは頼る人がいないから」
自分ではれっきとした返事をしたつもり――むしろなんでこんな当たり前の事を聞くんだろうと疑問に思いながら言葉をかえした。
しかし男と子供達は3人が3人とも顔を見合わせて笑った。
「この街の誰かに助けてもらえばよかったんだよ。なんでそうしなかったの?」
少年の言葉に私は絶句した。子供だから知らないのだろう。見ず知らずの人に助けを求めても、誰も関心を示さない事を。
しかし、いい大人でもある男が言った言葉に、私は自分の中にある何かが崩壊するのを感じた。
「このグランバニアの城下町の人々はみんないい人たちばかりなんですよ。行き倒れになりそうな人間をほっとくはずありません。
あんたはどこかの家のドアを叩いて、助けてくださいと一言言えばよかったんです」

624 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:55:45 ID:BJ3YrwGW0

いや……そんな事言われても…知らないよ、そんなの…。

理不尽なこの状況に対する怒りが、緊張の糸が、キレた。
「そんな事知るわけないじゃない」
私の口から、呪詛のような声が出た。
いつも無気力な私からは想像できない声だ。あれどうしたんだろう、と思う間もなく次々と言葉がほとばしった。
「目が覚めたら全然知らない場所で、周りに知り合いはいないどころか、外人ばっかりで…」
愚痴が止まらない。
「どうしろっていうの?…何をしろって!?」
とうとう私はパニックになった。
この街はそうかもしれないけれど、日本の、私の住んでいる町では理不尽な犯罪と、他人に対する徹底的な無視がはびこっていて…。
そんな平和な街があるなんて事、知らない。
「ケータイはどこに行っても圏外だし、こ…ころされかけるし…!」
アンクルホーンに殺されかけた恐怖を思い出し、体中に震えが走った。
私の言葉の奔流は、涙声になって唐突に終わった。
辺りはシンとなった。
気遣わしげな男。私と男を心配そうに交互に見比べる子供達。そして未だ震えの止まらない私。四者の重い沈黙で部屋が満たされた。

最低だ…私。
この人たちは助けてくれたのに。
頼れる存在にやっと出遭えて、私、間違った甘え方してるよ。

私は、言葉の壁を勝手に感じ取り、誰にも助けを求めなかった。
街の露店で果物や食べ物を売っている店を見かけたが、同じことだった。
言葉が通じなさそうでも、彼等が自分とは何の関わりもない他人でも、ぶつかってみれば良かったのだ。
自分がこんなに甲斐性無しだったとは。

625 :591 ◆MAMKVhJKyg :2006/03/02(木) 11:56:50 ID:BJ3YrwGW0

「娘さん、あんたどうやら訳有りのようだ。しばらくこの城で養生なさい」
長い沈黙の果てに、男が真面目な顔をしてこう言った。
「え…城?」
私は、あまりにも意外な言葉に、謝る事も忘れて、おうむがえしに言葉を返した。
「申し遅れました。あたしは城仕えの小姓のサンチョです」
私が口を挟む暇もなく、男――サンチョは二人の子供を抱き寄せて、さらに言った。
「こちらはグランバニア王家のレックス王子様と、レミ王女様にあらせられます」
子供達はそれぞれサンチョが言った通りの名前で自己紹介した。
王子?王女?ああ、なんかもう……ついていけない…、けど…、

「娘さん、あんた名前は?」
「……ナナセマナミ」
「ナナ…マ…?」
「マナミでいいよ」

これだけは言わなきゃいけない。
「あの…助けてくれてありがとう」

怒鳴った事が本当に恥ずかしく、申し訳なく、私は蚊の泣くような声でお礼を言った。
顔を上げられなかったので彼等の表情は分からない。けれど、三人とも、笑っている。そんな気がした。
私、何やってるんだろう。こんなむず痒い事して。
不思議と心地よく感じる温かさを、どうすればいいのか分からずに、もてあましていた。

 つづく

626 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 18:55:58 ID:64mjN3bi0
GJ

627 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/02(木) 19:43:22 ID:7/LJ+Xe90
乙です

628 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/03/02(木) 21:06:05 ID:ZwMG3db50
「すげぇ!」
そこには今まで見たこともない壮大な景色が広がっていた。
森の中をぬけると、広大な海が姿を見せた。
まだ魔物は出現していない。
無駄にテンションが上がった俺はくちぶえをふきながら歩いた。
(早くでてきやがれ、モンスター共。レベル上がらねーだろ。)
せいぜい最初だからスライムや大がらす程度だと決め込んでた俺は
自信満々で歩いていた。
「グルル・・・。」
後ろで嫌な声が聞こえた。声の主はスライムや大ガラスじゃないことだけは確かだった。
おそるおそる振り向く。目の前に写った物は熊だった。
しかもごうけつそうな。
(ひぃぃ!熊!? しかもすげーごうけつそう!ごうけつ熊!?
 何で!?そういえばダーマ付近はスライムなんてでねーよ!
どないしよ・・・。)

629 :ヘタレ ◆ozOtJW9BFA :2006/03/02(木) 21:07:18 ID:ZwMG3db50
俺「バギクロス!」

俺「・・・。」
(終わったな・・・。あぁなんでよりによってダーマだったん
 だ。これじゃレベル上げできないじゃん・・・。)
覚悟を決めた俺はジャブを打ってみた。
(左ジャブは内側にえぐりこむようにして打つべし!)
ペシッ
情け無い音がした。熊にダメージはなさそうだ。当然だった。
しかもどうやら怒っているようだ。
熊「グワォ!!」突然熊は襲いかかってきた。
俺「ヒィ!?」
そのときだった。
※「ベギラマ!」
その声と同時に帯状の炎が熊を包んだ。熊は速攻森の中へ逃げていった。
※「大丈夫か?」
ベキラマでごうけつ熊を追っ払ったこれまたごうけつそうな
男は言った。
俺「ありがとうございます!弟子にしてください!」
とりあえず今の気持ちを簡潔に述べた。
※「は!?」
やれやれ俺の大嫌いな説明をしなければならないようだ。




Eぬののふく
 

630 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:15:52 ID:Y8SkKjqq0
>>496 続き

3568行目から
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10385.txt

631 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:16:43 ID:Y8SkKjqq0
上に追記

見出し「●賢者メイ」から

632 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 13:42:25 ID:Y8SkKjqq0
>>630-631
間違って消してしまったので再アップ
何度もゴメン
>>496 からの続きは「3568行目 ●賢者メイ」から
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10388.txt

633 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 15:38:15 ID:e78HWHGKO
GJ
毎度おもしろく読ませてもらってるぜ
ただケータイだと長くて途中で切れちまったorz
区切りのいいところでページを分けてくれないか?

634 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 16:09:52 ID:6H7EVfwIO
>>632読めんし

635 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 16:30:33 ID:O9/XClJG0
>>632  タカハシ
GJ!
特に賢者の石の辺りの解釈、面白かったです。
次回も楽しみにしてます。


ところで漏れもss書いてみたんだけどまだプロローグしか完成してない物でも
投下してしまって大丈夫だろうか?
     


636 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 17:25:22 ID:Y8SkKjqq0
ほんとにごめん
携帯の亊、全く考えてなかった
二部を切り出してアップし直しました
次回からはスレにちょっとづつ直接投下していこうと思います 今回までご容赦を…

>>496 からの続き
1103行目の見出し●賢者メイから
http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10392.txt


>>635
投下したモノ勝ちみたいですよw

637 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 17:52:11 ID:fgJksskTO
>>633-634
http://fileseek.net/proxy.html
↑これ使ってごらん

638 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/03(金) 17:58:00 ID:Y8SkKjqq0
>>637
これで携帯でも読めるようになるのかな?
ありがとう!
というわけで携帯は以下のURLを。
http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10392.txt

639 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:12:22 ID:O9/XClJG0
635です。落とした物勝ちとのことですんで思い切ってw
では投下します。


――少女が泣いている。

 一筋の光も差さないくらい、くらい闇の中。
 体は脳に何も伝えず、地面の存在すら怪しい。
 何も、無い。
 少女の他は何も無い世界。
 そんな世界で少女は声すら上げずに。
 誰にも見せず、誰にも見られず。

 ただ、泣いていた――そんな夢を、見た。


640 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:14:48 ID:O9/XClJG0
陽射しと鳥の鳴き声で意識が覚醒する。
 目が覚めた後、一時のまどろみ。
 自分が毎朝ささやかな愉しみにしている時間だ。
 ただ、こんな夢を見た後では反転して嫌な時間となる。
 それは目に見えていた。
 だから、目覚ましの二度寝防止を頼りにいつもは被る布団を、今日は足で跳ね上げ一気に起き上がろうとした。
 いつもの日常との違いなんてそれだけの筈だった。
 ――違和感。
 布団が跳ね上げられないのだ。
 風邪で力が入らないのではなく、足は完全に布団を蹴り上げている。
 けれど上がらない。まるで布団が大きくなった感じがする。
 自分はこんな大きな布団は持ってない。
 第一、ワンルームの一人暮らしをしている部屋にはそんなスペースはない。
 妙だ。と思いつつも手で布団を跳ね除け目を開いた。
 視界に映るのはいつもの見慣れた天井ではなく、木製の知らない天井だった。
「――ッ! 」
 どこか朦朧としていた意識が一気にローからオーバートップすら突き抜けて覚醒する。
 心臓の鼓動が早まり。体中の毛穴が開いて。じわっ、と嫌な汗が噴き出して来た。

