■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 最新50

もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目

1 :冒険の書庫の書記 :2005/10/08(土) 23:00:44 ID:oCXhwG/I
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
前々スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
初代スレ
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/

267 :失業者クエスト18 :2005/11/02(水) 22:45:08 ID:NxS2DHLL
果てる・・・?嫌だ・・・・絶対、嫌なんだ!逃げるなんて・・恐怖から逃げるなんて・・・。
・・・・・・・・・絶対に、嫌だ!!!!!!!!!!!!!!

・・・なんだ・・・・?手が・・・熱い・・・?よく解らないが・・・何かが込み上げて・・・くるんだ。
・・・・・・・どんどん込み上げてきて・・・膨れ上がってくる・・・!?
抑え・・・・・きれない!?!?!?あ・・・・あ・・・・・・・っ・・・?・・・・ぐああああ!!!!!!?

「グ・・・?ギャ?・・・・・ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」


丸焦げ・・・の、死骸・・・?俺が・・・・やったのか?俺が・・・・・?俺の手・・・。どうなってんだ?
真っ赤な光が見えて・・・俺の中の何かが膨れ上がってって・・・。とても、大きな・・・何もかも包んで
燃やしてしまいそうな・・・そんな・・・感じだった・・・。・・・炎?だったのだろうか・・・。
・・・・・・っぐっ!!ああ、まだ肩、ぱっくりいったまんまだったっけ・・・。・・・せめて・・・・止血だけ
でもしておかないと・・・やばいな、これ。確か・・・この辺に・・・。・・・あ、あった。薬草。買っといて、
よかったな。備えあれば・・・って奴か?っははははははは・・・・・・・・。

268 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/03(木) 20:30:58 ID:976VBC4s
なんとなく保守

269 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/03(木) 21:23:57 ID:IPiQi4CH
>>267乙。
だが台詞とかだけだと、状況が少し分かりにくい。まあ頑張ってくれ

270 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/03(木) 21:27:25 ID:IPiQi4CH
ageちまった。。。スマソorz

そういえばエイコさんが来ないな…。期待していたんだが

271 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 02:37:46 ID:23eDEtKz
レッドマン氏や他の人たちもなかなか来ないな。
とにかく降臨キボンヌ

272 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 21:27:29 ID:6x7i28Aw
保守

273 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 22:01:58 ID:6uDzk8uD
ROM専門の俺様が降臨

274 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:29:26 ID:jImCNm/x
港町についたのは夕方だった。潮の香が漂う。町と言うだけあって、今までの村よりはるかに大きく、沢山の人々で賑わっている。
山から港町までに、首が長いイタチや大きな目玉の青い魔物、赤いスライムと出会ったが、虎の力を借りずに倒した。この世界にいて少し強くなったようだ。そうなると自信が湧いてくる。
この港町が大陸の最北端らしいので、ここから船に乗って、東の大陸に行く。
まあそれは明日の話なので、とりあえず今日は新大陸上陸の為の準備だ。
防具屋で木の帽子、道具屋で薬草を大量に買う。
宿屋を探していると、道端で倒れている男がいた。
「うう…た、助けてくれ…。」
当然スルーした。が、足を掴まれる。鬱陶しい。ゾンビか。
「さ、さっき魔物にやられた時毒が回ったんだ…ど、毒消し草をくれ…。」
そんな緊急事態で見捨てるとポリさんのお世話になりそうなので、仕方なく毒消し草を取り出す為に袋を漁る。
「ふははは!貰ったぜ!」
男が急に立ち上がり、袋を奪う。が、俺は強く袋を握っていた為、引っ張り合いになった。
「てめえ!よこせ!」
引っ張り合いは続く。
隙だらけだったので、俺は怒りの鉄拳を盗賊らしき奴の顔面にぶち込む。地面に倒れこみ、悶える。
間髪入れずケツにローキックを放つ。ケツを押さえてヒイヒイ言っている。
トドメに脇腹に圧し掛かった。骨が折れる音がしたが、気にしない。盗賊は気絶してしまった。俺に刃向かうからこういう目にあうんだ。
町人の話によると、この町の西に盗賊のアジトがあるらしい。物騒な話だ。今の内に攻め込んで壊滅させた方が良いのではないのだろうか。こんな雑魚がいるんだから大した事ないだろう。





275 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:29:57 ID:jImCNm/x
「キャーーー!!!」
朝、突然の女の悲鳴で目が覚めた。下の階からだ。ゴキブリでもでたのだろうか。
眠いので二度寝しようと思ったが、ゴキブリが二階まで来て俺のベッドにインしたらと想像している内に恐くなったので、起きる事にした。

下に降りると、カウンターの所で、二本の短剣を腰にさした盗賊っぽいおっさんが、女を羽交い絞めにしていた。下手な社交ダンスだ。
「へっへっへ!この女を返して欲しければ30000G用意しな!今日、日が沈むまでに西のアジトにもってこい!」
盗賊が女を連れて宿を出る。
何となく状況は分かったが、俺には関係ない。俺は宿を出ようとした。
「旅の方!お願いです!娘を助けて下さい!」
女の母と思われる太ったおばはんに助けを求められた。何故だ。何故俺みたいな弱い奴に助けを求めるんだ。
このご時世にタダで何かして貰おうなんて、考えが甘いんだよボンレスハムが。
「そ、そんな殺生な…。」
その場で泣き崩れるおばはん。その時、宿の主人がこちらに来て俺の手を握った。
「どうかお願いします。旅の方。」



見事に主人にやられた。
手を握って金の感触がした時に、金額を確認しておくべきだったんだ。早まってOKしてしまった。
それにしても5Gは酷いじゃないか。宿屋にすら泊まれない。
まあいい。後でたっぷりとせしめてやる。盗賊と同じ30000G。覚悟しておけ。


276 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:30:28 ID:jImCNm/x
暫く進んでいると、人が倒れているのが見えた。神父だ。
生死の境をゆっくりとさまよってくれ。と思いながら横を通り過ぎる。
その時、神父が突然起き上がりこっちに接近してきた。
なんか恐くなったので逃げる。神父は「待ちやがれ!」と言いながら追いかけてくる。ヤバイ。とり憑くのだけはやめろ。
2分程走って、捕まった。神父も俺もハアハア言っている。一体何なんだこいつは。
「はぁ…はぁ…ひでぇじゃないか…人が倒れてたのに無視するのかよ…。」
いや、ピンピンしてるだろ。本当に倒れさせてやろうか。
「お、おい…死にたくなければ黙って金か金目の物置いていきな…。」
顔が余りにも必死すぎる。台詞と全く合っていない。
俺は 必 死 だ な と言い放った後、ローキックを放ち、神父、いや盗賊のスネに直撃させた。
「うあ!」
スネを押さえてもがいている。また雑魚だ。こんな奴らばかりだったら魔物に瞬殺されるぞ。
「み、みんな来てくれ…!」
1人、2人、3人…3人の盗賊がこちらへやってくる。
しかし、こいつらも盗賊が倒れてた場所から走ってきたので、ハアハア言っている。間抜けな姿だ。
俺は余裕だと思い、銅の剣を構え敵に突っ込んだ。

3分後、そこには首から下を地面に埋められた俺がいた。
間抜けなのは俺の方だった。こっちも疲れてる上に、相手は4人じゃないか。しかも虎は、俺がタコ殴りにされている横でゴロ寝していた。俺が指示しないと助けてくれない様だ。
このままでは人が来て、写真を取られ全世界に公開されて今世紀最大の笑い者になるので、虎に助けを求め、地面から這い出た。
とりあえず、あの4人(一人はゾンビだったが)に怒りの鉄拳を顔面にぶち込むという目標ができた。良かった良かった。結果オーライ。
いや、オーライじゃないだろうが、無理矢理納得する。納得しないとやってられない。
虎を連れていくのはまずいと思ったので、ここにおいていく。


277 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 22:30:54 ID:ESeT+6Z/
町の人が同じ台詞しか言わないのに寒気がした・・・

278 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:30:59 ID:jImCNm/x
昼前にアジトについた。入り口にはデブの見張りがいる。とりあえず近づいてみる。
「合言葉だ…やま!」
いきなり合言葉を聞かれる。反則だ。まだ何も考えてないよカーチャン。
仕方ないので、適当にいも、と答えてみた。安心しろ。死ぬ覚悟は出来ている。
「それは俺の好物じゃないか!そうじゃなくて合言葉だ!」
再び回答権が与えられる。何だこの男は。見張り代えた方が良いんじゃないのか?
「只の好物じゃなくて、俺の一番好きな食べ物だよ!」
ヒントまで与えられる。罠なのか、頭がおかしいのかは分からない。
この男の一番好きな食べ物……。この男はデブ…デブと言えば…ピザ。
そうだ。ピザだ。これしかない。というかこれ以外に思い浮かばない。俺は即座にピザと答えた。
「………。」
見張りが険しい顔をしている。しまった。早まりすぎたか。この世界にピザがあるとは限らなかった。
すまない大佐。ミッションに失敗してしまった。やはりブランクがあるというのは命取りだった様だ。
「……………………正解!」
よっしゃあ!1000万円獲得だ!これでうまい棒買い放題だぜ!!
違う!合言葉はピザで合ってたんだ。良かった。奇跡に近い。
珍しくハイテンションになったので、勢いでピザでも食ってろデブと言ってやりたかったが、さすがに勇気スキルが足りなかった様だ。


279 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:31:34 ID:jImCNm/x
中は思いのほか盗賊が多かった。その辺でゴロ寝している盗賊、飯を食っている盗賊、刃物を研いでいる盗賊。その他結構な数である。
さっきの4人の盗賊に気付かれない様に慎重に進むと、調理場があった。ゾンビがいる。
よく見るとさっきの4人の内の1人だった。よし、まず一匹目だ。
俺はゾンビの肩をトントンと叩き、振り返った所に、顔面に怒りの鉄拳をぶち込む。
ゾンビは鼻がヘシ折れ、その場に倒れて気絶した。
その後他の3人も発見し、ゾンビと同じ方法で気絶させた。所詮単体では雑魚同然だ。
更に進むと、大きめの部屋があった。奥にはガキが一人寝ている。
ガキが突然起きる。俺を数秒睨んだ後、口を開いた。
「客人か…俺が盗賊の頭だ。用は分かっている。実力で俺を倒してみな。」
いきなり戦闘に突入した。まあ最初からそのつもりだったから良いだろう。
俺が剣を構えた頃、既に頭は俺の視界から消えていた。
次の瞬間、俺の頬が血で染まっていた。鮮血が飛び散る。
さすが盗賊だ。動きは素早い。
俺に長所など無いので、何も考えずに突っ込んだ。が、やはり簡単に避けられ、背中を斬られた。


280 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:32:07 ID:jImCNm/x
数分後、俺の体中真っ赤に染まっていた。強すぎる。さすが頭だ。
こうなったら必殺技だ。アレだけは使いたくなかったが、仕方ない。
俺は目を横に逸らし、盗賊の横に置いてある壷を凝視した。頭はそれが気になったのか、壷を見る。…今だ!
俺はその隙をついて、盗賊に斬りかかる。が、頭がこちらに振り返ると同時に、上にジャンプされて避けられた。掠りもしなかった。
「あ、危なかった…卑劣な奴だ…。」
盗賊に言われたくはない。それより、俺の必殺技を避けられてしまった。あんなものを必殺技にする奴がアホかもしれんが。
「許さんぞ小僧!」
盗賊の目つきが変わる。完全に切れられた。しかも小僧に小僧と言われた。もうダメだ。
痛い。次々と俺の体に刃物が刺さる。痛みもなくなってきた気がする。
俺も適当に剣を振るが、段々弱弱しくなってきた。
あいつ以上のスピードがあれば勝てるのに…。
スピードが欲しい…スピードが欲しい…………スピードが――――――――――



ヒュンッ
え?
俺の頭にスピードという言葉が駆け巡っていた時、急に剣が軽くなり、振るスピードが段違いに速くなった気がした。
いや、違う。本当に軽い。速い。これならいける…!
俺はフハハハハ!と奇妙に笑いながら盗賊に素早く斬りかかる。今まで一撃も当たらなかったが、簡単に命中した。頭の動きがゴキブリより遅く感じる。頭はよろめき、苦しんでいるというより驚いている。
スピードがある分ダメージは少ないらしい。が、ダメージも蓄積させれば倒せる。
俺は盗賊に次々に斬りかかった。盗賊も反撃するが、余裕で避ける事ができる。
太ももへの一撃で、盗賊が倒れこんだ。今だ、くらえ!!

281 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:32:59 ID:jImCNm/x
「ま、まいった!」
大きく振りかぶった剣を振り下ろそうとした所で止める。
「俺の負けだ!盗賊の鍵はやる!ほら!」
頭から鍵を渡される。何だこれは?宿屋の女は?
「え?盗賊の鍵が欲しいんじゃないのか?宿屋の女?」
どうやら頭は何も知らん様だ。俺は事の次第を頭に話す。
「そうか、俺の手下が…ちょっと待っていてくれ。」

「てめえ!さっさとその女性を返しやがれ!」
「ひい!なんですかい頭!」
「うるせぇ!てめえなんか今日から三食ともゴキブリ唐揚げだ!」
「そ、そんな…せめてナメクジの塩焼きに…。」
「黙ってろ!」
ドカバキザシュグチャッ
グロイ音が響き渡る。死ぬなよおっさん。
ナメクジもゴキブリも食うのは死ぬ程嫌だと思うが、ゴキブリの唐揚げというとあれか。10年以上前、唐揚げ買った時ゴキブリ型の唐揚げがあったが、アレを毎日食わされると思うと生き地獄だな。


282 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/04(金) 22:33:31 ID:jImCNm/x
頭が宿屋の女を連れてくる。
「悪かったな。うちの手下が無礼な事をして。」
正直いきなり襲い掛かってくる頭も礼儀が無いと思う。が、俺も人のことは言えないので黙っておいた。
「それと…こいつを連れて行ってやってくれないか?」
頭が連れてきた盗賊。―――――――――――――――ゾンビ。
丁重に断る。が、どうしても連れて行けと言う。嫌だ。勘弁してくれ。
「お願いだ!これをやるから!な?」
3000Gを渡される。そこまでこいつが嫌か。しかも金。世の中なんでも金金金…汚い男だ。金があれば何でも出来ると思ってるのか。人間の風上にもおけんな。
俺は快く了承した。
「ありがとう。こいつの名前はエテポンゲだ。可愛がってやってくれ。」





エ テ ポ ン ゲ が 仲 間 に な っ て し ま っ た !

Lv7
HP44
MP0
武器:銅の剣 鎧:旅人の服 兜:木の帽子
特技:はやぶさ斬り

283 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 22:39:50 ID:PvO29oJ1
GJ!面白かったよ!

284 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/04(金) 23:07:02 ID:N52CWscb
乙。
パラレルワールドなのか?
続きが楽しみです。

285 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:43:34 ID:S0qQWEwl
さっそく情報収集をするために色んな人々話すことにした。
まずは武器屋によってみたが変な鉄仮面を被った筋肉ダルマのおっさんが出てきた。
おっさんが言うにはリリザで売っている最高に強い武器は鎖鎌。400ゴールドもするらしい。さすがに高いので他の商品を見る事にした。
一応防具も扱っているみたいで鎖帷子、鱗の盾、木の帽子などローレシアより良い防具が売ってある。
ドラキーやアイアンアントを狩りまくって手元に180ゴールドがあったから木の帽子を購入した。残りは90ゴールドになった。
タケ「これで少しは冒険者らしくなったな。」
もょ「ああ。」

俺達は武器屋を出た後街の人々に情報収集させてもらった。北に行くとサマルトリアと言う城があるらしい。
タケ「もょ、サマルトリアの事は知っているん?」
もょ「おれはあんまりしらないな。おやじはよくサマルトリアにいっていたみたいだけど。たしか、おれとねんれいがちかいおうじがいるらしい。」
タケ「そうなんや。もしかしたら力になってくれるかもしれへんで?」
もょ「だといいけどなぁ。」
タケ「あんまり期待できへんのん?」
もょ「あったことがないからな。ローレシア、サマルトリア、ムーンブルグはしんさきだってきいたことがあるけどな。」
タケ「まぁ何とかなるやろ?考えるよりも行動やで。」
もょ「そうだな!」
タケ「次の目的地はサマルトリア城やな。」
もょ「ああ。タケ、そろそろとっくんしようぜ!おまえばかりにまかせられないからな。」
タケ「嬉しい事言ってくれるやん!じゃあぼちぼち始めるで。」
もょ「わかった。」


286 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:46:57 ID:S0qQWEwl
まずは強撃から教えることにした。体格はええから飲み込みスピードは早いと思うのだが、頭が悪いからな…とにかくやってみるか。
タケ「この技ははっきり言って簡単やで。まず敵に向かって飛び掛かるんや。落ち始めたら剣を振り落とす。これだけやで。」
もょ「かんたんじゃないか。」
タケ「まぁ、やってみて。」
もょが強撃の構えをとって行動を起こした。…さすがに簡単すぎるか。
タケ「さすがやな。しかしこの技には欠点がある。」
もょ「なんだって?」
タケ「相手に命中しにくいんや。動きが素早い敵や胴体が小さな敵とかな。破壊力はいいけどな。命中させやすくするにはとにかく経験を積むしかないで。」

もょ「そうなのか。」
タケ「逆に強撃の対極なタイプの技も教えるで。使い分けが出来たら戦い方が変わってくるからな。」
もょ「いったいどんなわざなんだ?」
タケ「かすみ二段。破壊力は強撃に比べるとかなり劣るわ。」
もょ「それじゃあダメじゃないか。」
タケ「しかし、この技は攻撃を相手に当てるためという技だから動きが素早い敵や胴体が小さな敵には有効ってわけや。攻撃が空振りする事よりはるかにましだからな。」
もょ「わかった。」
タケ「やり方としては一振り目はわざと外す。その次が一番重要やねん。相手の避けた場所をいち早く察知して二回目振り落ろす時に切り付けなければまったく無駄骨を折る事になるからな。注意点は力まずにいかに早く剣を振るかをイメージしてくれ。」
もょ「かんたんにまとめると、いっかいめはわざとはずすのはかまわないがにかいめはかならずあてろってわけだな!」
タケ「そういう事や。飲み込みが早いな。とりあえず試してみてくれ。」
もょもとがかすみ二段を試した時に意外な事実が判明した。

287 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:48:17 ID:S0qQWEwl
まるで鞭をしなる様に剣を振るスピードがかなり早いのだ。
野球で言うと約140は出ている。バッティングセンターで試してみた時の記憶が甦ってしまったよ。もょもとの剣術センスはかなり良い。並の人間ではまず避けられない。
タケ「も、もょ。お前はすごいな。」
もょ「きゅうにどうしたんだ?」
タケ「かすみ二段は使わなくていい。」
もょ「なぜだ?」
タケ「お前のそのスピードなら小細工無しでも十分に敵に当てれるからや。これは頼もしい技やで。」
もょ「そうなのか。」
タケ「ああ。もょだけの技だし何か名前をつけたらどうだ?」
もょ「そうだなぁ…ソードギャラクシカアタックっていうのはどうだ?」
タケ「ちょwwwwwwwwネーミングセンスやばすぎやで。シンプルな奴の方がええよ。」
もょ「そういうタケならどうなまえをつけるんだ?」
タケ「そうだなぁ…ハヤブサ斬りってのはどないや?」
もょ「かっこいいな!」
タケ「やろ?」
特訓していくうちにもょもとだけのオリジナル技『はやぶさ斬り』が完成した。これで戦力的にも良くなるだろう。
タケ「もょ、提案があるんやけど…」
もょ「どうしたんだ?」


288 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:49:38 ID:S0qQWEwl
タケ「あのさ、日によってこのの身体を動かす役割を決めへん?」
もょ「かまわないぞ。しかしおれがねていても、タケがおきていたらうごかすことができるみたいだな。」
タケ「逆もしかりやろ。基本は日にちによる交代制だけど、片方がしんどい時は交替するって形でいくか?」
もょ「ああ、そのやりかたならおたがいにむりするひつようはなくなるからな。」
タケ「よし、決まりやで。お互いに特訓だけは欠かせずにするようにしよ。はやぶさ斬りの感覚を忘れずにな。」
もょ「わかった。きょうはおれがとっくんするよ。」
タケ「オッケー」

俺は休む事にした。ちょっともょもとが羨ましいのだが、さすがロトの血が呼び覚ましたのだろう。考えるのもしんどいからさっさと寝るとするか…


朝がきた。今日はもょもとが行動してくれるからラクだ。極端な話指示するだけでいいからな。
もょ「おはよう!タケ。」
タケ「元気なやっちゃな〜今日はサマルトリアの城に向かうで。」
もょ「きあいいれていくぞ!」
リリザを後にした俺達はサマルトリアに向かった。もょもとの必殺技はやぶさ斬りが炸裂しまくってドラキーやアイアンアント、幽霊などを簡単に蹴散らし何事もなくサマルトリアに到着した。
タケ「無事についたな。」
もょ「ふう…どうだったおれのたたかいは?」
タケ「安心して任せられるわ。感謝するよ。王様に会いに行くか。」


289 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:52:05 ID:S0qQWEwl
サマルトリアで情報収集して解ってきたことが王女がいるらしい。
こりゃたまらん!いくら好きなドラクエの世界とは言ってもオンナがいなくちゃ面白くないからな。さっそくもょもとに持ちかけた。
タケ「もょ、王女会ってみないか?」
もょ「そんなことよりおうさまにあうのがさきだろう?」
タケ「アホ!王女が力になってくれたらこれからの旅も楽になるって訳よ。それに王様の情報も必要だし、まして親戚なんだからさ。」
もょ「そうだな。そのかわりタケ。おまえにまかせるぞ。」
タケ「あいよ〜」

さっそく王女に会いに行く事にした。兵士に一声かけて案内してもらった。
タケ「こんにちわ。」
…………………ごっつう可愛い。
王女「こんにちわ。お兄ちゃんの友達?」

タケ「そうだよ。君のお兄さんはどこにいるのかな?自己紹介忘れたよ。俺はローレシアのもょもと。よろしく。」
王女「私はリア。よろしくね!」
リアちゃんかわいいよリアちゃん(*´д`)ハァハァ
年令は15歳くらいか。サマルのヤツ羨ましい限りだ。

リア「お兄ちゃんならパパが詳しいと思うよ。」
タケ「ありがとう。サマルトリア王に聞いてみるよ。」
リア「じゃあ案内するね!」
リアに案内してもらいった俺達は初めて他国の王に会う事が出来た。雰囲気的には道楽オヤジっていう印象だった。急遽もょもとが話し掛けてきた。
もょ「ここはおれにかわってくれないか?」
タケ「なんでや?」
もょ「ローレシアのいげんがかかっているからな。」
タケ「別にかまへんけど…ヘマだけは打つなよ。」
少しした後もょもととサマルトリア王の会話が始まった。


290 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:54:02 ID:S0qQWEwl
もょ「はじめまして。サマルトリアおう。」
王 「キミがローレシアの皇子か。良く来てくれた。」
もょ「おうじはどこに?」
王 「我が息子なら一人で勇者の泉に行きおったよ。素晴らしい息子じゃ!わっはっはっはっはっ。」
もょ「ありがとうございます。わたしもそこにむかってみます。」
なんちゅー傲慢なオヤジだ。虫酸が走る。さっさと勇者の泉に向かいたいぜ。
このオヤジ、意外な事を発言した。
王 「もょもと皇子よ。そなたに頼みがある。」
もょ「なんでしょうか?」 王 「我が娘リアを連れていっていただきたい。呪文の心得があるみたいだからそなたの力になるだろう。」
もょ「よろしいのですか?」
王 「我が息子と娘が世界を救う事になるのならこのサマルトリアがが世界を征する事になるからな。」
かーっ、欲深いオヤジだ。ぶっ殺したくなるよ。
王 「リアを呼んでまいれ!」
兵士がリアを連れてきた。オヤジは気に食わないがリアちゃんは可愛いからよしとするか。


291 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/05(土) 01:57:06 ID:S0qQWEwl
リア「パパ。私も旅をしていいの?」
王 「もちろんじゃ。世界を救うために頑張るんだぞ。」
リア「はぁい。もょもとさん。よろしくね!」
こうしてリアが加わった。しかもこのオヤジ何にも餞別を渡さない。まったくドケチな王様だぜ。
タケ「もょ、餞別はしないのはロトの血の影響か?」
もょ「わからん。はなしはかわるがタケのことリアにいってもいいのか?」
タケ「やめておこうや。俺達の秘密にしよう。他人が聞いたら訳が解らなくなるからな。」
もょ「わかった。ちょっとタケかわってくれ。」
タケ「どうしたん?」
もょ「おんなのことはなすのはきんちょうするからな。」
タケ「シャイなやっちゃな〜わかったよ。ただし、勇者の泉は任せるで。」
何か不思議な感じがする服装だったのでさっそくリアの装備について聞いてみた。
タケ「リアのその杖は何?」
リア「これは魔導士の杖だよ。魔法力を頼らずに炎がでるの。すごいでしょ?」タケ「すげぇな。頼りにしているよ。」
リア「任せて!もょもとさん、楽しい旅にしようね。」
この娘の笑顔はカワェェ。ハァハァしたいのだがさすがにいきなり手を出すのはまずい。実体が無いのが悔やまれるぜ。
次の目的地は勇者の泉になった。道中に山鼠やバブルスライムが出てくるがリアの魔導士の杖で焼き尽くしてくれた。
もょもとのはやぶさ斬りも順調良く敵を切り刻む。こうして進んでいくうちに勇者の泉に到着した。

292 : ◆4Ga38uI4wg :2005/11/05(土) 12:50:18 ID:gUnndt+O
窓を大きく開き、誰もいない事務所に朝の風を招き入れる。
コーヒーメーカーのスイッチを入れ、コトコト言う音をBGMに私はデスクに腰掛けた。
無印良品の名刺フォルダーに一枚の名刺を確認し、顔が思わずにやける。
昨日のしつこい信託銀行のセールスマンが残していった、会社にとって迷惑極まりない名刺。
本来ならゴミ箱へいくはずの名刺は、私のフォルダーでこれでもかとふんぞり返って収まっている。
だって、初めて外の人に名刺を貰ったんだ!!空だったフォルダーが今か今かと待ちかねていた、一枚目の客人。
18歳、社会人デビュー1ヶ月目。新しい事すべてにドキドキした。世界が輝いて見えた。
見てろ、私はこの名刺フォルダーをいっぱいに埋めてみせるんだ!!!
私はフォルダーを思わずぐっと抱きしめた。途端、それは形を歪め始める。
牙が見え、赤黒い舌が見え、とうとうそれはブルドックの口になり、突如脇腹めがけ食いついた。
逃れようとして私は椅子から落ちた。
痛い!痛い!やめろ!!!!もがき宙に手を伸ばすと何かぐにゃりとした物をつかんだ。

それは、枕だった。
ブルドックはいつのまにか身を包む毛布に姿を変え、体の下には暖かいベッド。
カーテンの隙間から覗く朝日が眩しい。
ああ、夢か。目をこすり上半身を起こすと、なぜか毛布が服にペタリと張り付いている。
バリッと音を立て引きはがすと、そこには大量の血液が糊のようにして付着していた。
泥交じりのそれは乾きひび割れ、粉を吹いている。
思わず手を脇腹にのばした。大丈夫、傷はきちんとふさがったままだ。
こんな大量の血を流すのも、見るのも始めてだった。
気味の悪さに目をそらすようにベットから立ち上がる。
瞬間、足がくずれて肩を床にいやというほどぶつけた。
疲れてるな。起き上がる気もおきず、床に体を投げ出したまま目を閉じた。

293 : ◆4Ga38uI4wg :2005/11/05(土) 12:51:01 ID:gUnndt+O
部屋のドアを開く音がした。次いで、駆け寄る足音。
「ちょっと!!!」声をあげたのは宿の人だろうか、恰幅のいい中年女性。
いつのまにか私は眠っていたらしい。
女性はいきなり手にしていたコップを私の口に押し付けてきた。
口の中に流し込まれた液体のあまりの熱さに私は思わずそれを吐き出した。
「飲みなさい!死にたいの?!」
女性は私の頭をおしつけ、無理やり残りを一気に飲ませた。
焼ける様な熱さと、ツンと鼻につく匂いに頭がぼぅっとする。
一息つくと、女性は安堵の表情を浮かべ私の体を起こすと、
「さ、風呂入りなさい。服なら娘のを貸してあげるから。」
バン!と思い切り、そりゃあもう思い切り、私の背中を叩いた。
「ぐぇッ」
正直、肺がぶっ潰れたかと思った。

生きている事がこんなに幸せだなんて!
驚かないで聞いてくれ、ここの風呂、アツアツのお湯が出るんだ!!!
しかもな、ちゃんと石鹸もシャンプーもあるんだぞ!
清潔な服に袖をとおし、感極まってついにむせび泣いてしまった。
宿の女主人は笑いながら髪を編み上げてくれた。
もう二度と牢獄になんか入るものか!!

