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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目

1 :冒険の書庫の書記 :2005/10/08(土) 23:00:44 ID:oCXhwG/I
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
前々スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
初代スレ
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/

582 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:22:15 ID:5v0nYTh10
暑い暑い熱い熱いあついあついアツイアツイ。
昼間の太陽の日差しが、容赦なく俺たちの体力を奪う。
ともしび小僧と別れた後、ドランゴより遥かに大きな岩を見つけたので岩陰で休んでいるのだが、それでもかなり暑い。
汗がダラダラ出て眠れん。ボロンゴもドランゴもぐったりしている。
そんな中、エテポンゲは一人瞑想をしていた。文句一つ言わない。
おいおい、エテポンゲってこんな奴だったか?いったい何が奴を変えたんだ。
水がめに入っている水も、夜に比べ消費量が激しい。出来るだけ飲まないようにしているが、それでも見る見るうちに水が減っていく。
その上、360度回りを見渡しても砂漠しか見えない、砂の海。体力だけでなく精神力までも奪われてしまう。
こんなときにヒャドが使えたら良いのだが、魔力があっても心身ともに疲れているので使えない。
これは、夕方になるまで持久戦か。辛いが頑張るしかない。
そう言えば錬金釜を早速使ってみた。500G玉を2つ入れると、1000G札に変わった。便利なので全て1000G札に変えてやった。城の秘宝なのになんか夢のない事をしてるな、と思ったがその辺は気にしない。

オアシスの町が見えてきたのは、次の日の明け方だった。
昨日の夕方からダラダラと歩き出し、ほとんど寝ていなかったので夜中に毛布を被って仮眠を取り、明け方にはまたダラダラと歩いていると南の方にやっと町が見えてきた。
「ヒャッハー!!水場だ!!これでもう旅はしなくていいぜー!!」
エテポンゲが馬鹿笑いをしながら走り出す。
今まで文句一つ言わなかったが、多分あまりに疲れて喋る気力もなかったのだろう。




583 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:22:49 ID:5v0nYTh10
オアシスの町はかなりの人で賑わっていた。
大きな水場、砂漠の城、城下町、カジノ。
取り敢えず水は尽きて、喉がカラカラだったので水場へ直行した。
「水はコップ一杯10Gです。」
ニコニコと笑うデブ。何だこいつは。金を取る気か?
いや、オアシスと言っても砂漠での水は命同然。それも仕方ないか。
突然エテポンゲがデブのビール腹を鷲掴みにし、真上に投げる。
「水一杯に金を取るデブなど必要ない!」
落下してきた所にエテポンゲの鉄拳が炸裂する。デブはその場に倒れこみ気絶してしまった。
エテポンゲは何もなかったかのように水を飲む。こいつ、一般人にまで手を出すなよ。
喉も潤った所で、今度はカジノに行く事にした。最近戦闘ばかりで全然遊んでいなかったので、たまには遊ぶのも良いだろう。

カジノにはスロット、モンスター格闘場、スライムレースがあった。
思っていたより狭く種類も少ないが、娯楽があるだけマシだろう。
俺は200Gでコイン10枚を買い、5枚をエテポンゲに渡すと格闘場の方に行った。俺はスライムレースでもすることにする。
スライムレースは5匹のスライムが競争し、一着二着を当てるというものだ。
取り敢えず1−4に2枚かけた。倍率は4倍だ。
レースが始まると、一斉に客がレース場の周りに集まってきた。かなり賑わっている。
「行けー!突っ走れー!!」
「隣のスライムぶち殺せ!構わん!俺が許す!!!」
時々罵声が飛び交う。恐ろしい。ギャンブル狂か。

584 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:23:24 ID:5v0nYTh10
結果、1−4が見事に当たった。2×4=8枚のコインを入手する。
コインを貰っている時に大金を賭けて負けた奴に足を踏まれたので、正拳突きを放って気絶させた。
本当なら即ポリさんが駆けつけてくるが、そこは殺伐とした世界だ。誰も関わろうとしない。弱肉強食の世界である。
さっきエテポンゲに一般人に手を出すなと言ったが、まあ今回は正当防衛ということで。あまりに無理矢理だが。
もう一度スライムレースをしようかと思ったところで、エテポンゲが俺の所に来た。
「稼いでるじゃねえか。少しまわしてくれ。」
エテポンゲに11枚全てのコインを奪われる。ちょっと待てお前。もう5枚使い切ったのか。
エテポンゲについていくと、格闘場でコイン11枚全てを賭けていた。
メタルスライム、ホ意味スライム、バブルスライム、スライムで、倍率108倍のスライムに賭けていた。
ちょ、待てやお前!あたるはずないだろ!?
開始直後、三匹のスライムにノーマルスライムが集中砲火をかけられ、秒殺された。
「ガッデム!金返せこの野郎!!」
それは俺の台詞だ。大穴にも程がある。
エテポンゲが袋を漁る。何を取り出すのかと思うと、その手には全財産約2000Gが握られていた。
「全部コインにしてやる!待ってろ!」
ちょっと待て!ギャンブルジャンキーかお前は!
走って追いかけるも、信じられない速度でコイン売り場に走っていく。
俺が辿り着いた時には、全財産は100枚のコインに替えられていた。
「へっへっへ。これで一回100コインのスロットで当ててやるぜ!」
そう言ってスロットのほうへ行く。…もういい。好きにしてくれ。ボロンゴ、疲れたろ。僕も疲れたんだ…。

585 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:24:24 ID:5v0nYTh10
数分後、エテポンゲはスタスタとこちらに戻ってきてすれ違いざまに俺の肩を叩いてこう言った。
「中々楽しかったぜ。」
一瞬殺意を覚えた。こいつ、装備や道具を買う為の金を100コインスロットで一瞬で消しやがって。

さて、今日はもう宿屋で休みたいが、金がない。どうしよう。
俺が考えていると、エテポンゲが突然歩き出した。
「金なんて魔物を倒せば手に入るだろ。待ってろ。」
エテポンゲが一人で町を出た。まあこいつのせいで2000Gすったんだから、これぐらいは当然だ。
数時間後、町に戻ってきたのは、本物のゾンビの如く地面を這って水を求めるエテポンゲと、ギリギリの宿屋代(4人で48G)であった。

Lv17
HP89/89
MP35/35
武器:鋼の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

586 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/06(火) 01:42:28 ID:buVityjU0
>>ローディ
めちゃワラタww
エテがイイ味出してるなぁ

>>アミ
絵もウマいっすね
物語も絶好調な感じ
アミタソ好きだー

587 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/06(火) 03:37:59 ID:ozqwM9xkO
良スレ発見
自分でも書いてみたいと思ったが、みんなクオリティ高杉てむりぽ

588 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 00:23:49 ID:nCbjRJ04O
>>587
ユーやっちゃいなよ!

589 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 19:45:58 ID:8PlDYnuv0
>>魔神
全然感想かかれてないね、いまいちだとは思うけど。

590 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 21:35:16 ID:dY3KH3uYO
ダークヒーロー路線も(・∀・)イイ!!と思うぞ。
がんがれ
(・∀・)つ魔神

591 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:57:27 ID:q2rPUAv70
次の日の朝、町全体がざわついていた。何か事件に匂いがする。
…しまった!水場の管理人を気絶させた事か!?それはまずい。早くエテポンゲを真犯人としてつき出さねば。
話を聞くと、どうやら違うようだ。城の王子コリンズが行方不明らしい。
それは大変だ。まあ頑張ってくれ。エテポンゲがさらったのではない限り、俺はそんな面倒事には関わらないつもりだ。
荷物をまとめて旅立とうとすると、町の出口に一人の少年が立っていた。
緑の髪で、貴族っぽい服を着ている。王様ごっこでもしているのか?
「おい、お前!」
話しかけられた。ギブミーチョコレート少年か?チョコはないが腐った死体パンなら買ってやろうか?
…しまった。今文無しだった。1Gの腐った死体パンすら買えない。エテポンゲでも差し出すか?
「お前昨日水場にいた奴を一発で倒した奴だろ。」
ああ、あいつか。あれはエテポンゲが倒したんだが…。まあエテポンゲが倒せるなら俺でも一発で倒せるだろう。俺はああ、と言った。
「お前たちはしらんだろうが、あいつは一ヶ月前から水場を占領していた奴なんだ。中々手強くてみんな渋々金を出して水を買っていた。」
あのスマイルデブが?そうは思えん。ただの雑魚にしか見えなかった。エテポンゲに倒されたから尚更そう見える。
「その腕を見込んで頼みがあるんだ。」
「だが断る!」
エテポンゲが少年の頭を押しのけて町を出ようとする。
「いたた!何するんだ!俺は王子ヘンリー様だぞ!」
エテポンゲが分かった分かった。と流している。いくら子供といっても、王子にこの態度とはある意味尊敬する。

592 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:58:01 ID:q2rPUAv70
「ふん!お前はいい!おいお前!頼みを聞いてくれるな!?」
ヘンリーは俺を睨む。面倒だが、ここで嫌だと言えば何をされるか分からないので、一応聞く事にした。
「よし。俺の弟コリンズが行方不明になった事件は知っているだろう。あれは実は昨晩魔物にさらわれてしまったんだ。」
魔物…。このパターンは魔物退治か。まあ今の時点では頼みを聞くという約束だけで、引き受けるとは言っていないのでもう少し聞いてやろう。
「魔物はここから西にある塔に行ってしまった。お願いだ。魔物を倒して弟を取り戻してくれ。」
やはりか。子供の考えは読み易い。そして騙し易い。断ってやるか。
「報酬は30000Gだ。前金として10000Gをやる。」
「引き受けましょう!王子様!!」
エテポンゲがヘンリーの手を握る。態度変わりすぎだろう。
ヘンリーから10000Gを貰った。紫のローブをまとい、不気味に笑っている魔道士の絵がかかれてある。
ヘンリーは頼んだぞ!と言い残し城に戻っていった。
俺は速攻で武器屋へ行き、俺用に破邪の剣、ボロンゴ用に鋼の牙、ドランゴ用に鉄の鎧を買った。
ドランゴに装備できる鎧など普通に考えてないが、ちゃんと用意されてあるのがこの何でもありの世界だ。
因みにエテポンゲはずっと裸一貫だ。装備など必要ない。





593 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:58:38 ID:q2rPUAv70
西の塔に到着する。町からはそれ程遠くなく、水の消費量も少なかった。
中には火を吹く竜の像がいくつも設置されており、火を避けるのが大変だった。
当たっても回復すればいい、という選択肢はない。
何故なら、像の近くでアームライオンと戦っていると、像に近づいたアームライオンが火の直撃を受け一瞬にして燃え尽きてしまったのだ。
あまりに強すぎる炎。史上最強。向かう所敵無しである。この像を持って旅をしたい。
何とか像を潜り抜け、最上階に辿り着く。
ボスのお出ましかと思ったが、オークとキメーラが襲い掛かってきた。前座という訳か。
こんな奴ら一瞬で倒せるだろうと思っていたが、これが意外と強い。
いくら攻撃してもキメーラのベホイミで回復される。鬱陶しい。
仕方ないので、エテポンゲがオークを挑発し、その間に三人でキメーラを叩くという作戦に出た。
オークがエテポンゲに必死で攻撃するが、エテポンゲは軽くかわす。オークは鼻をブヒブヒ言わせて怒っている。豚か。
キメーラをボロンゴでかく乱させ、混乱したところをドランゴと俺が攻撃する。
俺の攻撃では死に至らなかったが、ドランゴの強烈な一撃で絶命してしまった。
エテポンゲはまだオークを挑発している。エテポンゲも体力がなくなってきたせいか、時々攻撃をくらっている。いかん。さっさと倒してしまおう。
俺は後ろからゆっくりと近づき、オークの肩を叩いた。
「ん?」
オークが振り返った所に俺のバギマが炸裂する。オークの体が宙を舞い、天井に頭をぶつけて地面に落ち、絶命してしまった。
倒し方がエグイかもしれないが、その辺は気にしたら負けである。