641 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:16:27 ID:O9/XClJG0
見知らぬ天井を見ただけで、ここまで狼狽することは無いだろう。
 だれか。そう、例えば悪友の手が込んだ悪戯かもしれない。
 それとも実は昨日の晩、深酒をして意識が無くなりここに運ばれただけかも知れない。
 ここまで狼狽するのは理由がある。
 いつの間にか震えていた。記憶より小さな手≠ナ鼓動を押さえるように胸元を固く握り締めた。
 自分の体は――5・6才の子供のモノになっていた。
 ごくっ、と息と不安を無理やり飲み干しベットから降りる。
 床はフローリングのように艶のある物では無く、ニスの塗られていないただの板だった。
 窓からの陽射しは強い。自然と目を細め外の様子をうかがう為そちらに足を向けた。
 ぎぃ、ぎぃ、と一歩踏み出すたびに床が軋む。まるで自身の未来が軋むように。
 窓辺まで歩を進め、半開きになっている観音開きの雨戸のような木製の窓を押し開く。
 一瞬、白く視界が染まり飛び込んできたのは石造りの中世ヨーロッパの様な町並みだった。
 眼下には時代がかった服装の人物が大勢歩き回っている。
 教科書のイラストでしか見たことの無い荷馬車まで行き交っていた。
 ――なんで。そう口にしようとしたが声にならなかった。
 本当に驚くと人間は固まってしまうものらしい。
 人が多い路地を駆けてきた馬の蹄の音と罵声で我に返るまで呆けていた。

642 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:18:01 ID:O9/XClJG0
 我に返った後、状況を確認することにした。
 何故こうなったのか考えるにしても材料が足りないからだ。
 まず昨日から順を追って今に至るまで記憶を再生する。
 1、バイトが終わり23時頃帰宅。疲れてはいたが、いつもと変わらない。
 2、コンビニで帰りに買ったパンを食べ、風呂に入り、ジャックダニエルをロックで一杯。
   25時頃までネットをやって寝た。これもいつも通り。   
 3、良く覚えていないが夢を見て目が覚めたら子供になってここに居た。
 夢以外に変わった事は何も無い。
 とはいえフロイトじゃあるまいし夢が原因など――まるで御伽噺だ。
 大体それが原因でも手の出しようが無い。現状無意味だ。これは保留することにする。
 次にどこに居るのか。だ。
 外の町並みは石畳で舗装された幅5・6m程の路地。さっきは気付かなかったが緩やかな斜面になっている。
 これは中世ヨーロッパの町の特徴だ。
 下水道が無かったため窓から投げ捨てた汚物が自然に流れるようにする為だったと思う。
 建築物もテレビで前に見たローマ辺りの物にどこか似ている。
 テーマパークのような安っぽさが無く重厚である。という意味もこめてだ。
 この時点でここは日本ではないことは確信できた。
 更に、時代も現代ではないだろうこともだ。



643 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:19:36 ID:O9/XClJG0

 時代がかった服装の人物達、荷馬車、ここまでなら手の込んだ外国のテーマパークという線もある。
 しかし人が多い路地を駆けてきた馬≠アれは、在り得ない。
 テーマパークで行うには危険すぎるアトラクションだ。
 さらにシーツの肌触りが随分ごわごわしていた。織物の生産技術が低い証拠だ。
 この様な目立たない消耗品まで厳密に再現していてはコストが高すぎる。
 つまりは目の前の光景はリアルタイムで現実。ということ。
 結論。
 目が覚めたら体は子供。おまけに中世ヨーロッパの何処か。原因は不明、あやしいのは夢。対策無し。
 ――全く、最悪だ。
 『正直、ありえねえだろ』とバイト先の先輩の言葉が頭に浮かんだ時。
 ドンドンと部屋をノックする音と、若い男の声が聞こえた。
「シャルル。入るぞ」と。
 思考の海に沈んでいた意識を浮上させ慌てて扉の方へ振り替える。
 すぐ後に軋んだ音を立てて扉が開いた。 
 男はこちらが返事をする間を置かずに部屋に入ってきた。
 大きい。それが第一印象だった。
 なにせ180cmはある。今の自分が子供であることを差し引いてもでかい。
 この時代なら十分に大男の分類に入るだろう。


644 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:20:55 ID:O9/XClJG0

 体格もがっしりしているし、もじゃもじゃの髭と、肩まであるウエーヴしたくすんだブロンドの髪をしている。
 映画に出てくる騎士のような人だった。
 実際に裏付けるように腰には柄に十字の刻まれた立派な剣を下げている。
 男はこちらに向かい真っ直ぐに歩き、目の前まで来るとしゃがんで目線を合わせて口を開いた。
「シャルル、旅の疲れか? だがな、もっと早く起きなければいけない。父さんはもう食事を済ませてしまったから
食事は下で主人に言って出して貰え」
 そう言った後こちらに返事を促すような視線を向けてきたので「はい、解りました」と無難に答えた。
 すると男は一瞬驚いた顔をした後、笑顔を浮かべ乱暴に頭を撫でてきた。
「昨日までのお前がウソみたいだ! やれば出来るんじゃないか。
その調子で今日はおとなしくしててくれよ。父さんはこれから仕事で城に行かねばならないから、
お前は宿で待っててくれ」
 ぽんぽん、と軽く頭を叩き踵を返して男は部屋を出口へ歩いていく。
 扉を閉める瞬間立ち止まり、懐を探った男は振り返り「シャルル」と呼びながら本を投げて寄こしてきた。重い。
「プレゼントだ。退屈だろうからそれを読んで待ってなさい」
 そう言い残し、今度こそ部屋から出て行った。
「――シャルル、か」
 一人、呟く。
 子供になっていたのは判っていた。


645 :シャルル ◆zu/zVku.Kc :2006/03/03(金) 18:23:01 ID:O9/XClJG0
 
 それでも全くの他人になっていたのは予想外だった。
 昨日まで名前は佐藤≠セった。それが起きてみればシャルル≠セという。
 佐藤≠ナあるのにシャルル≠ニして認識され扱われるのは、されて始めて知ったが中々に応える。
 見知らぬ土地、見知らぬ時代、そこで常に認識されない。本当の独りというのだ。
 正直に話しても信じて貰えないだろう。下手をすると宗教裁判にでも掛けられるかもしれない。
 これからも元に戻らないかぎり孤独は続く。
 そんなのは御免だった。
 少しでも多くの情報を集め、対策を立てる必要がある。そう思い、男に渡された本に目をやった。
 古めかしい装丁の本で、重かったのは表紙が牛皮とおぼしき皮で、紙ではなく羊皮紙を使っているからだった。
 ロ…リア記<^イトルは掠れていてはっきりと読めなかった。開いて中を見ることにする。
 しかし、先ほどの会話もそうだったが明らかに日本語ではないのに何の問題も無く使えているものだ。
 まぁ使えないよりは断然良いし、今考えても答えなど出ないからそれも保留だな。等と考えながら本を開く。
 けれども判明した事態は予想の斜め上をいっていた。
 中に記されていた本のタイトルはロマリア記
 他にも登場している地名がポルトガ、カザーブ、アッサラーム、イシス、と並んでいた。
 ……中世ヨーロッパですらなかったのだ。ここは。
 今、自分が居る世界はかって愉しんだゲーム。
 ――ドラクエVの世界だった。

つづく

646 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/03(金) 18:25:56 ID:Y8SkKjqq0
>>645
乙です
出だしからものすごく惹きつけられた
展開楽しみ

647 :646 :2006/03/03(金) 18:31:10 ID:Y8SkKjqq0
うわごめん
ageちゃった…

648 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/03(金) 23:56:04 ID:gMfLGjR70
>>545続き

しばらくしてマトリフが帰って来た。何処へ行ってたかを聞いてみたが、言葉を濁される。
まあ、旅立つ準備でもしていたんだろう。
それから3人で今後の方針を決める話し合いをする。

「で、まずは何処へ向かうんだ?」
オレの問いにマトリフが答える。
「そうじゃな・・・まずはトリスタンが行ったと思われる行程をそのまま辿って行く事にしよう。 
まずはロマリアじゃな」
そう言ってマトリフは地図を取り出し、ロマリアを指し示した。
アリアハン大陸とはかなり離れた大陸にロマリアはあった。

「船はどうするんだ?」
オレは当然の疑問を口にした。なぜならアリアハン大陸は周りを海に囲まれている。
違う大陸を目指すとすれば、必然的に船が必要となるだろう。
しかし、マトリフに言わせると船が無くてもロマリアには行けるらしい。
その方法を聞いたが、全く理解不能だった。旅の扉だのワープゾーンだの・・・
ホント良く分からん世界だよな。慣れてきたけど・・・