294 : ◆4Ga38uI4wg :2005/11/05(土) 12:51:51 ID:gUnndt+O
港の露店は見慣れない物ばかりで、つい目移りしてしまう。
数多の品物の中で一層キラキラする物が目に入り、その場に腰を下ろした。
青に赤に緑、紫。色とりどりにバリエーションを揃えたそれは、400Gのスライムピアスである。
獄中で得た給料210Gと昨日拾った11Gを合わせてもとても足りない。
ガラス細工のスライムが潤んだ瞳で見つめている。
ごめんよ、金が無いんだ…後ろ髪を引かれる思いでその店を後にし、
次の店で「ふくろ」とかいう物を100Gで買った。
ただの皮製の肩掛け鞄なのに妙に値が張るのが気に食わない。
商人が「名前をつけてもいいんだよ!」とか別れ際に言っていた。
あいにく無機物に名前をつける趣味は持ち合わせてはいない。
だが、その後買い物を重ねてわかった。この鞄、すごい。値段以上の価値はある。
服2着にコートに靴、コップに歯ブラシ、薬草、キメラのつばさ、買った荷物がどんどん入る。
試しに腕をつっこんで危うく中に落ちかけた。
まるで4次元ポケット。一体どうなってるんだこれ。
道具の取り出しに時間がかかるのだけが玉に傷かな。

最後に立ち寄った武器屋についた頃には残金6G。
陽光できらめくいかつい武器達にまたしても後ろ髪を引かれた。
畜生、次の給料出たら買ってやるからな!
冷やかしに腹を立てていた店主の風貌については
このスレではさんざん既出なので言及しないでおこう。

部屋に戻り、旅人の服にさっそう身を包んだ。
色が鮮やかな青である事を除いて、空手の胴着とそう見た目は変わらない。
丈夫なブーツで足を固め、ごついベルトをカチッと締める。
革鞄を肩に下げ、黒いコートを羽織り、最後に銅の剣を背負ってみる。
こ、これは。…かっこいい。我ながらなんてかっこいいんだろう。
剣を抜いて、鏡を前にポーズを取ってみる。
ここにスライムピアスがあればきっと完璧に違いない。(* ゜∀゜)=3ムッハー
ナルシズムに没入した私はすぐにでも外に躍り出たい気分だったが、ここは我慢。
これは大事な晴れ着だ。近い将来の旅立ちの日まで大切にとっておこう。
当面の目標はスライムピアスゲットだ!

295 : ◆4Ga38uI4wg :2005/11/05(土) 12:53:44 ID:gUnndt+O
さあ、仕事の時間だ。
白いブラウスに黒いスカート。きちんとした正装を身につけ士気も上がり、鼻息荒く急ぎ足で草原に足を運んだ。キメラのつばさを手に取る。
使い方はちゃんと道具屋に聞いてあるぞ。
真上に思い切り投げ、「マイエラ修道院へ!」
…瞬間、臓物をいきなり下に強く引っ張られた。

バシャッ
冷たい!!何?
目の前に神官が桶を持って立っている。どうやらこいつに水をかけられたらしい。
「キメラ酔いか?」神官はニヤニヤ笑いを浮かべ、心底うれしそうに言った。
いつの間にか地面に横たわっていた私の辺りには人が群がっている。
そしてその隙間からマイエラ修道院の建物が覗いていた。
そうだ、私はキメラを放って、あれ?それからどうした?
次の瞬間、強烈な吐き気をもよおし、あわてて近くの川の縁に倒れるように腕をつき、
「おうぇえええ!」吐いた。追ってきた神官が背中をさする。
朝食のホットケーキがプカプカ流されていく。やばい。強烈に恥ずかしい。
川の水で顔を洗った。水に映る顔が真っ青だ。指先がガタガタ震える。
さっきまで笑っていた神官の顔が険しくして言った。
「休みなさい、ベットを貸すから」
「でも、私、仕事…」
ぐったりとして、言葉が続けられなかった。
今日はどうもこんなのばっかりのようだ。
釈放されての初仕事の日。私は修道院の布団の中ですごした。
オルガン、弾きたい…………

296 : ◆4Ga38uI4wg :2005/11/05(土) 12:56:05 ID:gUnndt+O
うは、恥ずかしい

○神官は顔を険しくして言った。
×神官の顔が険しくして言った。

>>257-258
亀だけどd

297 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/05(土) 13:37:29 ID:15hyVVcL
>>◆4Ga38uI4wg
戦闘にドキドキしたり、旅人の服にウハーしたり、スライムピアス欲しかったり
人情が身に沁みたり、自分も読みながら一緒にドキドキしてます。
毎回楽しみです。

女の子なのに、あんまり大切に扱われてないのもいいw

298 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/05(土) 22:42:30 ID:+1pOvW7X
>>レッドマン ◆U3ytEr12Kg
乙!もしかして…リアスレに行ってた?

>>◆4Ga38uI4wg
乙です。
他の職人さんとはちょっと違った展開が面白い。頑張れ

299 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/06(日) 01:03:29 ID:N9PC3zgV
>>298
今見てきますた…
ちょっとモエス。

300 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/06(日) 13:26:16 ID:bauiScvw
300貰うよ!
皆さんガンがれ

301 :未成年の旅―T :2005/11/06(日) 20:19:12 ID:sTptEF3N
朝。いつもと同じ空の、いつもと同じ朝が来る筈だった。その日までは・・・。

鳥が鳴く、のどかな朝だった。とても立派な、とまではいかないが、ベッドと箪笥が1つずつある部屋。そこに1人の青年が横たわっていた。
黒髪の、まだ少しあどけなさの残るその青年は、眠い体を起こして伸びをする。青年の名は海斗という。漁師の家系の生まれで、高校生。しかし
今は一人暮らしをしている。
いつもは起きた後する事といえば、まずテレビをつけること。ニュースを見た後はラジオ体操、という運びになっている。
しかし、海斗の寝ていた部屋には、テレビどころか電化製品が見当たらない。
「おい・・・いったい何の夢なんだ・・・・・・。」
そんなことを思いつつ、ベッドの隣のカーテンを開けた。まぶしい光が海斗の眼を刺す。そこまでは、何等不思議もない。
だが海斗は頭を掻きながら、こう呟いた。
「太刀の悪い・・・夢だな・・・・・・・。」
海斗の視界にはこれまで見たこともない景色が映っていたのだ。

「夢なんかじゃないのか・・・。ならここはいったい何なんだ?」
海斗は自分の頬を抓りつつ、ぼやいた。痛い。夢ではない。そんな事がまだ寝たままの思考に過ぎる。ボケているのだろうか?
そんなことを思ったが、どうやらそうでもないらしい。
一人暮らしの部屋とは程遠い広い部屋で寝ていた自分に、多くの疑問が浮かぶ。しかし、この疑問が一番難解だった。
「ここはいったい、何処なんだろうか・・・?」

302 :未成年の旅―U :2005/11/06(日) 20:52:12 ID:sTptEF3N
いつもならカーテンを開けたらある筈の世界。それは国道4号線をたくさんの車が通っていく世界だった。しかし、それが見当たらない。車さえ無い。
代わりにあったのは、教会らしき建物と民家、そして小さな小川。生まれてからこんなところで過ごした事は一度も無い。
それは確かだったが、何より不思議なのはその寝ていた部屋だった。電化製品の無い部屋だけでは過ごない筈なのに、そこにグースカ寝ていた自分は
一体なんなんだろう。
海斗「取り合えず、外の様子だけでも見てこようか・・・。何か判るかもしれないな。」
海斗は決意を固め、枕元にあった荷物を抱え、部屋のドアを開けた。
・・・・・・静かな廊下が広がっている。緊張して止まない自分を抑え、音を立てずに歩き出す。階段に差し掛かった。まず階下を見る。誰も居ないこと
を確認し、下に降りようとした・・・・・・。
※「あら、まあ!どうかなさいました?」
女声が背後から自分に話しかけてきている。どうすればいいか判らない海斗は、取り合えず振り返ってみた。
※「お早いご出立ですねぇ、それでは御気をつけて。」
中年太りの女性だった。安心と同時にまた新たな疑問が浮かぶ。
こんな人にあったことは今まで無い。少なくともここで寝泊りしていたのなら顔ぐらい見ているはずなのに、と。
しかし、安心感のほうが大きかった為か、警戒はしていなかった。その為か、いろいろと聞いてみたくなった。
海斗「あのー・・・。ここは何処・・・なんだ?なんでおれはここにいるんだ?」
女性は、微笑みながら答えた。

303 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/07(月) 13:35:56 ID:R3Kr/OXt
なんで職人はすぐ消えてしまうん?

304 :某書き手 :2005/11/07(月) 14:28:24 ID:idITU8WD
パソコンがぶっ壊れたから書きたくても書けない人がここにいる。
脳内では完結しかかってんのに。

305 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/07(月) 15:36:22 ID:BTe6nOSk
うおぉぉぉーーー!!!!
俺が代わりに書いてあげたい!!

306 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/07(月) 18:53:49 ID:TkqESaNl
まーあせんなって。携帯から書いている職人もいるかもしれないしさ。
とりあえずほす。

307 :未成年の旅―V :2005/11/07(月) 22:10:56 ID:3JDjxad6
※「はい?・・・ああ、ここですか?ここは名家アルバート家が治める村、リーザス村ですよ。」
聞いたことの無い地名だった。少し考えてみたが、まだ頭が寝ぼけているらしくうまく働かない。寝ぼけた頭で懸命に考えた結果、解ったのは一つだけだった。
海斗「ここは・・・・日本じゃぁ・・・無いのか?」

結局宿にいても仕方ないので、村を回ってみることにした。そのうち頭が働くようになり、いくつか考えが浮かぶ。しかしその考えを信じてしまうには、いくつか
不安が残る。
「おれは一体こんなところで何を・・・?昨日は・・・何をしていたんだ・・・?なぜここに居るんだ?」
そんなことを考えているうち、人間とは本当に馬鹿な生き物なんだと痛感させられる。最早冷静を失った海斗は、もうこの上ないほど錯乱していた。

一時間ほど経ち、徐々に頭が切れるようになった海斗は、昨晩までのことを思い返してみた。
海斗「えー・・・っと・・・。昨日は・・・・ああ、家でゲームしてたな・・・。その後、まだ課題が残ってたの思い出して、終わらせたな・・・。んで飯食って
   またゲームして、眠くなったからコタツでミカン食いながら寝たな。・・・あー、そっから記憶無いな・・・。」
まだないか、まだないか、と思い返してみたがその後は余程いい夢を見ていたんだろう。まったく覚えが無い。海斗は自分の長い黒髪を掻き毟った。早朝だけあり、
気が立っている様だ。

308 :未成年の旅・追加 :2005/11/07(月) 22:16:48 ID:3JDjxad6
余程いい夢を見ていたんだろう は、余程いい夢を見ていたのだろう
の間違いです。すみません。

ついでにあげときます。どんな意見でも(指摘でもなんでも)いいんで、
意見ください。あと、他の職人さん、戻ってきて・・・。

309 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/08(火) 00:15:07 ID:P5XIb+/N
そんな気にするほどの間違いでも無かろうに。
几帳面な職人さんだなw

あ、もっと短く改行した方が良さげかも。
期待してるんでガンガレ

310 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/08(火) 00:46:29 ID:UwEeh03v
まとめて投下してくれると、見やすいし、更新の期待感も高まる。
今言いたいのはそれだけかな。期待してるから頑張れ!

311 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:16:03 ID:Ns/4Njdi
勇者の泉に到着した俺達はサマルトリアの皇子を探すことになった。
松明を火を灯して中に進む事にした。
もょ「ここがゆうしゃのいずみか?」
リア「そうなの。早くおにいちゃんを探さなきゃ。」
もょ「なんであせっているんだ?」
リア「お兄ちゃんは呑気者だから迷っていると思うの。」
もょ「そうか、いそがないとな。」
まわりは少し暗めのせいか、モンスターが現れても対応が結構遅れる。リアが魔導士の杖で明るくしてくれているのが不幸中の幸いだ。
山鼠、ドラキーは大した事はないがやっかいなのがホイミスライムだ。もょもとが斬り込んでも何事も無かったように回復しやがる。さすがの体力自慢のもょもとにも疲れが感じるようになった。
もょ「くそっ!はやぶさぎりがきまっているのに。」
タケ(もょ!聞こえるか?ちょっと交替しようや。いくらお前でも体力温存させておかないとヤバイで。)
もょ(わかった、たのむ。)
タケ(まぁ、任しとき。一か八かでこの技で倒してやるからさ。よく見ときや!)


312 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:17:53 ID:Ns/4Njdi
主導権は俺に代わった。早速リアに指示をした。
タケ「リアちゃん、魔導士の杖でホイミスライムを攻撃してくれ。」
リア「もょもとさん!すぐに回復されちゃうよ。」
タケ「まぁ見てなって。たのむ!」
リア「う、うん。」
リアが火の玉を打ち出した直後にすぐにホイミスライムに向かった。ヤツは意表をとられたか火の玉を直撃し、隙が出来た。

チャンス!!

タケ「うるらぁぁぁぁぁぁぁ!」
強撃を打ち込んで成功した。普段なら回避されてしまうのだが、足止めが出来たおかげで上手くいった。
タケ「サンキューリアちゃん。助かったよ。」
リア「すごぉぉい!もょもとさんありがとう。無事で良かったね!」
タケ「ああ。まぁ出来すぎだけどな。」
リア「ううん。そんな事無いよ。早くお兄ちゃんを探そうね!」
タケ「お、おぅ…」
僕ちんもうたまりません。この娘ホンマに可愛いです。と言いたいところだが最深部と言うべきか泉が見えてきた。どうやらここら辺が一番奥みたいだ。


313 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:20:03 ID:Ns/4Njdi
もょ(ふぅ…だいぶおちついたぞ。)
タケ(それは良かったで。そろそろ代わるか?)
もょ(ああ。めいわくかけたな。)
タケ(そんなことないで。)
もょ(そんなことないのか。)
タケ(いつものノリやな。じゃあ任せたで。)

主導権はもょもとに変わった。奧には老人がいたのでもょもととリアが話し掛けた。
もょ「ごろうじん。ひとさがしをしているのだが。」
老人「どんな人じゃ?」
リア「緑の服を来た人なんですが。」
老人「その若者はさっきワシが助けて治療した後戻っていったぞ。」
リア「えっ…」
もょ「どういうことだ?」
老人「この洞窟にはキングコブラと言う毒蛇がおっての。その若者が襲われていたから助けたのじゃ。」
リア「お、お兄ちゃんは無事なの?」
老人「その点は心配しなくていい。毒に侵されていたから魔法で対処したから問題はない。」
もょ「ありがとうございます。そのものはどこに?」
老人「ワシが入り口まで送ろうとしたんじゃが無視して立ち去っていったのじゃ。まだ洞窟内におるかもしれぬ。」
リア「早く探さなきゃ。しかし、おじいさん何故ここにいるの?」
老人「ここは魔法の泉みたいでな、ワシの魔力を回復させておるのじゃよ。お嬢さんは魔法の資質があるみたいじゃな。ワシの手を握りなさい。」
リア「う、うん…」
老人はリアの手を握るとリアが光り輝いた。何かの演出か!?と思ったのだが…
老人「思った通りじゃ、これで魔法が使えるの。」
リア「本当なの?」
老人「試しにあそこにいる山鼠達に向かってギラを打ってみなさい。」
リア「よぉ〜し!ギラっ!」
山鼠達が炎に包まれて倒れた。エグイやり方だが効果は抜群だ。


314 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:22:28 ID:Ns/4Njdi
リア「ありがとう。おじいさん。」
老人「ワシはただ、眠っている力を引き出しただけじゃよ。さっきの若者も同様に魔法が使えるようになった。彼の場合は回復呪文じゃ。」
もょ「すごいな!おれにもつかえるのか?」
老人「君の場合は魔法の資質が無いな。しかし、何か不思議な感じがする…」
もょ「そ、そうなのか。」
老人「まぁ魔法が使えなくてもワシにも解らぬ不思議な力を持っているから気にしなくていい。」
もょ「わかった。」
多分俺の事だろう。お互いにが全面的に意識をしていたら同様に疲れなどもあるが、片方に任せっきりなら体力も温存できるからな。単純に言うと一人二役になる。
もょ「じゃあどうくつないをさがしてみるよ。」
老人「気を付けてな。」
リア「じゃあね。おじいさん。」
今まで来た道をもどり探索しているうちに宝箱を発見した。中身は青銅の剣だ。
タケ(不思議やな。まったく使われていない剣やで。)
もょ(ああ、どうのつるぎよりつかえそうだ。)
タケ(とりあえずリアちゃんに確認だけはとっとき。)
もょ「リアちゃん、おれがつかっていいか?」
リア「いいよ。それにしてもお兄ちゃんはどこにいるのだろ…?」
リアの表情がかなり不安な感じだ。
全く手掛かりが無い。八方塞がりだったのだが突然悲鳴が聞こえた。

? 「ぎゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」



315 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:23:33 ID:Ns/4Njdi
もょ(だ、だれだ?いまのひめいは?)
タケ(急いだ方がええわ。そこに向かうで!)
もょ(おう!)
もょもととリアは急いで悲鳴がした場所に向かった。そこには緑色の服を着た男が大きい蛇5匹くらいに囲まれている。しかもその男は負傷をしているのではないか。
リア「あっ!お兄ちゃん!」もょ「なんだって!?はやくたすけないと。」
リア「お兄ちゃんを助けなきゃ!蛇達は気が付いていない。先制攻撃よ!」
リアはとっさにギラを唱えた。やったか!?
リア「あれっ!?小さな炎しかでない?なんで?」
手応えはあまりないみたいだ。多分魔法力がなくなったのだろう。キングコブラ達に気をつかれその内1匹がリアに飛び掛かってきた!
リア「きゃあっ!」
もょもとがとっさにリアをかばい皮の盾で攻撃をしのいだ。
もょ「大丈夫か!?」
リア「あ、ありがとう…」
もょ「かずがおおいからややこしいな。ここははやぶさぎりだ!いくぞ!」
もょもとのはやぶさぎりは対象を二回斬るのではなく1匹ずつ素早く斬っていった。2匹斬ったところでもょもとの動きが止まったのだ。おそらくバテたんじゃないだれうか?
その隙にキングコブラ2匹が襲い掛かった。
1匹は盾で防いだのだが2匹目はかわしきれない。
動脈噛まれたらおしまいだ。マジでやばい。
これはやられたか!?

その時火の玉がもょもとに向けて飛んできた。防ぎきれなかったキングコブラにヒットした。


助かった…



316 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:24:36 ID:Ns/4Njdi
リア「もょもとさん大丈夫?」
もょ「た、たすかったよ。あと2ひきだがこっちにひきつけないとおうじがあぶない。」
リア「どうしたらいいの?」
もょ「おれにまかせろ…」
いきなりもょもとは銅の剣をキングコブラに向けて投げた。当たりはしなかったが威嚇効果は十分にあった。
キングコブラ達はびっくりして動きが止まったのだ。
もょ「ここできめるぞ。リアちゃん1ぴきをまかせるぞ。もう1ぴきはおれがやる。」
リア「うん!」
もょもとはフラフラになってても切り刻み、リアは魔導士の杖で炎を出してキングコブラを倒した。
もょ(あ、あとはまかせたぞ、タケ。)
タケ(無事でなによりや。後は上手くやっておくから心配せんでええ。)
もょ(ああ…)
もょもとは以外だったな。押さえる所はきっちり押さえているからな。頼もしいのかバカなのか訳が分からない奴だ。なんとか危機を脱出した。
リア「お兄ちゃん!」
皇子「ハァ…ハァ…」
サマルトリアの皇子の様子がおかしい。
タケ「顔色が悪いな…毒に侵されているかもしれん。」
リア「そんな…お兄ちゃんが死んじゃうの?そんなのやだよぉ!」
タケ「今から城に戻るのは間に合わない。どうすればいいんだくそがぁ!」
焦りがつもってまともな判断ができない。なんとか出来ないだろうか?とにかく道具袋を調べてみた。

タケ「これは…」


317 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 01:25:45 ID:Ns/4Njdi
ローレシアの街娘から貰った毒消し草だ。どんな種類の毒に対応できるかわからないがやってみるしかない。
タケ「皇子!これを飲め!」
毒消し草を無理矢理口につっこんで飲ませた。なんと皇子の顔色が良くなり回復したのだ。すげぇ即効性がある効果だ…
皇子「あ、あれ…僕は?」
リア「お兄ちゃん!良かった…」
皇子「リア…?それにキミは?」
タケ「俺はローレシアのもょもと。リアちゃんと一緒に皇子をさがしに来たんだ。」
皇子「ありがとう。僕はサマルトリアのサマル。二人共助かったよ。」
リア「もーお兄ちゃんたら〜」
サマル 「あはは。ごめんごめん。」
こいつはかなりマイペースな野郎だ。しかし何故か憎めないだよな。
タケ「サマル。大丈夫か?」サマル 「なんとかね。しかしリアが付いてくるのは以外だったな。」
タケ「サマルトリア王が一緒に行ってくれって頼まれたのさ。」
サマル 「しかし心配だなぁ…リアに危険な目に合わせたくないよ。」
リア「そんな事ないよ。お兄ちゃんともょもとさんと一緒にいるのが楽しいんだもん。」
タケ「実際問題彼女のおかげで俺も助けてもらったからな。ロトの血がリアちゃんの能力を引き出したに違いない。彼女には感謝しているよ。」
リア「も、もょもとさん!照れるじゃない。」
サマル 「そうなのか。キミが言うのならそうかもしれないね。じゃあ僕も一緒に行くよ。リアも一緒においで。」
リア「やったぁ!」
上手く行った。我ながらの会話術に自惚れてしまうぜ。オンナは一人でも多いほうがいいからな。
タケ「ところでサマル。その宝箱はなんだ?」
サマル 「あはっ。襲われて気が付かなかったよ。」
リア「早くあけてみようよ。」
中身はなんと!1500ゴールドが入っていた。
タケ「うっ、うそだろ?絶対にありえねー」
サマル 「まぁいいんじゃない。有効に使おうよ。」
リア「さんせ〜い。こういうのは武器や防具に使うのだよね。」
タケ「まてまて。薬草や毒消し草も買っておかなきゃな。じゃあリリザで旅の支度をするとしますか。」
サマル・リア「おーっ!」

サマルを無事に助けだし勇者の泉を脱出した。ローレシアの街娘にはお礼をしとかなきゃな。誰も死なずに良かった。


318 :未成年の旅・書き手 :2005/11/08(火) 21:37:52 ID:2jSYzS1e
>309 >310 さん
意見ありがとうございます!頑張ります!
レッドマン さん
面白いです!今日も冴えてますね!頑張ってください!

半人前ですけど、どうぞよろしくお願いします。

319 :未成年の旅―W :2005/11/08(火) 22:10:52 ID:2jSYzS1e
やり場の無い怒り、とはこの事を指すのだろう。どうすれば、元居た自宅に帰れるのだろうか。
あれこれ考えるのは性に合わないようで、海斗の背中まで垂れる程の黒髪は、見る見るクシャクシャになっていった。

そのまま考えている内、また二時間が経った。ベンチに座って居ながらも、まだ考えていた。時刻は午前七時頃だろうか。
しかし三時間ほど考えても答えは出ない。出る筈も無い。さらに空腹も重なり、怒りは最高潮になる。
海斗「ん、あ――――!!!!チクショウッ!!!!何処まで悩んだら答えが出るんだよ―――ッ!!」
思い切り叫んだので咽てしまったが、こんなことで海斗の怒りが収まるわけも無い。そんな海斗の怒りは、そばにあった三つの樽に向けられた。
おかしくなった自分を制御できず、気付いた時、海斗の脚はもうすでに樽を粉々にしていた。

海斗「・・・あれ?何だこれ?金貨?」
粉々になった樽の残骸の中に、金貨のようなものを見つけたのだ。その金貨には、大して装飾は施されていないものの、大きく『G』と掘り込まれていた。
しかしやはりこの金貨も、見覚えが無い。海斗にも、少なくとも日本の単価では無い事は解ったようだ。

そして、もう一つ、何かが樽の残骸に埋もれていた。銅製のナイフ二本と、皮が表面に張られた板だった。皮が張られた板は、丸い形をしており若干大きい物で、
人に投げ付ければ、まず打撲は間違いないほどの大きさと重さをしていた。海斗はそれをまとめて麻袋に詰め込んだ。
そのとき初めて気付いたのだが、麻袋には紙切れが入っていた。読みづらい字で、こう記してあった。

『世界の心理を知る事を拒む者、恐れる事無かれ。
       心理を知るべきに相応しい時、心理に隠れし心理を
            得るであろう・・・・・・・・・・・・・・・・・。』

320 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/08(火) 22:48:17 ID:Ns/4Njdi
>>319
ありがとうございます。お互いに頑張りましょう。
トリップ付けてみてはいかがです?
例…モナー#英数字、記号、漢字など。

321 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/09(水) 14:53:26 ID:q7Nm8eRv
トリップ・・・こんな感じですかね?ちゃんと出来たかな・・・?
アドバイス、有難うございます。私もがんばります。

322 :未成年の旅―X ◆BlH5qivf3A :2005/11/09(水) 15:36:32 ID:q7Nm8eRv
海斗「世界の・・・心理?なんだ、これは・・・。」
しばらくその紙切れを見つめながら考える。何回か眼で追って黙読してみたが、よくわからない 。考えるのが苦手な為、
海斗「持ってても邪魔になるだけだな・・・・・。」


午前九時過ぎ。村では農家が畑を耕している。主婦は井戸の周りに集まり井戸端会議、銅剣を背負った子供は村を周って遊んでいる。
しかし、宿屋の前のベンチに海斗は居なかった。代わりにあった物は、読みづらい字で書かれた紙切れだった。この後、この紙切れは宿屋の店主により、
ゴミ箱に捨てられているだろう。

紙切れを捨てた海斗は、村の外、海沿いの道を歩いていた。しかし人影は2人有る。海斗の顔はなぜかとても疲れた顔をしている。着ていた上下のジャージはボロボロだ。
海斗「あんたが来てくれてなかったら、今頃生きて無かったよ。ほんとにありがとな。」
海斗が礼を言った人物は、にっこりと笑った。自分より年上な感じだと、海斗は思った。

海の色が青なのは日本と同じ。しかし、この世界は厳しかった。


今から15分ほど前、道無き道を彷徨っていた頃。ここから先に港町がある事を農夫から聴いた海斗は、港町へ向かっていた。持ち物は盾と
『ブロンズナイフ』と呼ばれるもの二本、そして、拾った薬草三つだけだった。
港町への道が解らない為、彷徨うしかない海斗。さらに方向音痴が重なり、港町からどんどん離れていっていた。
海斗「つかねーなあ・・・、港町・・・・・・。・・・疲れたな・・・・・」
ぼそぼそ呟きつつ、歩いてた。自分を狙い近づいている何かに、まだ気がついていなかった。

323 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/09(水) 18:42:51 ID:8JDGfiFw
ひょっとして心理ではなく真理なのでは?
間違ってたらすまん

324 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/09(水) 19:03:31 ID:S85mWqv2
ワロタので貼っておく。
ttp://korekaramo.com/hakudaku/main_php/list.php?c=hokuto&d=002&p=00sPGv36dpU6U

325 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/10(木) 06:05:26 ID:FSMUm9aw
キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━!!!!