594 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:59:09 ID:q2rPUAv70
俺はダメージを負ったエテポンゲにベホイミを施す。
実は、町からここに来るまでに練習し、習得したのだ。結構時間はかかったが。
奥に進む。さっきから俺達を見ていたボスと思われる奴にゆっくりと近づく。
よく見ると、ボスの容姿は10000G札に載っていた奴に似ていた。
「ほっほっほ…。ようこそデモンズタワーへ。待っていましたよ…。」
魔道士が不気味に微笑む。俺はこの魔道士から底知れぬ魔力を感じた。
「私はあなた達に会いたかった…。近頃強い魔物を次々に倒しているという魔物使いがいると聞きましてね…。王子をさらったのも、あなたに会えると思ったからです。」
なるほど、それで俺達がこれ以上調子に乗らないように、殺そうという訳か。面白い。
「まあ、強い魔物と言っても所詮それは人間レベルでの話…。私たち魔族の世界ではせいぜい下の中といった所ですか…。」
「そうだな…その程度だろう。あんな魔物が強いなんていったら俺はがっかりだぜ。」
エテポンゲが一歩前に出る。
「随分自信がおありのようですね…。しかし、先程の戦闘を拝見させて頂いて、答えは出ました。」
「ほう…。お前は俺たちに一瞬で殺される、という答えか?」
魔道士はニヤリと笑い、少し間をあけて言った。
「…あなた達の力は、私の部下二人、いや一人にも及ばない。」
その瞬間俺は背筋が凍りついた。
「面白い…。ならやってみるか?」
エテポンゲが構える。
俺は嫌な予感がした。奴の言っている事は当たっている気がする。そう感じたのだ。

595 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:59:41 ID:q2rPUAv70
「いいでしょう…出でよ!ジャミ!ゴンズ!」
次の瞬間、落雷と共に紫の鬣の馬ジャミ、盾を持っている紫の豚ゴンズが現れた。
よく見りゃ1000G札と5000G札に載っていた奴らじゃないか。そんなに有名なのか?
「へっへっへ。お前らなんざ俺達で十分だぜ。」
ゴンズが嘲笑う。ジャミも同じく明らかに俺達を見下していた。
「死んでも恨むなよ!」
エテポンゲが一直線にゴンズに突っ込む。
「遅すぎる!」
ドガッ!!!
ゴンズが繰り出した拳は、エテポンゲの腹を抉る様に打ち込まれていた。
「あが…が…。」
エテポンゲがその場に倒れこみ、気絶する。
「へっへっへ、こんなもんか?」
ゴンズがニヤニヤと笑う。
まさか…ここまでとは…力の差がありすぎる…。
「ググ…ナメルナ…!」
ドランゴがバトルアックスをジャミに向かって振り下ろす。
「おっと。」
ジャミはその巨大な斧を片手で受け止めた。
「おねんねしてな!魔族に刃向かう悪い子が!」
ジャミの回し蹴りがドランゴに炸裂する。ドランゴは勢いよくその場に倒れこんだ。
次々と仲間が突っ込んでいく中、俺はというと、完全に震えていて動けなかった。
どうあがいても勝てない。そう悟った。

596 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 23:00:34 ID:q2rPUAv70
「グルルル…!」
ボロンゴが牙を剥き、魔道士達を睨む。
やめろ、ボロンゴ!殺されるぞ!
が、俺の叫びも虚しく、ボロンゴは敵の中心に突っ込んでいった。
結果は、言うまでもなかった。
ゴンズの頭突きで口から大量の血を吐き、その場に倒れ気絶するボロンゴ。
そして遂にこちら側で立っているのはただ一人、俺だけとなった。
「ほっほっほ…。後はあなただけですね…どうしますか?逃げてもいいんですよ?」
………。
「どうせ初めから殺すつもりなんだろ…さっさと殺せよ…。」
俺は死を覚悟した。
俺の様な一般人が少し強くなったところでどうにかなるようなものではない。
それが可能なら、もうとっくに実力者たちが集結して魔族を壊滅させていただろう。
魔族に刃向かうなど、愚か過ぎる行為だったのだ。
「諦めましたか。しかし下の中程度の魔物を倒されたと言っても支障が出るわけではない。命はとりません。ただし…。」
魔道士は倒れているボロンゴ達を一人ずつゆっくりと見て、再びこちらに向き直す。
「ただし石になってもらいますよ。魔族にとって邪魔な存在に変わりありませんから…。」
魔道士がゆっくりとこちらに掌を向ける。
「最後に…。」
「ん?」
「最後に聞かれてくれ…お前の名前を…。」
魔道士は少し考え、俺の目を見つめ不気味に微笑んだ。

597 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 23:01:08 ID:q2rPUAv70
「ゲマ…。次期魔王三大候補の一人…。」
ゲマの掌から灰色の煙が放たれ、俺の体を包んだかと思うと足の先から徐々に石化しだした。
それ以降、俺の意識は完全に途絶えた…。

「この二匹は元々凶悪な魔物のようですね…。かなりの実力があるようなので利用させてもらいましょうか。」
「こっちの腐った死体はどうしますか?」
「一見腐った肢体に見えますが、一応人間のようです。…こうしてしまいましょう。」
ゲマが掌をエテポンゲに向けると、エテポンゲの体が光の包まれ、ふわりと宙に浮いた。
「バシルーラ!!」
次の瞬間、エテポンゲの体が動き出したかと思うと窓を突き破ってどこかへと飛んでいった。
「魔族に刃向かう人間はこうなるのです。では行きましょうか。ほっほっほ…。」
そうして、ゲマ達はボロンゴ、ドランゴと共に消えていった。
石化した俺一人を残して…。

第一部 終

Lv18
HP93/93
MP39/39
武器:破邪の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、ベホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

598 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 01:29:48 ID:5JqD+NkLO
ヤベェェェェェ!!!!
オラわくわくしてきたぞ!!!!

599 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 02:28:45 ID:BPMnCQFvO
ツヅキミタイ
ソウキュウニタノム

600 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 15:47:14 ID:UfSDeH9I0
ツヅキガミタイよ

601 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 18:30:17 ID:5JqD+NkLO
早急じゃなくていいから確実にうpしてくれ!頼む。
ヌカ喜びだけはさせねぇでくれorz

602 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:27:15 ID:x4FNczCa0
586
アリガト!嬉しいよ(ノД`)
前の文で間違いがありました。
○180度
×360度
盛り上がっている中失礼ながら投下します。

603 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:29:06 ID:x4FNczCa0
目を開けると目の前に城が飛び込んできた。
城、といえば日本なら姫路城とか彦根城(いずれも国宝)が思い浮かぶし、西洋風なら崖壁に聳え立つドイツやフランスの城が思い浮かぶ。
目の前にあるのはどちらかというと西洋風の城だがあそこまで華美ではない。
白い壁に群青色の屋根。入り口には色とりどりの花が植えられ、目を楽しませる。
城、というよりただ大きい家、という感じ。他国が攻めてきたときに応戦出来るように壁に大砲口や防御の為の鉄柵や堀もない。せめて高い城壁でもあれがいいがそれすらない。
これ…だいぶ設計ミスだと思うんだけど…。ここを攻められたら1日も持たず陥落させられること受け合いである。
城門にはただ物々しく兵士が2人立っていた。青銅の鎧を着込み、ホーリーランスを携えた兵士。あまり様になっていない。
あたしたちの姿を見ると同時に背筋を伸ばし、敬礼した。
「アリーナ様、無事にお帰りで!」
「アリーナ様、お聞きになりましたか、王様が…」
「聞いたわ。今から行くところよ。開けてもらえる?」
はっ!と威勢良く返事をすると兵士たちは城門を開ける。
中は思ったより広い。
天井は高く、高名な画家が描いたであろう天井画が一面に張り巡らされている。
その天井を支えるのは丸太程の白柱。入り口から左右規則正しく並んでいるが、そのうち一本真ん中から折れているのはどこぞのお姫様が戯れで壊したもの。


604 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:31:03 ID:x4FNczCa0
足場には赤の天鵞絨、金糸を使った豪華な絨毯が真っ直ぐ二階への階段に続く。
窓は見当たらないがその代わり蝋燭を大量に利用し城の中を明るくする。蝋燭台は職人の手により細かな細工が施されている。素材は真鍮、黒ずみやすいものだが手入れされているので輝きは色褪せていない。
外観と同じ、城内も白色の大理石でまとまっている。それ故に花の色が映えるのであろう。
初めてみる城の内部に、はーっとかほーっと感心しているあたしとは対象に、アリーナは始終無言。クリフトやブライは久々に帰ってきた城に安堵した様子。
寄り道もせず真っ直ぐに歩き、二階へ上がる。
階段を上がるとすぐ観音開きの戸が現れ、両手で開ける。(やたら大きい。取っ手なんぞ鍍金ではなく黄金で出来たもの。大理石ではなく本革を貼り付けて高級感を演出。それがここに王がいると予感させる)。
謁見の間。
赤い天鵞絨が床いっぱいに広がる。入り口から王座までおおよそ50m程。フル装備の兵隊が何人か警護にあたっている。
二階は一階と違い大きな窓が壁を占め、太陽光が差し込み明るく部屋を照らす。
王座の左右には水場が設けられ、水瓶を右肩に担いだ少年の顔をした有翼人像の水瓶からは絶えず水が流れ水面に波紋を投げかける。
水が生み出す霧に周りの植物たちは生き生きと大輪の花を咲かせる。
謁見の間というよりは、憩いの場として、会議場として、または舞踏場として、活用出来る多目的スペース。


605 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:35:49 ID:x4FNczCa0
頭上を臨めば水晶と金細工で作られた精巧且つ巨大なシャンデリアがいくつも飾られ、夜になればキラキラと輝き高級感溢れる部屋の演出に一役買うだろう。
流石一国の領主がいるだけあって、ものは豪華だし掃除は行き届いて清潔感はあるし、いて心地よい。
感動しているあたしを見てアリーナは苦虫を噛み潰したような顔をした。
城の広さ、大きさ、職人たちの匠技。パンピーから見れば目を輝かすものばかり。生まれながらのお姫様にわかるものか!
王の姿を見るなりアリーナは走る。あたしも続く。
「お父様!」
王冠をかぶり、赤いマントを着込んだいかにも王様といういでたちの王に飛び込むアリーナ。
「おお、アリーナ様!大変なことになりました。王の声が出なくなったのです。筆談も試しましたが、手は震えてとても…!医者にも看ていただきましたが原因不明。この国は王で保っています。ああ、どうなるのでしょう…!」
「あなたが、大臣がそんなに取り乱してどうするの!」
大臣と呼ばれた恰幅のよい男は一喝するアリーナにびくりと身体を震わせる。
「医者にでも判らない…?何の病気でしょう。私に看させてください」
クリフトが名乗り出て王の口や舌を覗き込み、舌を出したり引っ込めたりしてもらう。怪訝な顔をして、特に発熱や外見や口に異常は認められませんと首を振った。
「お父様…声を出してみて」
娘の要望に答えようとするが、うまくいかず、歯を噛み締める王。
「何で?どうしてなの?」
アリーナの問い掛けに勿論答えられない王。パクパクと口を動かすばかり。


606 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:38:57 ID:x4FNczCa0
「最近までは身体共に良好でおりましたがある日、あまりにも毎日同じ夢をみると申し上げ、それを私に伝えようとしたときから声が出なくなったのです」
大臣が焦りながら言う。
「王はご病気でと近隣国に鞭撻しておりますが、このまま意思を伝える手段がないと近隣国との会議や会合に摩擦がおきかねまする…」
どうも…いきなり声がでなくなったというもの。病気ではなさそうである。
「奇怪な」
ブライが考え込む。
「儂は分からないがこの城にいる物知りゴン爺ならもしや声が出ない時の対処法を知っているかもしれないな。ゴン爺は城の裏手におる」
「行くわよ!そのゴン爺の元へ!」
アリーナはこの城の屋根と同じ群青色のマントを翻し、颯爽と城を出た。
城の裏に回り、ゴン爺の部屋と思われるべきドアにノックするが返事が返ってこず。ドアノブを引くと鍵が掛かっていて開かない。
アリーナはあのメイから貰った鍵を取り出しノブに差し込み回すと、かちゃんっと音を立て施錠が開く。どうやら一致したようだ。
中には城のあの豪華さはなく殆ど物置のような部屋でブライより更に年老いた老人が1人椅子に腰掛けていた。
ゴン爺に王の声が出ないから治療方法をと聞くといきなり取り乱し、この国もおしまいじゃ!と泣き喚いた。


