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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら五泊目

1 :冒険の書庫の書記代理 :2005/12/17(土) 22:49:59 ID:wtVzywQO0
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレが容量制限で書けなくなったため立てました。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目」(容量制限落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128780044/

過去スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/
※最近更新してない…書庫の中の人捜索中

452 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 08:50:14 ID:xkF27O1E0
スレ立てれ。面白いの書けりゃ盛り上がる。
つまらないのが書けりゃ糞スレ立てるなと言われるが。

453 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 13:31:57 ID:1pyAJ2FS0
あげ

454 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 13:42:00 ID:34/k8FhMO
>>1サマルトリアの王子と結婚します。

455 :451 :2006/02/12(日) 13:43:40 ID:Jq9l8o1gO
>>452
今ここで書いてるのが完結出来たらスレ立てしてみます
ちょっぴり書き溜め始めたけどおもしろいかどうかは正直わからないです
ありがと

456 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 13:43:43 ID:hay1+b5F0
とりあえず装備を確認する

457 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 13:50:59 ID:6vG5sUDr0
あげ

458 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 13:53:36 ID:34/k8FhMO
サマルトリアの王子の名前のバリエーションてどんくらいあるの?

459 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 14:03:59 ID:Q4SUsJy90
FFねぇ、スレ立ったら俺も行ってみるかな。

460 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 17:00:38 ID:Cq886ZJZ0
      r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/      >::::::::::ヽ
.      〃  ヽル1'´        ∠:::::::::::::::::i
       i′  ___, - ,. = -一   ̄l:::::::::::::::l
.      ! , -==、´r'          l::::::/,ニ.ヽ
      l        _,, -‐''二ゝ  l::::l f゙ヽ |、
        レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_   !:::l ) } ト  お前みてえなガキは泊まっていきやがれ
       ヾ¨'7"ry、`   ー゙='ニ,,,`    }::ヽ(ノ  
:ーゝヽ、     !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、       ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{   __)`ニゝ、  ,,iリ::::::::ミ    
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ ,  な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /

461 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 17:11:26 ID:CNnHEUMl0
よし!この宿屋燃やそう!

462 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 18:34:37 ID:34/k8FhMO
サマルトリアの王子に寄り添って生きていく!!
フィールド移動の時も守ってもらうの ^ ^
いいでしょ。

463 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 18:58:55 ID:DQHuefZs0
とりあえずトイレ

464 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 20:01:24 ID:EHT1kdgzO
>463
はいはいIDがドラクエドラクエ

465 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/12(日) 20:33:55 ID:YcGxzkmS0
あまり住人を怒らせない方が良いw

466 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/13(月) 05:36:52 ID:PcQ2tRyf0
「え? 無い?」
ミモザの素っ頓狂な声が、店内に響き渡った。
「申し訳ないんですが、入荷もいつになるか……」
店の主人はそう言って謝り倒す。私は荷袋を背負ったままミモザの後ろできょどきょどしている。

町――ラダトーム城下町というらしい――に着くなり、ミモザは道具屋へと足を運んだ。
何でもナントカという代物があれば、ミモザの言うところの「上の世界」に行けるということだ。そんな便利なアイテムが
あるもんだろうかと思ったが、あえて突っ込むのはやめておいた。魔法だの魔物だのが存在する世界だ。そういう
ものがあってもおかしくないのかもしれない。
ちなみに今は宵をすぎた頃らしい。ミモザがこの世界の時計を見せてくれたが、見慣れたものとは全然違う。結局私に
読むことはできなかった。
まあとにかく、話を戻そう。

「無いってったって、こないだ来た時はあったはずなんだけど」
「ですからその……売り切れてしまいまして、その……」
「じゃーさっさと入荷して」
「先程から申し上げているとおり、入荷予定が未定なんですよ」
「は? ふざけんじゃないよ」
ミモザさんこわーい。ミモザさん鬼ー。……これはあくまでも頭の中だけで思っただけだ。
「ちょっとあんた!」
「ひゃっ」
ところがミモザは急に振り返り私を睨んだ。まさかテレパシー?などとくだらないことを考え私は肩をすくませる。

467 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/13(月) 05:38:01 ID:PcQ2tRyf0
「あんたも何か言うことないの? 結構一大事なんだけど」
……そんなものは流石にこの世界にもないらしい。ちょっと安心した。
「あのね。今どういう状況か分かってるわけ?」
私は素直に首を横に振り、ミモザは呆れて肩を落とす。
「『上』に行くにはね、キメラの翼が無くちゃいけないんだよ」
キメラの翼……そういえばそんなことをミモザは言っていた。翼というくらいだから、背負って飛んでその「上の
世界」に行くような感じなんだろうか。
「ちょっと、聞いてる? でね、普通は道具屋なんかに行けば気軽に手に入るものなんだけど……」
一旦言葉を切って、ミモザちらっと道具屋の主人を見た。恰幅のいい男はかわいそうに、蛇に睨まれたカエルの
図そのままだ。
「ここには無いんだって。町中で道具屋なんてこの一軒しかないのに」
「はぁ……」
「はあじゃない! 帰るどころかアレフガルドから出られもしないかもしれないんだよ!」

出られない。アレフガルドから。
それはまずい。
バイトもあるし今年は就活も考えてたのに。せっかく好きな歌手のライブチケット取れたのに。今週のトリビアも
楽しみにしてたのに。
……
……はぁ。
何てくだらないんだろう。これらが、私の全てなんだろうか。
いや、そんなこと考えている場合じゃない。――帰るんだ、何としても。今はとりあえずそれだけだ。

「あの、どうしてないんですか? どこに行けば手に入るんでしょうか?」
しどろもどろしている店の旦那に、しどろもどろしながら私は問いただす。とにかくキメラの翼とやらがないと困るらしい。
「どうしてもどこもも、とにかく無いものは無いんですったら。あなたもお連れの方に何とか言ってくださいよ、もう」
……何コイツ。突然強気になりやがった。
私のことを舐めているわけか。ああそうか。確かに私は気は強くない。キャッチセールスの人にもよく声をかけられるし、
新聞勧誘だって断れないし。
「いや、でも、あの……」

468 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/13(月) 05:40:31 ID:PcQ2tRyf0
「じゃあどうしろっての? え? こっちは客だよ、答える義務ってもんがあるだろ」
おお、ミモザさんかっこいい。こういうときに押し切れる人はすごいと思う。……接客する側としては最悪だけど。
「実は、その、……非常に申し上げにくいんですけどもね」
急に威圧されるオヤジ。態度変わりすぎ。ていうかミモザさんこわ過ぎ。
「さっさと言いな」

「……全部とられちゃったんですよ、強盗に」
( ゚Д゚)ポカーン   (゚Д゚)ハァ?
開いた口がふさがらない。ちなみに左が私で右がミモザだ。
「いやね、全部って言っても、そもそもうちには数個しか置いてなかったんですけどね」
弁明するべきはそこじゃないだろう。

「あの、これからどうするんですか?」
「あー……もう敬語とかいいよ、何かうざいし」
投げやりに言って、ミモザはぐったりと宿の部屋に備え付けられたベッドソファに身を投げ出した。
今、私たちは宿屋の一室にいる。ちなみに昨日の朝に私が追い出された宿だ。
結局あの後、道具屋のオヤジから聞き出せたのは、その強盗一味の親分の名前だけだった。
――カンダタ。
そいつのせいで、私たちは今現在こうして宿に逗留せざるをえない状況に陥っているわけである。
「にしてもあの野郎、またやってくれたわ」
「『あの』って、知ってるんですか? その神田さんとか言う人」
いきなりタメ口でいいと言われても、はいそうですかと素直に砕けられる私じゃない。
「カンダタだよ……ちくしょう、今度会ったらしばく。絶対しばく」
「ミモザさんこわい」
「怖くて結構。あームカつく!」
神田……じゃない、カンダタという強盗は、「上の世界」では名の知れた悪党だったという。
強盗から人身売買まで、金になることならなんでもするような男だと、ミモザはちょっと聞くに堪えない罵詈雑言を
交えながら話してくれた。

469 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/13(月) 05:41:24 ID:PcQ2tRyf0
「でも、そんなのが何でアフレカエルドにいるんですかね」
「アレフガルド。知らないよそんなの」
「それにキメラの羽で帰れるんなら、とっとと帰っちゃってるんじゃないかと思うんですけど」
「キメラの羽じゃなくてキメラの翼ね。……それなんだけどね、多分まだ帰っちゃいないと思うんだよ」
私はあいまいに相槌を打って、続きを促した。

とても美人の口から飛び出してきたとは思えない、大変汚らしい罵りを交えての彼女の説明を次に要約する。
上の世界からこのアレフガルドにやってくる人は、多くもないが少なくもないらしい。カンダタはそういう人達に店から
奪ったキメラの翼を高額で売りつけるつもりだろう。
というたった二行ほどの説明を、ミモザはこんこんと、そりゃもうこんこんと話してくれた。聞いてて疲れた。