そこへミリアムが口を挟んできた。
「そんな回りくどい方法より、最初からトリスタンが消息を絶った場所に向かって、その周辺を
探し回った方が早いし、効率がいいんじゃない?」

649 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:04:38 ID:ZUrUvhEl0
オレは悪くないアイデアだと思ったが、マトリフは即座に首を振って却下した。
「最初からあの場所へ向かうのはあまりに無謀じゃ。はっきり言わせて貰うが、ミリアム、それに
ルーク殿の今の力であの辺りのモンスターが相手ではどうにもならんよ・・・
ワシとて、実戦からは数十年は遠ざかっておるからの」

ミリアムは尚も引き下がらずに反論する。
「でも・・・急がないとトリスタンが・・・」
「大丈夫じゃよ。間違いなく、トリスタンは生きておる。それよりも探しに行く我々がくたばっては 
どうしようも無いじゃろう?まずはロマリアからじゃ」

確信を持った口調でマトリフは言う。なぜ生きていると言い切れるんだ?
オレはもちろん口には出さないが、トリスタンが生きている可能性は低いと考えている。
報告が途切れ、行方が分からないとなれば、そう考えるのが妥当だろう。
自分の肉親の無事を信じたいのは当然だろうけど・・・いや、それとは別に100%確信している口調だ。
・・・まあいい、どうやら結論が出たようだ。最初の目的地はロマリアに決まった。

オレはさっきの会話の中で気になった事を聞いてみた。
「さっき言ってたトリスタンが消息を絶った場所は何処なんだ?」
「ジパングと呼ばれる場所じゃ」
マトリフはそう言ってアリアハンの真北にある小さな島を指した。

ジパング・・・ジパング?
頭に衝撃が走った。
ジパング・・・間違いなくその名前に聞き覚えがある!・・・しかし何処で?

「どうしたの?大丈夫?」
ミリアムが心配そうな顔でこっちを眺めている。 
「いや、なんでもないさ」
 
言葉を返しながら、また手がかりが遠ざかっていくのを感じていた。



650 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:13:19 ID:ZUrUvhEl0
話し合いを再開して、今度は細かい事を決める。
出発は明日の朝に決まった。薬草、毒消し草などの旅の必需品は、出発のついでに買い込む事にする。
装備も良い物にしたいが、ここアリアハンは武器、防具、共に品揃えが悪いらしいので諦めるしかない。

方針が決まり、ミリアムは旅立ちの準備の為に帰っていった。
 
「今夜は泊まってゆくがよい」
マトリフがそう言ってくれた。無一文のオレにとっては渡りに船だ。
ありがたく泊めてもらう事にする。
 
夕食の後でマトリフが自分の行っている研究について話し始めた。 
その研究とは・・・呪文、それも失われた呪文・・・

マトリフの話によると、この世界には様々な呪文が存在しているという。
敵への攻撃呪文、自分や仲間の傷を回復する呪文、他にも多種多様があるらしい。
それを聞いてようやく納得がいく。塔で使ったホイミの正体の。

マトリフの講義は続く。
「ワシが研究しているのは、遥か昔にこの世界に存在し、やがて失われていった呪文じゃ。 
それを現代に蘇らせる研究をしておる」
「失われた呪文・・・例えばどんな呪文があるんだ?」
「そうじゃな・・・例えば一度でも行った事がある場所なら、そこに瞬間的に移動出来る呪文、これは
完成間近じゃが・・・他には究極の攻撃呪文、さらには死者の魂を蘇らせる呪文すら存在したという」
 


651 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:16:22 ID:ZUrUvhEl0
死者の魂を蘇らせる?それって生き返らせるって事か?
にわかには信じられない話だが、マトリフの顔は真剣そのものだった。

その後も呪文についての講義は続き、正直言って理解出来たとは言い難いが、ひとまず呪文についての
基礎知識を得る事は出来た。

さらにマトリフから呪文書を借りて読んで見る事にした。
ホイミは回復系の呪文の中で一番初歩的な呪文だと書いてある。
他にもオレが使える呪文はあるのだろうか?
考えても分かるはずも無いし、この前みたいに頭の中に声が聞こえて来る事も無いようだ。

・・・これについては今後の宿題だな。
これからの旅には更なる強敵が待っているようだし、早いうちに自分が使える呪文を知っておく事は
絶対に必要不可欠な事だろう。
 
更には、便利な呪文を新たに覚える事が出来ればいいけど・・・
マトリフによると、呪文を覚えるのは閃きに近い感覚らしく、本を読んでいれば覚える事が出来る
という訳ではないらしいので、簡単には行きそうにも無い。

長い講義が終わり、寝室に案内された。
目の回るような一日を振り返り、思わず溜息が漏れる。

652 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:18:43 ID:ZUrUvhEl0
旅の計画は決まったが、だからといってやる気が増すとは限らないようだ。
むしろ今後の事を考えるとテンションが下がる一方だった。
 
魔王バラモス・・・名前だけでどんな奴か分かるはずもないが、世界中に様々な異変を異変を
引き起こしている張本人。万が一トリスタンを探し出せたら、今度はその魔王を倒す旅か・・・
そうなったらどうなる事やら・・・
探し出す前から考えても詮無い事とは分かっているが、考えずにはいられない。
オレは生きて元の世界に帰れるのだろうか?

そう考えているうちに、今日の疲れも手伝っていつの間にか眠りについていた。

・・・その夜、昨日と全く同じ夢を見た。
昨日と同じ部屋、同じ男。男が慌ててる姿まで昨日と一緒だった。
やはり声は掛けられず、やがて昨日と同じ様に夢の世界から少しずつ遠ざかって行くのを感じていた。

次の日

気持ちがいいとはとても言えない目覚めだ。
夢の事が頭から離れそうにない。あの男は・・・

オレの頭の中で、一つの仮説が出来上がりつつあった。
余りに突拍子の無い、非現実的な仮説が・・・
と言っても、それを話す相手もいないんだが。

653 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:19:47 ID:ZUrUvhEl0
誰かにオレの話を聞いてほしい、不意にそんな願望が湧いて来た。

突然こんな世界に飛ばされたという事、この世界での体験、そしてこれからの事も。
どれだけ心細かったか、どれだけ危ない目にあったか、これからどうするべきなのか。
誰かに話したくて、相談に乗って貰いたくて堪らないんだ・・・

勿論、そんな事を話せる相手なんかいりゃしないし、いたとしても信じてもらえる訳も無い。
マトリフとミリアムならあるいは、とは思うが、まだそんな話が出来るほど信じてはいない。
本当の仲間と感じるには時間というものが必要だろう。

この孤独感の本当の正体にようやく気付かされた。
異世界に飛ばされたから、信じ始めていたアモスに裏切られたから、だけではなかったんだ。
自分の正体を誰にも話せない寂しさ、この思いを誰とも共有出来ない寂しさだったんだな・・・

すっかり頭の中がネガティブな思考に支配される。
何を考えてるんだ?オレは。
今から旅立とうと言う時に考える事じゃないだろ・・・
強引にそんな気持ちを振り払い、立ち上がって準備を始める。

寝室を出て、食堂に行くと、マトリフは既に準備万端といった様子だった。
早く出発したいのだろう。朝食もそこそこに、外に出る。

まだ早い時間帯だが、既に町は動き出していた。

654 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:21:07 ID:ZUrUvhEl0
忙しそうに左右を行き交う人々。
そこに魔王やモンスターに怯えるといった様子は窺えない。
バラモスの存在に殆どの人は気付いていないと王様は言っていたが、どうやらその通りのようだな。

そんな事を考えながら町の中心部へ向かって歩き出す。
中心部に着くと、マトリフはG銀行へ金をおろしにいった。
オレはミリアムとの待ち合わせ場所に一人で待つ事にする。

「その旅はやめておいたほうが身のためだぞ」
突然の声に、その方向をみると・・・
そこには宿屋で会った老人が立っていた。
「また爺さんか・・・アンタ一体何者なんだ?何で旅の事を知っているんだ?」
オレの質問には答えず、ろうじんは更に話を続ける。
「老人の忠告は聞いておくものだ。無視して行けば、間違いなくお主の身に災いが降りかかる
事だろう。何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
それだけ言うと、オレから背を向けて人ごみに紛れ、消えるようにいなくなっていた。

続く

655 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:30:56 ID:Xf640Cn60
決戦の日の朝、俺達8人は海辺で魔族がやって来るのを待ち続けていた。
ヘンリー、ブラストが先頭に立ち、その少し後ろに俺と武器屋とカシラ、後方にミレーユとカルベ長老とフンドシが構えている。
フンドシはああ見えて魔法使いだそうだ。上級呪文も複数使えるらしい。修行の時は全く呪文を使っていなかったが、本当なのだろうか。
―――――デモンズタワーで、ヘンリーと再会してから1ヶ月。
俺は、魔族との決戦に向けて死ぬ思いで修行を続けた。
僅か1ヶ月で、ジャミ達にどこまで近づいたのかは分からない。寧ろ、10年前より更に実力差を見せつけられるかもしれない。
霞がかった希望なのか、くっきりと、色濃く輝く希望なのか…。
何れにせよ、決戦は目前に迫っている。
やれる事は全てやった、という訳ではないが、この僅かな時間で出来る事は、魔族が襲撃してくるのを待つのみ―――――