607 :アミ ◆/MA4zYDgBI :2005/12/08(木) 21:42:23 ID:x4FNczCa0
落ち着かせるとサランの町にいる吟遊詩人マローニも昔喉を痛めたことがある。今は綺麗な声で歌を歌っているから何かわかるかも、と教えてくれた。
声が出ないのと喉を痛めたのでは似て非なるものだが今はそれしか情報がない。今度はサランへ急ぐ。
サランの町はあたしが来た頃から何も変わっていない。
クリフトやブライが城へ帰って安堵する気持ちが分かる。あたしはサランの町に懐かしさを覚えた。
あの頃と今。少しは成長したかな…。
感傷に浸る間もなくマローニの元へ急ぐ。
「そうです、私がマローニです。え、王様の声が出なくなった?ええ、それは隠密ですね」
判ったようなことを言い、紫色がかった長髪をふわさっと後ろに流した。
「で、私の声がどうして美しいといいますとね、昔声が出なかった時がございまして、定期的に行われる砂漠のバザーでさえずりの蜜を購入して舐めたら声がよくなったのでございますよ」
「今開催している砂漠のバザーよね?」
「そういえば今開催しておりますよね。あるかもしれません。蜜は即効性がありますから嗄れた声などすぐよくなりますよ」


608 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:45:46 ID:x4FNczCa0
「わかった。行ってみる。情報をありがとう」
「お気をつけて。一刻も早く王様の声が戻ることをここで祈りを込めて続けていましょう。ララ〜♪」
マローニ、確かにイイ声をしているんだけど、やたらキーが高いんだよな…。
「ブライ、聞いたわよね。もう一度、砂漠のバザーへあの呪文を」
「判っておりますとも。さぁ、唱えますぞ。ルーラ!」
目を開けると、あの砂漠のバザー一瞬にして着いていた。
「おい、おまい!蜜キボンヌ」
「うはwwwねぇよwwwうぇwうぇww」
「ちょww」
そこらの露天商のおっちゃんに聞いたらわからんかなと思ってわざわざバザー開催者に聞いたのに…。
「昔はあったが最近はないなぁ。その蜜、さえずりの塔で採れるんだよね〜」
「さえずりの塔?」
「この砂漠を出て南西に向かい、半島にある。塔の一番上でエルフが花から蜜を採っているんだ。これは技術的に人間には不可能でさ。貴重なもんだ。エルフと物々交換して手に入れていたが最近はエルフがこないからものもないんだ」
そうか…。なんだか絶望的だな。


609 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:52:31 ID:x4FNczCa0
「どうします?」
困り顔のクリフトがアリーナに問う。
「…行くわ。もしかしたらいるかもしれないし…行ってみなければ判らないでしょ。行って諦めがつくのと、行かないで諦めるのは違うでしょ、例え結果が残念でも…。だから、行く」
ブライとクリフトは頷いた。
前から思っていたけど、彼女、やると思ったらやるという人なんだな。意志が強いというか。
自分が持っている力を、可能性を、何より自分自身を信じているからこその意志。
そんな彼女が彼女であるうちはこれからも強くなれる。
だけどこれだけは忘れないで。
あなたが最大限に自分の力を発揮出来るのは、あなたを全肯定し、サポートするブライとクリフトがいるからこそ。
そして、弱音を吐きたいときに吐ける強さもあるんだと。

610 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:29:26 ID:TYYarTqo0
嘗て。
戦いがあった。竜神と、魔帝。
この二柱は烈しくぶつかり合い、空は鳴動し、海は裂け、大地は割れた。
竜神マスタードラゴンと、進化を極めた地獄の帝王エスターク。
勝負は幾年、幾十年、幾百年にも及び、それでもマスタードラゴンはかろうじて、エスタークを地の底に封印する事に成功する。
帝王は長い眠りに就いた…。



クリフトが語る物語は、神話、と呼ばれる話であり、一般人に取ってみれば寝耳に水、と言って良いレベルのものだった。

「それが…今、復活しようとしているの?だけど、どうして…」

アリーナの問いに、今度はミネアが答える。
彼女の足は、急がなければならないと、この中で誰より理解しているというのに、決して早いものではなかった。

「アッテムトには、鉱山がありまして…金が出るという事で、とても栄えた町でした。
毒性のガスが出て、人が倒れる事も少なくないにも関わらず、金を求める人は後を立たず…。
人が集まれば、今度はその人達を目当てに色々な商売を担う人がやってきて…その連鎖で、良くも悪くも、賑やかな…。
ですが、最近は金の出る量が減り、鉱夫の数が減ると共に町も少し賑やかさが減ってきて…いたの…です、が…」

「ちょっと、ミネア?大丈夫?」

苦しそうに息を吐くミネアを、マーニャが気遣う。
だが、それも無理は無いだろう。
アッテムトと呼ばれる、嘗て栄華を誇った鉱山都市は、今や見る影も無い。
毒と、腐敗と、絶望が渦巻く死の都でしかなかった。
最盛期の頃とも違う、マーニャとミネアが訪れた時とも違う。
広大に広がる毒の沼地の中には、まだ新しい死体もあれば腐りかけのもの、それどころか人骨すら無造作に転がっている。
大気は鉱山から噴き出すガスで染められ、うっすらと紫がかっていた。
そして、まだ生きている人は…中には死にたくなければこの町から出て行けと忠告してくれた老婆や、この地獄においても人を救おうとする神官の姿も見えるものの、
その大多数は既に死を悟り、ただその時を待つ肉塊と化してしまっていた。

611 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:29:58 ID:TYYarTqo0
「地獄の帝王、エスターク…まさに、ね。今やこの街は地獄そのものだわ…」

ぽつりと呟いたマーニャが、ミネアに此処で待っているように諭している。
一応、宿屋の建物の中はガスも入って来難いのか、まだマシな環境だと言えた。
ミネアはその強い感受性で、恐らく鉱山の中で待つものに対し、恐れを抱いてしまっているのかもしれない。
それに加えて、このガスは繊細な彼女にはかなり厳しいものとなっている。

この雰囲気は、そう…あの時に、似ている。
一番最初、ソフィアと出逢ったあの山奥の村。
さっきまであった生き物の気配が、一瞬で消え去ったあの空虚さと、この町での生物がもがき、苦しむ姿をまざまざと見せ付けられる様は、
どちらがどうと言うには、少々相応しくないだろう。
俺はちらりとソフィアへと視線を送った。
彼女の細い肩は…小さく震えていた。
手を、置こうかと。少しだけ逡巡して…止める。

しかし、そうなると鉱山に潜るメンバーの選出はどうなるだろうか。
大人数で潜るには、坑道は狭すぎる。身動きが取れなくなり余計な危険を招く恐れもあるので、やはり半分程度の人数で赴くのが望ましい。
ミネアがいけないとなると、やはりマーニャが途中までの道を知っている唯一の存在になる。
更にクリフトも外せまい。治療に長けた者を外せるほど、楽な相手とも思えないので。
…ま、もし噂のエスタークがお話通りの力を持っているのなら、正直逃げるしかないかもしれないが。
それに、一行のリーダーでもあるソフィア。実力を考えれば、ソロもまた参加となるだろうか。
後はライアンか、アリーナだが…。

「…ふむ、そうですな。ここはアリーナ姫にお任せいたしましょう」

「良いの!?ありがと!」

嬉しそうにぴょんと跳ねるアリーナ。全く、そりゃあれだけ眼で行きたい行きたい訴えてればそうもなるわな。
恐らく、実力で言うなら…現段階では、ライアンの方が良いのだろう。
俺はさりげなく、ライアンに本当に良いのかと訊ねてみた。

612 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:31:37 ID:TYYarTqo0
「ええ。…これは私の戦士としての勘、なのですが。
アリーナ姫にはまだまだ、伸びしろが沢山あるように思うのです。それこそ、年を取った私よりも。
それはきっと、更なる強敵との戦いの中で…開花するのではないかと。
そうすれば、その力は一行の助けとなる筈です」

ソロやソフィア、そしてクリフトと共に、一緒に行ける事を喜ぶアリーナを、
ライアンは面映そうに、その皇帝髭をしごきながら見守っていた。

「こちらに残る皆の事は私にお任せを。
貴公は、彼らを見守っていてください」

……誰に言ってんだ、この中年戦士は。

「ほら、行くわよ!」

何かを言う前に、マーニャに腕を掴まれずるずると引き摺られる。
ぬおーっ、助けてトルネコさん!!

「ハハ、私が行ってはお腹がつっかえてしまいますから」

爽やかに笑って言うデブ。
痩せろやああああああああ!!!!
俺の叫びは地獄への入り口の中で反響し、やがて消えていった。



坑道内は、町よりも更に濃い紫がかった霧が充満していた。
服の裾を口元に当てて、直接吸い込むのを防ぐ。とはいえ、魔物が出てきた時はそうも言ってられないのだが。
いずれにせよ、速く脱出したい所である。
途中までの道のりはマーニャが知っている事もあり、すいすーいと進む事ができた。

613 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:32:04 ID:TYYarTqo0
「…前に来た時は、確かここまでしか道が無かったわ」

マーニャが足を止めた先にも、更に奥に坑道は広がっている。
無言で進める行程――地の底へと進んでいくような道のりの果てに、やがて坑道は終わりを告げ俺たちの眼の前にぽっかりとした巨大な空間が広がる。
地下に此処までの空間が広がっているとは思いもしなかった。

それは城だ。
俺たちはデスパレスを見ていたから、ただ、その威容だけで足がすくむという事は無い。
だが…何なのだろうか、この…威圧感は。
身体が押し潰されてしまいそうなプレッシャー。
城の内部から漂う、生き物全ての生殺与奪を握っているかのような気配…。
居るのだ。この中に、地獄の帝王が。
主の居ない城と、居る城とでは此処まで違うものなのか。肌で感じられるのは、果たして良い事なのか悪い事なのか。

仲間に視線を送ると、皆、一様に蒼白な面持ちでこの帝王の城を見上げている。
マーニャはその中で、ふと坑道の端に倒れていた工夫へと歩み寄り、膝を屈めた。
それはもう、九割九部死んでいるただの肉であり、それだというのにうっすらと――歌っている。
欲望への賛歌を。

「金、金、金……人の欲望が、地獄の帝王を復活させるきっかけになるだなんて……笑っちゃうわね。
この土地に金が眠っていたっていうのも、出来すぎた話だわ」

皮肉気に嗤うマーニャを見て、俺は少し逡巡する。
進化の秘法…錬金術…金を生成する学問では無いとはいえ、それがある種代表的な事例になっているのは間違いない。
地獄の帝王エスタークが進化の秘法を極める程に、錬金術に長けていたのだとするなら、あながち相関関係が無いとも言い切れないのか。
封印されていながら、何かできたのかどうかは解らないが…。

耳が痛む程の静寂の中を、靴音で破りながら城へと突入する。
デスピサロが先行している以上、躊躇している暇は無い。
恐らくは彼らもこの城の内部構造を完璧には把握していないであろうから、そこに活路を見出したい所である。
後ろから俺たちが来ている事にも気付いていなければ、足も遅い筈だ。

614 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:32:53 ID:TYYarTqo0
途中に転がっていたガスの噴き出すツボを拾ったりしながら、やがて俺たちは辿り着く。
彼の帝王の、御前に。



「――これが、地獄の帝王、エスターク……」

大きかった。
あの変成したバルザックよりも更に巨大な、青い身体。
角が生え、突き出たショルダーガードのような外郭が見える。
両の手には、軽く反りの入った剣。

だというのに――静かだ。
恐ろしいまでの静寂の中、実はアレは石像か何かなのではないかと思う。いや、そう思いたいだけか。
僅かに揺れる身体を見れば、確かにアレが生きている事が解る。解ってしまう。

「眠っている…?」

クリフトがぽつりと呟いた。
それでようやく、俺たちの間に時間が流れ出す。

「なら、やっちゃうわよ、幸いあの美形もまだ来て無いようだしね!」

ばっと鉄扇を開き、術の詠唱に入るマーニャを皮切りに、ソフィアが、ソロが、剣を抜き、アリーナが跳躍する。

「範囲物理障壁(スクルト)!!」

クリフトの援護が皆に届く中、特大の火球がエスタークに直撃する!