「で、どうするんすかこれから」
「決まってるでしょそんなん」
どうやらミモザにはカンダタヌッコロス!以外の選択はないようだ。目が怖い。
となると、当然金魚の糞である私もそれについていくことになる……のだろうか。正直なところ超ヤダ。
「あの、他にいい方法は……?」
「多分ない。カンダタのアホをしばくのが一番手っ取り早いだろうし」
「そうだ、魔法があるんなら、それで帰るとか」
「無理ムリ。あたしルーラ使えないし。ていうか使えればさっさと使ってるってば」
そしたらあんたを拾うこともなかったけどね、と言ってミモザは歯を見せて笑う。……ここは喜ぶべきだろうか。
「それに、他の町に行くにしても多分、途中でおっ死ぬだけさね。この辺りの魔物はまだ何とかあしらえるけど、正直
それだってギリギリだし。もっと強いやつに会ったら逃げられるかどうかも分かんないよ」
ミモザはこともなげに言ってくれたが、私は思い切り_| ̄|○ した。ミモザでそれなら、私なんてあっという間に「上の
世界」を通り越して空の上の世界だ。


470 :クロベ ◆JNf/CxpPRk :2006/02/13(月) 05:42:24 ID:PcQ2tRyf0
「あたしの仲間なら魔法で上にも帰れるんだろうけど。……やっぱしあいつらもう帰っちゃったのかしらねぇ」
「仲間?」
彼女に仲間がいるとは初耳だ。今日一日ずっと行動を共にしたにはしたけれど、魔物と戦ったり逃げ出したりで話なんかろくに
できていない。だから彼女のことはほとんど知らない。
「そ。あんたくらいの歳の子と、いけ好かない兄ちゃん」
想像つかないものの、とりあえず頷いておく。
「こっちに落ちてきたとき、はぐれちゃったんだよ。二人ともルーラ使いだし、会えれば一挙解決なんだよね」
「じゃあその仲間の人たちを探せば……」
「そりゃそうだけど、会えるかどうかなんて運次第だしねぇ。そもそもあいつらに会えさえすれば、あたしとしちゃ上に戻る
必要もないんだし」
「はぁ」
どうも彼女なりに、上の世界へ行く理由はあったようだ。まあミモザだって、見ず知らずの奴のためだけに必死になるようなタイプ
でもないだろうし。
「本当のこと言うとあんたなんか放っといても良かったんだけど、仲間のお人よしがうつったんだろうね」
私の心を見透かしたように、ミモザはそう言って苦く笑う。そして私はその仲間に会ってみたい、と、少しだけ思った。
そしてそれをミモザに伝えると、「ま、とりあえずカンダタをぶっ倒して向こうに行ければ会えるかもしれないよ」とだけ、鞭をいじり
ながらにこやかに切り返された。
結局と言うかやっぱりと言うか、強盗退治に出かけるより他、選択肢はないらしい。

471 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/13(月) 10:40:15 ID:uBanqkQ8O
クロベさん文章巧いなあ。
読みやすくって好きだ。面白くなってきたし。続きガンガレ!

472 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/13(月) 17:03:15 ID:jmB0WS4I0
アフレカエルドワロスwwwwwwwwww
これからも頑張ってくださいwwwww

473 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/13(月) 22:56:39 ID:6L03C28K0
アレフガルドに絶望があふれかえるど

発祥スレは落ちても住人に受け継がれる意思みたいでなんかカッコヨス

474 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/14(火) 04:39:29 ID:Wirql9WNO
ゲーハッハッハッハッ

475 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 04:50:51 ID:gKXTMQW+0
>>442続き

何とか回復する方法は・・・
ホイミ、そうだホイミだ。
でも、どうやって使えばいいんだ・・・

その時、頭の中に男の声が聞こえて来る。
『念じろ、心に回復を念じて声に出すんだ、ホイミと』

回復を念じ、声を出す・・・
考えてる暇は無い、ダメで元々だ。

しっかり念じ、声に出す。
「ホイミ・・・」

オレの体を光が包み、みるみる内に傷がふさがって行く。
体も動く!これがホイミか!
慌てた様子でさまよう鎧が迫ってくる。
それを無視してアモスの元に駆けつける。
まだ間に合うのか?

顔を覗くとまだ息が・・・急いで唱える。
「ホイミ!」
何とか間に合った!アモスの傷もふさがって行く。

「大丈夫か?」
「おせえんだよ・・・」
苦笑いを浮かべ、立ち上がるアモス。

476 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 05:03:17 ID:gKXTMQW+0
今は喜びに浸ってる場合じゃない。
何とか、この怪物を倒さないと・・・

その時、ふと考えが浮かんで来た。ひょっとして・・・
その考えが正しいかどうか自信は無い。
それでも・・・

「アモス、今からアイツを引き付けてくれないか」
「・・・何か考えがあるのか?」
「頼む、言う事を聞いてくれ!」
「・・・分かった、任せろ!」

言うなり相手に飛びかかるアモス。
剣と剣がぶつかり合い、激しく火花を散らす。

目の前のアモスに目が行き、オレへの警戒はゼロだ。
何度も同じ手に引っかかるやつだ・・・
パワーは凄いけど、頭の方はゴキブリ並だな。

さまよう鎧の視界に入らないように気を付けながら、少しずつ近寄って行き、
チャンスを窺う。
頼む、もう少し粘ってくれ・・・


477 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 05:21:21 ID:gKXTMQW+0
と、アモスの体勢が乱れ、さまよう鎧が決めの体勢に入る。
今だっ!!

背後から一足飛びに近づき、肩口を狙って力を込めた打ち下ろしを叩きつける!
「シャーーーーーン!!」

手応えあり。
地面には切り落とされたさまよう鎧の腕が転がっていた。

やはりそうか・・・
確かにボディの装甲は堅い。でも、鎧と鎧の継ぎ目なら意外に脆いんじゃないか
と思ったが、正解だったみたいだ。

右腕を失くしたさまよう鎧は、混乱した様子で右往左往している。
床に落ちた剣を左手に持ち替えればいいのに、そんな考えは浮かばないようだ。
やはりゴキブリ並だ!

俄然、力を得たオレは、怒りに狂い、突進して来た相手を軽くいなし、今度は
首を狙って剣を真一文字になぎ払う。
これで終わりだっ!

「ジャガーーーーーーーーーーーン!」

会心の手応えと共に、首が地面に転がる音が響きわたる・・・

478 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 05:38:55 ID:gKXTMQW+0
「やった・・・」
ようやく一息つき、体中の力が抜ける。
助かった・・・

アモスが微妙な表情を浮かべている。
「何だそりゃ。全部一人でやりやがって・・・オレの立場はどうなるんだよ」

そんなことは無いさ。
アンタがあそこでおとりになってくれたから・・・
そう言おうと思ったが、あまり慰めになってないな。止めとこう。

「さーて、帰って報奨金を頂戴するとしよう」
「でも、オレ達が倒したって信じてもらえるかな?何も証拠が無いし」
「それは・・・そうだ!この死体を持って行けばいいじゃないか!」
「冗談だろ・・・」

オレの必死の抗議も空しく、死体を背負わされるハメに・・・
余計な事は言うもんじゃないな。
これ、半端じゃなく重いんだが・・・

「持って行かないと金が入らないんだぜ、そうなるとアンタに給金を払え
 なくなるけど、いいのか?」
のんきな声で言うアモス。
そりゃアンタは頭と右腕だけだから楽だよな・・・

479 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 06:01:36 ID:gKXTMQW+0
幸い、先ほどまで階段の下を塞いでいたモンスター達は去り、近寄って来る
気配も無かった。
ボスがやられ、散り散りになったんだろう。

塔を下りて洞窟に入る。先ほど死体のあった場所だ。
見たくは無いが、つい目が行ってしまう。

前にいたアモスが思い出したようにこっちに振り返り、言う。
「ルーク、さっき何か言ってたな。埋めて葬ろうとか・・・
 そういう甘い考えは捨てた方がいい」
「・・・・・・」
「今の世の中を考えろよ。荷物から目を離した隙に奪われ、背中を向けた瞬間
 に後ろから刺される。そういうご時世だ。そうだろ?ましてやオレ達は冒険者
 だ。甘い考え方は命取りになる・・・覚えておきな」
「・・・ああ」

この世界と言われても・・・
この世界はそんなに危険なのか?
正直、アモスの言葉にあまりピンとこなかった。

洞窟を抜けると、辺りはすっかり闇に包まれていた。
「それを持ってレーべに行くわけにはいかないな・・・
 森を抜けたら野宿して、明日アリアハンに向かう事にしよう」

アモスの言葉も耳に入らない。
塔の激闘+荷物の重さで死にそうだ・・・

その後、森を抜けて野宿したみたいだが、その事はあまり覚えてない・・・

480 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 06:19:32 ID:gKXTMQW+0
次の日の朝

この世界に来て3日目の朝だ。
昨日の疲れもだいぶ取れ、体も軽い。

重い荷物を背負い、必死にアモスの後を追いかけながらも色々考える。

しばらくは、この世界でルークとして生きるのも悪くないかもしれない。
このケチで、短気な男とこの世界を旅するってのもいいかもな・・・
その後で、記憶を取り戻す事と、元の世界に帰る事を考えても遅くないのでは。

それと、今のオレであるルークの事だ。
一体何者なのか?アリアハンの出身なんだろうか?それとも・・・
オレがルークに乗り移っているのなら、ルーク本人の意識は何処に行っている?