「来たぞ!!!」
先頭にいるブラストの声と共に、一気に心臓が高鳴る。
遥か北の魔族の城を見ると、今まさにこの世の悪魔達が押し寄せてくるところだった。
とてつもない魔力が感じられる、一隻の巨大な黒い船。それを取り囲むように、周りを旋回する鳥の魔物。
それを見るや否や、決戦に参加する者達全員の体が大きく震えるのが分かる。それは俺も例外ではない。
全身大きく震え、剣を握る手からは多量の汗が流れ出る。
戦わずとも、分かる…。魔族の圧倒的な魔力が…。
船が徐々に近づくと共に、全身から危険の信号が発せられる。
多量の汗、無意識に食いしばる歯、速さを増す心臓の音…。
「構えろ!!」
ヘンリーがそう叫ぶと、全員が武器を構える。それに遅れて俺も剣を握り締める。
気がつくと、黒い船よりも先に、鳥の魔物が目の前に迫っていた。
魔物達は俺達を確認したのか、鋭い眼光を放ち、巨大な翼を高速ではばたかせ、一気に迫り来る。
そして遂に、魔物達が鋭い爪をたて、唸り声をあげながら襲い掛かってきた!!!
「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」
ヘンリーが雄叫びをあげ、臆することなく魔物に飛びかかる。それに続き、ブラストも。
キィン!カァン!!
目の前で繰り広げられる、人類の運命を賭けた決戦。今、その決戦に俺も…。
「はぁっ!!」
――――――――――参入する!!!


656 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:31:25 ID:ZUrUvhEl0
>>654
老人の忠告→年寄りの忠告です。

657 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:31:43 ID:Xf640Cn60
繰り広げられる戦闘。鳴り響く奇声、雄叫び、爆音。
怒り、憎しみ、悲しみ…俺の中にある全ての感情を、剣に込め、果敢に振るう。
「とどめだ!!」
ズシャァッ!
「ギャァァァァァァス!!!」
旋回していたスターキメラが、奇声をあげ、パタリと地面に崩れ落ちる。対する俺は、2、3撃攻撃を受けた程度。
信じられない程強くなっていた。この村に来るまで魔物に圧倒されていた俺が、今は互角以上に戦っている。
攻撃を受けても平然としているブラストや武器屋、素早い動きで敵に触れさせもせず仕留めるカシラ、そして、ベギラゴンやメラゾーマといった上級呪文を容易く操るカルベ長老、フンドシ…。
なるほど。これほどの実力者達と毎日瀕死になるまで修行をしていたら、強くなる訳だ。
ヘンリーの動きも段違いに良くなっているし、ミレーユも以前までは使えなかったマヒャドを唱えている。
これは、案外容易に倒すという事も有りうるかもしれない。
「バギッ!クロスッ!!!」
俺に集中砲火をかけてきた三匹のガーゴイルに向かって、巨大な真空の刃が襲い掛かる。
真空の刃は瞬く間にガーゴイル達を飲み込み、全身を切り裂いた。
稲妻呪文の代わり、と言うのもどうかと思うが、バギの最上位呪文バギクロス。カルベ長老に教わった呪文だ。
あの稲妻には及ばないが、それでも、魔物を一撃で仕留める程の威力を持つ。
因みにもう一つ、ホイミの最上位呪文ベホマも習得した。まだ1回成功しただけで、実戦の中では未使用ではあるが…。
まあこの決戦の中で、何度も使う時が来るだろう。それ程、大規模で危険な戦いなのだから。



20余りの鳥の魔物を殲滅させる。
ガーゴイル、スターキメラ、ホークブリザード…手強い相手ではあったが、完全にこちらが圧倒していた。
余力はまだ十分に残っている…後は船の中にいる半数程度の魔物…倒せるか、否か。試してやる…!
「中々やりますね…皆さん。」
突然どこからともなく聞こえる高い声に、俺は全身が凍りついた。

658 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:33:08 ID:Xf640Cn60
船からふわりと飛び降りる一匹の魔物…紫のローブ…不気味に微笑む顔…それは紛れもなく、魔導師ゲマ。
ゲマは、ゆっくりと俺達に歩み寄る。不気味な微笑みを崩すことなく。
10年前の…あの時とは段違いの魔力を感じる…。ダメだ…全身ゲマに縛られているかの様に、身動きを取る事ができない…。
「き…貴様が何故ここに…!!!」
ヘンリーが、ゲマに剣を向ける。剣先が震えて定まっていないところから、ゲマに恐怖しているのが分かる。
「自己紹介がまだでしたね…。私はゲマ…。魔王ミルドラース様の側近の者です…ほっほっほ…。」
「くっ…!」
ゲマは、剣を向けるヘンリーを完全無視。8対1という状況下でも、ゲマから焦りや恐れを感じる事は出来ない。
戦わなくても、分かる…。10年前と比べて、ゲマとの差は、縮まるどころか、圧倒的に開いていた。
「ご安心ください…。あなた達と戦うつもりは毛頭ございません。血の宴を拝見しにきただけですから…ほっほっほ…。」
「ち…血の宴だと…!」
ヘンリーが、一歩前に出る。僅か1m足らずだが、ゲマに対して一歩近づくというのは、常人がなせる『業』ではない。ゲマの前では、そんな容易なことですら行うのは困難なのだ。
「そう…血の宴…。魔族と人間が戦い、傷つけ、殺しあう…。その様な最高の興を見ないわけにはいかないでしょう…ほっほっほ…。」
微笑みながら淡々と恐ろしい事を言うその姿は、まさに狂人…。やはり魔族とは皆、この様な思考をしているのだろうか。
「おっと、戦いの途中でしたね…失礼…。では、船の中で拝見していますので頑張って下さい…ほっほっほ…。」
そう言って、ゲマは船の中へと戻っていく。それと同時に、船の中で待機していた魔物達が、一斉に押し寄せる。
悪魔神官、メタルドラゴン、ゴールデンゴーレム…先程の鳥の魔物とは、段違いの強さを誇る魔物達…。さっきのは余興と言うのだろうか。
さっきより厳しい戦いになりそうだが…それでも、絶対に倒してゲマのところまで行ってみせる…!

ザシュッ!
「つっ!」
シュプリンガーの斬撃が、ヘンリーの脇腹に直撃する。

659 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:33:43 ID:Xf640Cn60
「メラゾーマ!!」
カルベ長老の放った巨大な炎の玉メラゾーマが、シュプリンガーの全身を焦がし尽くす。
「キシャァァァァァ!!!」
耳鳴りがする程の断末魔と共に、地面に倒れ絶命するシュプリンガー。
「どうしたんじゃ!勝てない相手ではないじゃろう!」
「す、すまない…!」
先程からヘンリーの動きが悪い。やはり、ゲマと対峙したのが原因なのだろうか。
実のところ、俺も同じだった。戦闘中にゲマの事ばかり考えてしまって、集中できていない。お陰で、仲間に助けられ続けるという失態を晒している。
この戦いにだけ集中したい…そう思ってはいるのだが、ゲマを間近に見た直後に、一時的にゲマを忘れ去るなど、至難の業…。ゲマという存在は、それ程脅威…。
さっきゲマが現れたのは、動揺させるためなんじゃないか…?魔族の恐ろしさを見せつける為に、現れたのでは…。
その様な考えが、無限にループする。
戦闘中にそれ以外の事を考えるなど、この世界では『死』を意味する。
実際、仲間がいなければ今頃、確実に屍と成り果てていただろう。
これではダメだ。ジャミやゴンズ、ゲマのところに辿り着くのは到底無理…。
今は、この戦いに集中しろ。ゲマという、最大の雑念を振り払い…。
「―――スカラ!」
再び剣を構え、魔物の海に飛び込んでいく。ゲマという目標に辿り着くため。



苦戦を強いられながらも、合計50匹の魔物を殲滅させる。
安心したのも束の間、次なる試練が待ち受けていた。
既に船から降りて、高見の見物をしていたジャミと、ゴンズ。
ゲマ程ではないものの、とてつもない殺気と魔力が感じられる。
流石ゲマ直属の部下、と言ったところか。50匹の魔物を倒した俺達を見ても、恐れるどころかゲマの様に不気味に微笑んでいる。

660 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:34:28 ID:Xf640Cn60
「へっへっへ…50匹倒しやがったか…。意外とやるようだな…。」
ゴンズがニヤニヤと笑いながら、口を開く。
「今度は俺達が直々に戦ってやる…と、言いたい所だが…その前にまだ戦って貰わねばいかん奴がいる…。」
まだ他にいるのか…?まさかゲマが戦う訳ではあるまいし…と言う事は…。
「遂に使う時が来たな…魔族の秘密兵器…。」
やはり…来た…!
秘密兵器とは、魔物だったのか。一体、どんな魔物なのだろうか…?
ジャミが、ゆっくりとこちらに手を向ける。それに警戒して、俺は剣を構える。
「秘密兵器、と言うより…実験体なんだがな…。…出でよ!実験体!!」
次の瞬間、周囲が突然光ったかと思うと、ジャミの目の前に、稲妻が舞い落ちた。
ドォーーーーーン!!!!!
「くっ!!」