615 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:33:20 ID:TYYarTqo0
「やぁ!!」

火球が着弾した箇所に爪を突き立てるアリーナ。
それと時を同じくして、それぞれ足を切り裂くソフィア、ソロ。
皮膚が焼ける匂い、裂かれる皮、噴き出す体液。
効いている…!そう確信した俺たちは、攻撃の手を休めない!

ブライから教わった俺の速度上昇(ピオリム)が更に皆を加速させる。
特に、ソフィアとアリーナの動きが顕著だ。
速い。最早、それは残像でしかない。彼女たちの攻撃は時に、重さが足りなくなりがちだが、攻勢力向上(バイキルト)がそれをも補う。
文字通り血煙を吹き上げるエスターク。いける…!そう、思った矢先であった。

カッ!!!

エスタークの身体から、光が溢れる。
そう、それは光であったから、光ったと思った瞬間には――既に、俺たちの身体に到達していて。

灼熱する。

俺はいつのまにか、床に倒れこんでいた。
かろうじて首を折り、辺りの様子を窺う。だが、そこに立っているのはエスタークただ一人。
仲間達は皆、一様に床に倒れ、身体を起こそうともがいている途中であった。

一体何が起きたのか。
それすらも俺には解らなかったが、だが、今から始まるものこそが――真の地獄に相違ないと、そう思う。

エスタークが、両の手を振り上げる――その巨大な鉈のような剣が、無造作に、まるで何事もないかのように。
振り下ろされた。その下には、ソフィアと、ソロの姿。

616 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:33:57 ID:TYYarTqo0
ゴッ、鈍い音と共に剣が大地に埋まり込む。
俺は最悪を予想しソフィアの名を呼ぼうとした。だが、喉が焼け付き上手く声が出ない。
ゆっくりと持ち上がる剣――沈んだ床の中央に、横たわる二人の身体。
一瞬、浮かんだ青白いスクルトの光が、圧力が無くなると共に再び姿を消す。
補助魔法はかなりの効果を生んでいる。それを確認した俺は、すぐにソロへの攻勢力向上を練り上げる。

「――タァァァァァ!!!」

エスタークのターゲットから外れたアリーナが雄々しく勇躍する。
彼女は大地と、エスタークの身体をすら蹴り上がり、顔面へと肉薄した。
繰り出される脚線による曲線美。メシリ、鈍い音が響く!
だが、まるで揺らぐ事無くその彼女に向かって繰り出される剣。迫る凶悪な刃を前に、アリーナの胴と足が血液による泣き別れを演じる姿が思い浮かぶ。

それすらも、杞憂だ。
彼女はまるで柳の枝のようなしなやかさで、その剣の勢いを利用し更なる速度でエスタークへと肉薄し、炎の爪を突き立てる!!

「…信じられない、あの剣の刃に足を当てて…勢いに逆らわず、斬られる事も無く、やり過すだなんて…」

身体を起こしたマーニャがぽつりと呟いた。
それも無理は無いだろう。今のアリーナは、スクルト、バイキルト、ピオリムを受けまさに鬼神と化している。
エスタークが目線に入ってくるアリーナに気を取られた、その隙に。
ソフィアが入れた切り口に、バイキルトを受けたソロが全力で剣を叩きつける!
傾ぐ、巨体。膝が折れる――彼の、地獄の帝王が膝を折った!

いける…!そう思わせるに十分な一撃に、誰もがそう思った刹那。

突き出される帝王の剣の柄。拳――否、指先から、心身を凍てつかせるかのような波動が迸る!

「え…力が…抜ける…!」

「補助呪文が…!?まずい、ソフィア!アリーナ!下がれ!!」

617 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:34:29 ID:TYYarTqo0
ソロの叫びに反応し、二人が後方に跳躍する。
しかし――それすらも、帝王は予測していたかのように。
凍える吹雪がフロア一面を覆いつくす!
急激に下がる気温に身体が凍てつき、固まった皮膚を雪が、細かい氷が縦横無尽に引き裂いていった。

これは…マズイ。
攻撃が広範且つ、強力過ぎる。
クリフトもソロも、自分の治療で精一杯になってしまえばいずれ女たちが倒れ、その後は…。
まさか補助魔法が全て打ち消されるなんて…それが解っていれば、最初からこまめに治療の術を撒いていったというのに。

「ごめん、なさい…」

ソフィアがぽつりと誰にとも無く呟いた。
今迄の戦術が上手くいっていたから、今回も。それは決して間違いでは無かったろう。
それでも、彼女は一行のリーダーとして、謝ったのか。

「…いえ、謝る事はありませんよ」

彼女に優しく笑いかけ、そう呟いたのは緑色の神官だった。
彼は素早く身体を起こし、一度ずつ、皆に向かって掌を向ける仕草をする。彼の手から、暖かな波動が響いてくるかのように。
その都度、仲間達の身体を淡い光が包んで行く――。

「――集団治癒(ベホマラー)」

神官が力を篭めた言葉を呟くと、光が一斉に弾け、皆の身体に染み込んでいく。
それは見事な、更なる逆転劇、治療の術は一人ずつという既存の価値観を打ち破る、独創性の勝利か。

「凄い、凄いわ、クリフト!」

「いえ、まだです、姫様。エスタークは未だ膝をつきながらも立っている。
勝利をお掴みください!治療は私にお任せを!」

618 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:34:58 ID:TYYarTqo0
こちらをも見ながら頷くクリフトに対し、俺もまた腰の剣を抜く。

切る、斬る、キル。

ソロが、アリーナが、俺が、そしてソフィアが。
治癒をクリフトに任せ、全力で斬りつける。
巨大な剣が、凍える吹雪が、俺たちの身体を切り裂くが、その度にクリフトが背中を支える。

ズドォン!

一際派手な音はマーニャの火球だ。
彼女の術は、コンスタントに、且つ、止まる所を知らず次々と生み出され、帝王を焼き尽くさんとする。

「ヤァァァァァァ!!!」

幾度、幾十度にも及ぶ攻撃の末に、遂に、ソフィアがエスタークの額に剣を衝き立てる。
それが合図かのように――蒼い、エスタークの身体が、ゆっくりと変色していき……やがて、その動きを止めた。

「…やった…の…?」

「恐らくは、な。完全に消滅させる事は、彼の竜神でも出来なかった所業だ。
これで、暫くは眠りから覚める事は無い…と、思いたいが。後でミネアやブライさんにも調べてもらうか」

注意深く動きを止めたエスタークの様子を窺っていたソロが、ふっと一つ息を吐いた。
それを切欠に、喜びが弾ける。

「あー、疲れた!早く戻って汗を流したいわ」

619 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:35:48 ID:TYYarTqo0
マーニャがぱたぱたと鉄扇を仰ぎ、少しでも清浄な空気を近くに寄せようとしている。
ソロがソフィアに近づき治癒を施している間に、アリーナはクリフトの手を取って上下に揺らしている。
今回の殊勲はクリフトだろう。彼の範囲治癒が無ければどうなっていたか…一度に、全員の傷を癒す、その強力な効果は目を見張るものがある。
ずっと修練していたのか。それでも、度重なる使用で彼の精神は極限まで磨耗し、顔面は蒼白になってい――た、筈なのだが。
嬉しそうな姫君を前に、少なからず紅潮しているようにも見えなくは無い。
ご褒美としては、これ以上ないものなのかもしれないな。

今回の戦いは、逆転に継ぐ逆転だった。
それでも、最後の最後にはこちら側に引っくり返せたのだから、とりあえずは由としよう。反省は後でするとして。



此処で、反省していれば。後の事態を防げたのだろうか。



マーニャはエスタークの傍で、睨むようにその巨体を見上げていた。
ソロとソフィアは、まだ少したどたどしいやり取りで互いの無事を確認している。
アリーナは、完全に背を向け、意識はクリフトに傾いていた。

クリフトが気付く。だが、それもまた彼を苛む疲労故に、余りにも遅すぎた。



「……ぇ……?」

アリーナの、小さく可憐な唇から、ついぞ聞いた事のないような、小さく呆けたような声が漏れる。

620 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:37:06 ID:TYYarTqo0
彼女の腹から異物が生えていた。
腕。
まるで母を殺し無理矢理この世に魔が生を受けたかのような、悪魔めいた光景。
噴き出す真っ赤な鮮血が、眼の前のクリフトの紅潮していた頬をしとどに濡らしていく。
逆転する。
コインが、表裏を返るように。
一度は表を向きかけたそれは、今また裏の姿を見せ付けていた。


HP:79/105
MP:23/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒

621 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 01:36:55 ID:Vh5/1MFj0
4の人キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

622 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 02:29:17 ID:I7bpCBKu0
◆gYINaOL2aE氏おつ!
続きが非常に気になります…。
ピーちゃんとソロ・ソフィアの邂逅になるのだろうか。

ところで◆gYINaOL2aE氏、しばらく姿を見なかった間は
ロワのほうにいませんでしたか?

623 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 02:33:26 ID:Y48/GlyBO
◆gYINaOL2aE氏、乙!

シリアスな雰囲気の中、
>ぬおーっ、助けてトルネコさん!!

「ハハ、私が行ってはお腹がつっかえてしまいますから」

爽やかに笑って言うデブ。
痩せろやああああああああ!!!!

大爆笑www
そして続きが早く読みたいです。頑張って完結させてもらいたいってのがものすごく希望です。

624 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 08:42:53 ID:lzZvaajM0
◆gYINaOL2aE氏キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!

これからじっくりねっとり嘗め回すように読んでくるッ

625 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 18:48:21 ID:vLjXT3qXO
ところでまとめ人はどこいった

626 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 20:49:40 ID:tUFe4gIJO
このスレって何かのシリーズを元にして話を展開してくのが原則なんですか?
完全にオリジナルストーリーで、世界観がドラクエってのは却下?

627 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:16:32 ID:Fzl1E52w0
別に良いと思う、魔神なんかは完全オリジナルぽいっし。

628 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:23:55 ID:Fzl1E52w0
ギャグ・シリアス・・・◆gYINaOL2aE氏、レッドマン氏、アミ氏、エイコタン
シリアス・・・・・・・ローディ氏
シリアス・ダークヒーロー・・魔神氏
分けるとこんな感じかな?

629 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:32:05 ID:zSss3TZK0
宿屋だったら・・・。
やべぇ、俺宿題終わってないぜ?
学校行って起こられちまうよ;;;
超問題ありじゃねぇ?

まぁ、それはさておき、仲間がいるかどうかがもんだいになるわけで、もしも仲間がいなかったりなんかしたら・・・。
きっと絶望的だろうな。それもレベル1とかで、最終ダンジョン近くとかだったらさ。
マジで死ぬぜよ?