326 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/10(木) 17:51:18 ID:iMSoSNiF
>>323
あ、ほんとだ・・・。有難うございました。気がつかなかった・・・。
おっちょこちょいですが、精一杯がんばります。

327 :未成年の旅―Y ◆BlH5qivf3A :2005/11/10(木) 19:21:28 ID:oZ48J4hq
海斗「ああ、腹減ったな・・・。こんな草じゃ・・・腹は満たせないもんなあ・・・。」
麻袋の中に入っている薬草を思い浮かべながら力なく言った。元々、海斗は漁師の家系で育ってこそいたが、このようなサバイバル体験とは無縁の人生だった。
一人暮らしを始めたのは、こんな何もわからない自分のままでいいのかと、自分なりに考えた結果である。
見知らぬ土地に来て広い大地を一人で彷徨っている事に、少し恐怖と好奇心を感じていた。

そのとき、後ろで物音がした。振り返ってみたがそこには何も無い。海斗の手は心なしか震えていた。
海斗「!!何だ!?出て来い!!??俺が怖くてビビってんのかよ!?」
少し余裕のある言葉のように聞こえるが、口先だけのものだった。
その時、ヒュンッ という音が耳元で聞こえた。海斗の頬に3cm程の傷ができている。触ってみると、海斗の手には血がついた。鋭利な刃物が頬を掠めたらしい。
刃物の飛んできた方を良く見た。三匹・・・いや、五匹・・・それ以上。弓矢を持った誰か達に囲まれている、海斗は直感でわかった。
海斗「これは・・・たいそうなな大所帯でお出ましのようで・・・。」
麻袋の中の二本のブロンズナイフと、皮の盾。これ等が頼りだ。そう考えると、肩に背負っていた麻袋を置き、盾を腕に括り付け、ブロンズナイフを両手に一本ずつ持った。
海斗の頭の中ではもう、一つのことしか考えていなかった。手は震えている。しかし、海斗のしっかりと敵を見据えた眼に恐れは見えない。
ブロンズナイフを握り締め、自分を取り囲んでいる弓兵達にこう言い放った。

海斗「テメエら、どっからでも・・・・・・かかって来いっ!!!!!」


328 :未成年の旅―Z ◆BlH5qivf3A :2005/11/10(木) 20:12:13 ID:oZ48J4hq
海斗のその言葉を聴いた瞬間、三匹が飛び掛ってきた。持っていた弓で殴ろうとする。が、それを海斗はヒラリとかわして見せた。しかし弓兵の猛攻は続く。キリキリキリ・・・という音が聞こえた。残りの何匹かが海斗に向けて狙いを定めている。
矢が放たれた。それに気付き、間一髪でかわす。弓で海斗を殴っていた三匹に一つずつ矢が命中した。ギギッと悲鳴を上げその場に倒れたと思うと、突然青い光となって、消えた。
そんな見慣れない光景に驚いたが、まだ何匹か残っている筈だ。そう思い、辺りを見回す。草で隠れて見辛いが、茶色い頭巾が微かに見えた。まだ何匹かこの場に潜んでいる。そう確信した海斗は、少し考えた。三匹に一本ずつ当たった、矢。ならば敵はあと三匹だ。
また、あのキリキリキリ・・・という音が聞こえた。今度は見逃さない。海斗は感覚を研ぎ澄ませた。

                左 だ ! ! ! ! !
前へ上手く転がり、かわした。察した通り、左から矢が飛んできた。ということは敵は左に居る!!!!
海斗「ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!」
二本のブロンズナイフを振り下ろす。ギギギギィッ と悲鳴を上げる弓兵。

329 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:14:40 ID:FSMUm9aw
投下しますね。

330 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:15:24 ID:FSMUm9aw
サマル、リアと一緒にリリザに向かっているのだが一つ問題があった。サマルの装備が貧相なのだ。
タケ「サマル、ちょっといいか?」
サマル 「どうしたんだい。もょ。」
タケ「お前…棍棒じゃ、あんまり役にたたないんじゃないのか?」
サマル 「くっすん。実はこれしかなかったんだよ。」
タケ「えっ?」
サマル 「父上に100ゴールドしか渡してくれなくてこれしか買えなかったんだよ。」
タケ「マジかよ!?サマルトリアは裕福じゃないのか?」
サマル 「父上が『男ならこれで旅の支度をせい!』って言われたんだ。」
タケ「……………………」
こいつも苦労しているな。なのに何でリアの方には魔導士の杖や高そうな服装をしているんだ?何か事情がありそうだ。
タケ「サマル、リリザに着いたらいい武器を買うから俺に任せな。」
サマル 「い、いいのかい?」
タケ「気にするな。それにこれから先強力な武器防具が必然的になるしさ。」
サマル 「ありがとう。もょ!」
サマルが急に嬉しそうな表情になった。今夜一波乱あるかもな…
リア「もょもとさん!お兄ちゃん!リリザの街が見えてきたよ!」
サマル 「わ、わかった。」
タケ「すぐ行くよ。」


331 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:16:03 ID:FSMUm9aw
リリザに着いた俺達は真っ先に武器屋に向かった。
さっそくオヤジに鎖鎌を頼み購入することにした。400ゴールドだ。
リア「もょもとさん。ちょっと高くないかなぁ?」
タケ「サマルの武器が棍棒じゃこの先不安だからな。」
リア「えーっ…でも…」
タケ「こういう時は惜しんだら駄目なのさ。わかったかい?」
リア「はぁい…」
サマル 「…………………」
なんとかごまかせたな。次は鎖帷子、鱗の盾を購入するか。
タケ「サマル、リアちゃん。鱗の盾は3つ購入するのだが、鎖帷子はどうする?」
サマル 「それは必要なのかい?」
タケ「ああ。盾は必需品だが、鎖帷子は皮の鎧より丈夫だからな。」
リア「私はいらない…」
タケ「リアちゃんなぜだ?」リア「身かわしの服があるから大丈夫なんだ☆彡」
タケ「わかった。じゃあサマルの分だけ買うよ。」
合計1350ゴールドかかったが仕方がない。武器屋のオヤジが言うには身かわしの服は鋼の鎧より丈夫でしかも相手の攻撃が当たり悪くなるという不思議な効果があるらしい。
サマルの奴、冷遇されすぎだぜ。兄妹なのに待遇の差がありすぎる。

ともかく道具屋に向かい、薬草と毒消し草を各自2つずつ購入した。あとは宿屋に泊まるだけだ。

宿賃を払い、部屋を割り当てることにした。
タケ「どうしようか。俺とサマルが一緒の部屋にするか?」
サマル 「そうだね。そうしようか。」
リア「一人は嫌!お兄ちゃんと一緒がいいの!」
サマル 「我儘言っちゃ駄目じゃないか。」
タケ「まぁまぁ、俺は一人で構わないから今日はサマルとリアが一緒でいいよ。兄妹じゃないか。」
サマル 「で、でも…」
リア「ありがとう!また明日ね。」
タケ「わかった。二人共寝坊だけはするなよ。」




332 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:16:41 ID:FSMUm9aw
サマル達と別れ、部屋についた。しばらくは普通に話せるな。
タケ「もょ。大丈夫かいな?」
もょ「おかげさまでたすかったよ。」
タケ「それは良かったで…しかし誰にもばれない様にするのは辛いな。」
もょ「それにふつうにはなしもできないしな。…はなしはかわるがなにかあったのか?」
タケ「勘がええやっちゃな〜実はサマルとリアの事や。あいつら見てどう思う?」
もょ「そうだな、サマルがたまにいやそうなひょうじょうをするなぁ。」
タケ「それに、リアの方が良い装備しているしな。」
もょ「けんかばっかりしてあしをひっぱらなければいいのだが…」
タケ「何言ってるねん!もょも最初は超がつくほどヘタレやったやないけ。(´,_ゝ`)プッ」
もょ「そ、そんなことなかったぞ!」
タケ「そんな事なかったよな(・∀・)ニヤニヤ」
もょ「お、おぅ。しかしげんいんはなんだろうな?」
こいつ話を切り返しやがった。うまくやりおったな〜
タケ「今日の特訓のついでに俺が探っといておくわ。無理にこっちから動く必要はあらへん。いずれは早かれ遅かれぶつかる問題やろ?今日はゆっくり休むんやで。もょ。」
もょ「わるいな。さきにやすませてもらうよ。」




333 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:17:23 ID:FSMUm9aw
夜が来た。今回思ったのはもょもとの成長スピードが早いと感じた。判断能力は一級品だ。しかも以外性の行動が成功している。俺も成長しなきゃ足を引っ張るだけ。
ましてあの3人はロトの血が流れているからな。サマルもリアも早いかもしれん。
タケ「何か新しい必殺技を開発せえへんとホンマにやばいな。」
強撃じゃ威力はあっても囮を使わなきゃなかなか当たらない。パワーだけじゃ駄目だ。スピードも必要となる。何か閃かないのか…

頭が痛くなってきた。

タケ「何も考えずにシャドウトレーニングでもするか。」
しばらくたった後、無心に剣を振っていたら足跡が聞こえた。とりあえず壁に隠れて様子を見る事にした。綺麗な女の子やったらナンパでもするか。

違った。サマルとリアだ。こんな夜に何をするのだろうか?もしかして(*゚∀゚)=3ムッハー!な出来事か!?期待して様子を見る事にした。二人共俺の期待に答えてくれよ…



334 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:18:40 ID:FSMUm9aw
リア「お兄ちゃん。どこに行くの?」
サマル 「何でリアがついてくるんだよ。関係無いだろ。」
リア「一緒に旅しているのだからいいじゃない。」
サマル 「今だから言えるけどお前みたいな妾の子供と一緒にいるなんて嫌な気分さ。」
リア「えっ…?そ、そんな、ひどいよ…」
サマル 「しかも父上はリアに溺愛して僕には質素な準備しかしてくれなかったしな。」
リア「で、でも…」
サマル 「今回の事で良くわかったよ。あの女が父上を利用して僕を陥れようとした事がね。まぁくたばってくれたお陰で、これから自分を殺さずに嫌な思いをしなくて済むからな。」
リア「………………」
サマル 「しかも犬みたいに僕に懐いて何か企んでいるのだろ?」
リア「そ、そんな事ない…」
サマル 「あの忌々しい女の血が流れているんだ。変な真似だけはするなよな。」

リア「ふっ、ふぇぇぇぇ〜ん…」

リアが泣きだした。要するにサマルとリアは腹違いの兄妹だったのか。慰めに行きたいのだが今行ったら逆効果だ。嫌なモノを見てしまったな。旅して行く内に力になる時は必ず来るはずだ。

タケ「ちっ、こんなんじゃ剣も振る気にもならへんわ…」

俺は壁にもたれてボケーっとしていた。腹違いか…環境が人を変えると言うのだが人の憎悪は恐ろしいものだ。サマルはある意味被害者かもしれないが弱者に対して八つ当りするのみたいだ。俺達の前では猫を被っているという事か。スネ夫みたいな奴だな。
また難題が増えて悩む事になるのかよ…



335 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:21:20 ID:FSMUm9aw
くつろいでいるうちに何か口論しているのが聞こえた。気になるのでその場所に行ってみることにした。

荒くれA「お嬢ちゃんいいじゃねぇかよ〜」
リア 「いやぁっ!」
荒くれB「泣いていたから俺達が相談に乗ってやるんだって言うんだよ。」
リア 「や、やめてよ〜」
リアが絡まれている。ナンパじゃないみたいだ。とりあえずおっぱらうか!
タケ 「お前ら何してるんだ?汚ねー○△×おったててよ。」
リア 「も、もょもとさん!」
荒くれA「何だオメーは?やんのかコラ?」
タケ 「大事な仲間なんだ。離してもらうぞ。」
荒くれB「うるせぇ!」
荒くれがパンチを仕掛けてきたが何故かスローに見えた。実戦で養われた勘が反応したのか?ともかく、巧くかわしカウンターパンチを食らわした。荒くれが倒れた後すぐ喉の近くにいつでも剣が刺せる態勢をとった。
タケ 「何事もなく立ち去るのか、このままこの馬鹿が死ぬのとどっちがいいか選べ。」
荒くれA「わ、悪かったよ。謝るから許してくれよ!なっ!?」
タケ 「はぁ?俺は選べって言っているんだよ。会話を成り立たせる事が出来ないマヌケが。」
荒くれA「わ、わかった!これで離してやってくれ!」
タケ 「取引成立だ。行け。」
荒くれB「ひっ、ひぃ〜〜〜〜〜〜!」
中身は100ゴールドか。しけているな。それにしてもこの体は凄い可能性が秘められているぜ。


336 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:21:50 ID:FSMUm9aw
リア「あ、ありがとう…」
タケ「無事で良かったよ。」
リア「もょもとさんはなぜ起きていたの?」
タケ「寝る前に特訓していたのさ。もっと強くなりたいからね。」
リア「そうなんだ…」
タケ「夜遅いから早く戻りな。」
リア「で、でも戻りたくないの。」
タケ「何かあったのか?」
リア「……………………」
タケ「話したくなければ別に構わない。今日は俺の部屋を使って良いからそこで休んどいてくれ。」
リア「い、いいの?」
タケ「気にするな。俺達仲間だろ。それに暗い表情はリアちゃんらしくないぞ!」
リア「ありがとう!」
リアの表情が明るくなった。信じていた者に裏切られたんだからな。無理もない。
リア「もょもとさんはこの後をどうするの?」
タケ「あいつらに金を返して戻るよ。」
リア「うん!先に戻っておくね。おやすみなさい。」
さて、あの荒くれ共を探すか。立ち去った方角に歩いていたら酒場が見つかった。入る事にした。
あの馬鹿共はどこだ…?奥の方にいた。


337 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/10(木) 22:22:27 ID:FSMUm9aw
荒くれ「くそっ!あの野郎ボコボコにしてやるぜ!」
タケ 「ほー。誰をボコボコにするやと?」
荒くれ「ア、アンタいたのか?お、俺達に用は無いはずだろ?」
タケ 「何もせえへんから安心しろや。気は進まへんけどアンタ等から巻き上げた金を返しにきたんや。」
荒くれ「えっ?」
タケ 「人から巻き上げるのは性に合わへんからな。それだけや。」
巻き上げた金を荒くれに返した。
タケ 「じゃあな。」
荒くれ「ま、待ってくれ!このままじゃ悪いからアンタにある情報を話すよ。」
タケ 「なんやと?」
荒くれ「サマルトリアから西に行った所ある湖にか囲まれた洞窟にある盗賊が隠した宝があるんだ。」
タケ 「じゃあアンタ等はそれを俺に教えるんや?」
荒くれ「本来なら俺達が悪いんだからな。俺達もその洞窟に行ったんだがモンスターがうじゃうじゃいて手出しが出来ないんだ。生半可な力じゃ太刀打ちできねぇ。」
タケ 「わかった。とりあえず向かってみるわ。」
これが災い転じて吉と成すってやつか?目的地が決まったし戻るとするか。
宿屋にもどり、自分の部屋に戻ったらリアが寝ていた。可愛い寝顔だ。
タケ「ゴクッ…」
ここで手を出しちゃあさすがに不味い。落ち着け俺。余ったかけ布団で雑魚寝するしか仕方がないな。床に横になって俺も眠った。



338 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/10(木) 22:26:06 ID:q0ySpprh
こいつらよくこれだけ話が思いつくぜ

339 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/10(木) 23:00:19 ID:L5jszrHv
俺だったら外国語が喋れないからそういう世界に行ったら
絶対死ぬと思う。
実際ありえないけど。

340 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/11(金) 18:05:50 ID:fbSGBIOH
保守

341 :物書き ◆BlH5qivf3A :2005/11/11(金) 18:13:18 ID:r4fhGOYf
弓兵は微かに動いたかと思うと、また青い光となって消えた。しかし海斗の心には、生き物を殺してしまったという罪悪感が残る。自分を守る為にしている事の筈なのに。
迷いが命取りなる、この事が、モラルによって消し飛びそうだった。
その時、海斗の体に激痛が走った。血が体を滴る。どうやら右腕と右足に矢が当たったらしい。倒れそうになりながらも、必死に敵を探す。

長い草が多い茂っているため、敵の居場所が特定できない。興奮した自分を少し落ち着かせて考えてみた。
海斗「落ち着け・・・少し考えろ・・・・・。右腕と右足に矢が当たった・・・。刺さった矢は・・・二本だ。」
敵は右に、二体。体にはまだ矢が刺さったままだ。痛い。大の大人が喚くほどの痛みだ。でも、逃げたくない。そんな思いが海斗の傷ついた体を駆け巡る。
敵の姿がチラッと見えた。その方に向かって全速力で走る海斗。
海斗「この野郎―――――――――――!!!!!!!!!!」
逃げる弓兵。でも海斗はそれを逃さなかった。
ブロンズナイフ一本を弓兵の背中に投げ付けた。
「ぎいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!」
奇妙な叫び声をして倒れる弓兵。しかし、まだ他に一体いる!弓兵の背中に刺さったままのブロンズナイフを引き抜き、走り出す。茶色い頭巾が見えた。頭巾に向かって力いっぱい
二本のブロンズナイフを振り下ろす。
「ぎゃあああああああああああ!!!!!!!!!!!」
そんな叫び声を残し、消えていった。

しかし、まだ終わりではなかった。何時の間にか回りに、たくさんの弓兵が自分を取り囲んでいた。背中を刺して倒したはずの弓兵がこっちをみて不敵な笑みを見せている。
そいつが仲間を呼んだらしい。その弓兵は間もなく青い光となって消えた。
海斗「うそだろ・・・?倒せるわけ無いじゃないか・・・・。」
刺さっていた二本の矢を引き抜きつつ、力なく呟く。もうだめだ、そう思った。周りの弓兵が弓を引いた・・・・・・。
その時!!
「べギラマ!!!!」
声が聞こえた。その瞬間、弓兵を包むようにして炎の壁が現れた。マッチをすって出すような炎とは違う、神聖な感じのする炎だった。
気がつけば、周りを取り囲んでいた弓兵達は、一匹も居なかった。見えたのは、空に上っていくたくさんの青い光だけだった。

342 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:21:35 ID:fdfEc5PE
テンぺの村を元気よく出発したが、魔物がハンパなく強いし数も増えた。サラン周辺にいたつちわらしなど四匹に増えていた。その分怪我をすることも多くなり、テンぺの魔物退治用に覚えたホイミが役にたった。良かった。
ブライから教わったヒャドも発動出来るまでに至り、これでホイミ、メラ、ヒャドと呪文三つ覚えたことになる。
この世界にきてまだ二カ月程。これは結構凄いことではないか?
じまぁぁぁん!
とはいえ、数が多い魔物に対して対一匹用の呪文しかないので、そろそろ対グループ用の呪文も欲しい。魔力は何故だかあるし可能であろう。検討してみる。
んで、フレノールの町である。
着いたときは夕日が沈みかけていた。町の中は太陽の代わりに一斉に蝋燭に火が灯り、早々と夜支度を始めていた。入って真っ正面に噴水が小さいながらもあり、通常は皆の憩いの場だろう。その周り。夕餉の支度の時間なのに何やら人だかりが出来ている。
「ちょっと」
クリフトが人だかりに急ぎ足で向かう妙齢の女性に声をかけた。
「いったい何事ですか」
「あら知らないの?宿にお姫様がきているのよ。早く見に行かなくちゃ!」
最後まで言わず彼女は人ごみへと駆け出していった。

343 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:27:59 ID:fdfEc5PE
「お姫様?」
あたしはアリーナを見た。他二人も見つめる。当のアリーナはなんのことかわからずきょとんとしている。
「やっぱそうだよねー。こんな魔物をベキバキ倒しているお姫様なんていないもんねー…ははは」
「ねぇ?こんなんですが一応、一応サントハイム王女ですよ」
「宿にいる姫はきっと聞き分けが良く、可愛げがあり、素直でおてんばじゃない姫じゃないが姫然とした姫じゃろうなぁ。本物と交換したらいいじゃろうなぁ」
「ねぇ、それって私の偽物がいるってことでしょ?面白そう!行ってみましょうよ」
ちゃんと聞いてたかあんた。
今晩の宿はここでとるつもりだから宿の方へ、人ごみの方へと向かう。
「人に酔う〜」
「んが…」
「凄いわぁ」
人だかりの中強行突破しようとする途中、
「お姫様とお近づきになりたい!」
だのなんなの人々が盛んに声を張り上げているが、今もみくちゃに人ごみの中必死にもがいているアリーナがお姫様なんて誰も気づかない。噂が噂を呼び、「お姫様がなんでこんなところに?」
「きっとあれだよ。お忍びの旅ってやつだよ」
などとも耳にした。まぁその通りだけれどもお忍びならこんなに大事にはしないぞ。ツッコミどころ満載であったが口にはしなかった。
アリーナが他人ごとのようにしているのは気になるが。

344 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:31:57 ID:fdfEc5PE
人ごみをどうにか掻き分け宿につき、一泊したいと伝えると、今日はお姫様がいらっしゃるんで…すみませんとのこと。
『なにいぃぃぃ!?』
四人の声がハモる。
ってゆーかここにお姫様いらっしゃいますし!言ってやれ!アリーナ!私がサントハイム王女だと!だから泊めろと!
野宿はイヤだ。
反論しようとした時。
『キャー!』
窓が破られる音、そして若い女の叫び声。多数の足音。
「二階からです!行きましょう!」
素早い身のこなしでクリフトは階段を駆け上がる。任せろ!一段抜かしは得意だ!
「ぜぇぜぇ…待ってよ〜…」
あ〜。年なのかな…。
「女の子が!」
先頭に躍り出たアリーナが叫ぶ。視線の先には仮面を被った上半身マッチョの大男と黒いロープに身を纏った数名。いずれも顔がわからず。
そのマッチョの腕の中に抱えられた水色のドレスと金の冠をかぶったお姫様(偽)気絶しているのか、全身の力が抜けきって両腕と共に綺麗な黄金の髪が下へ流れている。


345 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:36:41 ID:fdfEc5PE
クリフトは床に倒れていた姫の従者と思われる神官に脈とボディチェックを行う。
「おお!どこぞのものか知らぬがメイを…いや、姫様を助けておくれ!」
床に座り込み右脇腹を手で押さえ、老人が薄く眼を開け息荒く話しかける。「喋らないで」あたしとブライが回復にあたる。
アリーナが姫を助けだそうとゆっくりと真っ正面から歩き出す。
「姫を離せ」
「動くな!」
マッチョから大声が発せられる。その声の大きさに四人ともびくりと体をすくませた。
「それ以上近づいたら…」
マッチョの手から研ぎさまれたレイピアが…
「姫の命はねぇぞ…」
気絶した姫の心臓部に当てられた。
アリーナは小さく舌打ちした。
「汚い真似をするのね!」
そんな言葉もやつらには耳に入らず。
「姫を返してほしければ黄金の腕輪を持って来い。じゃないと姫の命はないぜ!」
黒装束たちは二階のドアを勢いよく開け、出て行き、最後にマッチョがこちらを警戒しながら出ていった。
「待ちなさいっ!」
アリーナが駆け出し今し方出ていった戸へ出ると既にマッチョたちの姿はなく。夜の闇に一陣の風が吹いた。


346 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:39:40 ID:fdfEc5PE
「黄金の腕輪、ねぇ…」
あの後。
老人と神官に回復魔法をかけてベットへ横にした。
老人は姫を助けてくれ!と泣きながら懇願するし、かたや神官は冷静に姫を助けたらサントハイムから褒美は思いのまま、と言った。
宿屋の主人は姫がいなくなったことを知るとせっかく姫が泊まってくれたのにと嘆き、いないならと宿をとらせてくれた。
あたしたちがいるのは二階ロビー。姫の従者とあたしたち以外は客はいない。
「聞いたとたん鳥肌がたったわい。なんだか…良くないことが起こりそうな気がするのう」
「黄金の腕輪ってどういうものなの?」
アリーナが尋ねる。
「まんまじゃ。全部金で出来た腕輪じゃ」
「金で出来た腕輪がなんかあるの?」
「それを売ったらいいお金になるとか」「そういうもんじゃないわい」
ブライは横に首を振る。じゃあ一体なんなんだろう。
「今後の身の振り方を考えてみましょう」
クリフトが青白い顔で提案する。もともと顔は白いが先程の神官への回復で疲れきった感がする。
「あの悪党は黄金の腕輪を姫の身代金として請求した。それは私たちへ、です。つまり私たちが黄金の腕輪を探さなければなりません」
「その黄金の腕輪はどこにあるのかわからないの?」
さぁ、とクリフトは小さく呟く。貧血を起こさないか心配である。
「町の皆に聞いてみよう。もしかしたら知っているかもしれない」
今日のところは解散し、また明日聞き込みを開始するということに決まった。
…良かった。野宿じゃなくて。


347 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:42:50 ID:fdfEc5PE
翌日の朝。
あたしとアリーナは町で聞き込みを開始した。
クリフトとブライは疲れきって起きなかった。あたしも寝ていたかったがアリーナが優しくあたしを小突いたのでそれから目が覚めてしまった。
良かった。まだ死んでいない。
片っ端から聞き込みをしたところ、有力な情報がいくつか。
1,黄金の腕輪はこの町の宝。
2,黄金の腕輪はフレノールより南にある洞窟に眠っている。
そして一週間以内に黄金の腕輪を宿の裏手に持ってこないと姫の命はない。
………。
急がなければなるまい。
アリーナはクリフトとブライを叩き起こした。
「何でも我が姫ならともかく偽姫の為に儂らが危険な羽目にならんといけんのだ」
ブライがクロスボウの点検を行う。
「そういうこと言わないの。一人の命がかかってるんだから」
アリーナは鎖帷子の着心地を確かめる。
「なかなかこれ重いな」
クリフトは鉄の槍をあたしに持たせ、青銅の鎧を着る。頭にはいつもの神官帽子ではなく木の帽子が乗っている。
重いので鉄の槍を下に下ろし鎖帷子の調子を確かめるあたし。
それぞれこの町で購入した武器防具の装備を確かめる。



348 : ◆36yZlE15gs :2005/11/11(金) 20:44:42 ID:fdfEc5PE
フレノール南の洞窟はフレノール町民の物置兼宝物庫として利用していたがいつしか魔物が住み込み、それ以来町民は近づかなくなったという。宝、黄金の腕輪は幾度となく盗賊やトレジャーハンターが押しかけ、そして誰一人として帰らなかった…と噂。
例え噂だとしても洞窟に入り込むなら装備、見回り品、食料等しっかり用意していたほうが良いに決まっている。
あと一週間。
最後に教会に立ち寄り、加護を受け、フレノール南の洞窟に向け四人は歩き出した。

349 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/11(金) 23:43:19 ID:JlVKuJuD
盛り上がってまいりました。

350 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/12(土) 13:48:58 ID:JTvLPalJ
なぁ、やっと気づいたんだけどレッドマン氏の「サマルとリア」って事に・・・orz

351 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/12(土) 19:53:38 ID:w0OTlbZX
>>341やっちゃった!ごめんなさい!!
未成年の旅―[ ってなるはずだったんですけど・・・。
物書き になってますね。本当にすいません!!
書く途中で眠くなってぼーっとしてて・・・。学生は辛いです・・・。

352 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/12(土) 20:39:20 ID:tgN2FtoF
>>350
「リア」って名前はそこから来てるんじゃないのか?

353 :未成年の旅―\ ◆BlH5qivf3A :2005/11/12(土) 21:18:34 ID:1UL56J94
海斗「・・・あのとき、さ。炎がこう・・・ばっ!!と出ただろ?あれ、どうやって出すんだ?」
隣を歩く鎧姿の青年にたずねた。
青年「・・・ああ、べギラマのこと?まずギラができないといけないんだ。」
海斗「ぎ、ギラ?いや、おれは手から炎は出ないから。普通の人間なんだから。」
青年「呪文はある程度なら魔法使いでなくともできるよ。メラなら楽に習得できるし。・・・教えてあげようか?」
海斗「いや、だから・・・。手から炎が出た事は一度も無いんだって。メラ!!なんて叫んだって・・・。・・・・ん?・・・え・・・?」

まさに奇妙な光景だった。自分の胸の前にかざした手から、小さい火の玉が飛び出し、目の前にあった木を焦がしたのだ。
青年「できるじゃないか!!きっとギラもできるよ!!素質があるみたいだね!!!」
自分の肩をたたく青年。あっけにとられている海斗。
―――この世界では魔法が普通に存在している。この何の変哲も無い青年も、魔法を頼りにして生きている。
この青年の名は、サーベルト・アルバート。リーザス村の名家で、昔、悪を倒すために活躍した伝説の魔法剣士の血を引いていると、本人は語った。
つい先ほど、弓兵に囲まれている海斗を「べギラマ」という魔法で退治したのも、この青年だ。

サーベルト「僕には妹がいるんだ。その妹も魔法が得意でね。でも僕に魔法を見せるために張り切りすぎて、家の屋根を焦がしてしまったことが有るんだよ。」
笑いながらサーベルトは話す。その笑顔を見て海斗は妹と仲が良いんだろうな、と思った。
楽しく会話をしながら歩いていると、妙に下の長い猫が飛び出してきた。二、三匹引き連れている。
サーベルト「しましまキャットだ。んじゃあ、あれで魔法の特訓でもするか。都合のいいことに海岸沿いだし。カイト、呪文で倒してみ。」
海斗「ん、あっ?何いってんだよ!無理だって!!さっきは偶然・・・」
サーベルト「いいから、いいから!!もしもの時は僕が助けてあげるよ。ほら、がんばって!!」
しぶしぶ、やってみることにした。しましまキャット、という名の大きい猫はこちらを威嚇している。


354 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/13(日) 01:54:46 ID:xZzWFc9j
海斗って正直キモいな

355 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/13(日) 02:32:23 ID:TdCcp0sl
エイコタソ…(´・ω・`)

356 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/13(日) 03:09:38 ID:LxBkuKqU
「海斗」の二文字を乱用してなかったら見やすいというかなんというか
って奴はおれだけか


357 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/13(日) 19:56:08 ID:gfDmKEJW
2005年、11月13日午後7時間45分トンネルを俺は走って逃げていた、誰かはわからない、がそいつは俺を追い回していた、
必死で逃げていたが俺は足が遅くすぐに捕まってしまう、かすかな明かりからそいつの持っている物がナイフだとわかる、どうやら通り魔のようだ、
 
 どうして俺はこうなんだろう、小・中学校の時からいじめられていた、高校・大学に入っても常にいやがらせを受けていた、理由はわからない、そして会社に行ってもそれは変わらなかった。そして今回の事件、

俺の人生は何だったんだろう・・・ナイフが俺に向かって振り下ろされる・・・・

気がつけば俺はどこかの神殿のようなところに倒れていた、何があったんだ、ここはどこなんだ?その時目の前から謎の男が姿を現した。
「我が名は大魔王ゾーマ若者よ、人間が憎いのだろう?我が軍に協力せぬか?」

358 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/13(日) 20:06:38 ID:gfDmKEJW
投票してみました、とりあえず打ち切りにはしないように続けていくつもりデスので、よろしくお願いします。

359 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/13(日) 20:22:11 ID:ZvYnQtAw
最近の職人さんも頑張ってておもしろいんだけど俺には合わないんだよな…
総長みたいなやる気ない感じの主人公の話誰か書いてくれー

360 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/13(日) 20:54:58 ID:gfDmKEJW
「協力?なぜ俺に求めるんだ?」
目の前の男に尋ねる、よく見ると人というよりモンスターに近い
「恥ずかしい話だが人手不足なのだ、モンスター共は腐るほどいるのだが、肝心な協力な力を持っており皆をまとめる力を持つ物が少ないのだ」
「残念だけど俺にはそんな力はない」
そう、そんな力が俺にあるはずがない。
「いや、おぬしからは巨大な力を感じる、2代目の魔人王になれるだけの力を」
「魔人王?」
「そうだ、戦闘員としてきわめて優秀な魔人の中の王、魔人王になれるだけの素質を持っておる」
「どうすればなれる?」
「簡単なことだ3年間ここで特別な修行をすればいい、そうすれば人間共を遙かに超える力を手に入れることができる、うんざりしているのだろう?奴らの傲慢に」
そうだ、この世界の人たちも俺の世界の人たちも、みんな同じだ平気で人を殺すし、口だけでどいつも他人のことなんて考えていない、そんな奴ら・・・滅 ん で し ま え ば い い
「今すぐでなくていい、厳しい修行ばかりだ、もう少し考えてからでも・・・」
「いや、もう答えは出た、ならしてもらうぞ、魔人王とやらに!」



361 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/13(日) 21:09:41 ID:gfDmKEJW
続き
「こいつ、目つきが変わった!」
「修行の前に確認として聞くぞ、お前がしようとしているのは何だ?」
「我々がしようとしているのは、地下世界と上世界の征服だ。」
「それはなぜだ?」
「それはまだ教えられん、いまはな・・・」
「そうか、ならい良いんだ、」
こいつが、ゾーマがなにをしようと関係ない、今はただ力がほしい・・・
「さて、早速修行とやらをさせてもらうぞ!」
「もう始めるのか?良いだろう、付いてこい(こいつのこの性格、うまく利用できるかもしれんな・・・フッフッフッ)

よし、やってやる!腐った人間共を裁くために!