「へっへっへ…。俺達と戦いたければ、まずこいつを倒すんだな。」
稲妻の後に聞こえたのは、ジャミの声。眩しさで目を瞑っていた俺は、ゆっくりと目を開く。
「―――なっ!?」
そこにあったのは、信じ難い光景…。俺のある一つの期待を、跡形もなく消し去る、最悪の光景…。

661 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/03/04(土) 00:35:07 ID:Xf640Cn60
「ド………ドランゴ………!」
全長4mの、巨大な斧を持つ恐竜…ドランゴ…。
まさか、こんな形で再会する事になるなんて………。
「コロ…ス………コロスコロスコロスコロス…!」
ドランゴは巨大な斧を振りかぶり、俺に向かって一気に振り下ろす。
ドォォン!!!
間一髪で避けるが、斧の着地点の砂が吹き飛び、砂嵐が巻き起こる。
「ド…ドランゴ!俺だ!思い出してくれ!!」
そう叫ぶが、思い出す可能性が無いに等しい事は、既に分かっていた。
ドランゴの紅い眼は、テリーの眼と同じ様に、悪魔の様な眼光を放っていた。
「ん?お前は…へっへっへ、そうか。10年前にデモンズタワーで、ゲマ様に石にされた奴じゃねえか。まさか復活してたとはな…。」
返事をしたのは、ドランゴでなく、ゴンズ。
「元仲間同士が敵として再会…面白ぇじゃねえか。おい実験体!あいつを集中的に狙え!!」
「ググ…リョウ…カイ………。」
ドランゴは標的を俺一人に絞り、再び斧を構える。
10年前に共に戦った仲間は、最早俺を『敵の中の一人』としてしか見ていなかった。

Lv32
HP121/167
MP69/88
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ、ベホマ
攻撃:バギ、バギマ、バギクロス、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き

662 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/04(土) 00:45:52 ID:ZUrUvhEl0
ローディ氏
割り込んでスマン

663 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 02:14:31 ID:uEnuVx1G0
なんかここにきてSS作者さん達は質・量ともに充実しだした感じだな

664 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 02:16:22 ID:uEnuVx1G0
スマン!肝心なことを言い忘れた。

投下乙カレー

665 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 03:28:36 ID:6/XeKkEdO
タカハシさん読ませてもらいました。
オルテガさんいよいよ旅始まりますね。
ローディさんいよいよクライマックスかな。
新人さん頑張れ〜

666 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/04(土) 23:45:32 ID:djV1pkuXO
みんな乙かれー、いつも楽しみに読ませてもらってる。頑張ってくれ。
あとはまとめサイトの人さえ帰ってきてくれたら・・・

667 :1 :2006/03/05(日) 03:22:18 ID:50lPgs5i0
職人の皆さん本当にお疲れさまです。
いつも楽しませてもらってます。

ところで、気が早いようですが、そろそろ次スレの準備が必要なようです。
実はこの現行五泊目スレは既に450KB近い容量になってしまってます。
前スレは容量制限500KBで突然落ちてしまったため、一部の職人さんが迷子になってしまいました。

このような事態を避けるべく、少しだけ早めに次スレを立てたいと思います。
新スレへの要望・テンプレ等、意見をお待ちしております。


668 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 13:57:35 ID:Ot9Q6YHP0
>>1
現在連載中の職人さん達と作品のリストがあるといいかな

669 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 16:20:48 ID:6hmZyX6b0
タカハシさん、オルテガさん、ローディさん、GJです。
それぞれ違った面白さがあって楽しく読ませてもらってます。
 
新人さんは大歓迎です。
これからに期待してます。


670 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 16:26:30 ID:6hmZyX6b0
>>668
同意です。
それと初めての人のために簡単なストーリー紹介があるといいかも。

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 18:39:42 ID:HQKgLTnS0
>>668,670
長らく休載している職人さんや、新しく始めようとしている人にとっては気後れするようにならないか?
>>1 さんの負担が増えることになるけど、まとめサイトのほうで「5スレ目で連載中の職人リスト」みたいにしてもらったほうがいいと思う。

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 20:45:54 ID:XAY1RFAl0
ストーリー紹介はいらんだろ
過去ログ読めばいいんだし

673 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/05(日) 22:39:25 ID:2CODBMeM0
>>672
社会人は忙しいので過去ログ読む暇が中々ない
そういう層のことを考えるとあった方がよいと思う
この板は意外と30代の人も多いし

674 :1 :2006/03/05(日) 22:52:03 ID:50lPgs5i0
好評連載中な職人さん達を軽くまとめてみました。

ローディ ◆qdB5QYIaRc
オリジ ◆8Ntuwr18d2
魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g
レッドマン ◆U3ytEr12Kg
DQな現代 ◆gqal0QWwZw
魚間◆TRIPなし→4PnqyfvO3
>>305-308→クロベ ◆JNf/CxpPRk
◆gYINaOL2aE ※通称「4の人」
オルテガ ◆8JKqodVw2k→zYgagV2g.w
タカハシ ◆2yD2HI9qc ※うp板にまとめあり
ヘタレ ◆ozOtJW9BFA
キョウ ◆Hju2GLbs6k
591 ◆MAMKVhJKyg
シャルル ◆zu/zVku.Kc

埋めマン ◆TZg1R4cTLE(総長の中の人)→行方不明
アミ ◆36yZlE15gs ※無事完結

ストーリーを紹介するのはテンプレが長くなりすぎて辛いかもです。
>>671さんの意見もあるし、どうしましょうか。
まとめサイトの書記さんは体調不良のようですし。

ところで、総長の中の人と同じトリップを某板の1にて発見。
それとなくレスしておきましたが…。

675 :670 :2006/03/05(日) 23:08:16 ID:6hmZyX6b0
>>674乙です
 
>>670の意見はあれば良いかなと思って書きましたが
無理のようなら気にしなくてもいいですよ

676 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 04:38:06 ID:FIJCDr2nO
>674
前エイコってヘタレいなかったっけ?
スレ荒れで逃げ出したヤツ

677 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 06:41:07 ID:oO/MzAr4O
そーいうこと言うのやめろや、だから荒れるんだろーが。
そもそも途中で止めようが何しようが職人さんの勝手だろ。

678 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 10:49:48 ID:g1eQVqjG0
本人の意思もあるわけだし、ヘタレで済ませるのはいいことではない。
個人的には残念だけど、そういった期待に応える義務は職人にはないのだし、
職人に暴言を吐く権利も我々にはない。

そうは言っても、職人さんには望むレスはつかないかもしれない、という覚悟を持って欲しいし、
読者側にとってもそれは同じこと。ここはFFDQの1スレであって、創作文芸ではないのだから。
そんなこんなを理解した上で、スレとして楽しめるような住民でありたいもんです。

次スレが立っても、1読者の俺としては、引き続き期待します。

679 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 14:19:05 ID:FIJCDr2nO
うほっみんなイイ子だねぇ
ってか俺も言い過ぎたごめんなさい
でも乙コール&感想を嫌がるのがなんか俺的にどうなのかなとオモタ

680 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 16:51:51 ID:PUSnkESU0
あぁ総長・・・

681 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 20:27:50 ID:IaJH4U0l0
>>1を発見したw
ところで次スレはいつ立てるんだい?

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/06(月) 21:11:40 ID:cOmoHpLlO
>>673
作品のあらすじは職人さんが書いてもらった方がいいんじゃね?
但し、強制ではなく任意で。

683 :1 :2006/03/06(月) 22:12:16 ID:XM++r+dQ0
次スレテンプレ案について続き。

ストーリー(あらすじ)紹介については無しの方向で。
職人さんリスト>>674をテンプレ追加ということでどうでしょうか…。

>>681
次スレは残り10KB程度になってからですかね。
スレの性格上、あまり早く立てすぎても物語の前後関係が混乱しそうですし。

今現在残容量まだ50KB近くあるようです。
職人さん方、まだまだ投下OKです。

684 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/07(火) 06:38:40 ID:yqjkuQXe0
個人的にはパっと書いて気軽に投下、脱退できるような
そういう自由度があってもいいと思う。
色々なルールを付け加えるのもいいけど、職人さんを引かせる原因にはならんかね?


685 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:32:11 ID:t9I8DaG70
>>654続き
 
老人が消えた後も、オレはしばらく呆然としていた。
確かに老人はこう言った。
「何も知らない世界で死にたくはあるまい?」
・・・オレがこの世界の人間じゃないと知っているのか?
いや、そんなはずは無い!知っているはずが無いじゃないか!