そこまで考えて、昨日の事を思い出す。
塔での戦闘の最中に聞こえて来た声・・・
アレはアモス自身の声だったのではないか?
だとすると、ルークの意識はオレの中で眠っている事になるが・・・

まさか、そんな事はありえないよな・・・
慌ててそんな考えを打ち消して、先へ進む。




481 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 06:33:03 ID:gKXTMQW+0
昼過ぎにアリアハンにたどり着く。
町に入り、城へと進んで行く。

当然のことだが、オレの背負っている荷物は目立つ事この上なく、そこら中
から悲鳴などが聞こえて来る始末。

慌てて城の兵士達がこちらに飛んで来る。
「お前ら、そこで止まれ。それは何だ?」
「ナジミの塔の親玉さ。オレ達が退治して来てやったんだよ」
胸を張って答えたのは勿論アモス。

「なんだと。しかしこれは・・・なぜさまよう鎧が・・・
 とにかくそいつを降ろせ」

ようやくこの荷物から開放されるのか・・・
勿論、喜んで降ろしたのは言うまでも無い。

オレ達にしばらく待つように言い残し、兵士達はさまよう鎧を持って
去って行った。

482 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/14(火) 06:39:13 ID:mjUrd1ulO
支援カキコ

483 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 06:50:44 ID:gKXTMQW+0
二時間後・・・

「いつまで待たせやがるんだ!」
もう我慢できんと言った具合に、アモスが怒鳴る。

オレでさえイライラしてきている。ましてや短気なアモスでは・・・
気持ちは分かるがオレに当たられても困る。
こういう時は話をそらすのが一番いい。

「そういえば、さっきの兵士達がさまよう鎧を見て驚いてたけど、何でだろ?
ボスがどんな奴か知らなかったのかな?」
「ああ、最近あの周辺にモンスターが急増してたから、その親玉がいることは
 分かっていたが、どんなモンスターなのかまでは誰も知らなかったさ。
 オレも、まさかさまよう鎧が出てくるなんて想像もしてなかったからな・・・」
「それで驚いてたわけか」
「まあな、そもそもこの地方は世界中で、最も棲息モンスターのレベルが低い地方
 だからな。他の地方では、さまよう鎧以上に強いモンスターが当たり前だって
 話だぜ」 
 
マジかよ・・・
やっとの思いで倒したアイツが、他の地方では雑魚?
正直、信じたくない話だ・・・

つづく 




484 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/14(火) 07:04:34 ID:gKXTMQW+0
間違えた・・・
>>480
アモス自身の声だったのではないか
になってるけど、正しくは
ルーク自身の声だったのではないか
です。
恥ずかしい・・・


485 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:06:13 ID:uGOzXYLQ0
>>434
続き

●テリーの考え

「若者と語るのは久方ぶりで飲みすぎてしまったわい!」
「ホイミンも飲むんですか?」
「一度飲ませたんじゃがえらく横暴になっての、それ以来飲ませてないんじゃ わっはっは!」

しんみりした話は終わり談笑に切り替わっていた
トルネコもそうだったが聞いていてとても楽しい
テリーはというと黙ったまま 顔は話に合わせ笑うのだが何か考えているようだ


"そろそろ寝るか"と片付けを始めると突然、テリーが口を開く

「メルビン殿 俺に剣術を教えてくれませんか」

突然の話にメルビンが眼をパチクリさせる

「すぐにではなくこの雷鳴の剣を修理してからになるのですが…
 先ほどの手並、一瞬だけでしたがあなたは俺などより遥かに強いと感じた
 ……お願い できないだろうか」

486 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:07:12 ID:uGOzXYLQ0
油の無くなりそうな激しいランプの炎が テリーの真剣な表情を際立たせる

「ふぅむ… しかしワシは もう昔ほど動けないんじゃよ
 教える事が果たして出来るかどうか」
「言葉だけでもいいのです あなたからいろんな事を学びたい!」
「…なぜ 剣術を学ぶ?」
「それは 目の前で倒れる人を無くしたいから─ です」

ランプに油を継ぎ足すメルビン
一瞬消えかけた炎が安定した明るさを取り戻し その厳しい表情を照らす

「今すぐ決めてもらおうなんて考えていません
 次会うことが出来たときに…」

深々と頭を下げるテリー
三人に静寂が降りる


静かに燃える小さな炎
手を伸ばせば届きそうな星空 見ていると吸い込まれてしまいそうだ

メルビンが口を開く

「テリー殿 あんたはワシを─
 ワシに黙って何処へも行かないと約束できるか?」
「お約束、します…!」
「……ワシはグランバニアへ向かうから町の周辺を探すと良い
 ただし、本当にどこまで教えられるか保証はないぞ?」
「ありがとう ございます!」

メルビンの言葉にしっかりした返事をするテリー

487 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:09:58 ID:uGOzXYLQ0
テリーは メルビンの元で学ぶ事を決めた
トルネコの師 きっと強くなれるだろう

「今日は遅い…
 ワシも長旅が待っておるからもう寝よう 今日は楽しかったよ」

メルビンがそう言いながらホイミンを抱え馬車へと入っていった


「テリー、今後が決まったな おめでとう」
「ははっ めでたい事か?」
「うーん… まぁでも今まで無かった目標が出来たわけだから」
「そうか そうだな」
「俺は どうしようかな…」

器に残った酒をちびりとなめる
僅かな量なのに身体が熱くなった

「お前は呪いを解く旅だろう
 あ、強くなってルビス様に会うってのもあったか…」
「うん まぁ… 正直一人でやっていけるか不安だらけだが頑張るよ
 それから、テリーの判断は正しかったと思うよ」
「トルネコ殿を育てた腕前だ この人につけば強くなれると思った
 ……次会えた時はでも、商人になっているかもしれん」
「似合わないな… そうだったら笑ってやる」
「何を言うか! 強い商人だ!」

488 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:10:59 ID:uGOzXYLQ0
"そろそろ寝よう" まだ煙くさい小屋へ入る
ちょっとの酒で酔った俺の身体がもう動けないと勝手に寝転がる

「……なぁタカハシ」
「ん?」
「何か 俺に隠してないか?
 お前から不思議な雰囲気を感じる時があるんだ
 ルビス様の声を聞く事が出来るし強くなる早さも尋常じゃない
 特別な─ 人間だったりするのか?
 時々ひどく悩んでいることもあるし…」
「……」

俺はテリーの真実を言うべきか迷った
ここで言ってしまうとテリーも巻き込んでしまう
いや それより信じてもらえないほうが辛い

「……何も無いよ 俺は普通の旅人だしいろんな偶然が重なってるんだと思う
 強いって言ったって今までが弱かったんだからさ、強く見えるだけだよ
 俺は特別な人間なんかじゃないよ!」
「そうか それならいいんだが…… 何かあったら何でも言ってくれよ?」
「ああ、なんでもないんだ …ありがとうな」
「じゃあもう一つ
 お前は後向きに考えすぎるから根暗に見える事がある それじゃ女に嫌われるしモテないぞ?」
「うっ 余計なお世話だ!」

489 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:12:13 ID:uGOzXYLQ0
テリーは気付いている
俺が普通の住人では無いことに─

俺の得意技ネガティブ思考
これが魔物を倒せる技だったら楽なのに

『おれ:必殺ネガティブ思考!』
『魔物:ぎゃあああぁぁ あ なんか戦ってもこの人間にはどうしても勝てない気がする…』
『おれ:貴様があがいても俺には勝てぬ!』
『魔物:どう考えても無理だー』

「フフ…」
「なんだ?! 突然笑うなよ、気持ち悪いぞ…」
「す、すまん…」

……無理だよなぁ




490 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:12:58 ID:uGOzXYLQ0
●フィッシュベル

「ではまたな グランバニアで待っておるよ」
「はい、必ず戻ります」
「タカハシ殿… お前さんとはまたどこかで会えると願っているよ 達者でな」
「メルビンさんもお元気で… お世話になりました」

本当に また会えると良いな

「じゃあねタカハシ! ボクの事も忘れないで!」
「もちろんだよホイミン、またな!」


馬車が離れていく
少しトルネコを感じさせる人だった

「よし! 食料も水も補給できたし行こう!」

重くなった荷を背負い歩き始める
うまいモノを食べすっかりリフレッシュした身体は軽かった

「ところで、海の魔物はやっぱり魚だったりするのか?」
「魚みたいなのもいるがな、カニや貝の化け物もいるぞ」

貝はともかくカニのでかいのは恐いな
巨大なハサミではさまれたらと思うと…

491 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:13:42 ID:uGOzXYLQ0
『ザサッ ザサッ』