362 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/13(日) 22:16:34 ID:gfDmKEJW
あれから3年近く経つ。
俺は魔人王となるためにゾーマの元へと向かった。
「おぬしか、ずいぶんと強くなったようだな・・・・」
「俺は十分強くなったはずだ、魔人王にはまだなれないのか!」
「おぬしは確かに強くなった、しかし魔人王になるにはまだしなければならないことがある」
「それは?」俺が訪ねるすると、
「それは・・・一代目の魔人王に勝つことだ、いっておくが奴に勝てた者は一人もおらん、いや誰も挑戦使用としなかったんだがな」
「いいだろうやってやる!おれはこのままでは終われないんでね」

あれから仲間たちもできた。
魔人スピア・・俺より少し年下の魔人だ、かなりの腕前で男勝りなところがある女だ。
魔人ウルフ・・俺と同じようにスカウトされたらしい、のんびりしてる男だ。
バラモス・・・俺に修行をした男だそれなりに強いらしいが、何となく早死にしそうだ。

俺は3年近くの間修行をしていた、修行といっても滝に打たれたりするのではなく、ほかの魔人たちと剣の稽古をしたり、
バラモスに魔法の使い方を教わったりするものだったが、それははじめだけで2ヶ月もすれば、
上級の魔物達との戦闘や大量の魔物達相手にたったの5人で戦うというのもあった、しかしそのおかげで今はかなりの力を身につけた、そして次の戦闘に勝てば、魔人王となれる
一代目の魔人王に勝てば・・・そして一代目のいる戦闘場への扉を静かに開けた・・・

363 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/14(月) 02:06:02 ID:IIrPjjHPO
イイヨイイヨー

364 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/14(月) 18:22:14 ID:dcHkU++B0
扉を開けた俺の目の前には、黒い服装で白いマントを身につけている男が立っていた、
「あんたが魔人王?」
「そうだけれど、君が噂の戦士かあえて恒例ですよ、何だって3年で上級モンスターに勝てるらしいですからね」
なんなんだこいつ、本当に魔人王か?
「自慢じゃないが、この間トロールを倒した!」
「なるほどそれは楽しみですね、フッフッフッ」
「てっきり化け物みたいな奴だと思ってたが至って普通だな」
おれは男がとても最強と呼ばれる魔人王に見えなかったため、ついそう言ってしまう。
「君と同じ元人間ですが何か?」
「それは失礼、ところであんた何年になる?」
「魔人王になってからなら、30年近く経ちますね、魔人になると全盛期以降老化しなくなるんですよ、知ってましたか」
ゼッゼンゼンシラナカッタ、ちっバラモスの奴!
「さて、そろそろ覚悟はできたようですね、いっておきますがどちらかが死ぬまででられませんからね、フッフッフッ」
こいつ、口調が変わりやがった戦闘モードか・・・
「いわれなくてもわかっている!行くぞ、くたばりやがれぇ!」
俺は剣を抜き全力の力で奴に斬りかかる。

365 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/14(月) 21:01:18 ID:KY9+vjda0
次の日の朝、タンスを漁ると小さなメダルがあった。最初の村の墓で拾ったのと同じだ。何だろうこれは。
ついでに本棚を調べてみる。「呪文書」と書かれた本があった。宗教の類は信じないが、シャレで貰っていく。

船が来るまで腐った死体パン(1G)を頬張りながらその辺で座って待つ。
それにしてもこのパンまずい。金持ってるんだからケチらなければ良かった。デフォルトでこの不味さなのに、賞味期限が切れたらどんな味になるんだろうか。
しかもエテポンゲに異様に似ている。というかエテポンゲそのものだ。
食ってる内に吐き気がしてきたので残りはエテポンゲにあげた。美味い美味いと言いながら自分を食っている。
昨日は女がエテポンゲにビビリながら宿に戻った後、主人からモンスター図鑑を貰った。こんな分厚い本いらない。金をよこせ。
モンスター図鑑には今まで出会った魔物が記載されている。爆弾岩、ミミック、お化けキャンドル…結構な数と出会っている。因みにこの虎は「キラーパンサー」と言うらしい。
そう言えば宿屋の女に虎にボロンゴという名前をつけてもらった。と言うか勝手につけられた。
トンヌラとか、サトチーとかつけようと思った俺より遥かにネーミングセンスがあると思ったので却下しなかった。



潮風が気持ちいい。雲一つない空で、絶好の船旅日和だ。俺は車や船で酔わないので、気分が良かった。
…俺の両サイドで、海にゲロを撒き散らしている奴らがいなければ。
ええい、邪魔だ!雰囲気ぶち壊しじゃないか!よりによって俺の両サイドで吐きやがって。恨みでもあるのか!
背中に正拳突きをぶちかましてやりたかったが、武骨な戦士二人なので返り討ちに遭いそうだ。
山彦の如く断続的に、おえーおえーと聞こえてくる。いかん。このままでは異臭騒ぎになる。船室に戻ろう。

暇なのでさっき手にいれた呪文書読む事にする。俺は袋から本を取り出し、本を開いた。
…何やら難しい事が書いてあるが、要約すると呪文とは、自分の魔力を消費して治療を施したり、炎や氷を出して敵を傷つけたりする能力、らしい。
どうも胡散臭いが、それっぽいものなら見た事がある、山にいたロウソクの火の玉や、山のおっさんの竜巻。あれが呪文だろうか。
更に読み進めると、呪文習得法というページがあった。


366 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/14(月) 21:01:59 ID:KY9+vjda0
『ほとんどの人間は呪文を操る事ができる。呪文を操る事ができない人間は、代わりに抜群に身体能力が高い。
呪文を使うには、ホイミ(治療呪文)を使おうと思えば、傷ついた自分が暖かい光に包まれ、体中の傷が癒える。これをイメージする。
イメージをしたら、手に魔力を集中させ、対象に掌を向け「ホイミ」と叫ぶ。イメージが完璧なら成功する。
まあ本なんて読んでるお前には一生無理だけどな。斧でも振ってろバカマッチョ』

…真剣に読んだのに、何て奴だ。この場にいたら殴る所だった。
とりあえずホイミを使ってみる。俺にできない事などない。
隣に座っているじいさんが手に包帯を巻いていたので、じいさんの手に掌を向けて、ホイミ!と叫んだ。
数秒の沈黙の後、客のクスクスという笑い声が聞こえてくる。じいさんは痛い人を見るような目でこちらを見ている。
俺に魔力がないのか、じいさんの包帯は装飾品なのか、理由はわからないが完全に恥を晒してしまった。



港に着く。船を降りても客達にこちらをちらちらと見られていた。
近くにいた戦士に、一番近くの町はどこか聞こうとしたが、避けられてしまった。完全にキ○ガイ扱いだ。
仕方ないので、東に一直線に進む事にする。



港を離れてすぐに、敵と遭遇した。緑のスライムに騎士が乗っている魔物が二匹。何十本も足がある浮遊スライムが一匹。
スライムナイトとホイミスライム。何故かその二つの単語が脳に響き渡った。まさかモンスター図鑑の効果だろうか。
さすがに三対一はきついので、ボロンゴにも手伝ってもらう。エテポンゲは俺を盾にしている。使えん奴だ。
俺とスライムナイト、ボロンゴとスライムナイト、ホイミスライムが対峙する。
二対一はきついだろうが、それでもボロンゴなら…ボロンゴならきっと何とかしてくれる!
俺は銅の剣を構え、スライムナイトとの距離を縮める。スライムナイトがブツブツ言っている。早くも死を覚悟したのだろうか。
…しまった、呪文だ!
「イオ!!」

367 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/14(月) 21:03:35 ID:KY9+vjda0
その声と共に俺を中心に周囲が激しく爆発する。痛い。熱い。炎を覆った鈍器で殴られてるようだ。
幸い、死にはしなかった。が、相当のダメージだ。体中痛い。
俺は薬草を取り出してかじり、立ち上がる。さて、どうするか…。
またブツブツ言っている。ヤバイ。殺される。助けてくれボロンゴ。俺には無理だ。
ボロンゴを見ると、かなり苦戦している様だった。ボロンゴで苦戦してるのに俺が倒せる筈がない。
俺はヤケクソでエテポンゲを担ぎ、スライムナイトに投げつけた。が、避けられる。エテポンゲが何か喚いている。役立たずが黙れ。
仕方ない。必殺技を使うか。
俺式ファイナr…最終奥義!はやぶさ斬り!
スライムナイトが呪文を唱える前に、素早く斬りつける。
効いているようだ。ナイトがスライムに押し潰されて悶えている。なんか可愛い、と思った。
はやぶさ斬りというのは盗賊の頭の時に使った技だ。「速くなれ」と強い思いを込めれば使えるようだ。
次の瞬間スライムナイトの体が淡い光に包まれ、傷が回復した。
どうやらホイミスライムがホイミを使ったらしい。厄介な奴だ。
スライムナイトがぶち切れて俺に斬りかかる。俺も剣で対抗する。
が、スライムナイトの剣の性能が良かったのか、俺が弱いのか、銅の剣を弾かれ腹を斬られてしまった。
俺の腹から血が飛沫をあげて飛び散る。俺はその場に倒れこんでしまった。
さて、いよいよ危険が迫ってきた。このままTHE ENDか。
スライムナイトの剣が次々に俺の体を傷つける。何だか気持ち良くなってきた。
これで終わる訳にはいかない訳だが、ホイミスライムを倒さない限りどうしようもない。ボロンゴはホイミスライムを集中攻撃しているが、すぐに回復されてしまう。
このままではダメだ…呪文が…呪文が使えれば…!!
「ホイミ!!」





ブシュッ

368 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/14(月) 21:04:13 ID:KY9+vjda0





何時間経ったのだろうか。気がつくと平原に寝転がっていた。
どうやら助かったようだ。ボロンゴが始末したのだろうか。
「俺がマッスルダンスで一瞬で片付けた。最強だからな。」
声をあげたのはエテポンゲだった。嘘つけ。俺に一撃でやられたエテポンゲがあんな奴らを片付けられる訳がない。
それにマッスルダンスってどんな技だ。気持ち悪い。名前変えろよ。
まあ経過はどうあれ助かった。



夕方、高さ20m以上はある巨大な城に辿り着いた。
城下町の人の数が凄い。俺が大声を出してもかき消されるかもしれないぐらい人で賑わっている。
兵士の話によると、王様は大らかな人で、一般人でも自由に城の中に入れるようだ。
盗賊とかが入ったらどうするんだろうか。軽率なんじゃないのか?
まあ城の中に興味がない訳ではなかったので、入ってみることにする。

「よくぞ来た!どうだ私の体は!?美しいだろう!?」
王座の間に足を踏み入れた瞬間、フンドシとマントの変態王が俺に筋肉を見せつけてきた。
どうしよう。この状況を打開するにはどうしたらいい?ボロンゴは何も答えてくれない…。
「ハア?今の自分の姿、鏡で見てみろよ変態野郎。」
言ってしまった。このバカゾンビが。処刑される前にこいつだけは俺が処刑してやる。
「…フ。勇気ある発言だな。」
王が不気味に笑う。俺の死が確実に迫ってきた。
が、王が次に発した言葉は、予想だにしない言葉だった。

369 : ◆qdB5QYIaRc :2005/11/14(月) 21:04:44 ID:KY9+vjda0
「そう言ってくれる者を待っていた。その勇気を見込んで頼みがある。」
どうやら公開処刑はされないらしい。助かった。公開かどうかは分からないが。
「実はこの城の地下で虫の魔物がすみついてしまったんだ。そいつらを始末してくれないか?」
虫…。
俺は虫はダメなんだ。特にゴキブリ。小学生の時、生足でゴキブリを踏んでしまった事を思い出しただけで死にたくなる。
虫は嫌だし面倒なので丁重に断ろうとした。が、
「いいぜ。ただし報酬はたっぷりよこせよ。」
く…このバカゾンビが…。王に向かってなんて発言をするんだ。殺されてしまえ。
3000Gに釣られるんじゃなかった。あの時点で俺は負け組だったんだ。
「おお、ありがとう!では頼んだぞ」



地下の虫を始末するのは明日にするとして、この辺の敵の強さは半端じゃないので武器屋に行った。
「やあ、いらっしゃい。」
緑の服の普通の主人だった。良かった。どこかの村の武器屋みたいな奴だったら確実に逃げていた。逃げる準備も万端だった。
とりあえずエテポンゲの装飾品を全て売る。そしてこれからはエテポンゲを先頭にして戦う。なんたって最強らしいからな。
エテポンゲが喚いている。知らん。金になる物は全て売る。
現在の所持金は4000少々。結構強い装備が買えそうだ。
一番強い武器は鋼の剣だった。重さも確かめずに即断で買った。強さはどうでもいい。かっこいい。
他にも鱗の鎧に、ボロンゴ用に鉄の牙、皮の腰巻きを買った。当然エテポンゲには何も買わない。なんたってさいk

その夜、俺はゴキブリが100匹入っている箱とナメクジ100匹の箱、どちらに入るか王に選択を迫られる夢を見た。

Lv7
HP44
MP0
武器:鋼の剣 鎧:鱗の鎧 兜:木の帽子
特技:はやぶさ斬り

370 : ◆36yZlE15gs :2005/11/14(月) 22:15:04 ID:V6orwlE10
フレノールからは整備していない細い街道があり、その道に沿って南下してゆく。
日差しは容赦なく照りつける。
空を見上げればどこまでも高く、青い。
夏の匂いが風に混じり、熱く火照った身体に清涼感を与えてくれる。
日差しをたっぷり吸い込み青々と輝く草原からやがて鬱蒼とした森へと景色はうつろう。
日はゆっくりと傾き、暗い森は闇色に溶け込む。
森の木々とほぼ同化していた洞窟を発見したのは日が完全に落ちてからだった。
先は急ぐが戦闘で消耗し、歩き疲れもあるため野宿することにした。
嫌なんだけどね…。
近くに水の音が聞こえる。水場に向けて木をかき分け歩みを進める。
洞窟の近くにちょっとした沢と開かれた草原の広場があった。広場の中心には火を使った後がある。さっそく準備。
ブライは聖水を取り出し広場周辺に振りかけた。魔物が近づかなくなるそうだ。言うなれば結界形成。
近場から手頃な木を拾い集めメラで火をおこす。
食料はフレノールで仕入れた携帯用のパンとバターと干し肉とミルク。
疲れているのか黙々と食べ、寝袋を取り出しクリフトとブライは早々と眠りに着いた。
周りには男たちの寝息と薪がはぜる音、遠くから聞こえる動物の声。
「…眠れないの?」あとは寝るだけ、といった出で立ちのアリーナは私に問う。
「眠れないというか、ん〜そうだね」
煙草をくゆらせながら答える。
「アリーナは?」
「ん〜疲れ過ぎて眠れないのかも」
にこっと微笑む。そして安らぎを称えたままの顔で話す。
「アミ…」
「ん?」
「ずっと一緒にいたけどさ、いつもクリフトやブライがいてさ、二人きりになるのってほぼ初めてに近いんじゃない?」「そうだね」


371 : ◆36yZlE15gs :2005/11/14(月) 22:20:39 ID:V6orwlE10
「アミはさ、いままで聞けなかったけど、私とサランの町で出会ってそれからずっと旅をしているわけだけど、何で旅をしようと思ったの?」
ぎくっ。
いやまぁドラクエの世界だしそれなら冒険したいと思ったしそれなら知っている人、アリーナたちと冒険をしたいと思ったわけで。
それ以前に目が覚めたらそこはドラクエ世界の宿だったわけで。
異世界からきましたなんてとても言えなくて。
「サランの町に住んでいたけどそこで一生を終えるよりは、世界を見てみたくてね…。アリーナを見た時この人はきっと冒険者だろうから付いていこうと思ったの」
「ふふっ、ダメもと?」
「そう、ダメもとで聞いてみた」
「そしたら私がいいよと言った。言わなかったらそのまま?」
「そのままだね。一人で旅立つ勇気はないから。反対にさ、アリーナはこんなズブの素人を一緒に連れてゆこうと思ったの?」
「ん…夢をみたの」
「夢?」
「サントハイムの王族って夢で未来予知が出来るのね。私はまだお父様程ではないけれど。その夢の中では旅に出たとき、女性が一人いたから」
そんな理由だったのか。
「私は…一人で旅に出ようと思ったんだけど」
アリーナの視線は男たちの方へ。
「彼らが付いてきちゃってね。自由きままな旅になると思ったんだけどなー」
ため息一つ。
「それも夢のうちでしょ?」
「そうなのよ、いやんなっちゃう」
にこりと笑った。


372 : ◆36yZlE15gs :2005/11/14(月) 22:24:01 ID:V6orwlE10
「…外を見たかったの」
「え?」
「ずっと城の中に閉じこもって作法裁縫踊り、諸々の勉強。たまに外へ出たと思ったら沢山の城の人を連れて籠に揺られてサランへ。もう自由がなくて。16年間ずっとそう」
焚き火がパチンとはぜた。
「城の一番高い塔からいつも眺めてたの。広い大地、青空、白い雲、海原。城ではない場所でいつかそれらを私のものにしたくって」
籠城に閉じこめられた哀れな(おてんばな)姫は自由を求め旅へ出た。ということか。
「今、幸せ?」
「うんとても」
焚き火に照らされアリーナは破顔した。
「フレノールの件で、お姫様を見たくて沢山の人が集まっていたじゃない?彼女はお姫様じゃないけど、お姫様ってことで人びとから祝福されるんだね」
「一国のドンがこんな町にようこそ!っていう歓迎もあると思うけど」
「うん、それもきっとあると思う。だけどね…そのお姫様、な私にはお姫様は何がいいんだろうって。いいもんじゃない。むしろ町の人のほうが余程羨ましいよ。ほら、旅へ出たいと言ってもそんなに反対されないだろうしね」
体育座りのアリーナは空を見上げた。
「お姫様なんてなりたくなかった」
「………」


373 : ◆36yZlE15gs :2005/11/14(月) 22:31:16 ID:V6orwlE10
「アミは、お姫様になりたい?」
「お姫様を目の前にして言うのもなんだけど…いやだ」
「そう」
あたし個人としては…ね。絢爛豪華な生活と引き変えにアリーナが言ったような自由がないのはちょっと。あたしはいつだって気持ちの上ではフリーアンドイージーでいたい。
生まれながら人が引いたレールに素直に歩める人なら、煌びやかな、人から羨ましがられる王族になれるかもしれない。
ただアリーナは、誰かが引いたレールにははみ出てしまうのかもしれない。
「アリーナ…。王族として生まれたことを後悔しちゃ嫌だよ。自分の生まれは自分で決められないから。ただこれからの人生は絶対後悔しちゃならない。あなたは王族の前に一人の人間なんだから」
「そうなの。後悔したくないから、こうして旅に出たの」
「それなら文句は言わない。これでもかっ、もういいってところまでやり遂げなさい」
「アミは大人だね」
「あなたより9歳年上ですが何か?あっ、計算しないでね」何を今更…。
「なんだか言ったらスッキリしたわ。ありがと。もう寝ない?眠くなってきちゃった」
「どうぞお先に。おやすみ」
アリーナは寝袋にくるまるとすぐさま寝息をたてた。あたしは煙草を取り出し、指先から小さな炎を出し煙草に火をつけた。
信念を持ち、自分のなりたいことを心ゆくまでやり抜け。そしたら城から見ていた空と大地と海はきっとあなたのもの。

374 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 01:05:13 ID:SfZMldCL0
>>◆qdB5QYIaRc
>>◆36yZlE15gs
文章レベル高いな…
伝説の4の人クラスじゃないかと。
てか、2人とも名前名乗ってホスィ
専ブラじゃない人は読みにくいんジャマイカ

375 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/15(火) 01:28:25 ID:d77YoMSx0
374
ありがとう。励みになります。あと名前つけてみました。
あと最後の文で間違えました。
×なりたい
○やりたい
です。orz

376 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 14:37:48 ID:COXbw3Si0
魔神戦争とかいう奴、他でやれよ。

377 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 15:45:31 ID:TNVNVtHWO
こらこらぁ〜
そういうこと言うとまた職人さんがいなくなっちゃうんだからぁ〜
無意味な煽りしかできないなら、あんたが余所行きなさいよぉ〜

378 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 18:39:48 ID:2x/dsVak0
376じゃないんだけど話に出たついでだからちょっと。
魔神戦争の人のって開始場所が宿屋じゃないんだよね。
「目が覚めたらDQ世界の宿屋」ってのはこのスレの唯一のルールみたいなものなんだから
何か理由があるんじゃないんなら宿屋からスタートして欲しかったな。

379 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/15(火) 19:34:57 ID:AYjbZoGF0
普通の宿屋からのスタートだと、どうやって魔王サイドに移るかが妄想しにくかったんで、
もし別作品書くことがあったらちゃんと宿屋からのスタートにするんで・・・

380 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 19:53:15 ID:axao8nvA0
ダンジョン内の宿屋でもなんでもよかったんじゃね?

宿屋で目が覚めた結果魔王サイドにつく展開の話なら何も言われないのに
魔王サイドにつかせたいがために最初から宿屋を無視してたら本末転倒だぞ

381 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/15(火) 19:58:58 ID:AYjbZoGF0
続き
ガキィィン!
剣と剣のぶつかり合う音があたりに響く
俺はすぐに後ろに下がりイオラの呪文を唱える
「ほう!、なかなか」
そう言い一代目はイオラを避けると剣を振りかざし、衝撃斬をとばしてくる!
「ちぃ!」
俺は剣で何とか受け止める、が、すぐに今度は謎の黒い稲妻が飛んでくる!
それを避けきれずに直撃を食らう。
「今のはエビルデインといって魔人王のみが使うことのできる技だ」
エビルデイン・・バラモスの奴がぶつぶつと言っていたが、これほどだったとは!
「くっくっくっ、魔人王!ますますなりたくなってきたぜ}
「ほう、まだそんなことがいえるとはね、・・・・・生意気なガキだぁぁぁぁ!!!!」
奴の攻撃は今度も避けられずに腹を切り裂かれる
「くそ!」
そう言い剣を振り下ろすものの簡単にはじき返される、剣がはじきとばされる。
次の瞬間奴の蹴りで吹っ飛ばされる
「もう終わりか?所詮その程度、まあいいトドメをさしてやろう」
そう言い俺の胸ぐらを掴む、その時俺に最後の確率1パーセントの賭けが頭に浮かんだ

もうこれしかない、これで最後だ!

382 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 20:21:48 ID:fX/GL2P3O
別に民家とか小屋でもいいんだけどね。

あと、しばらくの間投下せずにROMってる職人さんがいたら挙手して。

383 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/15(火) 20:28:27 ID:AYjbZoGF0
「イオラ!」
イオラの呪文を一代目の顔面に向かって放つ、が首をひねっただけで軽くかわされる
「悪あがきを、最後の技がこの程度とはわな、死ね!」
俺は勝利を確信したなぜなら
「死ね」
俺がそう言った直後ガレキと共に剣先を下に落下してきた魔界の剣が一代目の心臓の部分を突き刺す
「あっあぁ、なっなぜだ、なぜ!」
「今のイオラ本当にあんたに向かって打ったと思うか?」
奴は声も出せずにただ聞いている
「あんたが剣をはじき飛ばしたとき、その剣がここからちょうど85度のところに突き刺さっていた。」
少し間をおき、再び語る
「そいつをイオラの爆風で飛ばし、うまい具合に速度を増させ突き刺す、といったところだ」
「そうは言ってもこんな馬鹿みたいな作戦であんたを倒せるとは思ってはいなかった、別の作戦であんたを倒すつもりだったが、どうやらうまくいったようだな」
そう言った後瀕死の状態の一代目に奴の落とした剣を拾い奴の頭部を
「確かこの部屋に入った以上どちらかが死ななければいけないんだったな」
そう言った後瀕死の状態の一代目に奴の落とした剣を拾い奴の頭部を
「死ね」
切り裂いた

384 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/15(火) 20:31:24 ID:AYjbZoGF0
一応目覚めたのは、神殿ということにしていますがそれじゃあだめかOTZ

385 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/15(火) 21:49:36 ID:AYjbZoGF0
頭を切り裂かれた一代目は静かに倒れ込む、身動き一つしない
「勝った、俺があいつに!」
うれしさで体が震える、ついに魔人王になれるんだ!
その時どこからかゾーマとバラモス、オロチが現れた
「さあ!一代目に勝ったぞ!これで・・・」
ゾーマが口を開く
「まさか本当に倒してしまうとは・・・」
間を入れた後静かに口を開く
「良いだろう、早速なってもらおうか」
そう言うと、一代目の体から黒い血が出でき、ゾーマへと吸収される
「はっ!!」
そう叫ぶと、今度はゾーマから黒い血が放出され、俺の肌から体内へと入り込む
体の何かが変化させられている、言いようのない痛みが俺を包む
黒い血の進入が終わるのと同時に体の痛みも消えていた、それだけではなく体中力に満ちあふれている!
「クックックッはーっはっはっはっ!」
俺はあまりのパワーに喜びを感じていた
バラモスが口を開く
「さっきまでとはまるで別人のような力を、魔力を感じる!」
オロチも声を上げる
「わっ私にもわかりますぞ、この力!私ではもう手におえません」
最後にゾーマが
「フっフッフッこれでわが軍の勝利も近い」
「はーっ!はっはっはっ!」
俺はこの時、初めて自分はいったいどうやってこの神殿で倒れていたのだろうか?と思ったが
今はそんなことどうでもいい、念願の魔人王に成れたのだから!