それに、何で旅の事も知っているんだ?しかも危険だからやめろだなんて・・・
一体何なんだ?あの糞ジジイは・・・ひょっこり現れては不吉な事ばかり言いやがって
・・・
オレに対して恨みでもあるのか?
 
一方的に言いたい事を言って、その理由を尋ねる前にいなくなるときている・・・
しかも行動にまで口出しして来るなんて・・・
誰だって理由も分からないままに自分の行動にケチを付けられたら腹が立って当然だろう。

そうだ、あんなジジイいう事なんて気にする事はない。
この旅は絶対に行かなければならない・・・
世界を救うためだなんて事は思わない。自分のために、元の世界に戻るためにも必要なはずなんだ。

不思議なもので、今までイマイチ乗り気になれなかったのが嘘のように変化していた。


686 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:33:31 ID:t9I8DaG70
少しして、ミリアムがやって来た・・・が・・・
「どうしたんだ?その格好は・・・」
思わず口に出してしまった。
昨日の服装とは違い、何やら武道の稽古着のような服を着ているのだ。
 
「ああ、これの事?似合ってるでしょ?」
話を聞いてみると、ミリアムは幼い頃から武道の稽古を積んできたとの事だった。
「トリスタンの旅を助けるつもりでずっと特訓してたのよ。だから結構自信あるよ」
言葉通り、自信満々の顔をしている。
 
武道・・・とてもそんな風には見えないけど・・・
勿論、自分の身を守れる程度の力を持っていてくれないと、こちらとしても困るのも確かだ。
 
最後にマトリフがやってきて、ようやく3人揃う。
 
3人で道具屋に行き、薬草、毒消し草を買い求める。
塔での事を思い出し、少し多めに買っておく事にした。
更には食料等も買い込んで、買い物を済ませる。

これで出発の準備完了・・・いや、大事な事を忘れる所だった。
王様に出発の前に顔を出すように言われていたっけ。
ひょっとしたら、餞別でも貰えるかもしれないし・・・

687 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:34:25 ID:t9I8DaG70
「よし、出発するとしよう」
マトリフはそう言って、ミリアムと共に町外れに向かって歩き始める。
それを慌てて呼び止める。

「ちょっと待ってくれ。王様から出発の前に顔を出すように言われているんだ」
しかし、マトリフはいかにも面倒臭そうな顔で言う。
「そんな事は時間の無駄じゃ。せいぜい長い激励の言葉を聞かされるのが関の山じゃろう。無用無用」

とんでもない事を言う爺さんだ。
「いくらなんでも王様を無視して行くのはまずいんじゃないか?」
と、呆れて言い返すが、
「大丈夫じゃ。ワシは王が幼い頃、その教育係をしていたからの。未だに王はワシには
 全く頭が上がらんわ。出発するぞ」
と言ってまた歩き出してしまう。

仕方なくそれに付いて行きながら、今後に大きな不安を感じていた。
この爺さんには振り回されそうな予感を・・・

その内に町の入り口が見えてきた。
この世界にやって来た日に、アモスと通った時の事をふと思い出す。
あの時は、何も分からないままに流れに身を任せる事しか出来なかった。


688 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/03/08(水) 03:35:20 ID:t9I8DaG70
今回はそれとは違う。
最終的に旅立つ事を決めたのはオレだ。自分の意志で決めたことだ。
流されて行くのではない。

この先に何が待ち受けているかなんて分からないけど・・・
それでも今は行動する事が先に繋がるはずなんだ!

そう心に言い聞かせて町の門をくぐり、再びアリアハンの外へ足を踏み出した。

しかし・・・謎の老人が残した言葉、その予言は忘れようにも忘れられずに頭の片隅の中で
シコリのように残っているのだった・・・
 

序章、完。

第一章につづく


689 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 09:29:47 ID:c0LVIvoB0
ただ今454KB

690 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:27:37 ID:JD699D9z0
>>638
続き

●別宴

「なぁこの輝き… 美しいよなぁ…」

カンダタの手に依って復活した雷鳴の剣を掲げうっとりとしながらつぶやくテリー
二日間掛け修復された雷鳴の剣を携えこの宿の部屋へ戻ってきたのだ

俺はと言うと、鍛冶屋から追い出された後市場でうまい刺身を食べたり砂浜で物思いに耽ったりして過ごした
いざ一人になってみると何もすることが無い
メイから食事の誘いでもあるかとちょっぴり期待していたのだが姿すら見ることがなかった

「確かに、折れる前よりも… なんというか輝いてる気がするなぁ」

うっすらと青白い光を放つ雷鳴の剣を見て俺も言う
刀身から溢れんばかりの力を放っているように見える

「だろう?
 カンダタさんが言うには俺の魔力と強い思いが賢者の石の力を最高にまで高めたそうなんだ
 この剣で早く戦いたいなぁ………」

なるほど
テリーの剣に対する思い入れはとても大きかったから─

691 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:28:26 ID:JD699D9z0
「そうそう、カンダタさんからの伝言だ
 "明日の朝、村の入口へ来い"と言っていたよ
 いよいよお前の剣も鍛え直すんだな、でもなんで村の入口なんだろう?」
「うーん、たぶん俺の剣捌きを見て修正するんじゃないのかな」
「なるほどなぁ ああしかし美しい……」

伝言を伝え終わったテリーは再び自分の世界へ入り込む

雷鳴の剣は復活した
ということはテリーがこの村にいる理由もない
もう 出ていくのか?

「なぁテリー
 雷鳴の剣も直ったし、お前はすぐに出ていくつもりなのか?」

しばらく無言で剣を見つめた後テリーは返事を返した

「ああ… お前には済まないがメルビン殿を待たせてあるからな
 明日、早々に発つつもりだよ」
「そうか…」

この村に着いたらお互いそれぞれの道を歩む事はわかりきっていた
でもやはり別れは─

外は暗い
部屋の真ん中にあるランプは強い光を宿している

692 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:31:10 ID:JD699D9z0
「いよいよ、か…
 ここまで一緒に旅をしてくれてありがとう
 短い間だったけど楽しかったしたくさんの事を学ばせてもらったよ」

少しうつむき、テリーの方は見ずに言う
面と向かって言うのはちょっと照れ臭いからだ

「俺の方こそ、剣を譲ってもらいなにより─」

言いかけた言葉を止めるテリー

「なにより、なんだ?」
「ああ 俺はずっと思っていた
 お前と旅をするのはなんというか宿命だったんじゃないかと、な
 前に言ったよな? お前は他の人と違うと…」
「はは なんだよそれ
 テリーは自分の意志で兵士を止め今以上に強くなろうと決めたんじゃないか
 俺は何も言わないし関係ないと思うぞ?」

そう 俺はたまたまトルネコと出会いテリーと出会い─
全ては偶然だ
この世界は異世界の人間が入ってきたことで何か変わったかもしれないが…

693 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:32:00 ID:JD699D9z0
「そうか、まぁそうだな考え過ぎか
 でもお前に出会えたことは感謝しているんだ、礼を言う
 さぁ今夜は酒でも飲んでお互いの今後を語りあおうじゃないか!」

そう言い部屋を出るテリー

明日から俺は一人なんだな
そういえばこの世界で一人きりっていう状態は半日くらいしかなかった
これからやっていけるのか 不安だらけだが─
トルネコを助けたい気持ちは今も揺るがない
助ける術を探す旅が俺の為にもなると信じてる

「酒を持ってきたぞ!
 と言ってもお前はすぐ酔うからこの小さな瓶一つだ」

二人してドカッと椅子に座りお互いの器に酒を注ぐ

「じゃぁ… お互いの今後に乾杯だ!」

手に持った器をコツッとぶつけ一口
木製だからチィンと気持ちの良い音が出ないのがなんとも味がある

694 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:32:55 ID:JD699D9z0
「なぁタカハシ
 お互い二度と会えなくなるわけじゃないんだ
 旅をしていればきっと再開できる その時が楽しみだな」
「うん、メルビンさんは旅商人だし俺もあちこちを移動する
 次会うときはテリーを越えるくらい強くなるさ」
「言ってくれたな!
 だがその言葉を聞いて安心した、お前なら絶対強くなれるし一人でもやっていける」

そう また会えるさ
明日で別れるのは確かだけどお互い旅を続けることには変わりが無い

「その時まで… 死ぬなよ
 俺たち二人できっと、魔王を倒すんだ
 交わした約束、忘れないでくれよ」

俺は黙って頷きテリーの器に酒を注ぐ

もちろんだよ、死ぬもんか
生きて元の世界へ戻るんだ

その晩遅くまで語り合いいつしか眠りについていた

695 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:33:27 ID:JD699D9z0
朝靄がまだ残る早朝
俺はテリーと共にフィッシュベル入口にいた
テリーはこのまま村を発ちグランバニアへと向かう

「じゃあなタカハシ
 お前とは戦友であり友だ
 また会えることを信じている」
「もちろんだよ」

静かだ
心臓の音がテリーに聞こえてしまうんじゃないかという位に無音
友との別れにしては落ち着いている
短いつきあいだったけどとても濃い日々だった

「よし、じゃあ俺はいくよ」
「元気、でな!」
「お前もな、じゃあまた!」

村の外へ歩いていくテリー
俺はその姿をじっと見送る

696 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:34:04 ID:JD699D9z0

テリー
俺は元の世界へ戻らなきゃならない
もしかしたら二度と会うこともないかもしれない
だから…
いや、お互いの目的を見事に果たそう
もしも、出来ることならまた会いたい、な


テリーとの別れ
日が昇りきるまで姿が見えなくなっても俺は見送った


〜 第二部 完 〜

〜 第三部へ続く 〜

697 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/08(水) 17:40:12 ID:JD699D9z0
第二部終わりです
第三部へ続き、書きはじめてはいるのですが風呂敷を広げすぎたので熟考期間を置きます
必ず続けますので。

まとめテキスト
・第一部
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10543.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10543.txt
・第二部
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10545.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10545.txt

スレ立てについて、住民の皆様よろしくお願いします

698 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 17:59:36 ID:iUfa06iE0
オルテガ氏乙
いよいよ本当の旅立ちですね。続きに期待してます。

タカハシ氏乙
続きは気長に待つ事にします。

699 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/08(水) 20:10:22 ID:2FYrAcdU0
このスレを見てテリーが好きになったやつは手を上げろ!