「出やがった!」

想像の魔物はすぐに姿を見せた
少し離れた前方に三匹の魔物が壁を作る

「よし… 俺はあの亀を相手にするからお前は残りを頼む」
「わかった」

二手に分かれ魔物を挑発する
最初に動いたのはヘルパイレーツ 俺が相手をする魔物だ

が─ 俺達の目論見とは逆にその長い槍がテリーを突く
面くらい慌てて避けるテリー オクトリーチも続けてテリーへ襲いかかる
砂の上だというのに異常に素早い動きを見せる魔物
残るガメゴンは俺をじっと見ている

じりじりと間を詰めようとするがうまくいかない
逆に間を開けられてしまう

「こいつ… なかなかやるな」

今まで倒した魔物達とは違い頭を使っているようだ
これでは得意な間合いに入り込めない

見えないが離れた所でライデインが地に落ちる音が聞こえた

492 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:16:14 ID:uGOzXYLQ0
俺は痺れを切らし突きの構えで足元を蹴る
初見の魔物相手に突きは危険だ─

「ゴアアァ!」

もう一歩で剣尖が届くという刹那
ガメゴンの吹く冷気をまともに喰らう

「クッ…! この!」

弱い冷気だ
細かい傷を負いながらもガメゴンの頭と胴体の間を斬首した


「倒したか」
「大した威力じゃなかったから助かったよ」

薬草を数回噛み飲み込む 苦みが痛みと傷を消していく
ヘルパイレーツとオクトリーチはライデインによって炭になっていた

「ガメゴンは物理攻撃があまり効果ないんだ 弱点である首を良く見極めたな」
「甲羅は硬いだろうし… 正直言うと冷気が痛くてもう一歩踏み込めなかっただけだよ
 本当は尻尾を狙ってた」
「尻尾? なんでまた」
「いやぁ、尻尾持ってる奴はソレがやっぱり弱点なのかと……」
「なるほど まぁ倒せたから善しとしよう まだまだ経験が必要だな」



493 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:18:40 ID:uGOzXYLQ0
「ギチギチッギチッッ!」

二人を四方八方から囲み気味の悪い声を出す数十匹の魔物
何体倒しただろう テリーの魔力が無くなってから剣で戦っていた
かれこれ1時間 そうしている

「俺が海に入らなければ─」
「よせ! 今は逃げる事を考えるぞ!」

受ける刃が折れてしまいそうな程強い力でハサミを振り回す魔物

「群じゃなけりゃこんな相手……!」

心が緩み 海に入ってしまったのがよくなかった
潮をかき混ぜる音は音速で海中へ伝わりガニラスとしびれくらげを刺激した
倒しても倒してもキリがない こいつらは仲間を呼ぶのだ
すぐそこにある町へ 入れない

「このぉぉ! もう町は目の前だっていうのに!」
「このままじゃまずい… 成功した事のない技だが… やってみるぞ─」

494 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:19:25 ID:uGOzXYLQ0
巨大なハサミが俺の背中を殴る
のけぞり 痛みに耐え 身体を翻し巨大な口へ剣を突き刺しそのまま水平に斬り裂いた

ガニラスの身体に外側から傷を付けることは容易では無い 内部から傷付けるしかない
そのガニラスにはライデインがよく効く
あまりにあっさり倒せるためテリーも調子にのり魔力全てを最初のうちに使い果たしてしまった

「そ、そいつはすごい技なのか?!」
「成功すればな! 逃げ道を作るにはこれしかない… いくぞ!!」

テリーが腰を落とすと同時にその足元─
大地に地震のような揺れがズゥンと伝わり その衝撃波は地上の魔物と砂を吹き飛ばし視界を遮る

「うお……!」
「い、今だ走れ!!」

声を合図に舞っている砂の中へ走り込む
前がほとんど見えない が、今しかチャンスは無い

「走れはしれハシレ!!」

巻き上がった砂塵が落ち着き周りが見えてくる

495 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:20:10 ID:uGOzXYLQ0
「─町だ!! あ!?」

振り返ると魔物に囲まれうずくまるテリー
先を走ってたんじゃ?!

「タカハシ! か、構わず行け!」
「なにを言う!」

町は目の前だったが急いで引き返す
テリーを囲む魔物 ガニラスの群の中にしびれくらげがいる

「麻痺か…! 今─」
「メラミ!!」

後ろから声 同時に巨大な炎の塊が熱風と共にガニラス数匹を消し去る
突然の炎に魔物達は混乱し 俺も驚く

「今のうちに!」

声に押され身体が勝手に動き右往左往する魔物の間からテリーを引っ張り出す

「メラミ!! ベギラゴン!!」

グゴォォゴゴゴ… 轟音
あたり一面炎に包まれ魔物を燃やし尽くしていく

「大丈夫?」
「ありがとうございます 助かりました…」
「気にしないで キアリク」

麻痺を治す魔法をかける若い女

496 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/14(火) 16:20:56 ID:uGOzXYLQ0
「う… あ、ありがとう…」

礼を言うテリー まだ調子は戻らない
魔物の群の在った場所にはたくさんの光が現れその亡骸を持ちさっていた
あれだけの魔物を一気に燃やしてしまうとは─

「どういたしまして とにかくフィッシュベルへ入りましょう」

テリーに肩を貸し言われるまま町の門をくぐる

「やっと… ここがフィッシュベル… テリーやったぞ!」

『ドサッ』

「テリー?!」




続く…

497 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/15(水) 03:56:05 ID:V7H+nGV/0
>>タカハシ氏
流れがすごく面白い。オリジナルの「DQ」だけに、自由度があって、かつ発想力も豊か。
ただ、読みやすさを重視しているのかもしれないけれど、場面と場面の繋がりが解り辛い時がある。
ついでにいうなら、どこにいるか何をしているかどのように感じたか、
というのが「常にはっきりと」していない気がする

元の世界がある通常のSSと異なり、あなたのそれはオリジナルのDQ世界だから
もう少し流れが緩やかでも良いはず。その分しっかりと、地の文を構築したほうが面白くなるんじゃないかな。


>>職人の方々
頑張ってください。
常に面白く読ませてもらっています。

498 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/15(水) 05:35:42 ID:pY9SdsUtO
>>497
丁寧な感想ありがとう
ご指摘の通り、実は「感情表情場所表現」が不得意…
物足りなさを感じながら書き、反面長すぎ説明的すぎになる事を心配し削ってしまう事も多いです。
最近はドラクエっぽく無いんじゃないかと心配し、果たしてここで続けていいモノか考えたり。

頂いた意見を大事に少しでも成長出来るように、完結目指して頑張ります。

499 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/15(水) 15:19:21 ID:HtzQ0bNX0
久しぶりに来たけど、また盛り上がり始めてるね。

>>498
楽しいから完結まで頑張ってほしい。


オルテガ氏
文章が読みやすくてイイ!
今後に期待。

他の職人の皆さんも期待してます。

500 :497 :2006/02/16(木) 04:26:27 ID:XybJyWMG0
>>498
個人的には「現実世界」と「仮想(DQ)世界」が入り混じるところが、このスレの一つの醍醐味だとも思う。
でも作者の作った世界は、作者の作った小説です。だから好きに書くべきではないでしょうか。
面白ければ良いというものではないが、良いものは皆面白いのですから。

なんてグダグダと書いて、職人の方のやる気を殺いではいないかと
感想つける方も正直ヒヤヒヤです

読み手に状況を伝えるだけの文章量と、
テンポを崩さないようにするだけの文章量。このあたりのバランス、凄く難しいとは思います
頑張って欲しい

501 :タカハシ ◆2yD2HI9qc. :2006/02/16(木) 09:30:03 ID:g/MDmo5BO
>>499
ありがとう
必ず完結させます

>>500
感想を貰える事は例え一文字であってもうれしいですし励みです
やる気無くなったりする事は全くありません
先のレスは言葉足らずでした
とてもわかりやすい助言、感謝してます

502 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 17:46:00 ID:KPChIJ+S0
オルテガさんの作品で気になる事が・・・
作品自体は楽しく読ませてもらってるけど、主人公の記憶が無いってのは
このスレの趣旨からは反してるような気がするんだけど。

余計なお世話かもしれないけどね。



503 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 19:13:36 ID:1hyFGOxsO
>502
趣旨なんてねぇよ
宿で起きればいいのだから

504 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 21:08:14 ID:O1x+4KIIO
レッドマンも他人の体内から始まったんだけどまぁいいんじゃね?
楽しめたら。

505 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/16(木) 22:46:45 ID:laoKLGLn0
ローディ氏マダー?
マチクタビレタヨ…

506 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/17(金) 04:27:03 ID:OcPq5lT20
とりあえずあげ

507 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 03:43:49 ID:JmicaQ130
>>483続き

それからアモスにこの世界の地図を見せてもらう。
・・・なるほど、この世界は想像以上に広い。
アリアハン、レーべ地方なんてほんの一部に過ぎない事がよく分かる。

それにしても、これと同じような地図を見た事があるような気がする。
その事を考えると、失った記憶がうずくような感覚が・・・
元の世界に関係する何かがあるような気がしてならない。