630 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:34:24 ID:bKBWrUtp0
まず、宿代を所持してるか確認する。

631 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 22:47:21 ID:tUFe4gIJO
>>627
そっか。
じゃあ今度なんか書いてみようかな、構想練ってからまとめて投下。
多分シリアスな雰囲気になりそうだけど・・・ギャグとか面白いの書けん

632 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:01:18 ID:fM0O3XB30
-3-

「やっと静かになったわ。まあ、ククールのルーラですぐ戻ってくるでしょ」
「ふむ……」
私は寝返りを打った。窓の外に木々が見える。
「あ、ここはベルガラックよ、戻って来たの」
何も言ってないのに、ゼシカが言葉をかけた。
伸び上がって窓の外をのぞいたので、場所を探ってると思ったのだろう。

「ねえエイコ。あなたホントに何者? っていうか、ホントにエイトじゃないの?」
うわ、きたよ。クー坊の次はこいつかよ。
「同じことクー坊にも聞かれたよ」
「何て答えたの? ククールにだけ教えたの?」
へっ?
「クー坊には何も言ってないっつか。別に何も言うことねえし……」
「うそ! だって色々知ってるわ、あなた。どうして?」

ああそうか、冒険を共にする前のエピソードについて、知ってるのが不自然なんだ。
こいつらにとってはあくまで「エイコ」は、
『サザンビークからここベルガラックまで10日程行動を共にした』だけなのに、
マイエラやリーザス、それどころか旅の始まりからのエピソードを知っているのが
不自然に感じてきたのだろう。
しかし、そこをどう説明したらいいか、だから面倒なのはイヤなんだよな。

633 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:02:09 ID:fM0O3XB30
「どういう仕掛けなの? やっぱりあなた……」
「私がエイトだと、困るのはお前さんじゃないの?」
もう具合悪いとか言ってる場合じゃない。何とか言いくるめないと。
「何でよ」あくまで気丈な娘だ。まったく。
「だって、『エイト』だと男なんだよ? 男の人と宿屋に二人っきりで居ちゃっていいのか?」
「えッ?」
今度はゼシカがビックリする番だ。

「いい? 目の前にあるコト、それが現実なの。
 どーしてこうなったかとか、あーしたからこうなったとか、
 考えてもムダなコトってあるのよ。
 私は、ここにいる。ゼシカもいるし、ククール、ヤンガス、馬姫に王様も。
 それが現実なの。しょうがないの」

まるで自分に言い聞かせるような言葉が、私の口からすらすらと流れ出た。


634 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:02:32 ID:fM0O3XB30
「何で色々知ってるか、種明かしするよ。王様から聞いたんだ。
 あんまりいっぺんに教わったから、まだ混乱してるけど、
 この旅であんたたちに起こった事、大体教わったの」
「それじゃ……」
「あなたのお兄さんが残念なことになったこと、
 ククールが仲間になった経緯、
 王様のお城で起こった恐ろしい出来事、
 そして、そのことすべてにドルマゲスが関わっていること、色々聞いたの。
 ゼシカ、あなた若いのに大変な思いをしてきたのね」

ああ、私って詐欺師になれるかも。だってゼシカは胸を打たれたようにうつむいてるもの。

「ごめんね、エイコ。変な事言って。体調は大丈夫?」
「うん、だいぶよくなった。もう少しでククールとヤンガスも戻るでしょ。そしたら出発しよう」
「そうね、エイトと、ドルマゲスを探しに」
私は、ゼシカの固く組んだ両手をそっと手で包み込んだ。

あー、よかった、単純だなガキって。


635 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:03:42 ID:fM0O3XB30

*12日目*

エイコ LV.6 その他変更なし

-1-

「ひゃっほーう♪」
バウムレンの鈴で呼び出したキラパンの背中に乗って、
ベルガラック地方をくまなく走り回るよ。
「おうさま〜、ひめさま〜、ちゃんと付いて来てるか〜?」
「ヒヒ〜ン!!」
「何とか大丈夫じゃ〜」
オッケ、薬草を錬金釜にぶち込むのも忘れるなよ。

点在する宝箱、やたら追いかけて来るスカモン、もれなくミルクをくれる牛。
どんどん北上して、岬の教会に着いた。
あー、やっぱり海が見えるっていいなあ〜。

「んーッ、なあ、あそこの教会で一休みしようよ」
キラパンを野に放し、伸びをしながら提案する。
「そうねえ、今日は結構走り回ったから」
ゼシカも賛成する。
教会の周りは牛が飼われているらしく、草並みもきれいだ。
王様も馬姫も、こういう所の方が休みやすいだろ。


636 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:04:09 ID:fM0O3XB30

教会の中へ入る。中にいた人がちらりとこちらを見ると何故か驚き、
確認するようにじろじろと私を見つめる。な、なんだよ。
不機嫌にガンをたれていると、誰かがものすごい勢いで私の方へ突進して来た。
「きっ、キミ!! 無事だったかね!!」
「ハァ?」
思わず声がひっくり返った。
それは、この教会の神父さんだった。

太った神父は、暑いのか興奮しているのか、汗だくで詰め寄ってくる。
「ん? よく似ているが違う……」
「エッ、この人に似た人を見たんですか?!」
ゼシカが駆け寄った。興味なさそうに建物内に入ったククールもこちらを振り向く。
「この姉貴と、似た人を見たんでがすか? オッサン!」
神父にオッサンはねえだろヤンガス。デブ同士でそんなに額を突きつけ合うな。
暑苦しい。

「え、ええ、確かにこの方とよく似た方を、見ました」
「何処で!!」
「えーあーあのー」
「どこなんですか!!?」
神父はゼシカの胸をチラ見して慌てて目を逸らしながら叫んだ。

「そんなに寄らなくても喋りますから!!」

637 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:05:10 ID:fM0O3XB30
そこで二人は初めて、神父を壁際に追い詰めていたことに気付く。
「少しは状況を考えろよなおめーら。脅してどーすんだよ」
私の言葉に、二人とも顔を赤らめながら後ずさりした。
「で、私に似た人って、何処にいたの?」
「ええ、それが……」
改めて訊く私の言葉に、神父は言いよどむ。なんだよはっきりしろ。
「飛んでいきました、空を」
「あぁコラ?! 何ぶっこいてんだよマルデブ!!」
顎をしゃくりながら襟首を持ってガクガクした時、
「こいつ脅してどーすんだよエイコ」
ククールが私を後ろから羽交い絞めにして止めた。


638 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:05:47 ID:fM0O3XB30

-2-
ビクビクした神父が説明してくれた話はこうだ。
私に似た青年――エイトと思われる人物――は、一人旅をしていたらしい。
この教会の近くにある日現れ、ここを拠点にとある人物を探していた。
探していた人物とは、ドルマゲス。
私が3人と2匹の珍道中に乱入した頃、エイトは地道に目標を見失わずに旅をしていたらしい。

1週間ばかり経った頃、リブルアーチの海峡(ここから近いらしい)あたりで、
海の上を歩く化け物の話が聞こえてきた。
エイトは早速そちらに向かおうとしたが、なんせ一人では無謀。
とりあえず偵察に様子を見に行ったところ、帰ってこない。
夜になっても戻らないので、心配した神父が外へ出て様子を伺っていると、
白い化け物が空をバッサバッサと飛んでいて、その足にしっかりとエイトが捕まっていた、とのこと。

「つまり、エイトはドルマゲスと遭遇して、そのまま捕まっているのね」
ゼシカがまとめる。うぬ、そのようだなあ。
ククールは椅子にも座らず、壁際に腕組みしながら立って床を見つめている。
ヤンガスは落ち着かない様子で部屋中をウロウロしている。
こっそり事情を説明して、窓から馬姫が顔をのぞかせ、室内に王様もいる。
外は夕闇が支配し、瞬く星が姿を現し始めていた。


639 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:06:19 ID:fM0O3XB30

「あー、じゃあ、返してもらいに行くべよ」
私がいとも簡単に言ってしまったので、部屋に漂う緊張の糸が音をたてて切れた。
「あのなあ……何処にいるのかも分からないんだぞ?」
「大丈夫さ、今日ここに泊まって、このまま南下するんだよ。
 そしてベルガラック、サザンビークの順に辿れば、きっと手がかりがあるはず。
 分かれ道もたくさんあっただろ」

緑の王様を小突いて地図を出させる。
「どうせうまく活用出来ないならとっととよこしな」
濃く淹れたコーヒーをブラックのまま啜りながら、地図を奪い取る。
東側の2つの大陸、つまりトロデーン国領とトラペッタ地方がある北大陸、
マイエラ地方やアスカンタ国領がある南大陸、
そして今いるのは西中央大陸、つまりサザンビーク国領とベルガラック地方だ。
大陸に囲まれた海の真ん中にあるのは、まずゴルドとかいう聖域だろう。
となると、南中央大陸か、北中央、そして。

「北西の島が怪しい。だいいち、記録には樹木の生育が確認されていない」
とんっ、と地図を指差す。大概、ドラクエはこういう場所には何かある。
「ここから近いな。とは言ってもかなりの距離はあるがな」
「ええ、ここからでもちょっと見えませんね。反対側のオークニス地方の山脈は見えるのですが」
どこだそりゃ。訊くとこの教会の塔に登ると見える雪山のことらしい。つまり北中央大陸だな。


640 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:06:40 ID:fM0O3XB30

「根拠は?」
ゼシカが尤もな質問を投げかける。
「私の長年の経験からなる勘だ」
ふんぞり返って言ってやる。
あたぼうよ、あたしゃI・IIン時からドラクエは並んで買ってるのよ。
あ、スーパーファミコン版だけどね。
「ふぬ、おぬしはこの年まで世界を股にかけた冒険をしてきた、とそういう訳じゃな?」
「おうよ、伊達にあの世は見てねえぜ」
「ブルッ、ブルッ!」
なんだよ馬、文句あっか。

「ま、エイコの話が9割聞かなかったことにしてもだ、俺もその島が怪しいと思う」
黙って聞いていたクー坊が口を開いた。失敬な、私はボケた老人扱いか。
「じゃ、決まりだな。船まで戻って一気に北上だ! 今夜はもう休もうよ」
ガタン、と私は立ち上がる。夜ももう遅かったせいか、特に誰も反対することなく、就寝の準備を始めた。

この時気付かなかった。
翌朝、ベルガラックへルーラで戻ることになろうとは。
寧ろ、教会でルーラして教会から島を目指した方が近い事が判明しようとは。
更に、ルーラ+船酔いになろうとは。



641 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:10:43 ID:fM0O3XB30
以上、続く。
待たせてスイマセン。
次回はいよいよアノ人がッ!(まだ書いてないけど)

642 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 00:20:55 ID:puD9cHuIO
エイコ乙!

イイヨーイイヨー!エイト似のガラの悪い女の子イイヨーイイヨー!

643 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 01:41:53 ID:yvU5Ymkj0
あああああああっ!!
4の人キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

職人さん皆佳境気味超乙
続き気になりまくりんぐwwww

新規の人もどんどん来てね

644 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 13:09:06 ID:FuE7ziBVO
魔神とレッドマンが来ないな…
降臨まだー?