ノシ

700 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 04:13:25 ID:UsIXhPcVO
>699
ローディな件について

701 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 08:30:28 ID:s/Y5bsmP0
ノシ

タカハシ氏の影響もあるな。愛着がわいてきた。

702 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2006/03/09(木) 19:38:36 ID:Q2ufQMs+0
広くそして薄暗い部屋・・・・
そこに5人の魔王が集結していた。
「さて・・・奴の様子はどうだ?」
バラモスよりもわずかに小さく、羽のはえている魔王・・バラモスブロスが発言した
「今は試験中だ・・・」
それに兄であるバラモスが答えた
「本当に奴なんだろうな?もし違ったら兄貴に責任をとってもらうぜ」
ブロスがバラモスに向かって吐き捨てるように言った・・・
この兄弟は昔から仲が悪いことで有名だった、魔王となるずっと前から・・・
すると黒色の髪をした長髪の男が発言をし始めた
「それはともかくとして・・・・試験が終わり次第あの男は私の部下として
いただきたいのですか・・・」
「それは貴様の決める事ではない、全てはゾーマ様の考えで我々は動かなく
てはならん」
長髪の男に反対したのは美しい姿をした女性だった、しかしその本当の姿は
六本の首のあるおぞましい姿をした怪物だ・・・
醜い姿を拒む彼女はその能力を使って美しい姿に自分を変えていたのだ・・・
「それならばなぜ我々はこうして集まっているのです?こうして集会
 を開く意味などないでしょう?通信で命令を出せばそれですむはずです」
長髪の男はオロチに反論した、その言葉は冷静だった
「たかが魔人である貴様にそんなことを言われる筋合いはないわ!!!」
それにオロチも反論するが長髪の男はそれでも冷静に言葉を返していった
「いまここで本当の姿を見せてくださいよ
 自分を偽っているような人が偉そうにしないでくださいよ」
オロチは言い返せずにただうなるだけだった、そして我慢が限界を超え
長髪の男に飛びかかろうと言うときに・・・・
「そこまでにしろ、ゾーマ様だ」
ゾーマの気配に素早く気づいたキングヒドラは静かに言い放った
オロチはゾーマの名に反応し、あわててイスに座り直した。

703 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2006/03/09(木) 19:41:52 ID:Q2ufQMs+0
短いけど今日はここまでで。

704 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/09(木) 23:41:55 ID:oSIj2fc2O
一瞬キングヒドラをキングギドラと思ってしまったw

705 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 02:51:48 ID:WAyi+QsDO
魔人さん乙です
オロチがイスに座る姿を想像して、かわいいって思ってしまいましたw

706 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 02:53:56 ID:WAyi+QsDO
あ、想像したのは魔物の姿のオロチね

707 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 10:59:57 ID:AFB5huz60
面白いね。

708 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 11:46:38 ID:yH5flYq4O
携帯の人で>>697のタカハシ氏の第一部文字化けしないで見られる人いる?

709 :ククール :2006/03/10(金) 12:39:24 ID:RhUULPWW0
おはよう。今日も城でかわいこちゃんをナンパシテキタゼ

710 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 13:17:26 ID:+2KCR3Rw0
>>ククール
kwsk

711 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/03/10(金) 13:53:02 ID:r42JfvES0
>>697

第一部テキストの文字コードがUTF-8のままでした、ごめんなさい
Shift-JISに変更してアップしなおしました。
PC http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10631.txt
携帯 http://fileseek.net/proxy.html?http://sakuratan.ddo.jp/uploader/source/date10631.txt

>>697
この第一部テキストは削除しています

>>708
報告ありがとうです
ごめんなさい

読んでくれてありがとう

712 :ククール :2006/03/10(金) 15:18:30 ID:RhUULPWW0
サザンビークにおそろしいほど可愛い子がいるよ

713 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/10(金) 17:53:06 ID:yH5flYq4O
>>711
素早い対応ありがとうございます
あのトルネコをあんなにかっこよくみせるのはスゴい…

714 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:06:22 ID:9K/r2Q9C0
俺達はムーンブルグの城に再び戻ったのだが、個人的には戦場の跡地には行きたくないものだ。
流石にムーンも驚きの表情を隠せなかったようだ………

ムーン「…………………………………………」
 もょ「どうしたんだ。ムーン?」
ムーン「………何でもないわよ。行きましょ。」

生まれ故郷が跡形も無く崩れ去っているのだから無理も無い。
さすがに城内も以前俺達が来た時よりも嫌な雰囲気になっていた。
魔素が強くなったと表現してもいいだろう。

探索をしている内にモンスター達が近寄ってきた。リビングデッドだ。

 もょ「ムーン、くるぞ!」
ムーン「もょもと!ちょっと時間を稼いで!私が呪文で援護をするわ!」
 もょ「まかせたぞ!」

もょもとの先制攻撃でリビングデッドに斬りかかったのだが一撃では倒せない。
 もょ「くっ…しつこいやつだ…」
リビングデッドが半身になっても襲い掛かるので切りが無い。その時後ろからムーンの声がした。

ムーン「バギッ!」

ムーンが発声した後に小さな竜巻がリビングデッドを切り裂いたのだ。
ムーン「危機一髪ね。もっとしっかりしなさいよ。」
 もょ「おかげさまでたすかったぞ。」
ムーン「気を抜いては駄目よ。」
この娘もサマルと同様に回復呪文や攻撃呪文も使うのか……戦力的にも魅力的だ。それに美人だし(;´Д`)ハァハァ

715 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:06:52 ID:9K/r2Q9C0

王座の間についた時炎の様な物がうろついていた。確かムーンブルグ王の魂だ。
ムーン「もょもと。あれは魔物なの?」
 もょ「ちがうぞ。あれはおうさまのたましいだ。」
ムーン「ええっ!?う、嘘でしょ?」
 もょ「おうさまのおかげでムーンをたすけることができたんだ。」
ムーン「そんな…」
ムーンはいきなりムーンブルグ王の所に駆け寄った。

ムーン「お父様!」
  王「ダレカイルノカ……?」
ムーン「私よ!ムーンよ!ここにいるわ!」
  王「スマナイ…ワシニハナニモキコエヌ…シカシナツカシイカンジガスル…」
ムーン「うっ…うっ…お父様…」

ムーンが泣き出した。自分の父親に話しかけても意思伝達が出来ない。それを見ている俺も切なくなった。

 タケ「うっ…………………」
 もょ「どうしたのだ。タケ?」
 タケ「ち、ちょっと嫌な事を思い出してしまってな…」
 もょ「なにがあったんだ?」
 タケ「悪いなもょ。それは言えへんのや。俺自身の事やねん。すまん。」
 もょ「わかった…きいてしまってすまないな。」
 タケ「ええんよ。ただ…俺から言える事は女の涙は男にとっては毒やで。」
 もょ「ああ…おれもリアちゃんがないたときはすこしつらいきぶんになった…」
 タケ「そっか…………………」

俺はそれ以上何も答えられなかった。言葉では表現できない感情が込み上げて来たのだから………………


716 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:07:39 ID:9K/r2Q9C0

ムーン「もょもと…」
 もょ「ム、ムーン…その…」
ムーン「私なら大丈夫…お父様や城のみんなの敵討ちのためにハーゴンを倒すわ。」
 もょ「そ、そうか…なんてこえをかければいいのかわからなかった…」
ムーン「いいのよ。でも、貴方が慰めようとする気持ちが雰囲気で伝わるわ…その、ありがと。」
 もょ「あ、ああ…」
ムーン「お父様の書斎に行きましょう。何か記録があるかもしれないわ。」

聞いている俺も胸がドキドキドッキンっとなっちゃいましたよ。とにかく俺達は王様の書斎に向かった。

書斎は思ったほど被害が無く、荒されてはいなかった。
俺にとってこの世界の文字が読めないはずなんだが俺の視点では何故か日本語で表示されていたのだ。
本の種類には『ロトの末裔の記録』『呪文の理・初級編』『あらゆる武器の入門書』などがあった。