「どうしたんだ?やけに深刻そうな顔だが」
アモスの声で思考が中断される。
記憶を取り戻す糸口を掴んだような気がしたんだが・・・
まあ、慌てる事はないか。

そうしてる内に、ようやくさっきの兵士の内の一人が戻ってきた。
「お待たせしました。ご足労ですが、これからアリアハン城まで同行願いたい
 のですが、よろしいですか?王様が直々に会いたいと申しております。
 ところでお二人の名前は?」
さっきとはうって変わって丁寧な口調だ。

508 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 03:58:40 ID:JmicaQ130
アモスが驚きと嬉しさが入り混じった顔で答える。
「オレがアモスでコイツがルークだ。勿論OKさ。まさか王様本人からお褒めの
 言葉を頂戴できるとは光栄だね」

兵士はそんなアモスを見て不安を覚えたのか、
「あの、分かっているとは思いますが、王様の御前ではくれぐれも粗相の無いように・・・」
と、釘を刺してくる。

「大丈夫さ。オレは見た目通り紳士だからな。オレよりもコイツの事を心配したらどうだ?」

誰が紳士だって?
でも、確かに王様の前でどんな態度をとればいいかなんて、オレには分からない。
アモスを見て、それを真似するしかないな。不安だけど。
 
城門まで来て間近で城を見ると、その大きさ、美しさに圧倒されそうになる。



509 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 04:22:38 ID:JmicaQ130
城の中に入り、真っ直ぐに絨毯の上を進む。
周りの連中が興味深そうにこっちを見つめ、こそこそ話しなどをしているのが
少し癇に障る。

階段を上り、大きな部屋に入るとその先に玉座に座り、堂々とこちらを見つめる人物。
この人が・・・

兵士に促されるままに前に進み、王様の前でアモスに習って跪く。
 
兵士がオレ達の説明を始める。
「この二人が、ナジミの塔に住み着いた魔物達の親玉を倒したという、アモスと
 ルークであります」
 
「アモス、ルークよ、面を上げよ」
「はっ」
王様の言葉に、俺たちは顔を上げて正面を向く。

王様は無言のまま、真っ直ぐにこちらを見据えたままだ。
気のせいか、オレ達を観察するような、二人の人間性を量るような・・・
そんな感じを受けるのは考えすぎか。
 
ようやく王様が口を開く。
「この度のお主達の働き、まことに見事なものだ。その働きに報わねばな」
そう言って側近に何かを命じている。


510 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 04:50:37 ID:JmicaQ130
やがて兵士が大きな袋を運んできた。
 
「お主達には金5000Gを取らせる。今後、一層世の中の為に励んでくれる事を
 期待する」
「はっ」
慌てて頭を下げるオレとアモス。

割と呆気なく王様との体面を終え、城の外に出た。
アモスは緊張感から開放され、金も入った事でハイテンションだ。
「思ったよりも呆気なかったな。それにしても・・・5000Gだぜ!
 苦労した甲斐があったな」
とニヤニヤしている。

「さあ、今夜はドンチャンと行くか!」
「あ、その前に相談したい事が・・・」
「分かってるって。分け前の事だろ?ちょっと待ってろよ」
「いや、ちがうんだけど・・・」
人の話は最後まで聞けよ・・・
 

511 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:04:49 ID:JmicaQ130
「そらっ、それがお前の分だ。それと、明日までの約束だったけど、今の内に
 給金も払っておくよ。合計で2000Gだ」
 
硬貨の入った袋をアモスから受け取った。ズシリと重い。
 
2000Gか・・・
Gの価値はまだよく分からないが、かなりの大金だろう。
確か薬草が8Gだから・・・薬草250コ分!
・・・多いのか?

それにしても、アモスのセコさから考えて、5000Gの内の1000Gでもくれれば
いい方だと思っていたけど・・・
ケチだという認識を改める事にしよう。
 
「さあ、飲みに行くぞ!」
そう言って駆け出して行くアモス。
せっかちなのは決定だな・・・

今の内にこれからの旅について話したかったんだがな。
まあ明日でもいいか・・・
今日はぱーっと行くか!

二人で夜の酒場に繰り出した。

512 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:17:57 ID:JmicaQ130
この世界の酒は最高に美味い。
達成感、開放感を満喫しながら飲んでいるから余計にそう感じるのかもしれないけど。
そんな事はどうでもいい、とにかく美味い!
以前の世界でもこんなに美味い酒は飲んだ事が無いに違いない。

オレのペース速さに心配したのか、アモスが
「おいおい、顔が真っ赤だぞ。それくらいにしとけ」
などとくだらない事を言ってくる。
 
「何言ってんだい?今日飲まなくていつ飲むんだよ。手が止まってんぜ?オレが
 ついでやるからぐっと行きな」
「ルーク、お前・・・酒乱だったのかよ・・・」

この辺から意識が朦朧となる。
アモスに担ぎ込まれて宿屋に着く頃、完全に意識が離れ、眠りについていた。

513 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:28:38 ID:JmicaQ130
ここは何処だ?
頭が重く、現実なのか夢なのかよく分からない。

そこは見覚えがあるような部屋だった。
ベッドの上に男が寝ている。

少しして男が目を覚ます。
男はしばらくぼーっとしていたが、やがて体を起こして驚いた表情を浮かべている。
部屋を見渡してさらに混乱しているようだ。

男に声を掛けようとしたが、オレの姿が目に入らないようで完全に無視される。
やがて男は意を決したようにドアを開け、外へ出て行った。

追いかけようとしたがまるで体が動かない。
やがて少しずつ視界が狭まって行き、その内に完全に闇に包まれて行った。

514 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 05:48:19 ID:JmicaQ130
目が覚めると最初にこの世界に来た時の部屋だった。
「夢だったのか・・・」
さっきの映像がまだ目に焼き付いている。
夢にしてはあまりにも鮮明だったが・・・
それにさっきの部屋と、そこにいた男。
これも失った記憶に関する事なのか?

昨日の酒が残っており、頭痛が酷くて考えがまとまらない。
これ以上考えても無駄みたいだな。
 
かなり寝坊したみたいだ。 
早く準備をしないとまたアモスが怒鳴り込んで来るだろう。
そう思い、準備をしようと立ち上がる。
と、サイドテーブルに手紙のような物がおいてある。これは?

開けてみると、それにはこう書かれていた。
『自分の甘さを少しは思い知ったかい?  アモス』

どういう意味だ?
自分の甘さ・・・
そこでやっとピンと来た。ひょっとして・・・

慌てて自分の荷物を持って来て、中を探る。
やはり無い・・・
昨日アモスから受け取った2000G、それに元々持っていた財布も無くなっている。


515 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:09:31 ID:JmicaQ130
部屋を出てロビーに行き、フロントの男にアモスの事を聞くと、昨夜オレを部屋に
運び入れ、そのまま去って行ったと言う。
オレの宿代は前金で払って行ったらしいが・・・

ロビーのソファーに座り呆然としているオレに、見覚えのある老人が声を掛けてきた。
「どうやらアモスに一杯食わされたようだな。だから気を付けろと言ったというのに・・・」
ああ、あの時の爺さんか。

「爺さんはアモスの知り合いなのか?」
「いや、向こうはワシの事はしらんだろうが・・・でも関係ないとはいえないな」
「・・・どういう意味だ?」
「それは・・・いや、話すと長くなる。いずれ話す機会もあるだろうて」

そう言って宿を出て行く老人。
まだ聞きたいことは山ほどあるんだ。
慌てて追いかけて宿の外に出るが、すでに老人の姿は無かった。


あても無くアリアハンの町を歩く。
これからどうしたらいいんだろう・・・
考えてみればこの世界に来てからというもの、アモスの後について行動して
いただけだ。勿論、そうせざるを得ない事情があったが。

そのアモスはもういない。
殆ど何も分からない世界でただ一人、しかも無一文。
今日に孤独感が襲って来る。


516 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:33:48 ID:JmicaQ130
我ながら不思議だが、あまり腹は立たない。
確かにどちらかといえばケチな男だった。
やられてみれば、いかにもアモスらしいじゃないか。

でも心の何処かでまだアモスの事を信じていたい。
こんな考えさえ、もしアモスが聞いていたら「甘い」の一言で済まされるだろうけど。
それでも異世界に飛ばされて、そこでの唯一の心を許せる相手。そう思い始めていたから。

「ルークさん!探しましたよ」
背後から声を掛けられ、思考が打ち切られる。
振り向くと、昨日の兵士だった。

「オレ?何か用があるのか?」
「はい。今から城まで来て頂けませんか?王様から話があるそうです」
「えっ、王様が?」
「はい、付いて来て下さい」
そう言うと、返事も聞かずに兵士は歩き出した。

王様がオレに用・・・
勿論どんな用かまったく想像がつかない。
まあいい、ついて行けば分かる事だ。

兵士について行き、城に向かって歩き出す。
まあなるようになるさ・・・

つづく

517 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/18(土) 06:42:46 ID:JmicaQ130
>>515
今日に→急に
です。