五日後、上下世界進行作戦に俺は、上世界進行魔人軍団の総司令官として任命され、俺は魔人軍団を率いり上世界に
戦線を布告するのだった。

386 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/15(火) 23:16:02 ID:4m3b7Up/O
なんかスゲェ壮大なストリだな

387 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/16(水) 06:57:53 ID:jW7EOWZ0O
誤字がなければもっといい
1回メモ帳に書いてからアップしてみて

388 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/16(水) 14:18:11 ID:Js4YRFSL0
なんかあんた編集者みたいだなw

389 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/16(水) 17:05:47 ID:7AGx9xFV0
奇喪汚太くんが目を覚ましたら、そこは宿屋だった。
「うわー。まるでドラクエの世界のようだブヒー」
それなりに頭は働くキモオタくん。大切な事に気が付いた。
「あっ、俺お金が円しかないブヒ。どうやって宿泊料支払うブヒ?」
うーん。何となく窓の外を見ながら腕組みして考える。
「あぅ、ょぅι゛ょにゅ。かわいいブヒー」
宿泊料のことは忘れた。やっぱりオタだった。
「かわいいなー。かわいいなー」
(何?あの人こっち見てる。気持ち悪ッ)
幼女は走って逃げてしまった。
(ああ、行ってしまった。そうだこのまま窓から逃げるブヒ)

390 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/16(水) 18:55:23 ID:W3PITX8e0
ちょwwwww

391 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/17(木) 15:41:52 ID:CLGX7HECO
保守

392 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/17(木) 16:30:07 ID:+ONqMDuq0
上世界侵攻作戦がついに始まった、まずは本拠地を手に入れることとなった
「魔人王様、本拠地にはネクロゴンドにある城が最も最適かと・・・」
部下の魔人が提案する
「ふむ、確かにそこなら他の国とも孤立していて良いな」
「しかし、その城には人が住んでいてそれなりに数も多いとのことで・・・」
俺は少し考えて敵の戦力のことを聞くことにした
「スライム達によると、百人近く戦士が住んでいるようです」
「ふん、たったそれだけの数だ迷うことはない!戦力を整え次第攻撃を開始する!」
そして一時間後、俺たちはネクロゴンドの洞窟の先にある城と小さな町に攻撃を開始した

393 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/17(木) 16:42:11 ID:+ONqMDuq0
まずは俺の新技エビルデインで町に攻撃する、が特に慌ただしい様子はない
「?どうなっておるんだ?」
俺がそうぼやいた直後に、小さな火の玉が俺に飛んでくる!
俺はそれを軽くはじき飛ばした後、飛んできた方向を見ると、そこには百人近くの戦士がいた!
「どういうことだ?」
「危ないところだったぜ、もしこいつを発見して口を割らせなかったらな・・・」
そう言うと戦士の一人が死にかけのスライムを投げ渡してきた
「そう言うことか・・・俺もうかつだったぜ、まさか探索に向かわせた三十匹ほどのスライムが一匹いなかったのに気付かなかったとは・・・」
そう言い終わるとスライムにベホイミの呪文をかけ後ろに下がらせる
「だが、たとえ貴様らが戦力を整えたところで、魔人軍団に勝つことはできん!」
その直後敵軍と自軍が突進し、激闘が始まった

394 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/17(木) 17:09:13 ID:+ONqMDuq0
イオラ」
俺のイオラが敵軍の中央に炸裂する、
が敵の猛攻により下級のモンスター達はやられてしまう
「ワァァァァァァ!」
俺に後ろから斬りかかってきた!
「雑魚が!」
俺は簡単にかわしカウンターで斬り殺す
敵は群れを持って動いている、単体で特攻すればすぐにやられてしまう
俺は下級モンスターと上級モンスターに群れを作るように指示し、
俺は魔人戦士達と合流する
元々戦力的に勝っていた俺たちは、どんどんと敵を追いつめていったその時、一人の男が俺のあえに現れた
「魔人王!わしの名は戦士ポポタ、町を無茶苦茶にしおって貴様を許すわけにいかん!」
「ほう、それでは戦士ポポタさんよぅ、許せないんだったら殺しにかかってこいよ!さあ」
俺は指を立て挑発するようにいった
「なっなめるなぁぁ!」
ポポタが斬りかかってくる、全力に近い攻撃だ、しかし俺はその攻撃を軽く受け止める
「あんた、その年になるまでにいったい何を見てきた?」
「何でもない孫達との平和な日々だった」
「いいや、それだけじゃない、人は妬み、権力をほしがり、金をほしがり、相手が気に入らないからとかの理由で戦をしている、それも遙か昔からだ!」
「何が言いたい」
「つまり、人が自らの欲望によって戦を繰り返し、動物や植物を殺す、その内に地球がだめになってしまう、そうならない内に貴様ら人間を滅ぼし、星を守る!」
「きっきさま!」
「おしゃべりは終わりだ、死ね、魔神斬り!」
ポポタに凄まじい剣圧が飛んでくる
次の瞬間には、ポポタの剣はへし折れ、俺の刃はポポタの心臓を切り裂いていた

395 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/17(木) 20:35:32 ID:+ONqMDuq0
X「いいやそれだけじゃない」
O「それだけじゃないだろう?」


396 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:33:42 ID:6WMDUL+10

10日目 エイコLv.6 

-1-
当面の目標に「エイト探し」を加えたところで、
所詮、今日もひたすら歩き続けるのである。
目の前に次々と現れるモンスターをぶっ飛ばしながら。
あー私はあんまりぶっ飛ばしてないけどね。

「なあんでマペットマンの様子を見てばっかりいるのよエイコ!!」
「だって冷めるストーリーってどんなのか気になるじゃん」
「姉貴、あれはホントにつまらないから見なくていいでがす」
「オレなんか愛の物語とかいうので寝ちまった事あるぜ」

とりあえず、大きな袋の中をまさぐり、私が装備出来そうな物を引っ張り出す。
装備できるのと出来ないのがあるらしいが、基本的にエイト準拠らしい。

「ねーねーこの鎧、激重なんだけど、他のないの?」
「兄貴のお下がりで一番いいのはそれでがす、ガマンするでがす」
「でも帽子と盾が見事にミスマッチね」
「他の鎧や服はまだまだ高いからな、槍とは合ってるぞ」

397 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:35:00 ID:6WMDUL+10
装備は、ホーリーランスに青銅の鎧、キトンシールドに羽根帽子、そしてスライムピアス。
奇妙この上ない。ていうか槍の初心者に盾まで持たすな。ゼッタイ攻撃力下がってるよ。

「どりゃー! しっぷう突きィィ!」
「でやー! かぶと割りィィ!」
「何で先に攻撃しちゃうのバイキルトー!!」
「すっかりツッコミだなゼシカ、かえん斬りッ」

ベルガラックの真南の山の上にあったトラ屋敷に行った。
楽しみにしてたんだよ、キラーパンサーに乗って走れるって雑誌で読んで。
ゲームではそこまでまだ行ってないけど、
実体験に勝るものなし。いいじゃないのドラクエワールド。

「で、その木の所まで行けばいいのね」
なんとなくえらそうに言ってみる。大人の世界は気圧されたら負けだ。
「でもそんな場所、この近くにあったかしら」
「とにかく行ってみるしかないな、それに像ならなんとなく見覚えがある」
すげえなククール、私は見覚えないぞ。

398 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:35:37 ID:6WMDUL+10
「じゃ早速そこへ向かうでがす!!」
ヤンガスは立ち上がり、今にも駆け出さんばかりである。
「人の話聞いてねえだろハゲデブ。明け方だっつーの」
「あっしはハゲではないでげす!!」

そんな私らの会話を聞いて、ゼシカはクスリと笑った。
「ホント、エイトとは正反対の性格ね。でもいいコンビだわ、あなたたち」
あーなんか上から物を言われたカンジ。やなカンジ。

「じゃあ、オレ達はオレ達でいいコンビかな?」
どさくさにまぎれてククールゼシカに絡む。いやムリだろ。
「そんなことより早く案内してよ、場所分かるのあなただけなんだから」
案の定、さらりとかわされた。
舌打ちしながらククールは重い腰を上げた。



399 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:36:28 ID:6WMDUL+10
-2-

とにかく、エイトを見つけないことには、
私の冒険は果てしなく続いてしまうのである。
それは困る。
早いとこ、高速移動手段を入手せねばならんのだ。

「まあ、移動してる間に日が暮れるだろ。今夜は野宿かな」
ククールが振り向きもせずあっさり言い放つ。
げッ、野宿かよ。やだなあ。まあ、明け方着くってのよりはいーけど。

ゲームをプレイしてる時には思わなかったけど、
夜も歩き回ってそのまま夜明け、なんて実体験したらかなり死ぬ。
朝まで飲んだくれるのとはまた訳が違う。
飲んでる時は飲み屋なりカラオケなりにいるから屋内だけど、
こいつら徒歩で移動なのだ。運動不足の現代人には結構来る。

「分かったわ、じゃあそこに着いたら準備しましょ」
ゼシカはあっさりしたものだ。どの辺が良家の令嬢なのか。
ヤンガスは元山賊だけあって、野宿など屁でもないらしい。
ていうかククールだって修道院だか教会だかにいたんだろ?

「不満そうだなエイコ、お前、育ちがいいのか?」
ククールが絡む。私はよっぽど不満そうな顔をしていたらしい。
「別に、普通だと思うけど。ていうかこっちにもっと育ちがいいのがいるだろ」
馬姫と緑っちは貴族っつーか王族だろうが。
「ああ、ワシらはだいぶ慣れたから心配無用じゃ」
「ブルルッ」
あっそ。

400 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:37:01 ID:6WMDUL+10
程なく、そのバなんとかというキラパンの出る場所を発見した。
キラパン像は案外不便な場所に点在しており、方向音痴の私には
どうしてココがその場所に当たるか見当もつかなかったが、
ククールが言ってるから大丈夫だろ。

「じゃあ、今日はここで夜を明かすでがす。馬姫さまもおっさんも休むでがす」
いきなりヤンガスが仕切る。
お前、私と同じで場所なんかワケ分かんなくなってたろ。
「山賊サンが方向音痴って聞いた事ないわ。よくあんな迷路みたいなパルミドに住んでたわね」
ゼシカは同じことを思ったらしい。「サン」付けは明らかにイヤ味だろう。
「ち、違う、あれは……」
「あーそれよりさあ、寝床作ろうよ寝床。私、少し離れないと蹴り入れるよ」
何かを弁明しようとしたヤンガスも、私の寝相と寝起きの悪さを思い出したのだろう、
慌ててその辺の草や枯れ枝などを整理し始めた。いい傾向だ。

まだここまでゲームでは進んでないけど、
店頭プロモとかで見たシーンがグルグル頭の中で回っている。
どのシーンだろう、アレかな、ソレかな。
もう早くキラパンに乗ってみたくて、それに不思議体験したくて。
わくわくする私に、なんだか他のメンバーは呆れ顔のようだ。

「何か楽しそうねエイコ。そんなに楽しみなの?」
「やーだってこんな体験てなかなか出来ないじゃん」
「ふーん、子供みたいな所もあるのね」
うるさいゼシカ、お前にオトナのロマンが分かってたまるか。
ごろりと横になって眠りにつくことにした。


401 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/17(木) 22:37:48 ID:6WMDUL+10
しかし、そんなに簡単に眠れる訳もなく、程なくむくりと起き上がった。
みんなまだ休む準備をしていたと思ったら、あっという間に床についたらしい。
まあ、起こせば起きるかも知れないが。
「おーい、ヤンガスー、寝たのかー?」

しかしヤンガスの返答は「グゴゴゴゴ」という荒くれ者のようなイビキだった。
「あー、どーしよっ。酒でも飲むかあ」
道具に隠してた酒を引っ張り出す。
たまには星空の下で月見酒ってのもいいだろ。

外で飲む酒は格別だった。
ベルガラックのバーからくすねたグラスが、
月の光を反射してキラキラきれいだ。

干し肉をかじり、ぐいっとグラスを仰ぐ。
思えば奇妙な世界に迷い込んでしまった。
もう10日も経っただろうか、あっちではきっと私を探してるんじゃないかなあ。
ていうか、なんでコレが現実なんだ?
何で……げんじつ……

ぐう。



402 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/17(木) 22:53:52 ID:APh0/8h80
そういやこのスレって挿絵はないのかね。
あればなかなか面白いと思うんだけど、まあ面倒か。

403 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:19:42 ID:0R21nC4y0
この世界でも夏は日の出が早いらしい。
太陽が木々の間から顔を覗かせ、顔を照らし、眩しくて目が覚めた。
時計がなくても太陽の位置で時間はわかる。大体5〜6時くらいか。
既にブライは目が覚めていた。さすがご老人。若い二人はまだよく寝ていたが。
トイレと(皆が使う沢で用足ししました。大丈夫です。川下でしました)歯磨きと(同じく沢で行いました)喫煙の朝の作業を行うと早速お腹が鳴る。
小鳥の囀りを聞きながらの爽やかな朝、朝食をブライと一緒に摂りながら、あたしはブライに複数に攻撃できる呪文は何かと訪ねる。
「そうか、おぬしもそろそろそんなことを考えるようになったか。サランにいたときはほんに全くメラすら知らなかった役立たずだったがのう」
「朝っぱからけなさなくていいからさっさと教えやがれ」
「それが人に聞く態度か。そうだな…。これらはどうだ。
バギ・真空呪文。かまいたちを生み出し、切り刻む。
ギラ・閃光呪文。炎の鞭で攻撃。
イオ・爆発呪文。炎により爆発を起こし攻撃。
ヒャダルコ・氷結呪文。吹雪を起こす。
ライデイン・稲妻呪文。稲妻で攻撃。
あとザラキという昇天呪文があるわい。初歩的なのはバギ、ギラ、イオじゃな。お前さん最近ヒャドを覚えたからヒャダルコもセットで覚えておくといいと思うぞ。儂も唱えられるし教えやすい」
「ん〜一つのものを極めるのもいいけど、色んな魔物に多彩なアプローチをしていきたいから」
「そうか」
ブライ殿、寂しそうな顔をしてる。ヒャダルコを唱えられる人がもう一人欲しかったんだネ(´・ω・`)
「ライデイン、ザラキは難しいからおすすめはしないぞ」
「わかった。じゃあバギ、イオ、ギラの呪文を教えて」


404 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:23:08 ID:0R21nC4y0
イオ、ギラは炎の系列。バギは風の系列。今まで覚えたメラ(火)とホイミ(風)に通ずるものがある。早速瞑想を行い風と火の精霊への干渉を試みてあたしの魔力で具現させてみる。全部を唱えられたらネ申。
結果、なんとギラとバギはどうにか発動した。
この2つをメインに呪文を完成させたいと思う。
残念ながらイオはおならみたいな音が出て不発。まだ唱えるには早いのかもしれない。
ブライが後ろで笑い転げ回ってる。ぐやじい。
そうこうしているうちに日は高くなってきた。アリーナたちもようやく起き出し準備を始めている。
じゃあ行きますか。誰も帰ってこなかったといういわく付きの洞窟へ。
洞窟というよりは自然に出来た洞穴に人の手が加えられたようだ。壁は煉瓦、蝋燭付き。床には侵入を拒むように段差が設けられている。落差は見たところ1メートル強。床には所々水が流れており足場が悪くなっている。
こんなところで目的地に達せないまま滑って転んで頭打って死んだらそれこそ末代までの恥である。
慎重に歩みを進める。


405 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:28:01 ID:0R21nC4y0
こんな洞窟にも魔物が現れる。地上には出なかったコドラ、吸血鬼こうもり、ラリホービートルなど。
ラリホービートルのラリホーで眠らされ、コドラのしっぽ攻撃で叩き起こされ、おちおち眠れやしない。昨日遅かったので素直に寝かせて下さい。
一本道ならまだいいのに段差ばかりあるからその分死角も多いし下か上に行く階段が見つからず行ったり来たりの袋小路。攻略するにはなかなか大変な洞窟である。
魔物と戦うのも逃げるにも生きるにも疲れ、何度も休憩をとった。
そしてようやく下への階段を発見したときには皆の目には涙が光り、手を取り合って喜んだ。早速階段を降りて行く。
「うっ」
先頭に立っていたアリーナが呻き声を上げた。
「これは…」
クリフトは口を押さえ、顔をしかめる。
「骨じゃ」
ブライが皺くちゃな顔に更に皺を寄せる。
「うわ」
ブライが皺寄せ顔ならあたしは変顔をしてみた。得意はタコ顔。キモイと評判である。
…。
道という道は見えない。見える場所全てに数多の骨が散らばっている。人間のもの、魔物と思われるもの。新旧大小問わず。
ここまで真っ白な絨毯には寧ろ感動さえ覚える。
「この上歩くのですか?」
「仕方あるまい。道は骨の上じゃ」
「それではこの者たちの冥福を祈って…祈りを捧げましょう」
クリフトが体の前で十字を切って、皆で黙祷した。
骨の上を歩くなんて初めてだ。皆そろそろと歩きだした。
ぱりんぽりんと小気味よい音を立て骨は靴に踏まれ崩れて行く。なんだか罰当たりそう。
形の整った髑髏達がこちらに無言の威圧。盗掘に入った者の成れの果てか。


406 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:32:19 ID:0R21nC4y0
地下1階は段差天国なら今いる地下2階は岩地獄である。
巨大な岩があちらこちらに立ちふさがってその先には道があるのかないのか確認出来ず、近くまで行って岩の影から覗くと魔物さんたちが待ち構えていたなんてしばしば。
そうとわかって変顔で応戦すると魔物が驚くことがごく稀にあった。素で変顔の魔物に驚かれるってどうよ。
それでも、骨の道を抜けるとようやく土を感じる平らな面に出たとき安堵感を覚えましたよ。
「はぁ〜ようやくね」
アリーナとあたしが骨の上を歩いた感触をなくすために足踏みをした。
「ここがきっと最奥部ですな」
薬草を噛みながら、ブライ。
「そのようですね」
鉄の槍にこびりついた血を地面に振り払うクリフト。
「きっと…あそこに黄金の腕輪はあるのでしょう」
私達の視線の先には、巨大な龍が眠っていた。
体長はだいたいワゴン車くらい。手足に生えている爪を除き躯は見事に真っ白。所々に歴戦をくぐり抜けたと感じさせる多数の傷が、誇らしく感じられた。
『来たな、盗人よ』
人の気配を感じたのか眠りから覚めた龍が黄金の瞳を見開き、語りかける。声が頭に直接響いた。この龍、人間の言葉が喋れるのか?
『わたしは腕輪を護るもの。ここから持ち出すならわたしを倒せ』


407 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:39:07 ID:0R21nC4y0
「無駄な殺生はしたくないんですがね。腕輪さえ戴ければそれでよいのですが」一歩前に出たクリフトが肩をすくめて答えた。
『わたしの命は黄金の腕輪と共にある』
腕輪と一心同体ということか。
腕輪を持って行かなければ1人の命が危ういんです、と泣き落としてもきっと駄目だろうな。
戦わなければ。
『腕輪が欲しければわたしを倒せ』
再度言い、白龍が牙を剥いた。
「スカラ!」
クリフトが守備力増幅の呪文を唱えると同時に、
「ルカニ!」
ブライが守備力減退の呪文を蛇へ向けて唱える。
アリーナが鎖鎌を携え、龍に斬りつける。呪文の効果のお陰か、深くえぐることが出来る。
龍の口からはメラ程の火炎球が吐き出され、避けるまもなく食らい、うわっ!きゃあっ!とそれぞれ声を上げる。炎が収まった後にはあちこちに焦げた匂い。
「メラ!」
火炎を白い躯にぶつけたが…。躯にはほんの少し焦がしただけ。
耐炎能力があるのかもしれない。
今度は違う呪文を唱え始める。
アリーナは斬りつけ、突き刺し何度も攻撃を繰り出す。龍は確かにダメージは食らっているはずだがびくともしない。
アリーナを煙たがる龍が口から閃光を吐き、近場にいたアリーナを始め、あたしたちに襲いかかる。


408 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:43:58 ID:0R21nC4y0
炎が消え去るといつの間にやら床に伏せっていた。気を失っていたのか。
身体が動かない。すぐ…手当てを。
薬草をよろよろと取り出し、はむ。瞬間、火傷は痛みがなくなり、体中から力が湧いてくる。ゆっくりと立ち上がり、唱えておいた呪文を放つ。
「ヒャド!」
生み出された氷柱はアリーナが傷つけた傷口に深く突き刺さる。
氷は有効のようだ。
「ブライ、ヒャダルコを!」
龍が激憤する。
雄叫びを上げて牙を剥きだし、頭から丸呑みしようとしたとき、あたしは右へ大きく飛ぶ。龍の頭は前あたしがいた地へと叩きつけられる。地面がえぐれ、土砂が飛ぶ。
おっかねえぇぇ!
「はいっ!」
アリーナが背に鎖鎌で引き裂いた。薬草で回復したようだ。
「ヒャダルコ!」
続いてブライが強烈な吹雪をおこす。龍が再度吐き出した閃光と空中でぶつかり合い、相互干渉をおこした後、相殺された。
吹雪は無効になったがあの炎の吐息を食らわなかっただけましである。
大きく飛んだことにより間合いがとれた。呪文を唱える。内容は回復呪文ホイミ。


409 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:49:33 ID:0R21nC4y0
対象はアリーナ。
炎を間近で食らい、牙で噛まれても、体当たりをされても身体がボロボロになっても攻撃の手を止めない彼女を援護。
「ホイミ!」
アリーナを癒しの風が包み、傷を塞ぐ。命を支える。
ブライはクロスボゥとヒャダルコを織り交ぜて攻撃し、アリーナは鎖鎌で傷つける。クリフトは仲間が身体を気遣うことなく戦えるように回復に努め、時に鉄の槍で攻撃を行う。あたしは…。
口から何度目かの激しい炎が吐き出される。
「バギっ!」
あたしの周囲に風が生み出され、炎と空中で押し合いへし合いする。風よ負けるな!あたしの気合いに答えたのか、風は吐き出し主へ反覆する。
炎と吹雪なら打ち消しあうなら、炎を風で追い払えばいいかなと思って実行したが、どうやら成功したようである。
炎はそれで回避できた。
戦闘の主導権は、あたしたちが完全に握った。
そして、目の前には胴体を切り刻まれ、ヒャダルコによって凍傷を負った龍は濁った目を開いたまま息絶えた。
「はあ…はあ…終わった…」
こちらもだいぶやられている。あちらこちらに擦り傷切り傷打撲痕。回復しきれなかった火傷がじりじり痛む。
アリーナなんて…特攻隊として活躍した彼女の詳しい描写は避けるが、あちらの世界に片足突っ込んでいる状態。
薬草も、魔力も残り僅か。その少ない薬草で側近は回復をはかる。
あたしは龍の躯の上を渡り、(ブヨブヨと気持ちが悪かった)宝箱を見つけ開けると、黄金の腕輪を取り出した。
あったよ、腕輪。黄金に輝く腕輪を見せて確認する。

410 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:52:11 ID:0R21nC4y0
「さぁ目的は達した。フレノールへ帰ろう」
ブライは皆を集め、脱出呪文リレミトを気力を振り絞って唱えた。
洞窟から瞬時に出ると今度はキメラの翼を使ってフレノールへと辿り着く。
町へ着き、魔法医のところへ急ぐ。
明け方、道具屋兼魔法医へ駆け込むといきなりにも関わらず冷静に対応してくれた。
ベットに横になり唱えられたのはザオラル。この呪文、瀕死状態から回復出来るそうだ。この呪文は死んでも蘇生出来ると勘違いされるが、死はあくまでも死。死人を甦らすことなど出来ない。
あちこちの体の痛み、打撲痕、火傷などが緩やかに痛くなくなってゆく。
今回骨折はしていなかったがこの呪文で同様に回復できるそうだ。
更に上位呪文はザオリク。上記症状と更に傷も同時に癒し、疲れもとるそうだが、術者が恐ろしく少ない。だからこそ重宝されるそう。これはアリーナにかけられた。
ザオリクを唱えるところをみると、余程重傷のようである。


411 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/18(金) 00:57:40 ID:0R21nC4y0
ホイミ系は表面的な肉体損傷治療(血管を含む)
ザオラル系は内部、関節、骨、脊椎、神経系など治療。切り離された腕なども胴体とくっつけられるそうだが、元々ない身体の一部(磨り減った膝の軟骨など)、血液は呪文では作り出せない。
そういや病気って上記の呪文で治せるのかな?
ぼんやり考えことをしていると、よし終わったよ。あとは睡眠と食事をとればよくなるよ、初老の魔法医は言った。
立ってみれば、おっ、体が軽くなった。痛くないし。
アリーナたちをみれば皆同じ。手を握ったり足を屈伸して身体の感触を確かめる。
感謝し、道具屋を出た。
今日のうちはもう休もう。
宿へ着き眠りについた。
LV 12 up!
HP 40/40
MP 63/0


412 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 00:59:09 ID:oIvx9cpy0
すみません、>>104ですが一部のブラウザが
URLを誤認する事が分かったのでURLが以下に変わりました。

http://drain.qp.land.to/bbs/log/ifdq/ (PC)
http://drain.qp.land.to/bbs/log/ifdq/i/ (携帯)

413 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 02:07:21 ID:Hh2SBhhn0
エイコタソ、アミタソ、乙彼
面白くなってきたね!
マイペースで続きヨロ

414 :一 五明 ◆l4DKXvv9Lw :2005/11/18(金) 12:00:40 ID:nqpMfdF40
▼ もし目が覚めたらDQ世界の宿屋だったら。

…ん…んあ? 朝か…

目覚ましが鳴る前に目が覚めるのは久しぶりだ。
つーか電池切れで止まってて、既にやばい時間じゃないだろな…
慌てて周りを確認しようとする…が、どこだここは??

目の前には教会。周囲には中世ヨーロッパ風の町並みが広がり、
少し離れたところには城まである。
が、建物がやけに小さい。目の前の教会は俺の背丈より少し大きい程度。
よく見ると中に小さな人間??が。

そう言や昨日は、怪獣映画の着ぐるみのバイトでセットの中に泊まり込みで
…そんな覚えは無い。普通にアパートの自室で寝た。

それにしても目は覚めているのに動けない。金縛りにしては苦しくないが、
土台に固定されたみたいに全然動けない。おまけに立ったまま寝ているようだ。

どうしたものかと思っていたら、足元のほうで声が聞こえる。
「昨日はよくお休みでしたね、では…」
見ると俺の足元から小さな冒険者風の男が出ていく。
つーか俺の足が無い、手も無い。代わりにドアがあったり窓があったり壁があったり。
そして腰の辺りには[INN]の看板。

…………もし目が覚めたらDQ世界の宿屋だったら。(完?)

415 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 12:55:52 ID:Q+BXnKr40
>>412
なんか、全部読むを押すと何もないページに飛ぶのですが。

416 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 14:39:09 ID:ViJemfRIO
>414
((((((((((゚д゚;)))))))))



( ゚д゚ )

417 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 18:17:46 ID:oIvx9cpy0
>>415
(ノ∀`)アチャー 報告ありがとうございます、修正しました。

418 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 19:43:30 ID:TcnOOx4F0
>>414
あひゃひゃひゃワロチンハンバーグ

419 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 21:29:07 ID:Q+BXnKr40
>>417
素早い対応有難うございます。



でもまだ見れないんですけど。

420 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 21:47:35 ID:oIvx9cpy0
>>419
(lll゚д゚)Σ(゚д゚lll(゚д゚lll)ナ・ナンダッテー!!!!!

最悪だ、直したつもりが直ってなかったなんて…。
再度修正しました(すいません)、後で確認の方宜しくです。

421 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/18(金) 22:19:05 ID:Q+BXnKr40
読めました!
ありがとおおーっ!


422 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/18(金) 22:42:14 ID:NUVpVYLK0
>>354 うーん・・・。自分もそう思ってはいるんですけどね・・・。
ネーミングセンスが無くてごめんさない。
・・・冒頭から可笑しな事書き込んでますが、意味のわからない人は
スルーしてください。っというか・・・私の事解る人、居ます?
ここしばらく忙しくって書き込み出来ませんでした。時間が無くて・・・ほんとに・・・。試験やら何やらで。
レッドマンさん来られてないですね・・・。何処行ったのかな・・・。
最近、新しい職人さん来られてるみたいですね。そうでない人、新人さん、皆さん頑張ってください!

423 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/19(土) 00:02:36 ID:+7bvLiYcO
仕事が忙しくて中々カキコ出来なくてすみません。
とにかく。

「みんながんばれ」

424 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/19(土) 21:15:48 ID:rvHuY+Xg0
いやいやここはこれでしょう

いのちだいじに

425 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/19(土) 22:58:43 ID:wn4KvIxrO
age

426 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 00:10:45 ID:u1rZLmm70
このスレって一定の人しかレスしてないように思いました。

427 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 01:47:11 ID:R5XGfK6w0
>>426
その通りかもしれん
点呼ヨロ
1

428 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 02:12:42 ID:cBrafQQr0
2
作品のよしあしに関わらず気分の向いた時しかレスはしない。
本当は褒めた方がいいんだろうけどね〜。
ネタにはよくレスをしますがSSには何となくしにくい。

429 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 02:33:07 ID:emrtIC/4O
3
全盛期は確かにもっと人いた

430 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 03:37:52 ID:weWSCKo90
一部の職人さんが戻って来た事をしらないで足の遠のいたままの元住人も多そうだね

431 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 09:22:21 ID:l6wn9Mfv0
5?
基本的にROM

432 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 09:26:14 ID:9vgI0ZwZO
6
個人的には今の作品を最後まで完結して欲しい。


433 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 09:30:17 ID:jA98/DyzO
7
4の人と総長待ち

434 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 10:03:56 ID:5wP5RlTA0
>>魔神戦争
それなりに面白い、バットエンドになりそうだけどガンガレ

435 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:24:57 ID:7IQRfm620
*11日目*

エイコ Lv.6
    HP:45 
    MP: 0

   武器:ホーリーランス
    鎧:青銅の鎧
    盾:キトンシールド
    兜:羽根帽子
  装飾品:スライムピアス

   特技:しっぷう突き

-1-
「エイコ、朝だよ、おーい」
あにいってんだ、まだよいのくづだでば。
「宵の口じゃないわよっ、起きてってば! うわ酒くさッ!!」

またこのパターンで起された。
「う、もう夜明けか? 今行くよ」
目をこすりながらむくりと起き上がる。草の上で寝転んだので、どうにも青臭い。

ところが、ゼシカの表情は厳しいままだった。
「何言ってるのよ!! もう夜なんか明け切っちゃったわよ!!」
「え?」
ゼシカの煽りの画がコワイ。恐る恐る尋ねる。
「あー、その……イベントは?」
「バウムレンの亡霊ならもうちゃんと成仏させちゃったわよ!」

……はあぁぁぁ、イベント見逃したあぁぁぁ!!


436 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:27:02 ID:7IQRfm620

あまりの事に呆然としていると、緑星人がやってきた。
「おお、エイコよ、おぬし、いま目覚めたのか?!」
「あーおうさま……」
「ぶひひーん!」
馬よ、馬姫よ、私の不幸がそんなにも嬉しいのか。馬刺しにして喰らうぞ。
「さあ、ラパンハウスへ戻るわよ!! ククール、ルーラお願い」
ゼシカは急いでいるようだが、まったく状況が読めない。
しかし、その不思議現象のイベントを見逃したというのは分かった。
あー……なんかもうやる気なくした。ハァ。
くたり、とその場にくずおれた。

「相当ショックだったのね。スゴイ楽しみにしてたしね」
「姉貴のそばにこれが転がっていたでがす。これ全部飲んでしまったんでげすね……」
「しかし、こんな酒を何処に隠しておいたのかのう」


437 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:27:50 ID:7IQRfm620

頭の上で色々声がするけど、もうしばらく寝かせて。

「姉貴、あーねーき、そろそろ移動するでがす、ラパンハウスに戻るでがす」
「あー戻ればー?」
もうぐだぐだだ、私、やる気ない、今日。
「エイコってばもー、何でこう寝起きが悪いのかしらッ」
「ブルルッ、ブルルッ」

突然、体が宙に浮いた。見上げると、ククールが私の体を抱えていた。
「うわッ、なッ?!」
「面倒かけてんじゃねぇよ」目を合わせず、ぼそりと言われた。
確か、このパーティでルーラを使えるのはこいつだけ……ってオイ!! まさか……
「行くぞ! ルーラ!!」

どひゅんひゅんひゅん!