 タケ「もょ。ロトの末裔の記録っていう本を俺に読ませてくれへん?」
 もょ「ああ。これはごせんぞさまのきろくみたいだな。」
 タケ「ちょっと読んでみるか。おっ、この部分が気になるな。」

ロトの末裔アレフは悪の帝王と呼ばれた竜王の最強の部下、ダースドラゴンと戦った時、古の聖剣ロトの剣と呼ばれるものを封印されてしまったらしい。
一旦アレフは戦いから離脱し、そこでアレフは…………を使い、………………レヴァティンを作り出し、再度ダースドラゴンに挑んで勝利を収めた。
ちなみにその武器で竜王を倒したと言われている。しかしアレフが竜王を倒した後レヴァティンが消え去ってしまったのだ。 

 もょ「どうだった?」
 タケ「アカン。焦げ付いて詠めへん所もあったわ。ありえへん事もあるんやな。武器が消えてしまう事があるなんてな。」
 もょ「しかし『レヴァティン』っていうぶきはなんだろうな?」
 タケ「現在わかる範囲内では最強の武器ってい言う事ぐらいやな。ましてロトの末裔アレフが竜王と戦ったときに使っていたみたいやし。」
 もょ「う〜ん…ロトのつるぎとどっちのほうがつよいのだろうか?」
 タケ「二つとも手に入れたらわかる話やろ。しかし超が付くほど夢物語やで。ホンマ。」


717 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:08:34 ID:9K/r2Q9C0

ムーン「もょもと。そっちはどうだった?」
 もょ「そうだな。いまとのところはさいきょうのぶき『レヴァティン』がわかったくらいだ。ハーゴンをたおすのにひつようだろうな。」
ムーン「私は『呪文の理・初級編』を読んだわ。私にとっては復習になるけどサマルやリアにも頑張って貰わないとね。」
 もょ「しかしとっくんするのはいいのだがつぎはどこにむかえばいいのだろうか?」
ムーン「書斎で見つけた世界地図によるとルプガナって町が一番近いみたいね。しかし砂漠を越えてさらにドラゴンの角って呼ばれる塔にも向わないといけない。」
もょ「なるほど…じゃあルプガナにきまりだな。」
ムーン「ええ。それじゃあ戻るとしましょう。私も勝手に抜け出してきたんだから。トーマス達も心配しているだろうし。」

718 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:12:20 ID:9K/r2Q9C0
このまま何事も無くムーンペタに戻れるはずだった。しかし…

ムーン「もょもと!まだリビングデッドが3体がいるわ。やるわよ!」
 もょ「おう!ムーンは…
 タケ「(ちょっと待ちいや。もょ。まだリビングデッドがおるみたいやな。)」
 もょ「(タケ、なにかさくがあるのか?。)」
 タケ「(俺に代わってくれへん?こいつらなら新必殺技が効果テキメンな相手やからな。それに後に備えてムーンちゃんの魔法力を温存しておかないとアカンやろ?)」
 もょ「(それならまかせたぞ。しかしいつのまにみにつけたんだ?)」
 タケ「(それはお楽しみやで。まぁ見とき。)身構えるだけでいい!俺に任せてくれ!」
ムーン「けど貴方じゃ一撃で倒せるはずがないわ!」
 タケ「出来るんだよな。それが。」
ムーン「えっ?」

 タケ「ゾンビ斬り!!」

リビングデッドを切り裂いた後一瞬にして白く輝きリビングデッドが消滅した。ちょっとパワーアップしたって感じか。
 もょ「(すごいじゃないか。タケ!)」
 タケ「(巧くいったやろ?後2体もサクサクっとやっちゃいますか。)」

残りのリビングデッド達も難無く倒すことが出来た。
ムーン「やるじゃない!」
 タケ「無事に終わって良かった。それより気を抜くなよムーン。近くにこいつらを操っていた術者がいるかもしれん。」
ムーン「えっ!?」
 タケ「俺がサマル達とラーの鏡を探していた時こいつらを操っている奴がいたからな。」
ムーン「…わかったわ。急ぎましょ。」
 タケ「とにかく早くムーンペタに戻ろう。」

こうゆう時は急ぐのが得策だ。城の入り口まで戻った時に事件が起きた。


719 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/03/11(土) 09:13:15 ID:9K/r2Q9C0
銀髪の男と怪しい仮面を被りローブを着ている人間が対峙している。仮面の方は間違い無くハーゴンの手下だ。

 手下「貴様何をしている!私の邪魔をするとはいい度胸だな。」 
  ?「それよりここはどこなんだ?あんた知らないか?」
 手下「私の質問を無視するとは。生意気な男だ。死ね!ベギラマ!」
  ?「はー…やれやれ。問答無用か。マジックバリア!」

男が呪文を唱えると光の球体が男を包み、ハーゴンの手下の呪文を無効化にしたのだ。

 手下「バ、バカな…」
  ?「無駄な魔法力を使わせやがって…とりあえず死んでもらうとするか。バギマ!」
 手下「Gyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!」

この男…マジ強え…しかもバギよりすごい竜巻を出すとは。

ムーン「い、一体何があったの?」
 タケ「あの男がハーゴンの手下を呪文で殺したみたいだな。」
ムーン「あの人は味方なのかしら?」
 タケ「わからん。しかしムーンの魔力もすごいがあの男の方がムーンより上回っているかもしれん…」
 
ムーンと話しているうちに男が近づいてきた。

  ?「あんたら。ここはどこなんだか教えてくれないか?」

もょもと&タケ
Lv.13
HP:76/92
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)


720 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 09:28:40 ID:2kKEOzWo0
ただ今473KB
そろそろ次スレ

721 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 10:05:12 ID:dVz1VdgZO
レッドマン乙。

意外性がある展開が良い。
連載当時に比べたらかなり上手くなった。


722 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 10:08:43 ID:95YcLUfs0
銀髪の男っていうと1人しか思い浮かばん

723 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 11:03:45 ID:zC6UDPjgO
セフィr・・・嘘嘘ww。
あいつかな?レッド氏、お疲れ様っした〜。

724 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 13:46:03 ID:PZsyV4CH0
おもちへ

この手紙をもって、僕の仕事を終わりとする
まず、僕の病態を解明するために、アンコ教授に病理解剖をお願いしたい。
以下に、ぜんざい治療についての愚見を述べる。
小豆の根治を考える際、第一選択はあくまで手術であるという考えは今も変わらない。
しかしながら、現実には僕自身の場合がそうであるように、発見した時点で転移や播種をきたした進行症例がしばしば見受けられる。
その場合には、抗癌剤を含む全身治療が必要となるが、残念ながら、未だ満足のいく成果には至っていない。
これからの治療の飛躍は、手術以外の治療法の発展にかかっている。
僕は、君がその一翼を担える数少ない医師であると信じている。
能力を持った者には、それを正しく行使する責務がある。
君には治療の発展に挑んでもらいたい。
遠くない未来に、小豆によるあんこの死が、この世からなくなることを信じている。
ひいては、僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立てて欲しい。
屍は生ける師なり。

なお、自ら治療の第一線にある者が早期発見できず、手術不能の小豆で死すことを、心より恥じる。

ぜんざい五郎


725 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 21:34:44 ID:2kKEOzWo0
もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら六泊目
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142080254/

埋め荒らしっぽいのに埋められる前に立てた

726 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/11(土) 21:48:39 ID:zC6UDPjgO
新スレたったので職人さんは移動してね〜。

727 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/12(日) 13:47:03 ID:aYs5EAmk0


        まもなくここは 乂1000取り合戦場乂 となります。

      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴルァ!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,         \オーーーーーーーッ!!/
      //三/|三|\     ∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ∪  ∪       (    )    (     )   (    )    )
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧∧_∧∧_∧ ∧_∧∧_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )    (    )    (    )    (    )


728 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/12(日) 13:50:12 ID:aYs5EAmk0
ksk

729 :ククール :2006/03/12(日) 15:58:47 ID:ck+nLIN80
だな

730 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/13(月) 13:02:52 ID:t6xd8ToGO
そして埋めマンが登場

↓ドゾー

731 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/13(月) 14:26:53 ID:vitbFW0K0

しゃぶれよ。

732 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/13(月) 14:34:26 ID:nMIS1eVlO
銀髪の男?ヴァン?キマリ?クジャ?風神?ヴァイス?セフィロス?ロッズ?ヤズー?カダージュ?セッツァー?ロック?バッツ?セシル?フリオニール?皇帝?エルムドア?

733 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/13(月) 16:06:05 ID:vitbFW0K0
10分以内に1000行ったらおっぱいうp

734 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/03/13(月) 16:11:16 ID:vitbFW0K0

                 / /_________________________
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             / /  . |   |. /  /   // / ノ     /   / ̄ ̄ ̄ .   /
             / /    |   |/  /  ⊂( し'./    /   /         /
            / /     |     /     | ノ'     . /   /         /
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