二度とこういうことが無いように気を付けます。
レスを無駄にしてスマン

518 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/18(土) 09:52:58 ID:eT5SAexF0


519 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/18(土) 23:04:31 ID:Sr6RQ7Sq0
オルテガ乙

展開も速いし伏線も気になる。
かなりいい感じ。

あと、誤字脱字くらいでそんな謝罪はイランかと。

520 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/19(日) 00:02:21 ID:3IMlwAI70
了解。

521 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/19(日) 00:21:30 ID:2QPWnaG/0
age

522 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:56:39 ID:1KspaAyc0
ヘンリーは死んだ。また一人、尊い命が奪われた。
こうして、人々は苦しみ、死に絶え、絶滅に時々刻々と近づいていく。
魔族の手によって。
テリーは人間…しかし、あれほどの狂気の沙汰を躊躇せずにやってしまうなど、魔族となんら変わりない…。
魔族を…この手で根絶やしにせねばいけない。殺戮で快楽を得る異常者を…。
殺戮者を殺し、根絶やしにする…。納得はいかないが、これ以外に方法がない…。
あれ程の殺戮集団を、この世から滅する為には…。



俺達二人は無言のまま、西の海辺の村に向かっていた。
俺が負ぶっている『物』…ヘンリーの遺体。
せめて…海辺の村に墓を建てようと思い、海辺の村まで運んでいる。
俺に力があれば…テリーを退け、ヘンリーも死ぬ事はなかっただろう。
だからヘンリー…見ていてくれ。俺は誰よりも強くなってみせる。
そして…憎き種族、魔族を根絶やしにしてコリンズを救ってみせる。



3時間程経っただろうか。俺達は、遂に海辺の村に到着した。
船が数隻ある以外、何も特徴のない平凡な村。
ここが…10日後に、人類の運命を賭けた決戦が繰り広げられる場とは到底思えないが…。
しかし、遥か北にある魔族の城が微かに見えた瞬間、その疑問が一気に解消した。
孤島に聳え立つ暗黒の城…これだけ離れていても、恐ろしいほどの魔力が押し寄せてくる感じがする。
最終的にはあの城に乗り込むのだろうか…上陸した瞬間、魔力に呑まれそうな気がしてならない。
いや、弱気になっている場合ではない。ヘンリーやボロンゴ達の仇を、俺が取らねばならないのだから。
それより、まずは墓を建てよう。ヘンリーの墓を…。
俺は決戦の際に巻き込まれないよう、村の端に墓を建てる事にした。
ミレーユに離れてもらう様に言い、地面に拳を垂直に突き立て、深呼吸をする。
「はぁっ!!!」
叫び声と共に拳を引き、一気に地面を抉り込む様に打つ。

523 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:57:15 ID:1KspaAyc0
ドォォォン!!!!
「きゃ!!」
轟音と共に砂が八方に飛び散り、一瞬地面から突風が巻き起こる。それに驚いたのか、ミレーユが声をあげる、
砂が目に入らないよう目を瞑り、風が収まると同時に目を開くと、そこには丁度人一人が入れる程の穴が出来ていた。
ふぅ、と溜息をつくと、今度はヘンリーを担ぎ、今俺によって作られた穴にゆっくりと寝かせた。
ヘンリー…これで…完全にお別れだな…。
後は砂で埋めるだけで、ヘンリーの顔を見る事は二度となくなる………。
俺は最後に、ヘンリーの右手を強く握った。暖かさを失った、冷たい手。
絶対にコリンズを助けるから…お前も…俺を見守っていてくれ…ヘンリー…。
お前が見守っていてくれたら…俺…絶対ゲマ達を倒せると思う…。
………じゃあな………ヘンリー……………。
俺は足元の砂を、力なく握り締めた…。
「お主達…何をやっておる?」
突然、隣から老人の声が聞こえてくる。
声のする方を向くと、紫のゆったりとしたローブを纏い、樫の杖をつく老人がいた。
「…墓を作ってる。魔族との決戦に参加しようとしていた奴だから、せめてここに墓を建ててやろうと…。」
そう言って、俺は黙々と砂をかけていく。
「…ふむ。ちょっと待ちなさい。」
「…?」
老人にそう言われ、砂をかけていた手を止めた。
老人はヘンリーの傍で膝立ちになり、胸の辺りに一目で痩せ細っているのがわかる、細く肌色の悪い手を乗せた。
数秒すると老人は胸から手を離し、ゆっくりと立ち上がった。
「この者…生き返らせる事ができる可能性があるぞ…。」
「何っ!?」
老人の言葉を聞いて、即座に驚きの声をあげる。
本当なのか?一度死んだ者を生き返らせるなど…普通では考えられない。
「まだ最近習得したばかりじゃが…試す時が来たか………蘇生魔法、ザオラルを…!」




524 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:58:18 ID:1KspaAyc0
ヘンリーにかけた砂を払い、老人の家に運んだ俺達は、老人が使っているベッドにヘンリーを寝かせた。
老人の名はカルベと良い、この村の長老であり、世界的にも有名な大魔法使いだそうだ。
「習得までに30年かかった蘇生魔法…まだこの世でわし以外に使える者はいないだろう…。わし自身も成功する自信はあまりない…あまり期待せんほうが良いかもしれんぞ。」
そう言って、老人はヘンリーの胸に手を添えて、何か呪文を唱え始めた。
生き返る可能性は低い…そう言われても、期待せざるを得ない。他に、生き返らせる術がないのなら。
「お主達も決戦に参加する者達か?」
「え?あ…まあ一応…。」
呪文を唱えておきながら突然話し掛けてきたので、一瞬応対に困った。
「ならば修行でもしておくといい…。この呪文はかなり時間がかかるでな…。」



外に出て、俺は剣の素振りをし、ミレーユは呪文書を読んでいるが、全く集中する事ができない。恐らくミレーユも同じであろう。ヘンリーの生死が決まる時に、修行に集中などできるはずもない。
出来れば…いや、絶対にヘンリーとゲマ達を倒したい。だから…生き返って欲しい。
絶対にザオラルを成功させてくれ…カルベ長老…。
「ごめんなさい…。」
家の壁にもたれかかって本を読んでいたミレーユが、いつの間にか涙目でこちらを見ていた。それを見て、適当に剣を振っていた手を止める。
「私があの時…弟を止めていたら…。」
ミレーユの眼から、頬を伝わり、涙が零れ落ちる。
「ミレーユのせいじゃない…。それに…生き返るのかもしれないんだから、泣くなよ…。」
「…そうね………。ごめんなさい…泣いてばかりで…。」
ミレーユは、か細い手で涙を拭う。
弟、テリー…。
何故テリーはあれほどまでに豹変してしまったのだろう。
単に人格が変わった…テリーの持っていた奇跡の剣の魔力…魔族に操られた…。
原因は色々挙げられる。ミレーユはいつかその原因を突き止め、テリーを助けるのだろう。

525 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/19(日) 23:58:57 ID:1KspaAyc0
当然、それには協力するつもりだが…俺自身の問題はどうなのだろう。
ボロンゴ達の行方…元の世界に戻る術…。前者は、魔族に聞けば分かるかもしれない。だが、後者は?
この世界に来てから、一度も元の世界に戻る術など聞いた事がない。
もし、この世界で生涯生きていく事となったら…俺に居場所はあるのだろうか。
俺が異世界の人間と言う事実は誰一人知らない…。この際、相談するべきか…。
その時、長老の家の扉が、ゆっくりと開かれた。中から出てくるのは、カルベ長老。
「…!長老、ヘンリーは…!」
待っていた現実は、余りに酷なものだった。
目を閉じたまま、首を横に振るカルベ長老。その姿が、既にヘンリーの生死を物語っていた。
「くっ…!」
ヘンリーの死を信じたくなかったのか、勢い良く家の中に飛び込む俺。
が、その勢いは、ヘンリーがいる部屋の前に来た所で、ピタリと止まってしまった。
開けるのが怖い。答えはもう、分かっているのに。
いや、寧ろ答えが分かっているから、開けるのが怖いのかもしれない。
ドアノブに手をかけるも、手が大きく震え、ノブがカチャカチャと音を立てる。
が、それでも真実をこの目で確かめなければならないので、俺はドアノブを強く握り締め、ゆっくりとドアを開けた。
キィィ…と音を立て、ドアの向こうにあった光景は、やはりヘンリーがベッドで横たわっている姿………否、ヘンリーは上半身を起こしていた。
「心配かけてすまなかった…。」
ヘンリーは、確かに俺に喋りかけた。生きている…?…ヘンリーが…?
「…って事は…爺!騙しやがったな!」
「ひょーっほっほ!わしは死んだとは一言も言っとらん!」
畜生、ジジイめ。漫画に出てきそうな事やりやがって。後で魔人斬りの餌食決定。
「…テリーが…俺がお前を邪魔者扱いしていると言っていただろう。」
「…ああ。」
確かにそう言っていた。あいつの勝手な思い込みだろうと言い聞かせていたが…まさか、本当に…?