645 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 17:31:16 ID:wdxvUQ9yO
総長も…

646 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:11:27 ID:sZEAscILO
タケ「なぁ、もょ。」
もょ「どうしたんだ?」
タケ「何かひっかかるねん…」
もょ「なにが?」
タケ「あのトーマスって言う兵士長だけが生き延びた点やで。」
もょ「かんがえすぎじゃないのか?」
タケ「普通なら敵を全滅させるのが当たり前やねんよ。それに罠かもしれへん…」
もょ「タケ、それはないとおもうぞ。」
タケ「話が上手く行きすぎているからな…」
もょ「しんぱいしょうだなぁ、タケは。きらくにいこうぜ。」
タケ「ああ…勘違いやったらええんやけど…」

俺は不信感でいっぱいだった。100か0かという二極化する判断力を持つもょもとは頼もしいのはいいのだが、今回は裏目に出るのか心配なのだ。
今のところトーマスはおたけんだりしてモンスター達をおっぱらっている。

やっぱり考えすぎだろうか…
もょ「サマル―!そっちはどうだー?」
サマル 「まだ見つからないよー!」
もょ「リアちゃんはー!?」
リア「こっちにもないよー!」
もょ「もっとべつのばしょでさがすか。」

もょもとは移動をして、別の場所から探すことになった。



647 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:12:11 ID:sZEAscILO
数十分後………

リア「あったー!」
もょ「みつけたか!」
サマル 「どんなのか見てみよう。」
その鏡は神秘的な雰囲気をただよしており、不思議な魅力が感じられた。
タケ(もょ。これに間違いないで。不思議な感じがするわ。)
もょ(ああ。おれにもかんじたぞ。)
タケ(リアちゃんを誉めてやれよ。ええか?)
もょ(おう。)
もょ「リアちゃんよくやったぞ!」
リア「私は宝探しの名人だからね!エッヘン!」
サマル 「これで解決の糸口がみつかったね。」

サマルが言ったのならなら「なんでやねん!」ってつっこむけどリア仕草が可愛いからやめておくか。

しかし束の間トーマスの叫び声が聞こえた。

トーマス「ぐわぁーーーーーーーー!!」

サマル 「い、今の叫び声は!?」
リア「トーマスさんの声だよ!」
もょ「いそいでトーマスさんのところにむかおう!ふたりともいいな!」
サマル 「わかった!」
リア「うん!」



648 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:13:29 ID:sZEAscILO
トーマスの所に向かうと全身火傷をした人間が倒れていた。これは間違いなくトーマスだ。
それに変な仮面を被っていてローブを身につけている人間が立っていた。
リア「ひ、ひどい…」
? 「クックックッ」
もょ「だ、だれだおまえは!?」
? 「私は名を捨てた人間。あえて言うなら祈祷士。貴様等がロトの子孫達か…」
サマル 「だったらどうしたのさ?」
祈祷「ザコ一匹で大物が釣れたわ!何とも運が良い!ラーの鏡を壊さなかったのは貴様等を寄せ付けるため。そこの男をムーンブルグで殺さなかったのは正解だったな。」

やはりトーマスを泳がせて俺達を誘きだしのか。

祈祷「ハッハッハ…貴様等を皆殺しにしてやる!ハーゴン様もお喜びになるからな。」
リア「よくもトーマスさんを…許さない!」
リアはギラを唱えたのだが祈祷士が手から炎を出して相殺したのだ。
リア「そ、そんな…」
祈祷「ふん…小娘のギラにしてはなかなかの威力だが私の足元にも及ばぬな。貴様等の相手はこいつらでいいだろう…いでよ、リビングデッド!!」

祈祷士が怪しげな捻唱をすると土の中から人間の死体が2体出てきた。
しかも異様な雰囲気を漂わせて動いている…
ホラー映画やバイオハザードで出てくる『ゾンビ』だ。
もょ「な、なんだ…こいつらは…?」
祈祷「私の魔力で甦らせた死んだ人間よ。元の原型は崩れさっているのだがな。こいつらの餌になるがいい!」
リビングデッドの1体がサマルに襲い掛かった。



649 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:15:48 ID:sZEAscILO
サマル 「くっ…な、なんて力が強いんだ。」
サマルが何とか攻撃を防いでいるのだがこのままじゃ危ない。
祈祷「貴様ごときの力で適うものか。そのまま潰してしまえ!」

もょ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
もょもとの強撃がリビングデッドに斬り込んだ。綺麗に脳天かリビングデッドをら両断した。
もょ「だいじょうぶか。サマル?」
サマル 「僕は大丈夫だよ…ああっ!もょ!」
両断したはずのリビングデッドの半身がもょもとの首を掴んだ。
もょ「ぐっ…ガハッ…!」
リア「な、何なの?もょもとさんが両断したのに!?」
サマル 「もょ!ちょっと我慢してね。リアも援護して。ギラッ!」
サマルとリアのギラで半身なったにリビングデッドをそれぞれ焼き尽くした。
もょ「あ、ありがとな。サマル。」
サマル 「しかし何という生命力だ。半身になっても動いているとは…」
リア「とにかく一気に攻めなきゃ。」
祈祷「ほう…リビングデッドを倒すとは。だが遅すぎた!」
もょ「どういうことだ?」
祈祷「リビングデッドは囮に過ぎないのだよ。私の古代魔法の時間稼ぎにな…」
サマル 「何だって!?」
祈祷「永遠の眠りにつくがよい!ラリホーマ!」

祈祷士が魔法を唱えるともょもと達がフラフラしながら倒れていった。
もょ「くっ…くそ…」
サマル、リアが眠り、もょもとも眠る様だった。


650 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:23:45 ID:sZEAscILO
祈祷「ふん…ロトの子孫もたいした事は無かったな。男二人はリビングデッドの餌にし、小娘は味見して奴隷にするか…」
こいつ何考えてやがる。変体野郎が。ロトの子孫3人掛かりでも適わなかったのだが勝つ、負けるなどの勝算を考えている暇はない。
こんな腐れ外道は許せない!ただそれだけ。

タケ「このロリコン野郎がぁ!!!!!!!」
祈祷「な、なにィ!?ぐはっ!」
俺は鋼の剣で祈祷士を突き刺した。
タケ「おんどれは許さへんでぇ!!俺の大事な兄弟と仲間に手を掛けやがって!」
祈祷「ばっ、ばかな!ラリホーマが完全に決まったはず…」
タケ「さぁ、なんでやろーな?この答えは歩く下ネタ野郎には理解出来へんけどな。」
祈祷「くっ!だ、誰が下ネタ野郎だと!?」
タケ「アホかお前は。お前の名前は亀頭氏=ミスターペニペニやないかい!素晴らしいギャグセンスやな!。」
祈祷「き、貴様〜!私を侮辱した事を後悔するがいい。必ず殺してやる!行けぃ!リビングデッド!」
挑発が上手く行った。これでラリホーマが来る可能性がかなり無くなった。

タケ「今の俺はかなりテンションが高いんや。冷酷!残忍!その俺がお前等を倒すで!」

俺は自分自身を奮い立たせ戦闘態勢に入った。



651 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:26:14 ID:sZEAscILO
リビングデッドが俺に襲い掛かる。もょもとの強撃でも一撃必殺とはいかなかった。つまり強撃は使えない。
ここで一発開発中の技を試してみるか。
タケ「ゾンビ斬りィ!」
教会のシンボルマークをインスパイヤして斬り付けた。
だがリビングデッドは踏ん張って立っているのだ。
タケ「ちぃぃぃぃ!やっぱ無理か!?クソっ!」
祈祷「貴様ごときでは一撃必殺は無理だったな。リビングデッド!奴を取り押さえろ。私が直々に処刑してやる。」
リビングデッドが俺に捕まえ始めようとした瞬間、体が白く光ったのだ。
数秒後、リビングデッドは崩れる様に消滅した。

祈祷「そ、そんな…」
タケ「み、見たかぁ!ロトの血を舐めんるやないわ!ボケェ!」
祈祷「だが最後に勝つのは私だ。貴様だけは確実に殺す。全魔法力をかけたベギラマで焼き尽くしてやる。あの男以上のな。」
タケ「な、なんやて!?」
やっかいな魔法を持ち出してきたか。トーマスが一撃でやられるのは無理もない。
祈祷「貴様だけ逃がしてやってもいいぞ。後ろの仲間達は丸焦げになるがな。」

ハッキリ言って怖い。しかし今の俺には恐怖より祈祷士に対しての怒りの感情が高まっていた。


タケ「誰が逃げるやと!?舐めんのも大概にせえ!あいつらは俺が必ず守る。耐えきったら俺の勝ちやで!こいや!」
祈祷「生意気な…安っぽいプライドと共に焼き尽くれてしまえ!ベギラマ!」


652 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:27:54 ID:sZEAscILO
包み込まれる様な炎が俺に向かってきた。サマル、リアのギラと大違いだ。この時はおどおどしても最悪な結果になるだけ。
覚悟をした以上はやってやる!
俺は鱗の盾を前に屈め、腕を十字に組み、耐えることにした。

大防御(クロスアームガード)

岩の様に堅くなるみたいなのだが物理的な攻撃しか対応できないのはわかっている。でもゾンビ斬りを成功した様な奇跡に俺はかけた。
炎が俺を包み始めた。すごく熱い。体中がひりひりするし感覚が少しづつ無くなってきた。

耐えろ…今は耐えろ…

普段の俺自身では考えられないほど粘っていた。やはり仲間を守るという意志の力は人を強くするみたいだ。
祈祷「ハハハァ〜…燃えちまえ!!」
あのアホの声が聞こえた。こんなクズには絶対負けたくない。
しだいに炎が徐々に弱まり完全に消え去った。

祈祷「き、き、き、貴様はっ!?」
タケ「な、何とか耐えきったで…今度はこっちの番や…」
祈祷「ひっ、ひっ、ひっ…かかか…」
祈祷士はかなり怯えている。てか、精神的にイッている。全魔法力を込めたベギラマが俺を焼き尽くしたのではなく、寧ろ俺が生き残ったのだ。
トーマスを重傷に負わせ、もょとサマルを魔物の餌代りにし、リアを強姦未遂にした罪は重い。

こいつを殺すのは今しかない。

タケ「この外道が…殺したるわ…」
祈祷「た、た、助けてくれぇ〜」
タケ「…俺の条件を飲んだら助けたる。」
祈祷「ほ、本当ですか!?」
タケ「条件は俺の質問に答えるだけや!ええな!?」祈祷「は、はい〜!何でも答えます!」


653 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:29:04 ID:sZEAscILO
タケ「ハーゴンとは何者や!?」
祈祷「わ、私が知るかぎりでは以前は有名な神父だったのです。確か誰かに裏切られて自ら新しい宗教を作り出したのです。」
タケ「他には?」
祈祷「わ、わかりません…」
タケ「ほうか。じゃあ、約束通り助けたるで…」
祈祷「あ、ありがとうございます。」













タケ「気が変わった。やっぱり死ね。」
祈祷「そ、そんな…やくそくが…」
タケ「うるさい。命乞いした人間を助けた事は無いやろが。」
俺は祈祷士の首をはねた。
タケ「ムーンブルグの人々の無念な気持ちを思い知れ…」

もょもと&タケ
Lv.12
HP:18/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)

654 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:26:10 ID:cHFY1Fs20
「リーダー」
「はい、何ですか」
リーダーと呼ばれた男は後ろ姿を見せたまま答える
「リーダー、オルテガは現在ポルトガルの周辺のF地点にいると情報がありました」
「では、至急に連絡を取り合流しますか」
「それではサマンオサの方にも連絡を取っておきます」
「いえ、サマンオサは、どうせならサマンオサに関わる全ての国が魔人王の
手にかかったと考えた方が良いでしょう」
「しかし、サマンオサの王は健在です」
「どうも私には違和感を感じるんです、この間偵察に行きましたがどうも人間とは
別の気を感じました、それに王の秘書、あれからは今までのとは違うなにかを感じ
られました」
「・・・・・わかりました、それではサマンオサとそれに関わる全ての国をNG指定します」


第二反魔人組織レジスタンス

655 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:37:15 ID:cHFY1Fs20
――オルテガーー
ふと、オルテガの耳に聞き慣れない声が聞こえてきた
「誰だ、モンスターか!」
ーーいえ、モンスターではありませんある特別な方法を使ってテレパシーを送っていますーー
「いったい誰なんだ」
ーーレジスタンス ですーー
「レジスタンス?」
ーー裏の組織とでも思ってくださいーー
「そのレジスタンスが私に何のようだ」
ーー単刀直入に言います、仲間になってもらいたいのですーー
「仲間に・・・・」
オルテガはしばらく考え込むと
「良いでしょう、それでどこに行けば良いのです?」
ーーそれでは今から教える所にきてください、一度しかいいませんのでーー

656 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:41:31 ID:cHFY1Fs20
――オルテガ――
ふと、オルテガの耳に聞き慣れない声が聞こえてきた
「誰だ、モンスターか!」
――いえ、モンスターではありませんある特別な方法を使ってテレパシーを送っています――
「いったい誰なんだ」
――レジスタンス です――
「レジスタンス?」
――裏の組織とでも思ってください――
「そのレジスタンスが私に何のようだ」
――単刀直入に言います、仲間になってもらいたいのです ――
「仲間に・・・・」
オルテガはしばらく考え込むと
「良いでしょう、それでどこに行けば良いのです?」
――それでは今から教える所にきてください、一度しかいいませんので ――




657 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:42:40 ID:cHFY1Fs20
あまりにも情けない誤字だったんで修正しました。

658 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 10:14:12 ID:cHFY1Fs20
おれは習慣となった剣の手入れをしている
――魔人王――
「!だれだ」
――レジスタンスリーダー――
「レジスタンス?」
――貴様のしようとしていることはだいたい見当が付く、あながち人間に絶望して
滅ぼしたいとでも思ったのだろう――
・・・・・・・・・・・!!!
「ほう、当たってるじゃないか、二代目よ」
いつの間にかバラモスが俺のすぐ後ろに立っていた
――貴様は正義のつもりだろうがこれだけはいえる 貴様のしていることは 悪 だ!――
「何だと・・・この俺が、悪だと」
――魔人王、今は闇の結界がそこら中にあってこうやってテレパシーを送るのが
やっとだ、しかし!――
「俺は貴様を!」
――私は貴様を――


必 ず こ の 世 か ら 消 し 去 る !!!!