「イーやーあぁーーあーたーしーたーかーいーのーキーラーーーイィーー」

切り立った岩壁に囲まれた神秘の場所に、私の叫び声だけが残った。


438 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:28:14 ID:7IQRfm620
-2-

あー。
具合悪いから。

「エイコ、大丈夫? もしかしてルーラ初体験?」
「うんだ、はづめでだ」
「そうなの、二日酔いにルーラはちょっとキツかったわね」
「うんだ。キヅいってもんでね、あんべえわりィ。かまねぇでけろ」
「分かったわ、今日は休んでいて」

ククールが訝しげな顔をしてゼシカを見ている。
多分、私のネイティブな方言が通じているのが不思議なのだろう。
マイエラ修道院は世界各国から修行僧が集まってるんじゃねえのか?
田舎から出てきた人とかと接しなかったんだろうか。
……接しなかったんだろうな。

「じゃあ、オレとヤンガスでちゃちゃっとラパンハウスに行って来るから、
 ゼシカ、エイコを頼む。姫様とトロデ王も置いていくから、よろしくな」
「分かったわ」
あーすまんねー私が二日酔いにルーラでトドメさされたからって。


439 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:28:54 ID:7IQRfm620
「ちゃんと寝てろよ、エイコ」
いきなりククールがおにいちゃん的な発言をする。
「あーなんだいクー坊があいぎなりえらそうに」
弱弱しく食って掛かってみる。
「ゲッ、クー坊って何でげすか?」
変なポイントに過剰反応するヤンガス。
「あー? ククール坊やだからクー坊」
だんだん喋るの面倒くさくなってきた。
「あははー、いいねー、ねークー坊」
でもゼシカはノリノリだ。
「じゃああっしはヤン坊でがすか?」

しーん。そりゃあ天気予報だ。

「じゃ、行って来るから」
すちゃっと手を上げると、クー坊はヤンガスの首根っこをつかんでとっとと出発した。
「なーんででがすかー? ヤン坊、かわいいじゃ……」
「ハイハイいってらっしゃーい」
ゼシカが流しつつドアを閉めた。


440 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 10:50:07 ID:7IQRfm620
あんまり面白くなくなってきてスマヌ。
短編を1ヶ月かけて長編に方向転換したけど、やっぱりムリかも。
今年中に完結を目標にがんばります。
アミさんレッドマンさん、同じくらいに始めたのに遅れをとっております。
が、年末まで色々行事があって・・・お互いに頑張りましょう。
他の職人さんも全部読んでます。

441 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 12:04:53 ID:4TQEJWizO
えー、そんなことないよー
みんなレスしないだけで、結構楽しみにしてると思うよ
エイコさんやアミさんみたいに定期的に書いてくれる人がいるだけで、前に比べてずっとスレが賑わってるよ
大変でやめたいなら無理に続けろとは言わないけど、もしレスが少なくて落ち込んでるなら気にしなくて大丈夫
このスレは前からレス少なかったし
まだ書きたい思ってるなら、続けてほしいな

442 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 14:33:42 ID:Ln/PQEGCO
ガンガンいこうぜ

443 :某物書き ◆BlH5qivf3A :2005/11/20(日) 15:50:46 ID:hhOSOpZm0
>エイコさん
そうですよ。十分面白いです。自分は・・・。どうだろ・・・。
私の事わかる人がいないっぽいから・・・。
皆さん、頑張ってくださいね。無理はしないように。取り合えず・・・。


           ガ ン ガ ン い こ う ぜ

444 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/20(日) 18:33:19 ID:xOjxXgob0
このスレは一泊目からROMっていますが、職人さんが途中でいなくなるのがいつも不服だったんですよね。
自分は「つまらん。出直して参れ」と言われても、時間がかかっても必ず完結させる予定です。
エイコタン、レッドマン氏、未来の書き手氏、オルガン奏者氏、魔神戦争氏…まだまだいますが。
共に頑張りましょう。


445 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 18:52:07 ID:5wP5RlTA0

HP:356/399
MP:200/320
E鋼の剣 E魔人の服 E魔人王のマント
呪文:エビルデイン・イオラ・ベホイミ・ルーラ
特技:魔人斬り(強)


446 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/20(日) 18:52:54 ID:5wP5RlTA0
トリップ付け忘れました すいません

447 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 19:05:18 ID:MbnwB4Kd0
>アミさん

楽しみに見てます。
でも、一つだけお願い。「アミ」は、ストーリーをどこまで知ってる設定?
それだけハッキリして欲しい。

448 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/20(日) 19:10:43 ID:5wP5RlTA0
ポポタを倒したことにより、敵の陣形が乱れるどうやら奴がここのリーダーだったらしい
士気を失った敵軍は次々と魔人達に倒されていき、ついに百人あまりの戦士達は全滅した
そして俺は城の中へと進入していく、何人か護衛兵がいたがそいつらの相手は魔物達に任せ、俺は王のいる王座へとたどり着いた
「おっお前は!」
王が声を上げる、恐怖で声が裏返っている
「魔人王だ初めまして国王」
俺は少し頭を下げ皮肉気味に言う
「貴様はこの城にいた民間人をどうした」
「さあ、下は魔物達に任せてきたから今頃どうなっているか」
「戦うことのできない人々を!こっこの悪魔め!」
「ほう、よく言うなその民間人を見捨てて逃げ出そうとしている貴様が!」
俺は国王が密かに握っているキメラの翼を見逃さなかった
「もう話す気にもならん、死ね」
俺はイオラを放ち国王に直撃させる、悲鳴を上げる間もなく国王は死んだ
「さて、これから本格的に進行が始まる、楽しみだ・・・」

第一部完

449 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/20(日) 19:50:05 ID:PXpshkKa0
>>447氏
それはちょうどこれから書こうと思っていたんですよ。
文中に出てきますからお楽しみに。
魔神戦争さん乙彼
第二部楽しみにしています。

450 :447 :2005/11/20(日) 22:26:33 ID:MbnwB4Kd0
>>449

ありがとう。
楽しみに待ってます。

他の皆様も、お待ちしてます〜〜〜

451 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/20(日) 22:43:19 ID:9vgI0ZwZO
皆様お疲れ様です。
エイコさんやアミさんの話のテンポが良いからウラヤマスィ
魔神さん、海斗さん、頑張ってくださいね(`・ω・´)シャキーン
総長さんや◆gYINaOL2aEさんも気軽に来てくださいな。
よく考えたら俺も開始場所の原則に従ってないっす(ノ∀`)アチャー
>>350さん
サマルは名前変えたほうがいいかですかね?違和感ありまくりかも。
リアはそのまんまに使うつもりです。



452 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/11/20(日) 22:43:51 ID:7IQRfm620
なんか昼はぐだぐだでごめんなさい。立ち直りました(はええな)。
443は海斗氏ですよね? 同じ8みたいなので、おお、と思っていました。
お互い遠慮せずガンガンいきましょう!

けっこう皆様マジメ路線なので、こちらはギャグ路線でいきたいと思います。
気長にお待ち下さったら幸いです。

453 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/20(日) 22:46:09 ID:9vgI0ZwZO
とりあえずステータスを作ってみた。

もょもと&タケ
Lv.7
HP54
MP 0

装備E.青銅の剣E.皮の鎧E.鱗の盾E.木の帽子
特技
かすみ二段
強撃
はやぶさ斬り(もょもと専用)
チェンジ(眠った時、マヒした時など人格を交替する事ができる。)


454 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/20(日) 23:38:23 ID:16iS3j180
レッドマン氏>
乙彼です。タケの関西弁が軽やかで、読んでて楽しいです。
いいこと言われたので便乗し、今現在のステータスを表示します。
アミ
★職業/魔法使い?
★性別/女
LV 12
HP 40/40
MP 63/0
★装備
E 聖なるナイフ
E 鎖帷子
E 皮の盾
E 皮の帽子
★呪文
メラ、ギラ、ヒャド、バキ、イオ(不発)
ホイミ
★特技
魔物ですら怯む変顔
★今いる場所
サントハイム領フレノール町


455 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/20(日) 23:49:33 ID:Ln/PQEGCO
>444
それ聞いてマジ安心した
バッチリ頑張ってくれ

456 :1 :2005/11/21(月) 00:06:01 ID:2YUtG17W0
三泊目スレが落ちていた時はもう終わりかと思いましたが
スレ立ててみて良かったです。
4の人も戻ってきてくれたし、新人さんも増えて前より賑わってますし。
皆さん無理せずに頑張ってくださいです。
続き毎日楽しみにしています。

まとめサイトの人は見てないのかな。
ずっと更新してないけど…

457 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/21(月) 01:04:01 ID:+R3gy4qQO
なんかなーコテの馴れ合いスレになりつつあるのがキモイ
適度なコメントはかまわんが意味もなくヨイショし合うのは…
おもしろい書き手には自然にレスがつくよ。

458 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/21(月) 01:34:11 ID:kLudUguBO
ふむふむ
コケコッコー?

459 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/21(月) 01:36:45 ID:kLudUguBO
あっ!ごめん
間違えた

460 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/21(月) 17:06:30 ID:BgZW68tV0
再開することにしました!T〜\は300〜位のところを見てください。

461 :未成年の旅―] ◆BlH5qivf3A :2005/11/21(月) 17:32:34 ID:BgZW68tV0
尻尾をたて、毛を逆立てている姿は猫そのもの。しかし、普通の猫よりおぞましい物―――とても鋭い殺気を感じる威嚇だ。自分がいた、あの穏やかな世界の「猫」とはまったく違う。海斗は肌でそう感じた。
「・・・でけーな。こいつ。どうやったらこんなに丸々太れるんだ?」
そういいながら、<しましまキャット>の視線の先に立つ。
「油断は絶対にだめだ。こっちが油断すれば相手に食われるぞ。」
サーベルトが念を押す。それを横目で見ながら、
「大丈夫だ。そんなヘマはしない。」
自信たっぷりに言って見せた。まるで、自分に言い聞かせているように。しかし、やはり不安な海斗は、
「・・・で、どうやって出すんだ?魔法って。」
と、聞いてみた。それを聞くとサーベルトは、大きなため息をついた。
「おいおい・・・。ま、いいや。教えてあげる。だからしっかり言うことを聞いてくれ。」
海斗が頷いた。
「よし・・・。じゃあ、まずは集中して。集中が出来なければ魔法は使えない。逆を言えば集中さえ出来れば魔法は使えるものなんだ。
集中したら今度は、手にその集中したものを集めて。」
言われたとおりやってみた。左手を胸の前に突き出し、集中する。
すると、海斗の左手が、光を帯び始めた・・・・・・。

462 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/21(月) 19:16:04 ID:k/MEXG9e0
>>458
なんだかしらないけどワロス

463 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:19:24 ID:ntQ3MXfL0
次の日、城の兵士に案内されて地下に行った。
「で、では私はこれで…。」
兵士がそそくさと去っていく。そんなに虫が嫌いか。
いや、魔物が想像を絶する強さなのかもしれない。
ただ城の奴ら全員虫が苦手だから魔物を倒さないと言うのならいいが、これで強かったら俺は悶絶してしまうかもしれない。
嫌な魔物と長期戦なんて考えられん。さっさと倒してやる。

地下は薄暗く、横幅約3m、高さ約4mの通路になっていた。
先頭からエテポンゲ、俺、ボロンゴの順番で進んでいく。
俺が真ん中にいれば、突然俺が魔物に襲われる可能性は少ない。常に冷静に対処できる。
「というか彼はただのビビリだった」なんて突っ込みは認めん。
暫く進むと、前方から何かが接近してくるのが見えた。
40p程のバッタが3匹。キリキリバッタだ。
バッタか。良かった。クモやゴキブリより遥かにマシだ。
それでも決して好きではないが、何とか戦える。ギリギリセーフと言ったところか。
俺が鋼の剣を構えた時、既にエテポンゲが視界から消えていた。
後ろを振り返ると、エテポンゲがボロンゴの後ろで寝ていた。
とことん使えん奴だ。こうなったらどんな手段を使ってでも戦わせてやる。弾除けでも何でも構わん。
っと、その前にキリキリバッタを始末しないとダメだ。
うおおおらぁぁぁぁぁ!!!と雄叫びなのか奇声なのか判断できない声をあげ、斬りかかる。
命中!キリキリバッタAはその場にぱたりと倒れ、即死した。
凄い切れ味だ。魔物が弱かったと言うのもあるが、まず剣が強い。銅の剣の比ではない。
これならスライムナイトも、ホイミスライムも一撃で倒せるかもしれない。奴らに引導を渡してやる。
その後、他のキリキリバッタの攻撃を軽くかわし、一撃で斬り倒していった。
更に進んでいくと、おおみみずやお化けねずみ、おおなめくじが現れたが、無傷で、しかも俺一人で倒していった。

464 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:20:02 ID:ntQ3MXfL0
しかし、ここで中ボス様の出現となり、さすがに流れが止まった。
4匹の人食い蛾が俺達の行く手を阻む。
いや、中ボスではないだろうが、俺は蛾が苦手だ。ゴキブリに次ぐ脅威の存在である。
とりあえず剣を構えてみるも、中々前進できない。足の震えも止まらない。
俺が躊躇していると、人食い蛾Aが俺に狙いを定め突っ込んできた。
俺の真後ろにいたエテポンゲを盾にし、何とか危機を免れる。本当に弾除けになってしまった。
打ち所が悪かったのか、顔面に直撃を受けたエテポンゲは気絶してしまった。
抵抗しない便利な盾に仕上がったので、エテポンゲを盾にしながらジリジリと人食い蛾に接近する。
人食い蛾の体当たりが次々にエテポンゲに命中する。普段役に立たないからこうなるんだ。
まあ、直接触れずに攻撃すれば問題ないんだよな…。
俺は覚悟を決めて人食い蛾Aに斬りかかる。
次の瞬間、俺の鋼の剣は人食い蛾Aを真っ二つに切り裂いた。
間髪入れずに人食い蛾Bにも斬りかかる。
よし、2匹纏めて倒せた。案外楽だ。このまま残り2匹も倒してやる。
人食い蛾Cに斬りかかろうとするが、様子がおかしい事に気がついた。
人食い蛾Cの体から、紫色の怪しい光が放出されている。
光が俺の方に迫ってきたので、丁度意識を取り戻したエテポンゲを再び盾にする。
紫色の光がエテポンゲを包み、すぐに消えてしまった。
「………フハハハハ!!!人がゴミの様だ!!ハッハッハ!!!」
突然エテポンゲがとち狂いだした。目が完全にイっている。
とりあえずこの光に触れたらヤバイと言う事は分かった。この戦闘でエテポンゲは、盾という嫌な役を二回も引き受けてくれた。素晴らしいゾンビじゃないか。
その後、紫色の光を放たれる前にはやぶさ斬りで特攻し、2匹とも撃沈させた。

465 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:20:47 ID:ntQ3MXfL0

更に歩みを続けていると、何やらグビグビと妙な音が聞こえてきた。
「グビグビグビ……ああ、うめえ。なんてうめえ雫なんだ。」
グビグビグビ、と言うのがなんか笑えたので、今の言葉を深く心に刻み込んだ。
その声の正体は、魔物だった。
青い怪物、虫と言うより怪獣に近い容姿の魔物が、少し大きな部屋の奥にあるツボになみなみと入っている雫を飲んでいる。
隙だらけなので、俺は後ろから音を立てない様に近づいた。
「おっと、もうちょっと待ってろ。今喉が渇いてんだ。」
ブラディーポ(魔物の名前)がそう言って、再び雫を飲み始める。
この野郎、気付いてたのか。相当な使い手だ。
いや、それより敵に対して待ってろ等と言って、本気で待ってくれるとでも思ったのか。
が、この魔物の余裕がちょっと恐かったので、俺は待つことにした。

「ふぅ、うまかった。喉も潤った事だし、今度は空腹を満たすか。さあ来な。食い殺してやる。」
ブラディーポが不気味に微笑む。珍しくエテポンゲが戦闘体勢に入っている。相当強い魔物だと感じたのだろうか。
「ルカニ!!」
ブラディーポがそう言った直後、俺の体が青い光に包まれた。
「おい、まずいぞ!ルカニってのは防御力を下げる呪文だ!」
エテポンゲがそう言った瞬間、素早いブラディーポの頭突きが俺の腹に命中した。
口から多量の血を吐き、俺はその場に倒れこむ。
痛い。死ぬかと思った。幾らなんでも強すぎだ。やはりエテポンゲの言うとおり、ルカニというのは防御力が下がる呪文なのか。
痛みを堪えて目を開けると、ボロンゴが今まさにブラディーポに噛みつこうとしていた。

466 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:21:20 ID:ntQ3MXfL0
「スクルト!!」
ブラディーポの体が赤い光に包まれる。畜生、また何かしやがったな。
ボロンゴの鋭い牙がブラディーポの腕に襲い掛かる。
が、腕を傷つけるどころか全くの無傷で、逆にボロンゴが弾き飛ばされてしまった。
恐らく、今度は自分の防御力を上げる呪文を使ったのだろう。守りは完璧と言う事か。
今度はエテポンゲが飛びかかる。無駄だ無駄だ。一撃で殺されるぞ。
「行くぜ!秘技・マッスルダンス!」
次の瞬間、エテポンゲがふらふらとし始めた。何やってるんだあいつ。
不規則な動きにブラディーポが混乱している。
エテポンゲとブラディーポの距離が1m程まで近づいた瞬間、エテポンゲはブラディーポにタックルを放った。
しかも効いている。ブラディーポが尻餅をついた。
更に不規則な動きを続け、タックル。不規則に動き、タックル。
………酔拳のタックル版と言った所か。まあ効果があるのなら何でもいい。
しかしこいつ強い。ボロンゴが攻撃しても無傷だったのに、こいつの攻撃は普通に効いている。
ブラディーポがかなり苦しんでいる。これはいけるんじゃないか?
「ち、畜生…くらえ!」
次の瞬間、ブラディーポの目が光りだした。眩しい光を放つ。
「うがあ…目が…!」
エテポンゲが目を押さえて苦しんでいる。今の光で目がやられたらしい。
「グフフ…よくも今まで散々やってくれたな…死ぬがいい!」
ブラディーポの鋭い爪が、エテポンゲの身を次々に切り裂く。
何度も切り裂かれ、エテポンゲは遂に倒れてしまった。
「これから一匹ずつ食い殺していってやるぜ…覚悟しやがれ…!」
ブラディーポが、エテポンゲをドカドカと殴る。完全に遊んでやがる。
この危機を切り抜ける方法は一つある。が、成功率は限りなく低い。
…もう、これはほとんど諦めていた。今やっても無理だったら、俺は完全に諦める。
ブラディーポの拳が、容赦なくエテポンゲに襲い掛かる。
もうそろそろ死ぬ頃かと思ったのか、ブラディーポは爪をたて、激しく振りかぶった。

467 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:21:53 ID:ntQ3MXfL0

バギ!!!

次の瞬間小さな竜巻が現れ、ブラディーポの体を巻き込んで激しく身を切り刻んだ。
呆然とする俺、竜巻で吹っ飛び、苦しむブラディーポ。
できた。遂にできた。呪文を使う事が…。
ヒャッホウ!!!と叫びながら立ち上がる。恐らくこの世界に来てから、一番のハイテンションだろう。
フハハハハ!!!とキチ○イのの如く笑いながら、ブラディーポに斬りかかる。
ブラディーポは怪我で立ち上がれなかったので、俺の鋼の剣は容易にブラディーポの体を斬り刻んだ。
攻撃の手を休めずに斬り続ける。ハイテンションで興奮状態だったせいか、いつも以上に強く剣を握り締めて斬り続けた。
7.8回攻撃したところで、ブラディーポは動かなくなり、消滅した。
俺の頭は呪文の事でいっぱいで、そんなことはどうでも良かった。
「うう…」
エテポンゲが死にそうな声をあげ、さすがに正気を取り戻した。
エテポンゲは爪でズタズタに切り裂かれ、瀕死状態だった。
まだ薬草は十分にあるが、敢えてホイミを試みる。
ホイミ!!!
エテポンゲの体が淡い光に包まれ、瞬く間に傷が回復した。
これで、同時に二つの呪文を習得してしまった。
見ろ、俺にできない事などない。俺は天才d
俺はエテポンゲと肩を組みながら地上に戻った。ミドルテンションならこんな事は絶対にないだろう。

468 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/21(月) 23:22:25 ID:ntQ3MXfL0

城に戻った俺は、英雄として歓迎された。
虫を倒したぐらいで英雄扱いじゃたまらんが、ブラディーポは格段に強かったのでまあいい。
夜、城は宴会でとても賑わっていた。
酒を勧められるが、酒はにおいだけでも気分が悪くなるので、オレンジジュースをチビチビと飲んでいた。
それにしても凄く豪勢だ。さすがは城の料理、と言ったところか。
変態王は酔っ払い、フンドシを脱ごうとするが、兵士にとめられた。
フンドシは、地下の魔物を倒してくれる奴を探す為にしていたと思っていたが、よく考えたら他にも腐る程方法がある。
あれは趣味だったのか、と今確信した。
エテポンゲは酔い潰れて寝ている。ボロンゴもエテポンゲに無理矢理飲まされて、起きてはいるが動けない状態だ。
夜11時、俺はエテポンゲとボロンゴを引き摺り、宿屋で眠りについた。

Lv9
HP53
MP7
武器:鋼の剣 鎧:鱗の鎧 兜:木の帽子
呪文:ホイミ、バギ
特技:はやぶさ斬り

469 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/22(火) 15:28:43 ID:IJIVrbe4O
>>460
だから一気に書けと何度言ったr(ry

470 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/22(火) 18:06:27 ID:k0eoM1jG0
そうそう。ギャグはヘタに手を入れず、
勢いでそのまま書いた方が新鮮ですが
SSはまとめて投下した方がいいと思うよ。その方が自然と推敲する機会も増えるしね。

471 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:10:25 ID:6acPFOxR0
次の日の朝、変態王から宝の地図を貰った。
いや、地図はいらないからこの場で宝が欲しい。よこせ変態。
城の地下にある宝箱も持っていっていいと言った。そう言えばちらっと見た気がする。早速取りに行く事にした。



地下3つの宝箱の中にあったのは、5000G、魔法の聖水、小さなメダルだった。
因みに5000G札には盾を持った赤紫の豚の絵が描いてある。
俺達は変態王の城を出て、更に東へ突き進んでいた。
遠くに次の村が見えてきた頃、魔物に遭遇した。
…出た。スライムナイトとホイミスライム。
きやがれ。リベンジだ。そのニヤニヤした顔を真っ二つに斬り刻んでやる。
「イオ!」
スライムナイトがそう叫んだ直後、俺の周囲が爆発する。ガードに徹する俺。
かなりの痛みはあったものの、以前ほどではなかった。これならいける。
俺は鋼の剣を握り締め、ホイミスライムに一直線に突っ込んだ。
俺の鋼の剣は、ホイミスライムの頭から足を真っ二つに斬り刻んだ。
ホイミスライムは、悶絶する暇も叫ぶ暇もなく、絶命してしまった。
ふう、と溜息とついたところで、スライムナイトが襲い掛かってきた。
俺はすかさずバギを唱え、怯んだところを剣でぶった斬る。
あっけない。弱すぎる。いや、俺が強くなりすぎてしまったようだ…。
と調子に乗っているとまた強い魔物にやられかねない。
さっきバギを唱えた時すかさずと言ったが、実際は3、4秒かかってしまった。初級呪文でこれではダメだ。最終的には1秒以内に抑えたい。

472 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:10:56 ID:6acPFOxR0



村についた。大きな池。池を泳ぐ鯉。大きな石版。築100年のボロ家。
いや、最後の一つは確かではないが。
18、9歳ぐらいの金髪の青年が、池の鯉を捕まえて「今日の晩飯だ!」と言っている。アホか、何やってんだ。
暫く見ていると、青年が家の前で待っていた妹っぽい少女に鯉を渡し、「お兄ちゃんが毒味してね。」と言われている。ゲラゲラ。
今朝、変態王から宝の地図を貰ったが、実はこの町の真北に宝が眠っている塔があるらしい。
城から村までそれ程時間はかからなかったし、体力も温存しているので、今日の内にさっさと塔を攻略する事にした。



正午に差し掛かった頃、俺の目の前には巨大な塔が聳え立っていた。宝が眠っている塔だ。
塔に入ろうとするが、早速問題が発生した。
扉が開かないのだ。盗賊の鍵も鍵穴に合わない。どうしたものか。
暫く考え、俺の考えは一つに纏まった。



壊 し て し ま お う 。




473 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:11:54 ID:6acPFOxR0
俺は腰を深く落とし、まっすぐに扉を突いた!
ドガァン!!!
扉にパンチをふち込んだ瞬間、轟音と共に衝撃波で扉が吹っ飛んだ。
扉の奥で待ち構えていた骸骨兵が吹っ飛ぶ。一石二鳥だ。
エテポンゲとボロンゴがビビっているが、気にしない。
俺は早く宝を手に入れる為、早足で塔に入っていった。

足が痛い。
塔は広さはあまりないが、階段が多い。と言うか階段しかない。螺旋階段が只管続いている。もう300段ぐらい上がったのではないのだろうか。
まあ塔の敵はマンドリルや腐った死体、ブチュチュンパなど大した事はないので楽なのだが。
それよりさっきから気になる事がある。
この塔は最上階にしか天井がないので、塔の上の方まではっきり見えるのだが、10m程上にある階段の所に魔物が見えるのだ。
ただの魔物じゃない。茶色の岩の魔物、ゴーレムだ。
昨日城の城下町で旅の戦士がゴーレムの話をしていたが、そいつはゴーレムに一撃で殴り倒されて命からがら逃げてきたらしい。
その戦士は見るからに旅に慣れた強そうな戦士だった。
エテポンゲに任せるか?任せておいて俺とボロンゴで先に行くか?
等と考えているうちに、いつの間にかゴーレムの目の前に来ていた。
ゴーレムは指をポキポキと鳴らし戦闘準備は万端で、「バッチリ殺してやるぜ!」と言った感じだ。その岩の中に本当に骨が入っているのか?
いや、突っ込む所が違う気がするが、テンバっているので正常な思考ができない。
こっちはまだ戦闘態勢に入っていないのに、突然ゴーレムの鉄拳が降り注ぐ。
間一髪で避ける。どうやらスピードはない様だ。見た目通りだな。

474 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:12:26 ID:6acPFOxR0
パーティで一番スピードのあるボロンゴが、ゴーレムの頭に速攻で噛み付く。
ゴーレムは頭を押さえて悶えている。意外に弱いんじゃないか?
余裕だな、と思って鋼の剣を振りかぶった瞬間、ゴーレムが俺に圧し掛かってきた。
物凄い重圧で悶え苦しむ俺。この重さだ。並の痛さじゃない。
エテポンゲがヒャッホウ!と言いゴーレムに圧し掛かる。
いや待て、ゴーレムにもダメージがあるだろうが、それ以上に俺が痛い。
やめろお前。何度も踏みつけるな。いてて、お前ぶち殺………
次の瞬間、ゴーレムのエルボーがエテポンゲに襲い掛かる。
エテポンゲは直撃を受け、5m程吹っ飛んだ。物凄いパワーだ。
ゴーレムが更に重圧をかける。なんか体がミシミシいってるんだが。まさか骨が折れるなんて事はないよな。
ボキッ!
左腕に激痛が走る。ヤバイ。曲がってはいけない方向に腕が曲がってしまった。
ゴーレムが不敵に微笑む。野郎、なめやがって。
方法がない訳ではない。が、バギ程度では吹っ飛びそうにないので、また新しい呪文を使わねばいけないのだ。幸運が3度続くのだろうか。
ま、何でもいい。気楽にやろうぜ気楽に。
台詞と状況が全く合っていない気がするが、取り敢えずやってみようか。
俺が唱えた呪文、それは…。
スカラ!!
何も起こらない。ゴーレムも一瞬怯んだが、再びニヤリと笑い重圧をかける。
ええい、イメージが悪かったか。やはり戦車の弾の直撃を受けて無傷、というのでは無理だった。
いや、普通に考えて十分なんだが。もっと強そうなものは………。

475 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:13:04 ID:6acPFOxR0
!! これだ!
スカラ!!
次の瞬間、俺の体が赤い光に包まれた。
成功だ。さっきまで悶える程痛かったが、今は十分耐えられる程度だ。
イメージしたのは、ゴキブリを踏み潰して精神的に無傷、というものだ。
ちょっとズレている気がするが、使えれば何でもいい。
俺はボロンゴに、ゴーレムに噛み付く様指示した。
ボロンゴの鋭い牙がゴーレムに襲い掛かる。
3、4度噛み付いたところで、ゴーレムは叫び声をあげる。かなりのダメージを受けている。
俺がバギでトドメをしようとした瞬間、エテポンゲのタックルがゴーレムに直撃し、絶命した。
「ヘッヘッヘ、俺俺、俺がゴーレムを倒したんだぜ。」
得意気になるエテポンゲ。その憎たらしい顔に鉄拳をぶち込んでやろうか、と思った。
自分にホイミをかけると、腕が元通りに戻った。普通に動く。

最上階に着いた。しんどい。500段は登った。足が震えている。
最上階の中央には、黄金に輝く宝箱が置いてあった。
俺は早速開けてみる。鍵がかけてあるかと思ったが、普通に開いた。
中には、小さな棒が入っていた。何か書いてある。
「アイス棒 あたり」
……………。
嫌がらせか?変態王の嫌がらせか?それとも別の奴か?
俺が怒りで震えていると、後ろから足音が聞こえてきた。

476 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:13:40 ID:6acPFOxR0
「おい、そこに入っていた宝を置いていきな。」
そこには、確かに化け物がいた。
パンツにマスクに斧…。ば、化け物め…。また変態か?
変態が自分語りを始めた。
名はカンダタで、世界中に子分がいる大盗賊らしい。
いや、聞いてない。というか、お前の子分になりたいなんて、余程のアホだな。その子分達。
「タイマンだ。来い。」
カンダタが斧を構える。タイマンとは、見かけによらず正々堂々としている。
いや、普通に考えて3対1で戦おうとは思わないか。
こいつは恐らく戦士系。そして俺は魔力が切れた。となれば、確実に肉弾戦になるだろう。
カンダタが激しく斧を振りおろす。速い。俺は紙一重で避けた。
この野郎、見かけによらずスピードがある。さすがは盗賊だ。
はやぶさ斬りでも、俺がわずかにスピードが上回る程度だった。
はやぶさ斬りは攻撃力が低いので、何度攻撃しても倒せない。体力を消耗するばかりだ。
痺れを切らし、俺が渾身の一撃を与えようと剣を振りかぶると、カンダタはその隙を突いて素早く斧を振り下ろした。
ズシャッ
俺の腕が切り落とされる。しまった。これで五体不満足になってしまった。今後人々に出会う度に、哀れみの目で見られるのだろう。
いや、それどころではない。出血が凄い。失血死してしまう。
俺は袋から薬草を取り出し、かじった。
ナ○ック星人の如く腕が生える。良かった。体液の様なものは出なかった。出たら精密検査をするところだった。

477 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/23(水) 00:14:31 ID:6acPFOxR0
俺はカンダタの隙を突き、素早く後ろに回りこんで首にチョップを放った。
その場で膝をつくカンダタ。
俺は腰を深く落とし、まっすぐに相手を突いた。
ドガァン!!
カンダタの背中が反り返り、その場に倒れて気絶した。
腕を切られたお返しに、脇腹を思い切り蹴る。カンダタはゴロゴロと転がり、下に落ちてしまった。
……………。
ちょっと待て。ここ高さ何十mもあるんだぞ?そこから落ちてしまったと言う事は…。
……………。
悪かった。殺すつもりはなかったんだ。安眠してくれ。
塔を降りる前に再び宝箱を確認すると、小さな鍵があった。
確認しておいて良かった。宝箱の大きさの割に小さいからわからなかった。
何の鍵かは分からないが、一応貰っていく。
その後、カンダタの事で暗い気持ちになり、満身創痍の体を引き摺ってゆっくりと塔を降りた。
一階でカンダタがでかい口をあけていびきをかきながら寝ているとも知らずに。

Lv12
HP38/66
MP1/18
武器:鋼の剣 鎧:鱗の鎧 兜:木の帽子
呪文:ホイミ、バギ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、正拳突き

478 :未成年の旅・書き手 ◆BlH5qivf3A :2005/11/23(水) 12:38:53 ID:i0TDHCO50
連投する暇がないんです!うちの学校もうすぐ期末なんで・・・。
部活やらなにやらで下校したら六時だし、何より金がないし・・・。
ごめんなさい!