526 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2006/02/20(月) 00:00:11 ID:1KspaAyc0
「確かにお前は弱い。攻撃も防御も呪文も並以下。戦術も最悪だ。素質もないしな。」
「………。」
ここまではっきり言われると気分が良い。感謝したいぐらいだ。
「だが…一番信頼している奴を邪魔者扱いするはずないだろう?」
「信頼…?」
本気で言っているのだろうか。役立たずの俺を信頼しているなどと。
「普通の奴なら、この世界の現状を知った瞬間逃げ出すさ。」
まあ…確かにそうだが…。
とりあえずアテがないからヘンリーについていった、というのもあるだろう。正常な脳を持ってたらヘンリーについていかないと思うが…。
一番の理由は…やはりボロンゴ達と再会する事か。危険を冒してでも再会したい、と言う気持ちが俺をここまで来させたのかもしれない。
その時、ヘンリーが俺に手を差し出した。
「絶対に魔族を倒して…お互いの目的を果たそう。」
俺はその言葉に、握手で応えた。
ヘンリーの手を握った瞬間、ついぞ感じた事のないような暖かさを感じ、俺が抱えていた不安が薄らいでいった。

魔族との決戦まで、あと11日

Lv27
HP82/140
MP47/70
武器:雷鳴の剣 鎧:シルバーメイル 兜:風の帽子
回復:ホイミ、ベホイミ
攻撃:バギ、バギマ、ギラ、ベギラマ
補助:スカラ、ルカニ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、諸刃斬り、魔人斬り、正拳突き

527 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 00:08:07 ID:6KvRGDUJ0
なんじゃ、こりゃw

528 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 03:15:39 ID:WRHp5rlqO
age

529 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 04:32:46 ID:U2ygrKrMO
オルテガ氏、ローディー氏乙です!

530 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 05:32:25 ID:i1Ue5TwIO
凄まじいほどwktk

531 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 10:56:23 ID:uhstyoW9O
ローディ乙

532 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 15:49:20 ID:jrdLg4W7O
魚目は消えたんかな?まぁあいつおもしろくなかったし…
あいつのせいでこの板荒れたからいなくなってよかったねー

533 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 15:53:47 ID:i1Ue5TwIO
誤爆か?

534 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/20(月) 17:13:30 ID:COQFI9pV0
ローディ乙!
帰ってくるのを待ってたぞー

オルテガ乙!
どんどん面白くなってきた。今後に期待

535 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 04:47:26 ID:dmebD8d00
>>516続き

城に着き、昨日と同様に王様の前に通される。

「ルークよ、突然呼び出して済まなかった。驚いたであろう?」
「いえ、そんな事は・・・」
昨日とは王様の雰囲気が違うように感じるのは気のせいか。
 
「あの戦士とは袂を分かったようだな。はっきり言って都合が良い。
 どうもあの戦士には信用のおけぬ気がしていた。どうやってお主だけに話せば
 いいか、正直迷っていたのだよ」
「オレだけに?」
「そうだ、今から話す内容は、絶対に国民には知られてならないのだ。
 もし、お主が私の頼みを断るとしても、その内容は自分の胸に秘めておく事だ。
 絶対に他言してはならない」
そう言って言葉を切り、じっとこちらを見つめてくる。
怖いほどの視線で。

「それでは話そう」
ゆっくりとした口調で話し始めた。

536 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:09:35 ID:dmebD8d00
「お主もこの世界中で起きている異変に気付いている事と思う。
 異常気象、モンスターの異常増加、そして世界を覆う澱んだ空気。
 これらの異変にはちゃんとした理由があるのだ。この異変を引き起こしている
 張本人はこの世界に突如現れた魔王だ。その名を『バラモス』という」
「魔王・・・バラモス・・・」

声が掠れている。
魔王だって?お伽話じゃあるまいし・・・

「そう、魔王バラモスだ。世界中の殆どの人々は、その存在にすら気付いていない。
 この異変に対して、何も分からずに怯える事しか出来ないのだ」
「・・・・・・」
それでオレにどうしろと?まさか、まさかな・・・

「数年前、このアリアハンから世界を救う旅に出た勇者がいた。その名を『オルテガ』という。
 勇者オルテガは闘いの末、魔物の手に落ちて命を落としたという」
王様は再び話を中断し、目を閉じて何かを考えているようだ。
まるでその頃を思い出すように。

「そして3ヶ月前、今度はそのオルテガの息子が旅立った。
 親の敵を討ち、世界を救う旅へと・・・
 その名は『トリスタン』という」

魔王バラモス、勇者オルテガ、そしてその息子トリスタン・・・  
 

537 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:29:00 ID:dmebD8d00
「トリスタンが旅立つ前に、現状報告を頻繁に行うように言っておいた。
 実際、最初の頃は報告が来ていたのだ。
 しかし、この1ヶ月間、報告が途切れ、消息は掴めぬままだ」
「・・・それで、オレへの頼みとは何でしょうか?」
「本題はこれからだ。消息が途切れたとはいえ、命を落としたという情報も入ってはいない。 
 私は何処かで生きていると信じているのだ」
 
「・・・・・・」
「お主への頼みとは、これから世界中を旅して、トリスタンの消息を探って貰いたい。
 そして無事に探し出す事が出来たら、今度はトリスタンの旅を助けてやってほしいのだ」
「・・・・・・」
 
あまりの内容に声も出ない。
一人の人間を探して世界中を旅する?
まるで雲を掴むような話じゃないか。
おまけにこの世界の事は殆ど分からないし、仲間もいない。
さらに一文無しの無い無い尽くし。
人探し以前の問題だ。
 
それに万が一見つかっても、今度は魔王退治かよ・・・
話にならない。

538 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 05:44:10 ID:dmebD8d00
こんな依頼を受けるのは自殺行為もいい所だろう。
なぜオレにこんな事を頼むんだ?
仮にもここは城じゃないか。兵士だって幾らでもいるだろうし、そいつらに行かせれば
いいじゃないか。
無関係のオレに頼むなんて、王様としてのプライドは無いのか?
・・・断ろう。

無言のオレに、尚も王様は話を続ける。
「今回、ナジミの塔のモンスターに報奨金を掛けたのもこの為だ。
 倒して来た戦士を直接見て、信用出来そうな人物ならこの話をしようと思っていた。
 そして私は自分の目に自信を持っている」

・・・そうゆう言い方は卑怯だ。
何とか上手く断らなければ・・・

「でも、オレには世界を旅する為の知識も無いし、仲間もいないので・・・」
「その点は心配無用だ。共に旅をする経験豊富な仲間をこちらで用意しよう」
 
オレの言葉を予想していたように、すぐに返事が返ってきた。
何か外堀がどんどん埋められて行くような・・・

539 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:09:01 ID:dmebD8d00
「ワシをその旅に同行させてほしいのじゃが」
突然の後ろの声に振り返ると、そこには魔法使いのような格好をした老人が立っていた。
いつからそこに居たのか・・・全く気配を感じなかった。

王様も驚いた顔をしている。
「マトリフ殿、何を言うか。第一、その老体で旅などと・・・」
「老体とは聞き捨てなりませんな。それにもう決めた事じゃ。
 息子が殺され、孫が行方不明などと・・・このままでは死んでも死に切れませんな。
 息子の敵を親が討つのは当然の事。止めて下さるな」
 
王様は困った顔を浮かべているが、やがてオレに向かって爺さんの紹介を始めた。
「こちらは勇者オルテガの父親である魔導士、マトリフ殿だ」

マトリフと呼ばれた爺さんは、鋭い眼光をこちらに向けてくる。
「たしか・・・ルーク殿でしたな。話は全部聞かせて貰った。
 どうじゃろう?このワシを連れて行く気は無いかな?ワシは若い頃に世界中を
 旅して回った。今回の旅にきっと役に立つと思うのじゃが、如何かな?」

どうだと言われても・・・
王様の話を聞いた限りでは、かなり危険な旅になりそうだというのに、こんな爺さんを
連れて行って大丈夫か?幾ら旅の役に立つと言われても・・・

・・・って、何で依頼を受けるのを前提で考えているんだ?
断るんじゃなかったのか?


540 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:26:28 ID:dmebD8d00
そんなオレをよそに、マトリフは王様に向かって、
「話はまとまった。旅の許可を頂きましょう。
 このマトリフとルーク殿、そして・・・もう一人ワシに心当たりの人間がいるので、
 その3人で行かせて貰う。そういう事じゃ」

ちょっと待てよ、このじじい。
オレは行くなんて一言も言ってない。
しかも、もう一人連れて行くなんて、なに勝手な事を言ってんだ!