659 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 10:20:57 ID:cHFY1Fs20
読み返してみたらどこぞの漫画みたいになってしまってる……(;´Д`)


660 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/11(日) 10:27:54 ID:gu967P+lO
デスノート?

661 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/11(日) 10:37:08 ID:tiRl0Bdn0
(#'A`)イ
ヾ|ノ



662 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/12(月) 11:43:29 ID:ip8Gip5rO
タケカッコヨスwwwwwwwwwwてか外道wwwwwwwwww

663 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:17:40 ID:32o4JhEj0
「魔王様―――」
一匹の魔物の声が、薄暗く、とても広い部屋に響く。
魔王、と呼ばれた王座に座るとてつもなく巨大な存在が、平伏すかの様に片膝を地につき魔王を見上げる魔物に対して口を開く。
「待っていたぞ…。結果は…聞くまでもないが、一応聞いておこう…。」
魔王のとても低く、威厳を感じさせる声が部屋中に響き渡る。
「はっ…。先程ジャミ率いる部隊が、アークボルトを壊滅させました…。一人、負傷しながらも逃げてしまった者がいた様ですが…。」
「一人か…。まあ、負傷しているのなら、辺りにいる魔物が見つけて殺すだろう…。よくやった。下がって良いぞ。」
「はっ。」
魔物が、膝を地から離し立ち上がる。
「…いや、待て。まだ話があった。」
「何でしょう、魔王様。」
再び、魔物が片膝を地につく。
「例の実験体の事だが…。そろそろ、試験的に使用するつもりだ。実験相手や場所についてはお前に任せたい。」
「承知しました。魔王様…。」
「うむ…頼んだぞ。――――――――――ゲマ。」



「ふう…。魔物はいなくなっている様だから楽だが…半日近く歩きっぱなしだから流石に疲れたな。」
一人の青年が、歩き続けて棒になった足を引き摺りながら塔を登る。
「しかし、この日の為にこの杖を探し続けてきたんだ。休んでもいられないだろう…。」
青年の手にしっかりと握られているのは、一本の素朴な杖。
腰の聖柄には、使い古した剣がさしてある。どうやら杖は武器として使っているようではない様だ。
塔の最上階に辿り着いた所で、青年は薬草を取り出してかじり、疲れ切った体を癒した。

664 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:18:33 ID:32o4JhEj0
「やはりあったか。あの男の石像、いや…身体が…。」
青年は、最上階の王座の前に置いてある男の石像に近づき、像の目の前で立ち止まる。
「親父の言っていた事が正しければ、このストロスの杖で…!」
持っていた杖を空高く掲げた。
すると突然杖が光りだし、杖から放たれた光は石像を包み込んだ。
全身灰色だった男の石像が、徐々に鮮やかさを取り戻していく…。

突然俺の意識が覚醒する。
10年ぶりに突如意識を取り戻したので、状況を判断できない。
俺の身体…動く。石ではない。一体何が…?
パニックになりつつも、一人の青年が俺の目の前にいる事に気がつく。
「お前は…?」
青年がふっと微笑むと、ゆっくりと話し出した。
「久しぶりだな…。いや、お前は覚えていないか。何しろ10年間も石になっていたんだからな。」
「10年!?」
その言葉を聞いて仰天する。
10年も…?それが本当なら、ボロンゴやエテポンゲ、ドランゴは一体今どうしているんだ?そして元の世界は、この世界と同じく10年の歳月が過ぎてしまったのだろうか。
…そう言えば長く眠っていた様な気がする。石になっていたのだから時間は経過していないのだが…。
とりあえず無理矢理自分を落ち着かせ、青年の正体を聞いた。
「俺か?分からないか?俺だよ俺。」
「ああ、オレオレ君ね!ちょっと事故しちゃったからお金振り込んどいて!50000G!」
パニックで頭もおかしくなってしまっている。いかん。
「やはり分からないか…ヘンリーだよ。」
ヘンリー?聞いた事ある様な…。
………。

665 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:19:05 ID:32o4JhEj0
ああ、砂漠の城の王子か。あの生意気な餓k…
違う。餓鬼などではない。ヘンリーはすっかり成長し、肩までかかる緑の長髪、逞しい体つき、剣にマント、175p程の身長。僅かだが俺より背が高い。
すっかり大きくなって…父さんは嬉しいぞ…。
涙が出そうになる。あの生意気な餓鬼に身長や体格で負けた屈辱感からだろう。
「それよりお前に話さなければいけない事がある。今は時間が惜しいから黙って聞いてくれ。」
突然ヘンリーが真剣な顔になる。
話さなければいけない事とは何だろう。彼女いない歴=年齢の俺に恋の相談だろうか。自爆する気か?
「まず、10年前…。お前が石になった後、数ヵ月後に魔族の王『竜王』が病気で死んだ。不治の病で、それより数年前から死が近い事が分かっていたらしい。」
ほうほう。で、竜王が死んで世界が平和でハッピーエンドか。めでたしめでたし。
「勝手に話を終わらせるなよ!…その後、次期魔王三大候補のミルドラース、ゲマ、イブールが魔王の座を争ったんだ。」
ゲマ――――――――――
その言葉を聞いた瞬間、過剰反応してしまった。
ゲマに対する恐怖と、怒りがそうさせてしまったのだろうか。
「結果、ミルドラースが魔王の座を勝ち取った。」
………まさか。
俺はゲマが魔王になったと思った。それ以外考えられなかった。
ゲマより強い奴がいると言うのか…?
「そしてミルドラースはゲマ、イブールを側近にし、人々を襲い始めたんだ。しかも一気にでなく、じわじわと恐怖を増幅させる様に…。それが10年経った今でも続いている。もうほとんど町は壊滅し、人々は絶滅に近いがな。」
すると10年前の、魔族がいてもそれを感じさせない程平和で、笑いがあったあの時と違うのだろうか。
あまり考えたくない。盗賊の頭やブラスト等の実力者、そして…ボロンゴ達が死んでしまったかもしれないなどとは。
「とにかく俺について来てくれ。今は一人でも強い奴が必要な時なんだ。」
そう言うとヘンリーは階段に向かって歩き出す。
まだ考えたい事は山ほどあったが、今はヘンリーについていくしかないだろう。


666 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:19:37 ID:32o4JhEj0
塔を降りている時も、俺はずっと考え事をしていた。
人々の事、魔族の事、ゲマの事、ボロンゴ達の事、元の世界の事――――――――――
不明な事は数え切れない程ある。それを解明するには、今は現在生きてる唯一の知り合い、ヘンリーが必要だ。
「1階に着いたな…。あそこが入り口だ。お前が扉を開けてみろ。」
俺は大きな扉の入り口に近づき、ゆっくりと扉を押す。
ギギギ…と音をたて、扉の向こうを想像したのは晴れ渡る青い空、360度砂の海、照りつける眩しい太陽であった。
が、そんな期待を裏切る光景が、扉の向こうに待ち受けていた。
紫の暗雲が立ち込める空。真昼だと言うのに全く射さない光。辺りに散らばる人間や魔物の死体。
どれをとっても、決して気分の晴れる光景ではなかった。
この世界は、本当に魔族に支配されてしまったのだ。



オアシスの町に着く。いや、最早完全に廃墟としか言えなかった。
城は崩れ、町は崩壊し、水場は毒の沼と化していた。
「…俺の両親も、死んでしまった。魔物から俺をかばって…。」
ヘンリーの声が震えている。
「コリンズ…お前は…生きているよな………お前だけは…。」
ヘンリーの足元の乾いた砂は、一滴、一滴、零れ落ちる涙によって濡らされていた。
俺は、かける言葉もなかった…。
ガキィン!!
静まり返った砂漠に、鈍い音が響き渡る。音は、城の方から聞こえてきた。
「な、何だ!?…行ってみよう!」
ヘンリーはポケットから取り出したハンカチで涙を拭い、走り出す。
俺も、それに続いてほとんど崩壊した城の中に入っていった。


667 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:20:23 ID:32o4JhEj0
王座の間で、二匹の魔物が対峙していた。
「ま、魔物同士が戦っている!?」
ヘンリーの言うとおり、エリミネーターとりゅうき兵が斧と剣を交えていた。
「ハァ…ハァ…。に、人間か…!早く逃げろ!」
負傷したエリミネーターが俺達に逃げる様に言う。
魔物が人間を助ける…?一体どうなってるんだ?
「…ん?おい、そっちの奴、どっかで会った事ねえか?」
エリミネーターが俺に尋ねる。
会った事も何も、魔物なんて量産型だしなあ…。
「…そうだ!あの時の奴だ!ほら、宝の塔で会ったじゃねえか!」
宝の塔?宝の塔と言ったら確かゴーレムと………カンダタ!
そうだ、カンダタだ。エリミネーターと容姿が一緒だから分からなかった。
「い、いや!そんな事より早く俺から離れろ!」
カンダタが、息を切らしながら必死に叫ぶ。
「何言っている!人間の命が危ないのに、放っておけるか!」
ヘンリーが剣を抜き、戦闘態勢に入る。
同意だ。これ以上人間が死ぬ訳にはいかない。何としてもカンダタを助けねば。
俺は10年ぶりに、破邪の剣を構えた。石化していたので時間は経っていないのだが、柄の感触が妙に懐かしく感じた。
「お、お前ら…何やってるんだ…。…いや、ありがとう。助かる…。」
カンダタも、左手で傷口を押さえながら右手で斧を構える。
「はああ!」
ヘンリーが素早く斬りかかる。かなり滑らかな動きで、如何にも剣士といった感じだ。
りゅうき兵はヘンリーの攻撃を紙一重でかわした。
「キシャアアアアア!!!」
りゅうき兵が奇声をあげて剣を掲げると、りゅうき兵の右腕から剣の先まで紅の光に覆われた。
恐らく、一時的に攻撃力を高める呪文「バイキルト」だ。厄介な呪文である。