479 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/23(水) 12:46:34 ID:ptUJEpIA0
厳しいようだが、中の人のテスツやらブカツやらは正直どうでもいい
実生活で忙しいならさらっとそう書けばよろし
あまり中の人を前面に出されると萎えるよ

480 :未成年の旅―11 ◆BlH5qivf3A :2005/11/23(水) 13:11:20 ID:i0TDHCO50
光を帯びている自分の手。現実とは思えない光景だ。少し動揺しながらも、集中を切らさない。
「いい感じだ。もう一息!頭の中で火の玉をイメージして。」
聞こえた事を素直に受け止め、頭の中で火の玉をイメージする。もっと大きく、もっと・・・・。
「いまだ!放てっ!!」
サーベルトの威勢良い声にあわせて、<しましまキャット>にむかって火の玉を投げ付けた。
小さい火の玉だったが、この<しましまキャット>を倒すにはちょうど良かった――いや、ちょうど良過ぎたのだろう。
ギャンッ、という短い悲鳴が聞こえたかと思うと、<しましまキャット>は青い光になって消えた。

「・・・・す・・・・・。」
「はあ?酢?そんなもん持ってな」
「すっごいよ、カイト!!!!よくやった!初心者でここまで威力の強い<メラ>は初めてみたよ!!」

『・・・・・・あの火の玉は<メラ>って言うのか・・。』
サーベルトの興奮に驚きつつも、自分の手から出た火の玉に自分も驚いた。
マッチを擦って出す火や花火のような火とは違う、まさしく神聖な・・・そんな物だった。しかし、それと
同時に海斗の心には、自分の手で生き物を焼き殺してしまった、そんな気持ちが生まれていた。

481 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/23(水) 16:28:18 ID:kkKqobG90
連投の意味を勘違いしてる件について

メモ帳でもワードでもいいからそこに書き溜めして一気に投下せい

482 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/23(水) 19:51:11 ID:aqOONmEG0
第二部
魔人軍団が本格的に進行を始めてから数ヶ月、事態を重く見たとある町の城の王は一人の男を
王座へと呼んだ
「何でしょうか国王」
たくましい体つきをした男が王へと
「オルテガよ・・もはや魔人達に対抗できるのはおぬししかおらん。」
「はい、呼ばれたときから感づいてはいました」
「すまぬオルテガよ、つい最近子供が生まれたばかりだというのに・・・」
オルテガは何も言わずに城を出て行った
一つの小さな家、歴戦の戦士オルテガの家
「あなた・・・」
「すまない、魔人達に対抗するために旅立つことになった・・・・・・」「
女性は静かにうなずくと生まれたばかりの子供の方を向く
「あの子の名前、アレルってどうかしら」
「いい名前だ、良い子に育つよ・・・」


数日後
「オルテガよこの剣を持って行くとよい」
一本の剣がオルテガの手に渡る
「これは・・・・すばらしい吸い込まれそうだ」
「その剣はおぬしが旅立つと聞いたときに村中の鍛冶や達が一睡もせずに作り上げた物だ」
ふと横を見ると数人の鍛冶やがこちらを向き腕をくんでいた
「ありがとう、それでは行ってまいります!」
息子アレルに、妻に、みんなに見送られ戦士オルテガはアリアハンを旅立った

483 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/23(水) 20:17:03 ID:aqOONmEG0
同時刻魔王ゾーマの城
「そういう訳でありまして、全て順調に進んでおります」
俺はゾーマに現在の状況を説明を一通り言い終える
「うむ、よろしいそなたには褒美として魔界の装備をやろう」
ゾーマがそう言うと、俺の前に剣と鎧と盾が現れる
「この装備は?」
「これは地上の勇者に対抗するために作られた武具だ、今のおぬしなら十分使いこなせるだろう」
「ありがとうございます、それでは」
俺は魔界の装備を受け取るとルーラを唱え地上の城へと移動する
「そうじゃ、おぬしの要望通りバラモスとオロチは地上に派遣しておいたからのう」

俺は魔人城の王座に座っていた
「さて、次はどうするか」
するとバラモスが言ってきた
「噂によると、オルテガとサイモンと言う勇者が旅立ったそうだが・・・」
「そんな奴ら、所詮俺の敵ではない放っておいても問題はないだろう」
「それより侵攻を優先すべきだ、次は・・・・ジパングにでもするか」
ジパング・・・・日本、いやな思い出だ

HP:399/399
MP:320/320
E魔界の剣 E魔界の鎧 
呪文:エビルデイン・イオラ・ベホイミ・ルーラ
特技:魔人斬り(強)





484 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/23(水) 20:41:11 ID:JlHM33B80
>>ローディ
超ワラタ
ナイス

485 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/23(水) 21:18:26 ID:bkgFJ+k60
うおぉぉぉ!!!
いつの間にか4の人帰ってきてたのか!
おかえりなさい。ずっと楽しみに待ってました。
自分のペースでいいので、どうか頑張って下さい!

486 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/24(木) 21:56:27 ID:wckWfrDR0

いまさらですが点呼
ROM専です

487 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/26(土) 00:01:11 ID:ilBwQmgJO
保守ついでに 9

488 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/26(土) 11:03:00 ID:PMx/VrYG0
ジパング、黄金の国・・・・・日本
「さて、どうするか」
俺はつぶやきながら作戦を考えていた
「魔人王、ここは私に任せてくれ」
そう言ったのはオロチだった、そしてオロチはその姿を人間の女性の姿へと変える
「私に考えがある、どうかお任せを」
ことわる理由もないし、何より自信に満ちあふれている、ここは任せておくべきか・・・・

サマンオサの城
次はここを攻めるっと言いたいところだが、ここの王は全世界とつながりを持っているらしい・・・下手に殺せばそれこそ
こっちが追いつめられてしまうかもしれない
王を殺さず国を乗っ取り方法は・・・・!
「そうだ、ボストロールの奴は確か変化ができたはず、これは・・・・使える」
ボストロールを呼び説明する
「まず一般人に変化し町に入り込む、そして城の前にまできたら近衛兵にでも化けて城には入り込む、
そして王の寝室まで入り込む、そして王をできるだけ騒がれないように取り押さえるんだ、その後は地下室にでも閉じこめてお前が王になりすまし、
他の国と連絡を取り、うまいぐあいに俺たちが有利になれるように動かす、会話の内容は俺がそばについてアドバイスするからその通りにすればいい」
「ああ、わかりましたぜ魔人王様、これが終わったら褒美はたっぷりくださいよ」
いいぞ、サマンオサの王は上世界の中でも立場は上!、これが成功すれば上世界を占領するのも近くなる
HP:399/399
MP:320/320
E魔界の剣 E魔界の鎧 
呪文:エビルデイン・イオラ・ベホイミ・ルーラ
特技:魔人斬り(強)


489 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:05:58 ID:tt0bIaSSO
もょ「おきろ!タケ!」
タケ「ん、んあっ?」
もょ「お、おまえリアちゃんになにをした?」
タケ「いきなりどないしたんや〜?こっちは眠いのに。まだ夜明け前やで。」
もょ「おれたちのベッドでリアちゃんがねているぞ。」
タケ「あっ…ああ…それなりの事情があるから説明するわ。まず井戸に連れていってくれ。マジでメッチャ眠いわ。」
もょ「しかたがないな。」
昨日はリアが確かサマルにキッツイ事を言われて凹んでいたんだよな。
リアは事情を話しはしなかったが一部始終を見ていたから大体は説明できる。
もょもとが聞いたら驚きを隠せないだろうが無理もない。しかしわかりしだい話すと約束してしまった以上は嘘はつけない。

タケ「…っと言う訳なんよ。」
もょ「そうなのか。しばらくはしらないふりをしていたほうがいいかもな。」
タケ「そうやねん。もょがどう思うか意見を頼むわ。」
もょ「おれがおもうにはサマルとリアをふたりっきりにさせないことがさいていじょうけんだな。そうでもしないとパーティがバラバラになる。」
タケ「上手くさせるにはそれが最善策やろ。今の所はな。どっちにしても俺らとサマルが一緒におるのがリアに危害を食わさずに済むな。」
もょ「きまりだな。タケ、きょうはたのんだぞ。」
タケ「まかしとけ。」
井戸で顔洗って部屋に戻り、着替えて準備をしている時にリアが目を覚めた。
リア「おはよ〜☆もょもとさん。」
タケ「おはよ。行き先が決まったから早く着替えておいで。」
リア「うん!」
少しは元気が出たみたいだ。良かった。
もょ「なにニヤついているんだ?タケ」。
タケ「な、何にもあらへんわ。このドアホ!」
もょ「なにあせっているんだ?おまえ、おんなのこにはやさしいじゃないか。」
タケ「あんまり気にすんなや。それにな、もょ。仲が良い女の子には優しくしないとあかんで。」
もょ「そうなのか。」
もょもとのやつ変に冷やかしやがって。可愛い奴め。

490 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:07:10 ID:tt0bIaSSO
もょ「しかしきょうはどこにむかうつもりだ?」
タケ「昨日酒場で情報集めた結果、サマルトリアから西にある洞窟に向かう事や。なんでもお宝があるらしいんよ。」
もょ「そうなのか。いくかちはありそうだ。しかしあぶなくなったらいつでもかわるからな。」
タケ「ありがとうな。二人が来たら早速向かう事にするで。」
しばらくした後サマル、リアが来て目的地を話した。
リア「何か面白そうだね!」
サマル 「いいんじゃないかな。もょ。」
タケ「だろ?じゃあそこに向かうぞ!」

道中、モンスター達が襲ってくるのだが、今の俺達にとってはこの近辺では敵無しだった。サマルが鎖鎌で先制攻撃をし、俺やリアがその後に攻撃をするというスタンスになった。
タケ「なかなか調子が良いじゃないか。サマル」。
サマル 「キミが鎖鎌を買ってくれたお陰だよ。」
タケ「リーチ範囲が剣よりも長いから、先に攻撃しやすいみたいだな。」
しばらく歩いていくうちに関所っぽい所が見えた。
リア「あっ!ローラの門だ。」
タケ「へぇ、あれがローラの門なのか。」
もちろん知ったかぶりである。
リア「あの門をくぐるとムーンペタって言う街があるらしいの。」
タケ「なるほどな。それにしてもリアちゃんは物知りだな。」
リア「えへへっ☆ありがと。」
ムーンペタに向かうには関所っぽい所を抜けないと無理みたいだ。
それにしても昨日の出来事が信じられないくらいにサマルとリアが仲が良い。
サマル 「リア、大丈夫かい?」
リア「私は平気よ。頑張ろうね。お兄ちゃん!」
仮面夫婦ではなく仮面兄妹と言うところか。やっぱリアは無理しているかもしれないな。話している間に目的地っぽい場所が見えてきた。
もょ(タケ、あそこのどうくつか?)
タケ(そうみたいやな。)特にこれといったトラブルは無く、洞窟に到着した。


491 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:08:12 ID:tt0bIaSSO
松明に火を灯火し、俺達は洞窟に入った。

洞窟に入った俺達は探索をしているのだが部屋数?が多くて戸惑った。
道は一本道だが宝箱がある部屋は嬉しいのだが(って言っても手に入れたアイテムは対した物はないのだが)外れだったらちょっと腹が立つ感じだ。

もょ(タケ。ここはほんとうにおたからがあるのか?)
タケ(すまん。ここには凄い宝があるらしいんやけど…)
もょ(おくまですすんでみないとわからないな。)
タケ(ああ。恩にきるわ。それにしてもあの荒くれ共帰ったらヌッコロス!)

敵はバブルスライムやキングコブラ達は対した事は無かったのだがここで嫌な敵が現われた。

ラリホーアントだ。最初はアイアンアントの赤レンジャイか?と思って攻撃したのだが、甘かった。奴は魔法を唱えた。

ラリホー。

やばいッ!効いてしまったみたいだ。このまま眠っては…あれ?なん…で…

俺は寝てしまった。


もょ(タケ!だいじょうぶか?)
タケ(あ、あれ?あの赤いやつは?)
もょ(おれがたおしたよ。)
もょもとが言うには俺だけラリホーをまともに食らいサマル、リアは回避したらしい。もょもとが俺の代わりに行動してくれている訳だ。
タケ(す、すまん…)
もょ(しばらくおれにまかせておけ。)
タケ(しかし、サマルやリアにはバレてないやろな?)
もょ(ああ。ふたりにはごまかしたからな。しんぱいするな。)
ちきしょー腹が立つぜ。あんな赤レンジャイに振り回されるとは…



492 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:09:31 ID:tt0bIaSSO
もょもと、リア、サマルの順番で順調良く進み、最深部まで進んだ。奥には変わった宝箱があったのだが…
リア「ついにお宝がみつかったね!」
もょ「しかしわながあるかもしれないな。ふたりともせんとうじゅんびだけはしておけ。」
サマル 「うん…」
もょもとが宝箱を開けたら銀の鍵を手に入れた。
しかし、意外な事が起きた。緑色のアイアンアント=軍隊アリが集まってきたのだ。数は10匹以上はいる。
どうやら宝箱の中身を取り出したらモンスター共が来る仕掛けの様だ。
サマル 「う…うわぁ…」
リア「もょもとさん!どうしよう!?」
もょ「ちからをあわせてかえりうちにしてやろう!」
もょもとの掛け声で3対10のバトルが開始された。サマルは鎖鎌、リアは魔導士の杖で攻撃したのだが敵は確かに一撃で倒せる。
奴等は応援部隊を呼び出し、逆に数が増えるのだ。
リア「はぁ…はぁ…」
サマル 「こ、これじゃきりがないよ…」
もょ「くそっ…」
三人とも息が上がっている。まして戦闘開始時より倍以上敵が増えているのだ。
三人の戦意が無くなる前に手を打たないとまずい。
宝箱の中身を取り出したために軍隊アリが出てきたと言う事は…
タケ(もょ!聞こえるか。)
もょ(ど、どうしたんだ…?)
タケ(銅の剣を宝箱の中に入れるんや。)
もょ(な、なんだって?そんなことしていみがあるのか?)
タケ(説明している暇はあらへん!早くせえ!)
もょ(わ、わかった。)
もょもとが銅の剣を宝箱の中に置いたら宝箱が勝手にしまった。
タケ(これであいつらが増える事は無いはずや。もょ。体力は大丈夫か?)
もょ(ああ。しかしサマルがかなりやばいな。リアもうごくのがやっとってかんじだ。)
タケ(それならリアに指示して俺達だけでやっちまうか。)
もょ(わかった!)
リアとサマルに休ますように指示をし、残りの軍隊アリを相手にする事にした。

493 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:12:16 ID:tt0bIaSSO
しかし1対20の戦いだ。本当にいけるのだろうか?
もょ「こいっ!」
もょもとの掛け声で斬り始めた。軍隊アリ達も飛び掛かるのだが、常人離れした判断能力には叶わなかった。
面白いほど斬り込んでいった。リアルベルセルクを体感している様だった。

残りは5匹になったのだがさすがにバテてきた。そろそろ交替だな。

タケ(もょ!早く代われ!後は俺がやる。)
もょ(まだだ…)
タケ(何言ってるんや!?)
もょ(タケがいなければおれたちはぜんめつしていた。たよるわけにはいかない!)
タケ(アホ!意地張ってる場合やないやろが。)
もょ(たのむ。ここはおれにまかせてくれ。)
タケ(しゃーないな。もょに任せるわ。絶対に失敗だけはするなよ!)
もょ(サンキュ…)
しかしもょもとが体力的には危ないのは事実。切り返すスピードが落ちている。
さすがに攻撃を受けるようになり、傷口も多くなった。本気でヤバイ。
もょ「はぁ…はぁ…」
ここで意外な奴がフォローしてくれた。サマルだ。
サマル 「大丈夫かい?もょ。」
もょ「サ、サマルはだいじょうぶなのか…?」
サマル 「もょが時間を稼いでくれたお陰で回復できたよ。僕に任せてね。」
サマルは魔法を唱えた。

サマル 「ホイミ。」



494 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:13:25 ID:tt0bIaSSO
何と傷口が回復したのだ。おまけに疲労が結構マシになっている。
もょ「たすかったよ。ありがとう。」
サマル 「まずは残りの敵達をやっつけないとね。ギラッ!」
サマルがギラを唱えると炎が軍隊アリ達を包み込んだ。焼くつくすまではいかなかったが効果はあったみたいだ。
リア「私も忘れないでね!ギラッ!」
リアがギラを唱えると残りの軍隊アリ達を焼きつくした。魔力はリアの方が強いみたいだ。
もょ「ふたりともさいしょからなぜまほうをつかわなかったんだ?」
サマル 「いやぁ非力な僕やリアでも敵を倒せたからね。安心しきっていたよ。まさか敵がうじゃうじゃでるとは思わなかった。」
リア「もょもとさんが宝箱の罠に気が付かなかったら危なかったね。ありがと、もょもとさん。」
もょ「そんなことないぞ。これはみんながちからをあわせたけっかだぞ。」
サマル 「そうだね。もょ。」
リア「うん。」
洞窟を脱出し、サマルトリアに戻った。
もょ「これからどうする?」
リア「ムーンペタに向かってみようよ!」
サマル 「そうだね。父上にローラの門を開けてもらうように掛け合ってみるよ。」
もょ「わかった。きょうはおれだけやどやにやすむよ。」
サマル 「いいのかい?王族であるキミがそこまでしなくても…」
リア「それに親戚じゃない。遠慮しなくてもいいのに〜」
もょ「ちょっとひとりになりたいきぶんなんだ。たのむよ。」
サマル 「無理には言えないね。わかったよ。じゃあまた明日。」
リア「またね、もょもとさん。」
サマルとリアと別れて宿屋に向かった。

495 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:14:48 ID:tt0bIaSSO
部屋に入ったとたんにもょもとが倒れたのだ。
タケ「もょ!しっかりしろや!」
もょ「ああ…すまん…」
タケ「無茶したらあかんやん!なんでや?」
もょ「おまえばかりにはまかせられないからな…」
タケ「アホか。一心同体なんやから協力しあってなんぼやないか。」
もょ「サマルがいったようにタケがいなかったらわなにきがつかなかったんだ。」
タケ「常に冷静になって判断しただけやで。」
もょ「それに…きがつかなかったおれじしんにはらがたつのさ…」
タケ「あのな〜自分を責めてもしゃ〜ないやん。」
もょ「なぜタケはそのようにいえるのだ?」
タケ「俺が思うには一人一人の長所を活かす事が大事やと思うんよ。」
もょ「ちょうしょを…?」
タケ「ああ。もょは剣術がパーティーの中で一番巧いしサマルは回復呪文、リアは攻撃呪文が得意みたいやからな。」
もょ「タケもつよいじゃないか。」
タケ「多分もょと勝負しても俺が負けるやろ。それなら戦術や状況判断能力を活かすのが俺の役目やと思ってる。だからもっと自分に自信を持った方がええで。」
もょ「はやとちりして…その…わるかった…」
タケ「気にするな。これが適材適所っていうやつや。頼りにしてるで。もょ。今日は特訓をしなくてええからゆっくり休む様にしとき。」
もょ「そうするよ。タケはどうする?」
タケ「俺が代わりに特訓しとくわ。途中で代わったしな。明日は俺に任せておきな。」

もょもとが休み、俺も特訓して休む事にした。今日の特訓には何か手応えがあった。しばらく頑張ってみるか…


496 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:16:00 ID:tt0bIaSSO
もょもと&タケ
Lv.8
HP58
MP 0

装備E.青銅の剣
  E.皮の鎧
  E.鱗の盾
  E.木の帽子
特技
かすみ二段
強撃
はやぶさ斬り(もょもと専用)
チェンジ(眠った時、マヒした時など人格を交替する事ができる。)



497 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/11/26(土) 23:24:37 ID:tt0bIaSSO
>>ローディ・魔神・海斗
GJ!がんがれ。超がんがれ。
他のみんなも気軽に(屮゚Д゚)屮カモーン

498 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/26(土) 23:38:55 ID:tt0bIaSSO
ほす

499 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/26(土) 23:39:47 ID:tt0bIaSSO
ほす

500 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/26(土) 23:41:00 ID:tt0bIaSSO
                     人人人人人人人人人人人人
                    <                  >                   <   5 0 0 ゲ ッ ト ! ! !  >
                    <                  >                     Y`Y`Y`Y`Y`Y`Y`Y`Y`Y`Y`

  ,ヘ.,'´ ̄ヽノl   __    iヘヘヘ   ,ヽ,' ニニ、ノ   .,'::::::::ヽ     /'/i/!   ,'´ ̄丶   ,'´ ̄ヽ
  ヽ )〔===〕ノ  /=( 0 0l   ,'w=0=n  )ノ ;>O<ミ   (ミ::ミ::ミ:::)   ノヾ/、リ フ  'y-w、 ゝ  /ソメ(ヘ  i
  l_,!,,´∀ノ   |@|,,゚Дノ  レ,,゚ー゚)ノ  ミソ,,゚дノ   (´ー`リミ  (ヽ(゚∀゚ bノ  ('(д゚;ヾ,/)   (゚ー゚;リ∩
   / ⊃⊃   ⊂ V ⊃  (|丶:;;|'    (| ∀l)  <ヾ ,へと|    '丶;;;/ つ   `,ヘ ,ノ    (|l;;! ,ノ
  ノ,ハ_ハ,〉     |===|   ノ:|===|    |===|    ヽゝ、ノ|    ⊂_ノ   (/、ヽ>     |l::丶>
   U U     し' J     U U  .   (/´U     し' ヽ)      ヽ)      U      し`J


501 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/26(土) 23:58:48 ID:WMm6XER50
塔を出た後、村に戻り一泊してから更に東に向かった。
塔の宝箱にあった鍵について村人に聞いたが、結局有力な情報は得られなかった。
爆弾ウニパン(7G)を食べながらだらだらと歩いていると、急に口の中が爆発した。
口から血が大量に出る。エテポンゲがゲラゲラ笑っているがそれどころではない。薬草で一命を取り留めたが、まだ口の中が痛い。このパン、爆弾入りかよ。何て物を売りつけるんだボケが。
取り敢えずエテポンゲを殴り倒した後、パン屋の主人に怒りを覚えながら歩いていると、山賊ウルフが目の前に立ち憚った。
7匹もいる。まずい。2、3匹ならなんとかなるが、この数は流石にきつい。
7匹が一斉に俺に襲い掛かってくる。
ちょっと待て。時代劇とかでもこういうのは一人ずつ斬りかかって……ぶべら!!
腕を、腹を、太ももを、次々に斬られる。ヤバイ。出血が凄い。
バギを唱えようとするも、山賊ウルフの連続攻撃に邪魔される。
ボロンゴが7匹の内の1匹に噛み付く。エテポンゲもマッスルダンスで2匹相手に応戦する。
山賊ウルフの戦力が分散したので、俺は素早くホイミを唱え、立ち上がって2匹を相手にする。
数が多く多少苦戦したものの、大きな怪我はなく無事に全滅させた。
ようやくチームワークが取れてきた様だ。エテポンゲも本気を出せばかなり強い。




502 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/26(土) 23:59:25 ID:WMm6XER50
昼過ぎ、城に到着した。
変態王の城とは違い城下町はなく、少し小さく感じた。
変態王の城と同じく中に自由に入れるらしいので、遠慮なく入る。
城に入る前に、棺桶を引き摺った青い服を纏った剣士とすれ違ったが、気にしない事にしよう。
兵士がエテポンゲを悪い魔物と勘違いした。エテポンゲが「ぷるぷる!僕悪い魔物じゃないよ!」と気持ち悪い笑顔で言っている。益々怪しい。
と言うかエテポンゲは一応人間だろ。自分で魔物認定しやがった。なんて奴だ。
城の中には、人が住んでいた。城の中で料理を作っていたり、ベッドで寝ている民間人がいる。
それにしても怪我をしている兵士が多い。そこら中の兵士が包帯を巻いている。医療室で寝ていたり、怪我が深く死んでしまった兵士もいるらしい。一体何があったのだろうか。
二階への階段の所で、兵士が道を塞いでいた。
「ん?お前も希望者か?」
兵士がそう言った後、大剣を構える。何だ、やる気か?
「死にたくなければやめておけ…。」
エテポンゲがそう言い、拳を構える。台詞が少しかっこいいと思ってしまった。大分毒されている様だ。
「ほう、相当腕に自信がある様だな…行くぞ!」
兵士が自分の身長を優に超える大剣で斬りかかる。俺は鋼の剣で大剣を止めた。
俺は余裕の表情を保つが、実は手が痺れている。当然だ。あの大剣に、こんな細い剣で対等に戦える訳がない。
俺が兵士の出方を窺っていると、城に引き篭もる自堕落人間達が、周囲に集まってきた。
いや、自堕落人間がどうかはわからない。社会に貢献している人達ばかりだったら、謝る。正直すまんかった。
「うおおー!!始まったぞー!!」
「やれー!!ぶち殺してやれー!!」
罵声の様な叫び声が飛び交う。
今分かった。ここに住んでいる奴らは極端にストレスが溜まっている奴らで、こうやって旅の戦士達が兵士に殺される姿を見て楽しんでいるんだ。
つまり、俺はこいつらのストレスを解消させる為だけに殺されるんだ…。

503 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:00:08 ID:WMm6XER50
殺される訳にはいかん。こっちも本気で殺しにかかる。
俺とボロンゴとエテポンゲが一斉に突撃する。
「ちょ、お前ら!普通は正々堂々と一対一でたたk…」
問答無用で斬りかかる。三人の攻撃を一気にくらい、兵士は大量の血飛沫をあげると共に倒れた。
「き、貴様ら…卑怯だぞ…。」
「ずるい、卑怯は敗者の戯言。勝者こそが正しいのだ。戯け者が。」
エテポンゲが兵士の顔を踏んで、二階に上がっていく。何だか屁理屈の様な気もするが、まあいい。
山賊ウルフ戦の怒りをぶつけているのかも知れないな、と思いつつ俺も二階へ上がった。

自堕落者の住居二階から更に階段を上がり三階へ行くと、兵士二人が扉の前に突っ立っていた。
「ここにいると言う事は一階の兵士を倒した様だな。腕に自信はある様だ。だが、二人ではどうだ!?」
城の兵士スコット、ホリディが大剣を構える。またか。今度は観客がいないのに、また処刑か。
「やけておけ。お前らと俺とでは、格が違いすぎる。」
再びエテポンゲが妙にかっこいい台詞を言う。ヤバイ。かっこ良すぎる。俺を盾にしていた頃とはまるで別人だ。
が、さっきの様にはいかないだろう。今度は二人だ。どうしても戦力が分散してしまう。
ボロンゴとスコット、エテポンゲとホリディが一対一で戦い、俺が呪文で二人を援護すると言う作戦を立てた。
作戦通りに事が進んでいく。ボロンゴもエテポンゲも、大体互角と言った所か。
相手の実力が分かったところで俺がバギやスカラで援護をすると、徐々に戦況が有利になってきた。
「ベホマラー!!」
スコットがそう叫ぶと、スコットとホリディの傷が瞬く間に回復した。

504 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:00:40 ID:WMm6XER50
「ふはははは!!甘く見るな!!」
兵士二人の大剣が、ボロンゴとエテポンゲの身に襲い掛かる。
更にスコットがバイキルトやルカナンを使い、ホリディもうまい所でスコットをかばうので、さっきまでとは一転し、一気に不利になった。
そろそろ俺が直で戦う時が来たか。
取り敢えずホリディはボロンゴとエテポンゲ二人で戦わせる。俺は一人でスコットと戦う。
宝の塔からここに来るまでに、密かに練習していた技があった。まだ完成には至っていないが、やってみる事にする。
俺は右手で剣を水平に持ち、精神を集中させる。
ギラ!!
俺の左手から小さな炎が現れる。単体にダメージを与えるメラとは違い、広範囲に効果がある呪文だ。
これを単に兵士にぶつけるだけではない。
炎を纏った左手を刃に近づけると、刃が炎で覆われた。
ギラと剣が合体して火炎の剣ってとこかな…更に…
こいつが火炎斬り!!!
スコットに斬りかかる。俺の鋼の剣は、スコットの左腕をいとも簡単に切り落とした。
腕をもがれてその場で悶え転がるスコット。まあ薬草で腕が生えるからいいだろう。
俺が開発した火炎斬りは、燃え盛る炎で肉を焦がし、刃で骨を断つ技である。普通に斬るより遥かに威力がある。
俺は攻撃の手を休めず、スコットの右足を火炎斬りで切断した。
「がはっ…ま、まいった…!」
スコットが薬草を取り出してかじる。すると左腕と右足がブチュブチュグチョと奇妙な音をたて、徐々に生え出した。生え方にも色々パターンがある様だ。いや、そんなギャグ的要素はいらん。
ボロンゴ達もホリディを倒した様だ。流石に二対一ではかなわないだろう。
「どうやら相当の実力者の様だ…。分かった。王様の所に案内しよう。」
ついてこいと言われる。何だ、今度は王直々に処刑か?そこまでして処刑したいのか?