「ちょっと待ってくれよ、まだオレは何も言ってないぜ」
抗議しようとするオレを遮り、
「今後の事を相談するとしよう」
そう言うなり、マトリフは外に向かって歩き出してしまう。

待て、話は終わってないぞ・・・
何でこの世界の人間はせっかちな奴ばかりなんだ・・・
救いを求めて王様を見るが、王様は既に諦めた顔だ。
「まあ・・・そう言う事だ。マトリフ殿と相談して、今後の方針を決めてくれ。
 また出発の時に顔を出すように」

そう言う事だって・・・なんてアバウトな王様なんだ。
こっちもどうでもいい気分になり、マトリフを追いかける。

それにしても、オレってなんて流されやすい男なんだ・・・
元々のオレがそうなのか、ルークという男がそうなのか・・・


541 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 06:44:39 ID:dmebD8d00
城を出てマトリフに追いつくと、待ちくたびれたという顔だ。
こういう所、誰かに似ている・・・

「若者のくせに、老人を待たせるとは・・・早く付いて来るのじゃ」
「待ってくれよ、マトリフさん。何処へ行くんだ?」
「ワシの家じゃよ。誰もおらんから話しをするのにちょうどいいからな」

マトリフに付いて町を歩く。
町の外れ近くの小さな家の前でマトリフは立ち止まった。
「ここじゃ」

中に入ると、最初に思ったよりも広かった。
周りには何やら実験器具のような物が置いてある。
そして本棚には難しそうな本がズラッと並んでいた。
どうやら何かの研究でもしているようだな。

応接室の様な所に通され、ソファーを勧められる。高そうなソファーだ。
座ってみると、体が沈んで行くほどに柔らかい。

「いつから一人暮らしを?」


542 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:04:24 ID:dmebD8d00
「3ヶ月前からじゃよ・・・オルテガが旅立ったのが8年前・・・その嫁は体が弱くてな。
 オルテガの死を聞き、後を追うように病気で逝ってしまった。
 それからはワシの手でトリスタンを育てて来た。トリスタンが旅立つ時、ワシも付いて
 行きたかったんじゃが、トリスタンは一人で行くと言い張ってな・・・
 それで一人という訳じゃよ・・・」

淡々と話すマトリフ、それでも家族への想いは痛いほど伝わってくる。
何も考えずに無神経な事を聞いた事を後悔する。

「悪かった・・・変な事を聞いて・・・」
「気にする事はない。別にそこまで孤独な訳ではないからな。何故ならば・・・」

その時、玄関の方から大声が聞こえて来た。
「お邪魔しまーす。マトリフさーん、入るよー!」

・・・明らかに女の、それも若い女の声だ。
「おう、噂をすれば・・・」
マトリフの顔が微かに綻んだ。

ドアが開き、若い女が勢い良く入ってくる。
短めに整えられた髪、少しきつめの目、美人に分類される事は間違いない。
それにしても若い。まだ16,7位じゃないか?

ひょっとしてこの爺さん・・・
マトリフを軽蔑の目で見てやった。 

543 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:23:10 ID:dmebD8d00
「こら、何を想像しておるか!この娘の名は『ミリアム』じゃ。
 まあワシの助手のようなもんじゃ」
慌てるとこが怪しい。

ミリアムと呼ばれた少女は心外といった顔でマトリフを睨んでいる。
「ちょっと待ってよ、いつ私がマトリフさんの助手になったのよ?
 ・・・ところであなたは?」
今度はこっちを見て聞いて来る。
「あ、オレの名はルーク。えっと・・・」

今の状況を話そうとして思い留まる。
王様に他言無用と言われたのを思い出したからだ。

しかしマトリフは
「大丈夫じゃよ、この娘は全てを知っておる」
そう言ってミリアムにオレの事を説明し始めた。 
王様に頼まれた内容、それにマトリフも付いて行く事も。

「トリスタンを探す旅?私も行く!絶対に行く!」
説明が終わると同時にミリアムが叫ぶ。
「でかい声を出すな!お前がそう言うと思って、王様には伝えておるわ」
 
・・・ハイ?今、何と言いましたか?
「うむ、先ほどワシが言っていたもう一人とは、この娘の事じゃ」
「さすがマトリフさん!こういうのって以心伝心って言うんだよね?」
そう言ってはしゃぎ回るミリアム。
オレはまた頭痛が酷くなって来た・・・

544 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 07:29:43 ID:dmebD8d00
オレの苦悩などには気付かず、あくまで明るい声でミリアムは
「よろしく!ルークさん、一緒に頑張ろうね」
と言って、手を差し出して来る。

その手を握りながら、遂に悟りの境地に達する。
世界を旅する仲間が爺さんと小娘か・・・
まあ、爺さんとの2人旅よりはナンボかマシだよな。


・・・待て、別に行くと決めた訳じゃないぞ。

545 :オルテガ ◆zYgagV2g.w :2006/02/21(火) 09:14:50 ID:dmebD8d00
マトリフは用事があると言って出かけて行き、ミリアムと2人きりになる。
ミリアムからトリスタンの事を聞く。
2人は幼馴染で、兄妹同然に育ったと言う。
トリスタンが旅立つ時に付いて行こうとしたが、マトリフ同様、置いてかれたそうだ。

「連れて行けないって言われて凄く悔しかったんだよね。
 私なりにトリスタンの役に立ちたくて、色々特訓してたのに・・・」
「女の子を危険な目に遭わせたくなかったんだと思うけどな」
「それくらい分かってるよ。でも、そんな考え方おかしいよ。
 トリスタンは昔から全てを一人で抱え込もうとするのよ。私はそばで見ていたから分かるの。
 だから尚更力になりたかったのに・・・一人で出来る事なんて限られてるじゃない。
 そうでしょ?」
 
一応フォローのつもりだったが火に油だったようだ。
ただ、ミリアムの想いは十分に伝わって来た。
遊び半分でついて行きたがっている訳じゃないようだ。

オレもそろそろ結論を出す時だな・・・
最初は断るしかないと思っていた。
しかし冷静に考えて、断ってそれからどうする?
断れば、当然今後に何の当ても無くなる。金も無いし今日泊まる所すら不自由するだろう。

それに失った記憶を取り戻す事、そして元の世界に帰る事。共にどうすればいいか、見当も付かない。
依頼を受けて世界中を旅すれば、それに対する手がかりを掴めるかもしれない。

最後に・・・アモスの事だ。あんな目にあったが、やはり又会いたい。
会ってどうしたいのか、自分でも分からない。それは会ってから考える事だ。

それらを考えたら・・・何だ、結論なんて出ているじゃないか

つづく

546 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 12:34:38 ID:sMjgW5A6O
オルテガ乙

547 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 13:42:41 ID:JhVkDqXzO


548 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/21(火) 22:14:18 ID:fFXuhxIjO
亀レスだが…

ヘンリー(´;ω;`)ウッ…

549 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/22(水) 01:39:00 ID:hbRyLJzT0
オルテガGJ
テンポが良いし文章も読みやすいね。
ただ、テンポが早すぎて状況が分かりにくい部分もあるかな。
その辺のメリハリを付けるともっといいと思う。

他の職人も帰って来てくれー!
期待age


550 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2006/02/22(水) 22:22:03 ID:xfCAwDPXO
だるそうな主人公とか出ないかな。エイコさんみたいな…

551 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:05:16 ID:SzDnHggt0
カタリナが俺達を呼びに来て、リアたちがいる部屋に戻った。
部屋に入るとリアとムーンブルグの王女が仲良く話している。

  リア「そうなんだぁ〜」
  王女「ふふふっ。それでね………」

カタリナ「失礼します。王女様。もょもと王子とサマル王子をお連れしました。」
タケ「よう。」
  王女「あっ!変態王子!!」
  タケ「誰が変態王子だと!?お前の一方的だろうが!表出るか!?」
  リア「(ビクッ)」
カタリナ「いくらもょもと王子でも暴言は許しませんよ!!」
 サマル「お、落ち着いて。もょ………!カタリナさんも、ね?」

いきなり変態扱いかよ。たまったもんじゃないな。

 王女「どうしてくれるのよ!」
 タケ「悪かったよ。すまん」
 王女「ふん!素直に謝ったから許してあげる。」
 タケ「はぁ?」
 王女「いいから感謝しなさい!」
 タケ「わかったよ。」

全く美人でも短気な女は嫌なもんだ。


552 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2006/02/23(木) 08:06:20 ID:SzDnHggt0
サマル「そ、それでね。ムーン王女。トーマスさんの事なんだけど」 
ムーン「ムーンでいいわよ。いったいどうしたの?」
サマル「ご、ごめん。僕が一晩中治療していたのだけど下半身不随なんだ…」
 タケ「トーマスさんはハーゴンの手下にベギラマを喰らって致命的なダメージを受けたんだ。サマルが何とかしてくれたのだが駄目だった。サマルなりに頑張ってくれたんだけどさ。」
ムーン「そうなの………私に任せておいて!」
 タケ「何とかなるのか?ムーン?」
ムーン「とにかくトーマスの所に案内して頂戴。」
 リア「ムーンさん案内するね。」

俺たちはトーマスがいる部屋に向かった。

トーマス「あっ……お、王女様。申し訳ございません。私が不甲斐ないために…」
 ムーン「いいのよ。あなたが無事でよかったわ。」
トーマス「けど私は足が動かないのです…」
 ムーン「ちょっと待ちなさい。すぐ治してあげるから。」

ムーンがなにやら唱え始めた……………………


 ムーン「ベホイミ」



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