668 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:20:57 ID:32o4JhEj0
りゅうき兵はヘンリーに突進し、突きを繰り出す。
突然の事にヘンリーは避ける間もなく、腹部に剣が突き刺さった。
りゅうき兵がヘンリーの腹から剣を引き抜くと同時に、ヘンリーは勢いよく倒れ込む。
「ちっ!おい小僧!同時に突っ込むぞ!」
カンダタと俺が、二方向からりゅうき兵に突撃する。
りゅうき兵は、俺を無視してカンダタに斬撃を繰り出した。
「ぐあ!」
りゅうき兵の斬撃で、カンダタの左肩を切り刻む。
カンダタも同じく、その場に倒れこんでしまう。
俺は、ただその光景を見ていただけでなく、確かにりゅうき兵の背中に一撃をいれた。
が、俺の剣はりゅうき兵の体に傷一つつけることなく、皮膚の所でピタリと止まってしまった。
「ギャァァァァス!!」
りゅうき兵の左の鉄拳が、俺の体を弾き飛ばす。俺は壁に激突し、その場で尻餅をついた。
「まだ…まだぁ!」
ヘンリーが腹の傷を押さえながら立ち上がる。
負傷している上に更に攻撃をくらったカンダタも、続いて立ち上がる。
「イオラ!!」
ヘンリーがそう叫ぶと、りゅうき兵の周囲に熱風が巻き起こり、激しく爆発する。
りゅうき兵は多少怯んだものの、再び体制を立て直す。
「隙あり!!」
りゅうき兵が剣を構えなおした瞬間、カンダタの斧がりゅうき兵に襲い掛かる。
紙一重でりゅうき兵は斧を避け、カンダタの左腕に剣を突き刺す。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
カンダタは悲鳴をあげ、傷口を押さえながら悶えている。

669 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:21:39 ID:32o4JhEj0
「ちぃ!ラリホー!」
ヘンリーの左手から、りゅうき兵に向かって紫色の光が放たれる。が、りゅうき兵は盾で紫色の光の進行を妨げた。
「バカめ!囮だ!!」
ヘンリーがりゅうき兵に突撃する。
りゅうき兵は盾でラリホーを防いでいたので、眼前の視界が遮られてヘンリーに気付かなかった。
ヘンリーの剣が、りゅうき兵の左足を切り落とす。俺が攻撃した時よりも、素早く、容易に。
りゅうき兵がその場に倒れこんで悶絶する。その時カンダタがゆっくりと立ち上がった。
「これならモーションのでかい俺の攻撃でも当たるぜ…。死ね!!」
カンダタは魔人の如くりゅうき兵に斬りかかった。
斧は、りゅうき兵の体を真っ二つに切り裂いた。
「グギャアァァァァァ!!!!」
耳鳴りがする程の奇声をあげ、絶命するりゅうき兵。どうやら勝った様だ。
俺は自分と、ヘンリー、カンダタ全員にベホイミを施す。
「ふう、助かった。俺は回復呪文は使えないし、薬草も切れたからどうしようかと思ったよ。」
ヘンリーとカンダタが安堵の表情を浮かべる。
俺は、気付いていた。恐らく、カンダタも、ヘンリーも。
俺は3人の中で一番弱い、と。
俺はりゅうき兵の攻撃を一度くらっただけで、体中激痛で動けなかった。
カンダタは立ち上がった。いや、カンダタは体力がありそうなので分かる、が。
ヘンリーも同じだ。苦しみながらも、立ち上がった。そして、りゅうき兵の体に傷をつけた。
更に言ってしまうと、ヘンリーとカンダタは剣で刺された。が、俺は弾き飛ばされただけだ。痛みがまるで違う。
10年前の俺は、パーティの中でも攻撃力、スピードとバランスも取れていて、尚且つ呪文も使えた。万能タイプだっただろう。自分で言うのもどうかと思うが。
が、今の俺の取り柄は回復、補助呪文だけ。言わば俺はパーティでの役割は僧侶だ。
僧侶とは言っても、呪文の種類はそれ程多彩ではない。つまり、これから必死の思いで剣術の修行をするか呪文を覚えなければ、足手纏いとしか見られなくなってしまうかもしれない。
皆、10年の間に強くなったものだ。恐らく、10年前に倒したカンダタも、餓鬼だと舐めきっていたヘンリーも、今の俺では到底かなわないだろう。
そこから、悔しい気持ちが生まれる。10年間も石になっていた俺に。

670 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:22:12 ID:32o4JhEj0
「それにしても、ボスクラスの魔物がこんな所にいるとは…危なかった。」
俺はふう、と溜息をつく。
「ボスクラス?…何言ってやるんだ。あんな奴ボスクラスじゃねえよ。その辺にゴロゴロいる雑魚クラスだ。」
カンダタの言葉に、俺は耳を疑った。
あんな、三人がかりで苦戦した奴が雑魚クラス?ゴロゴロと?
信じ難い話だ。10年前は、ボスクラスでもない限りあんな強い魔物はいなかった。
「どんどん魔物が強さを増してきてるからな。この男の言っている事は本当だ。今のこの世界では魔物一匹相手でも、一人で戦おうなど自殺行為だ。」
俺はまた一つ、魔物の恐ろしさを実感した。
じゃあ、向こうが複数で来たらどうするんだ?確実に死、なのか?
恐ろしすぎる…今のこの世界は。10年前の面影が全くない程に。
「おい、お前はここで何をしていたんだ。」
ヘンリーがカンダタに話し掛ける。
「俺か?…まあ、世界を回って俺の子分を探していたんだよ。城の中を探してたら魔物と出くわしてな。」
「そうか…。これからも子分を探すのか?」
「…ああ、そのつもりだ。」
「じゃあ、俺達と行動しないか?その方が安全だ。」
ヘンリーが、仲間になる様促す。
確かに仲間は多い方がいいし、カンダタの破壊力は魅力的だ。
「お前達と…?そ、そうだな…。じゃあ…行くか…。」
カンダタの発言に、所々途絶えた部分があったのが気がかりだが、あまり気にしない方がいいだろう。
俺達三人は、オアシスの廃墟を後にし、砂漠を南下した。
それぞれの目的を果たす為に…。

Lv19
HP98/98
MP42/42
武器:破邪の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、ベホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/12(月) 23:04:33 ID:zYMxUeKU0
オラなんかワクワクしてきたぞ

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 01:04:57 ID:bTaXipjz0
ローディ>SUGEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジ超面白い。
その辺の糞RPGのシナリオよりずっと引き込まれるものがある。
本物だなこれは。

673 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 18:52:41 ID:gyLemsdn0
誰か別のまとめサイトを作ってくれ、良作神作が大量にでてるのにもったいなすぎる。

674 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 20:27:39 ID:lcAmqvuI0
僕も投下させてもらいます。
世界観は結構適当なので間違いなどあれば指摘してください。


この真っ青な空を目に焼き付けよう。
それが、俺にできる最後のことだ。
俺から少し離れたところに、大さそりが転がっている。
体からは、紫色の体液が流れ、毒の沼のような水溜りを作っている。
俺だってやつのことは言えない。
仰向けに寝転んでいるので、直接は見えないが、背中が教えている。
大きな紅い水溜りが出来ていることだろう。
その水溜りの中は、暖かくて何故だか安らげる。
握り締めていた折れた剣の柄をはなす。
もうそろそろいいだろう。
しがないサラリーマンだった奴にしては、よくやっただろう。
俺は薄れてゆく意識の中で、この世界に始めてきたときの事を考えていた。

675 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 20:44:33 ID:lcAmqvuI0
この世界に迷い込んだのは、おそらく一ヶ月ほど前だ。
もしかすると、二ヶ月前だったかもしれない。
この世界に来てから、どうも日にちの感覚が曖昧だ。
社会にも時間にも囚われない世界。
当たり前といえば、当たり前だ。
この世界で始めて見たものは、知らない天井だった。
少し足がはみ出る質素なベットは、安っぽい俺には、ピッタリだった。
宿屋の女将に聞いた話では、近くの森に倒れていたらしい。
運良く通りかかった旅人が、ここまで運んでくれたのだそうだ。
初めこそ困惑していたものの、俺はすぐのこの世界に馴染んだ。
気のいい人間たち、美しい景色、そして自由。
時間に縛られた毎日、多くっていた俺には、逆に刺激的だった。
しかし、この世界は、平和な世界とは言えなかった。
街の外を魔獣たちが、徘徊し隙あらば襲ってくる。
さらに、湖の中央に存在している島には、魔王の城があるという。
近くの城からは、王女がさらわれてかなりの時間が経っていた。
その話を聞いたあと、俺は剣を取った。

676 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:06:43 ID:lcAmqvuI0
すでにこの頃、何故この世界に連れてこられたのか、
という疑問はなくなっていた。
この美しい世界を救うことが、俺がこの世界に呼ばれた理由のような気がした。
手始めに、街の周りの青い魔物を倒すことからはじめた。
この俺でも十分倒すことが、できる相手だった。
100と8の魔物を倒したとき、俺は城に呼ばれた。
王女を救い出してほしいという王たっての頼みだった。
俺は即答で、その頼みを聞き入れた。
深々と頭を下げお辞儀をして、自分を奮い立たせる意味を込めて大声で叫んだ。
「必ずや王女様を、助けてご覧に入れましょう!!」
王は、俺にお金を与えてくれた。
以前、俺のほかにもこの城に、呼ばれた若者がいたそうだ。
その若者は、真っ青な鎧を身に纏っていたそうだ。
人々はその若者のことを、勇者と呼んでいた。

677 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:17:47 ID:lcAmqvuI0
俺は、まず勇者と合流することに決めた。
平和を願う決意は、彼にも負けないつもりだが、体はそうはいかない。
一人で旅をしていては、長くは持たないと、考えたのだ。
そして、今俺は森のなかで、息絶えようとしている。
ついに彼と、会うことはなかった。
だが、後悔はない。
これまで生きてきた21年間、人に強く頼られることはなかった。
使命感に燃えることもなかった。
しかし、この世界に来てからは、どうだろう。
いろんな人が、俺を応援し必要としてくれた。
そういう意味では、この世界に来てからの、
数ヶ月は、生きていた時間の中で最も重かった。
これほどにも充実した日々を送れたことを、感謝しながら逝けそうだ。

678 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:24:25 ID:lcAmqvuI0
ガサガサ
足元で草むらを、掻き分ける音がする。
血の匂いが、魔物を引き寄せてしまったようだ。
もう思い残すことはない。
殺すなら殺すがいい。
その物音は、俺のほうに徐々に近づいてきた。
ついに、最後のときがやってきた。
今に、この体に鋭い爪が、食い込むことだろう。
しかし、その予想は、大はずれだった。
次の瞬間、空よりも青い鎧が目に入った。
俺は絶句した。
捜し求めていた人に、最後の最後で会えるとは。
この世界の神様は、ずいぶんと粋なようだ。
「大丈夫ですか? 今回復をします。」
彼は、俺の横にひざまづき俺を救おうとしてくれている。
最後の力を振り絞り、彼が俺にかざしている手を掴んだ。
「自分の体だ。俺にはわかる。もうダメだ。」
傷口付近の感覚は、もう無くなっていた。
指の先や、足の先が冷たくなってきている。
「あきらめないでください!!」
彼は、必死で俺を助けようとしている。
いくら言ってもこの優しい若者には、通じないだろう。

679 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:24:50 ID:lcAmqvuI0
「俺の最後の言葉。聞いてもらえないかな」
彼は回復の手を休めず答えた。
「何でも言ってください。でも、死なないでください。」
彼の澄んだ目は、瀕死の俺になおも、力を与えてくれるようだ。
「俺はこの世界に来てから間もない。
しかし、この世界を本当に、好きになっちまったんだ。
だから、本気で救おうと思った。」
彼は潤んだ目を俺に向けて、真剣な顔で話を聞いてくれている。
俺は、さらに続けた。
「でも、非力な俺には、それは出来なかった。
だから、せめて君に俺の思いを背負って、魔王を必ず倒してほしい。」
彼は、無言で頷いた。
俺はすぐそばに落ちている剣の柄を指して言った。
「それさっき手放しちまったんだ。拾ってくれないか?」
彼は柄を拾うと、しっかりと俺の手に持たせてくれた。

680 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:25:12 ID:lcAmqvuI0
今日は、本当に空が青い。
雲ひとつない晴天だ。
最後の最後で、すばらしい人に会えた。
彼は、この世界を救ってくれることだろう。
これで本当に思い残すことは無い。

本当に空が青い。
――本当に...

681 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:26:08 ID:lcAmqvuI0
これで終わります。
連投失礼しました。

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 21:29:01 ID:Ns/ElvAiO
終わりか( ゚д゚ )YO!!
けど泣けた

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