505 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:01:19 ID:WMm6XER50

王座の間には、王と王紀、大臣、兵士長がいた。王の前まで連れて行かれる。
「この者たちは試験に合格した者です。連れて参りました。」
「ごくろう、下がって良い。」
試験?何の試験だ?王直々に殺す価値があるかどうかの試験か?王は殺人鬼か?
様々な疑問が思い浮かぶ。一体何が始まるのだろうと緊張していると、王が口を開いた。
「君の様な若者が、洞窟の魔物を倒したいとは珍しい。感心な若者だな。」
洞窟の魔物?何の事だ?俺は知らんぞ。帰してくれ。
「だが、その前に兵士長ブラストと戦ってもらう。いいな?」
「今度は兵士長か…。ブラスト、貴様にも見える筈だ。死○星が…。」
ちょっと待て。状況を考えろエテポンゲ。今までの兵士達とは訳が違うんだぞ。
「甘いな…。世紀末の覇者ブラストが返り討ちにしてやろう。」
兵士長はノリが良かった様だ。助かった。

兵士の訓練場に案内される。ここでブラストと戦うらしい。
「三対一で来い。それで俺に勝てないと言う事は、洞窟の魔物にも勝てないと言う事だ。」
金髪の兵士長ブラストが大剣を構える。この隙のない構え方から、何となく風格を感じた。
「行くぞ!!」
ブラストは物凄いスピードで接近し、エテポンゲの腹を斬った。
「うぐ…あ………!」
エテポンゲがその場に倒れ込む。エテポンゲはそのまま気絶してしまった。
「おや、さっきまでの勢いはどうした?」
ブラストがニヤリと笑う。こいつ、今までの兵士達とはケタが違う。

506 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:01:50 ID:WMm6XER50
俺はギラで剣に炎を纏わせ、スカラを俺とボロンゴに使って万全を尽くした。
俺とボロンゴは二手に分かれ、ブラストの左右から一気に突っ込んだ。
「甘いわ!!」
ブラストが回し蹴りを放つ。俺とボロンゴは吹っ飛ばされ、壁にぶち当たった。
さて、ここまで実力の差を見せつけられて、後はどう対抗しよう。策がない。
俺が壁にもたれかかって苦しんでいると、ブラストがこちらに近づいてきた。
ブラストが俺の前までくると、拳を強く握り腰を深く落とした。
これは、正拳突きか!?力勝負なら負けん!
俺も素早く立ち上がり同じ様に腰を深く落とし、ブラストが拳を突き出すと同時に俺もまっすぐに相手を突いた。
ドガァン!!!
お互いの拳が衝突すると同時に、二人とも吹っ飛んだ。
俺も痛かったが、ブラストもダメージを受けている。満更失敗でもなかった様だ。
ダメージが回復したボロンゴが、悶えているブラストに噛み付く。
俺は立ち上がれないので、バギで遠距離攻撃を試みる。
ブラストのダメージが蓄積されてきた。よし、倒せるかもしれん。
いつの間にかエテポンゲが意識を取り戻したようだ。ブラストに接近していた。
「よくもやりやがったな…死ねぇ!!」
「だが断る!」
エテポンゲがブラストを殴ろうとした瞬間、ブラストが五月雨剣を放つ。
ブラストの大剣は、エテポンゲの体を次々に切り刻んでいった。
エテポンゲが再び気絶する。こいつ、今回はやられ役だな。王や兵士長の前で偉そうな事を言うからだ。
座った状態で五月雨剣を放つとは、まだまだやる気らしい。

507 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:02:27 ID:LZBGXTCc0
「少年よ、だらだらと戦っている暇はない。次の一撃で決めよう。一対一だ。」
俺が指名される。まあ確かに長期戦は面倒なので、俺は了承した。
俺とブラストが部屋の中央で対峙する。
「行くぞ、はああ!!」
ブラストが大剣を構えて突っ込んでくる。
バギ!!
俺は突っ込みながらバギを放ち、怯んだ所に火炎斬りを放った。
「ぐわあぁぁ!」
ブラストはその場に倒れこんだ。
「き、貴様、卑怯だぞ!呪文を使うとは!」
ブラストが切れている。が、俺は冷静に反論した。



ずるい、卑怯は敗者の戯言。勝者こそが正しいのだ。戯け者が。



言ってやった。言いたかったんだ。気分がいい。
エテポンゲがパクるなと喚いているが、ブラストが納得したので万事解決だ。


508 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/27(日) 00:02:59 ID:WMm6XER50
王に話を聞くと、どうやら南の洞窟に魔物がすみついていて危険なので、城と砂漠を繋ぐ洞窟を開放できないらしい。で、魔物を倒して死体を棺桶にいれ、城に持ち帰れとの事だ。
城に入る前にすれ違った剣士は、先に魔物に倒しに行った奴らしい。という事は一刻も早く奴に追いつかなければならないので、宿屋で休んでる暇はない。エテポンゲの鉄拳混じりの交渉で、ブラストから薬草とエルフの飲み薬を得た。ブラストは泣いていたがそこは軽くスルー。
防具屋で鉄の鎧と鉄兜を買い、薬草とエルフの飲み薬を飲んで万全の状態で城を出た。

Lv14
HP75/75
MP25/25
武器:鋼の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文:ホイミ、バギ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

509 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/27(日) 00:35:36 ID:IBpf149q0
正直かなり面白い。
文才ある人はイイね。
つか、DQ全シリーズごちゃまぜなのもイイね。
次の目的地とオチが楽しみになるんで。

510 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/27(日) 12:15:09 ID:nn/C0JIVO
>>ローディ
エテポンゲがいい味出ているな。ワロスw
>>レッドマン
もょもとの今後が楽しみだ。

511 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/27(日) 16:43:33 ID:SQ3eFBKC0
「なるほど、しかしサマンオサの王よそれでは我々は魔人王の手助けをしてしまうのでは?」
変化で王に変身したボストロールに、変化の杖で秘書に変化した俺が、小声でアドバイスをする
「いえ、これは魔人王に協力するのではなく協力したとみせこんで、内部から攻撃をするのです、協力すると言えば本拠地も教えてくれるでしょうし」
「しかし、奴がそこまで教えるとは思えんがね」
「いえ必ずうまくいきます!現に今までだって私がいったことに間違いがありましたか?」
「・・・・・・・・・・・・」
名演だ!完全に他の奴らは信じ切っている
「わかりました、今回もあなたに任せましょう」




「よくやったな、熱演だったぞ」
「いえいえ、魔人王様の助言のおかげですよ」
続けざまにゆってくる
「これで俺のトロール特戦隊の件は」
「ああ、許可しよう」
「いやっほぉぉぉぉう」
ボストロールは大はしゃぎで走り去っていった
HP:399/399
MP:320/320
E魔界の剣 E魔界の鎧 
呪文:エビルデイン・イオラ・ベホイミ・ルーラ
特技:魔人斬り(強)


512 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/11/27(日) 19:07:33 ID:SQ3eFBKC0
はぁはぁ」
勇者オルテガの周りには無数の魔物の死体が倒れている、そして最後の一匹の骸骨剣士とにらみ合う
「ちぁ!」
オルテガは一気に踏み込み切り裂く
骨を切り裂かれた骸骨剣士は苦しみながら告げる
「はぁ、確かに貴様は強いが魔人王様は遙かに強い、彼は剣技において長けている、ぐふ!」
骸骨剣士はその場に静かに倒れた
「魔人王、いったいどんな奴なんだ」

彼は再び歩き始めた、ネクロゴンドを目指し

HP:200/266
MP:50/50
Eオルテガの剣 E覆面 Eパンツ
呪文:ライデイン・ベホマ・バギクロス
特技:なし




513 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/28(月) 00:12:53 ID:M1sh3thmO
まとめサイトの人はいないのかな?
良作が沢山出てきているのに…

514 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 00:59:39 ID:Zv3ZUynx0
昏い夢から目が覚めた。
大きな天蓋からは日が差し、小鳥が囀る。
朝。
よく寝た。寝過ぎでダルい。
欠伸をし、身体を伸ばしてから朝の業務(トイレ、洗顔、一服)を済ます。
周りを見れば、木製の箪笥。まだ点いている蝋燭。木で縁取られた大きな窓。
そういえばここはフレノールの宿なんだっけ。
昨日のことなのに、何故か遠い記憶のように思う。
ベットに座り、手にした黄金の腕輪を取り出す。
それは瀟洒なデザインの小さな腕輪だった。
朝日に翳すと名に恥じない輝きを放つ。
はめてみるとぴったり腕に吸いついた。
鏡に合わせてみる。結構、似合わないかも。
外してまじまじと眺める。手で転がしてみる。
フレノールの墓守は、これは町の宝。これを巡って争いが起こり、洞窟に封印。腕輪は魔法を増幅出来る力が込められていると言っていた。
それを聞いたブライは珍しく顔に表情を出し、魔力が込められている武器防具はあるが、魔力を増幅させるものはこの世界にあるかないか。それならこれが狙われてもおかしくない。と感心したように言った。
そんなご大層なものがどうしてこんな辺鄙な場所にあるかは定かではないが。
ふう。と溜め息をついた。


515 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:02:28 ID:Zv3ZUynx0
あたしは、この腕輪が何に使われ、最終的には誰の手に堕ちるか知ってる。
それだけじゃない。
アリーナ達がこれから何処へ行き、何をし、誰が倒れて誰と出会い、何に立ち向かって行くかすら知ってる。
知っているからこそ、ここでどうにか食い止めたかった。
本当のところ、取りには行きたくなかった。これは人の目には決して触れてはならぬものだ。
出来れば。一生このまま。
このたいそうな代物が、あの偽姫の対価には割が合わないと思う。
正直、腕輪をあのまま封印出来るなら、1人の命など亡くなってもいいとさえ思った。
薄情?冷たい?何言われても構いはしない。
これすら表舞台に出なければこの世界の何千、何万の命が脅かされずに済むのだから。
いっそ、隙をみて。あのマッチョと黒装束を倒せたら。
そしたら手の中に残った腕輪はまた封印すればいい。白龍の代わりに盗掘者を迫害し、護り抜ける強靭な者も共につけて。
懸念をよそに、黄金の腕輪は一定した輝きを放ちながら、あたしの手の中で遊ばれている。


516 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:07:19 ID:Zv3ZUynx0
入浴場へ向かった。
なにしろ3日だか風呂に入っていない。汗と土埃と返り血を浴びたこの身体。周囲1メートルは近づかないほうが無難である。
温泉ではないが薬草が湯船いっぱいに入っており、薬草特有の香りで癒やされた。計2時間程は浸かってた。長いと言うなかれ。3日分の垢落としにはまだ足りないぐらいである。
さっぱりした後は牛乳を飲みつつ一服をした。
人さらいから与えられた時間は一週間。今日で3日目。まだまだ時間はある。
久々にゆっくりする時間が持てそうである。
「アミー?いる?」
バコンっとドアを開け、アリーナがノックもせず入ってきた。
「…アリーナさんよ。ここはあんたんちじゃないぞ。どーすんのよドアぶっ壊して」
「私のせいにしないでよ。きっとこれ、寿命だったのよ」
まだ真新しいのに勝手に寿命にされてたまるか。
今し方ドアだったものはただの木の一枚板として床に伏せっている。
「あんたまだ生きていたんだね」
「ちょっと殺さないでよ。いたって私はピンピンしているわよ!ほらこの通り!」
「ちょwwおまww外でヤレwww」
部屋の中で身体を動かすアリーナを止めた。


517 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:09:30 ID:Zv3ZUynx0
あんなにべろぼろだったのに今では普段通りに回復している。ザオリクが効を奏したか。
「ふぅ疲れた」
「部屋の中で暴れろとは一言も言っておらん」
「だって2日も寝込んでいると身体が鈍ってしょうがないのよ。一緒に身体を動かしに行こうって誘いにきたの。ブライはまだ寝てるしクリフトは勉強してるし」
「へぇ、ブライまだ寝てるのか。床ずれしなければいいけど…って、2日寝込んだ…?」
「そーよっ。今が2日目の朝」
指を折って数えてみる。5時くらいに寝たとして、6、7…。
「17時間位寝てたってことかぁぁ!ちょw激しく寝杉www」
そしたらこのだるさが理解出来る。それだけ睡眠をとったってことは身体は余程疲れたってことだろう。
今日は3日目ではなく4日目か。それでもあと3日ある。
ちなみに一週間は自分のいた世界と同じ7日間。
それまで時間があるとお互い同じ考えをしていたようである。
「時間はまだあるし行きましょうよ!練習相手になってね♪」
「髪を梳いてから行くから下で待ってて」
はーい、と元気よく部屋を出ていくアリーナを止めた。
「あと…ドア壊したこと宿主に伝えてね」


518 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:15:42 ID:Zv3ZUynx0
外に出て、空気を肺いっぱいに詰め込む。
青い空、白い雲。雨の日がないんじゃないかっていうくらい今日もいい天気である。
フレノールの町は偽姫がいなくなった後、通常の暮らしを送っていた。
まぁそうか。いつまでも宿の前でいない姫に声援を送っているわけにはいかない。
が、野菜を刈るそこらのおばちゃんたちの話に耳を傾ければ、
「お姫様がさらわれちゃったんだってねぇ」「やっぱお姫様ともなると悪いやつにさらわれちゃうもんなんだよ」
手を動かしながら会話もする。器用である。
「わたしはお姫様じゃなくて良かったよ。どうせさらわれるなら白馬に乗ったおうぢさまがいいねぇ」「あんたにはお姫様じゃなくてもさらわれないわよ」「いやだ、この人はこういうこと言うわね」
手をはたはた振りながらあっはっはとデカい声上げ笑う。
おばちゃんたちの井戸端会議はこの世界でも同じ様である。
「あの女の子はさらわれちゃったけど、要求されたものをとりにいったから大丈夫。これで女の子は無事だったらいいわね。今頃何されてるのかしら…」
アリーナが思いつめる。と、はっと思い出したように言う。
「アミ、そういえば黄金の腕輪は誰が持っているの?」
「あたしが持っている」
宝玉から取り出し、見せた。
「これが黄金の腕輪ね。ふぅん。まあ綺麗だけどこれくらいのものならサントハイムの宝物庫にゴロゴロあるけど。これを欲しがるなんて何でかしら…」
あんたは墓守と話した時のブライの話を聞いてなかったのか?


519 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:17:44 ID:Zv3ZUynx0
かくがくしかじかと話すと、ふーん。と素っ気ない答え。駄目だこりゃ。
フレノール郊外。
広々とした畑以外は一面草原。花が大地に彩を添える。遠くに目を凝らせば霞がかった海の向こうに集落とおぼしき色とりどりの屋根が見えた。
草原に海からの風が渡る。
正直身体を動かすのは苦手である。
今までの戦闘の中では呪文さえ使えれば魔物を倒せると思ってた。事実倒してきたし、また違った用途にも活用してきた。
回復呪文も習得したし、味方自分の怪我を治すことも出来た。
が。
魔力が尽きたらただの足手まといになるのはいやだ。という考えもあった。
まぁ実際その場面があって足手まといになったし、聖なるナイフを持っていてもただ振り回すっきりでミス連発だった。
あとでアリーナにパンチ連発されたけど。
忙しかったから無理だった、というのは言い訳にすぎない。時間など作ろうと思えば作れる。ただ、まとまった時間を得て一気に習得したかった。
「じゃあ、いい?まず腕立て500回」
「…はい?」
「私のいつもの日課のメニューだけど?」
…体術を教えてくれとは言ったがあんたのトレーニングメニューをやりたいとはいっておらん。
「あの…護身術をお願いします」
体術でも二種類ある。
一つはアリーナみたいな力で押せ押せのパワープレイ。
もう一つは相手の力を利用し、ことを上手く運ぶ。つまり護身術みたいなもん。
あたしは力がないか弱い乙女なので後者を選んだ。


520 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:21:54 ID:Zv3ZUynx0
「あの…護身術をお願いします」
体術でも二種類ある。
一つはアリーナみたいな力で押せ押せのパワープレイ。
もう一つは相手の力を利用し、ことを上手く運ぶ。つまり護身術みたいなもん。
あたしは力がないか弱い乙女なので後者を選んだ。
「護身術ぅ?!つまらないものやるわねぇ。やっぱり拳炸裂!蹴りが飛ぶ!肉が潰れるぐしゃりとした音と!ベキボキ折れる骨!肉弾戦はそうじゃなくっちゃ!」
力説する彼女。
いや…あの…。
お姫様がいうセリフじゃないんですけど…。
☆アリーナ先生による護身術講座☆
〜〜〜開始〜〜〜
基本動作から。
「そうそう…うんうん…こうして…そう」
アリーナの動作を見よう見まねで行い、おかしい場合はあたしの身体の形を訂正する。
教え方がうまい。間違っていても怒らないし、口での伝え方も適切。
そこそこ形が完成すると、今度は応用動作。
相手の力を使って倒す方法。
一通りの形が出来たらアリーナが相手役になる。失敗すると彼女の本気入った拳と蹴りが身体に入る。
身体で覚えるってゆーか痛みを身体で覚えるってゆーか…。

521 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:24:34 ID:Zv3ZUynx0
まぁ二度と間違えないようにするにはいいかも…。
〜〜〜終了〜〜〜
夕方。
「はぁ〜楽しかったわ〜!人に教えるっていうのも新鮮でいいわね!」
額から流れる汗を腕で拭いながら彼女。
「勉強になったよ。ありがとう」
額から流れる血を腕で拭いながらあたし。
「さぁ帰るわよ。明日も特訓!またお願いね」
自分から言い出しといてやだとは言えないから多分明日も付き合うんだろうな。
町へ向かってゆっくり帰りだす。
明日はきっと全身筋肉痛だなと思いながら。


522 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 01:33:06 ID:Zv3ZUynx0
あ!すいません!519と520、二重カキコになってる!今度は気を付けるorz

523 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/29(火) 09:07:19 ID:et8+J8QN0
>>519
× かくがくしかじか
○ かくかくしかじか

524 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:22:05 ID:DGAXp37L0
かくがくしかじかじゃなかったんだ…。今まで素で使ってた。教えてくれてありがとう。
投下します

525 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:24:20 ID:DGAXp37L0
5日目。
おはよう!
すんげぇ筋肉痛!身体動きません!
それでも今日もアリーナによる護身術講座を行う。
今日は弁当と飲み物を携えて。
ということは1日中やるんだよな…。鬼だ…。
服装は鎖帷子はなく動きやすい布の服。半袖、ズボン。いたってシンプル。
アリーナは半袖とミニスカート。パンツ見えそうだが「パンツじゃないわよ。局部強化下着よ」とのこと。パンツだと駄目でその局(ryは見せてもいいのかという素朴な疑問は無視だ。
因みにクリフトは教会へ行っているし、ブライは宿で風呂に入っている。
護身用に聖なるナイフを腰に差して出かける。
今日もいい天気。
早速昨日の復習をする。
「そう、そう…うん。なかなかできてるじゃない」
アリーナが感心する。
そりゃ昨日あんなに散々身体で覚えさせられればな。いくら覚えが悪いあたしでもちったあ覚えるさ。
「じゃあもうちょっと頑張ってみよう」アリーナはにかっと笑った。あたしは既に額に脂汗を滲ませていた。
「まぁ、いんじゃない?」
お互い息荒くしていた。
あたしは動体視力はない。が、ずっと速いものを意識しながら見続けると段々だが見えるようになってきた。


526 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:27:05 ID:DGAXp37L0
アリーナの動きを見て、交わせるようにはなってきてる。
「そろそろ魔物と戦ってみましょうか。魔法はなしよ。そのナイフは使っていいわ」
アリーナの提案に頷く。今なら出来そう。
アリーナが口笛を吹くとすぐ魔物が集まった。
人喰い草。
草原と同化していたか。草木みたいな風貌だが唯一頭と思われる花の場所に牙が付いている。
それが4匹。
「はぁっ!」
気を吐きながら人喰い草に飛び付くアリーナ。早速拳を花に食らわせてる。
ごっ!
鈍い音を立て、一匹崩れる。
アリーナの勇姿を見とれている場合ではない。人喰い草の蔓が伸びてくる。
蔓を掴んで引っ張り、人喰い草の身体を自分に寄せるとナイフを頭に真っ向から突き刺す。
きゅおおおうっ
妙な声をたて、人喰い草は弛緩した。
もう一匹、パックリ口を開け、こちらへ向かってくる!
ギリギリまで人喰い草を自分に近づけてから左足を軸にし半周身体を右に回して人喰い草を避ける。
と同時に胴と思われる茎を素早く利き足で右へ蹴り流し、今までの勢いも相まって人喰い草は草原に倒れ込み、その際頭の部分をナイフで突き刺す。


527 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:33:22 ID:DGAXp37L0
片足を軸にし身体を回すという動作、バスケット中ボールを持って止まったときの行動を想像してもらえばわかると思う。
草たちが動くなったことを確認し、散らばるゴールドを拾い集めた。
アリーナ先生にはうまくいったと自分で実感出来たでしょ、と。
その通りである。誉められればそれが自信に繋がる。
それから夕方まで経験を兼ねて魔物相手の実戦が続いた。
今日は朝から筋肉痛だったけど、自分では、よく出来たと思う。頑張った自分を誉めてあげたい。
今日も宿のうまい食事と戴き風呂に浸かる。
もしかしたら自分の日にちの計算が間違ってるかなと思って夜は毎日宿の裏手を窓ごしで覗いているが、来ていたら皆を呼び飛び出そうと思っている。
今日は来ていなかった。
また明日も講座だ。今日はうまくいった。明日もきっとうまくゆく。
ベッドに入り込むと眠りに落ちた。


528 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:35:56 ID:DGAXp37L0
6日目。
今日もいい(ry
お弁当を持っ(ry
あたしは体術と呪文を使って魔物を倒す、通常戦闘に近づけた特訓をしようと思う。
アリーナも昨日は素手だったが今日は鎖鎌が握られている。
彼女は、訓練じみたものは嫌いでやはり魔物相手にしているほうが生き生きとしている。
戦いが好き。身体を動かすことが好き。自分が強くなっていく実感が持てるのが好き。という彼女。武闘家として向いているなと思う。
あたしはあまり魔物を刃物で刺し殺すのも身体を動かすのも好きじゃないから遠くからでもダメージを与えられる呪文を選んでいるけど。
もっとも理論じみたことが好きだから呪文を勉強するのは別に構わない。
それにしても不発に終わったイオ。出来るならば完成させたいなぁ。
呪文の中ではイオ系が好きなんだよね。爆発させ一撃で魔物を木っ端微塵にぶっ飛ばす!その威力、その効果!
あ、アリーナみたいなこと言っちゃった!
しばらくたつと腹時計はごはん時と教えたので休憩し、弁当を広げた。中身はパン、骨付き肉、果物など。うまそう。
飲み物にはフレノール特産バジージュースとミネラルウォーター。バジーというのは林檎みたいな実で味は林檎と蜜柑がミックスされたような味。これも美味。
以前野宿した時のように聖水を周囲に振りかけ、魔物除けにする。
他愛のない話をしながら弁当を食べる。
弁当を食べ終えるとしばらくゆっくりしていた。アリーナは寝そべって。あたしは足を伸ばして。


529 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/11/29(火) 23:51:36 ID:DGAXp37L0
日も真上に上がり、燦々と輝き肌を焦がす。
草原を駈ける風。風と共に波打つ海。鳥たちが、渡っていた。綿飴のような入道雲が青空を埋める。今しかないと精一杯日差しを浴びて命育む緑の大地。
夏。
そしてもうすぐ秋がくる。ひっそり、そしてゆっくりと。
お互いしばらく黙っていた。
そして、あたしから切り出す。
「ねぇ」
「ん?」
「入道雲をみるとさ、あの上にお城があるとか思わない?お城があって、雲の上にあって絶えず動いてるの」
「…それは、考えたことなかった。街とかじゃなくて?」
「天空城」
「天空城?」
「そう。街じゃなくてお城。神様が住んでいたりするの」
「いたらいいわね」
「あ…あれ?」
「え?」
「ねぇ、あれ…あの入道雲の上、お城みたいじゃない?ほらあそこ」
「どれ?…ん〜なんか、雲にしか見えないわよ」
「そう?見えなかった?気のせいかな。ねぇ、もし、もしもよ、天空城があったら行ってみたいと思う?」
「あるわけないけどね…もしあったら…行ってみたいな。空から眺める世界は、どういうふうに見えるかな」
ふふっとあたしは笑った。
「なによぉ。夢物語に付き合ってあげたのに笑うなんて」
夢物語か。
そう思っていてもらってもいいや。
入道雲のてっぺんあたりに太陽の光を受けた天空城は白く輝いていた。


530 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/30(水) 00:23:19 ID:BxcEwXFK0
洞窟についた頃、日は沈みかけており、辺りは大分暗かった。
洞窟に入ると、地面に布団を敷いただけの簡易な宿屋があった。
他にもテーブルや椅子が設置されている。ここにいる旅人達は恐らく、洞窟が開通されるのを待っているのであろう。
更に進んでいくと、兵士二人が道をふさいでいた。
「おや、その棺桶は…まさか洞窟の魔物を倒してくれる方ですか?」
「ああ、魔物など3秒で骨にしてやる。」
「これは頼もしい!ではお通りください!」
兵士が道を明ける。エテポンゲは普通に通っているが、これで俺達が3秒で骨にされてしまえば、全世界に恥を晒す事になる。

兵士二人がいた所から、20m程進んだ所に魔物が待ち構えていた。
ホラーウォーカーと格闘パンサーだ。王の話では、魔物はバトルレックスと言う恐竜らしいのでこいつらではないだろうが、目が血走っているので注意が必要だ。
「ギギ…コロス…。」
その上キ○ガイときたか。キ○ガイは何をしでかすか全く分からないから怖い。
「てめえらなんざ2秒であの世行きだ!!」
エテポンゲが飛びかかる。
その時格闘パンサーの目が光り、次の瞬間にはエテポンゲの腹に格闘パンサーの爪が貫通していた。
「解剖してやるぜぁー!!」
格闘パンサーの爪が、次々にエテポンゲの肉を貫く。
流石にこれだけ攻撃をくらえば死んでしまうので、俺はギラで遠距離攻撃を試みた。
俺の手先から放たれた炎は、格闘パンサーとエテポンゲを燃やした。
エテポンゲは燃えながら喚いているが、エテポンゲも巻き込むつもりだったと言うのは極秘事項だ。
格闘パンサーが怯んだところに、ボロンゴが襲い掛かる。俺ははやぶさ斬りでホラーウォーカーに対抗した。
途中、真空派など強力な技をくらった時は危なかったが、何とか倒した。
ボロンゴも結構なダメージを受けているが、どうにか倒した様だ。

531 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/30(水) 00:23:50 ID:BxcEwXFK0
エテポンゲのダメージが凄いので、ホイミを唱えた。
が、まだ傷が癒えていない部分があった。どうやら回復量にも限度があるらしい。
エテポンゲはすっと立ち上がり、魔物達を睨みつけたかと思うと、今度はこの戦闘を遠くから見ていた兵士達にこう言った。
「おい、片付けておけよ。このボロクズを。」
そう言って、エテポンゲは先に進んでいく。
ボロクズに瞬殺されたボロクズが、ボロクズに対してボロクズとは、ボロクズ以下だな。
兵士二人は笑いを堪えていたが、敢えて言わないことにした。

丸太で川を渡ったり、バトルレックスの卵が孵化して襲い掛かってきたりと色々あったが、何とかバトルレックスの元に辿り着いた。
剣士は既に先に辿り着いており、今まさにバトルレックスと戦闘に突入しようとしていた。
それにしてもこの剣士凄いな。この魔物、体長4m以上で巨大なオノも持っているのに、冷静な顔をしている。
「行くぞ!」
剣士が激しく斬りかかる。しかし、バトルレックスの鋼の肉体は、剣を全く通さなかった。
バトルレックスが奇声をあげると、どこからともなく稲妻が現れた。
間一髪で避ける剣士。剣士の顔からは明らかに焦りの色が見え始めていた。
巨大なオノを振り続ける。剣士の方は防戦一方である。
「くっ…こんなところで時間をかけている暇はない!…イオラ!!!」
バトルレックスを中心に周囲が激しく爆発する。イオより爆発が大きく、爆発時間も長かった。
「とどめだ!はああ!!」
剣士は魔人の如く斬りかかった。その剣は、バトルレックスの鋼の肉体をいとも簡単に切り刻んだ。
バトルレックスは、悲鳴をあげてその場に倒れこんだ。

532 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/30(水) 00:24:30 ID:BxcEwXFK0
「さて、この死体を棺桶に入れればいいんだな。」
剣士はずるずると死体を引きずり、棺桶に入れた。
「はっはっは!じゃあな!」
剣士はその場から去っていく。畜生、なんか腹立つ。
その時、棺桶がガタガタと動き出したかと思うと、突然バトルレックスがカンオケの中から飛び起きた。
「なっ…何!?」
バトルレックスは巨大な斧を振り下ろし、剣士を叩き潰した。
剣士はその場に倒れこみ、気絶してしまった。
「ググ…ツギハ…オマエラダ…。」
バトルレックスがこちらに目標を定めた。
冗談じゃない。こんな化け物と戦えるか。さっさと逃げてやる。
が、俺が逃げようとした瞬間、バトルレックスは斧を振り下ろしてきた。
エテポンゲが狙われたが、軽く避ける。
「甘いぜ!くらえ!」
エテポンゲは、口から毒の霧を吐いた。バトルレックスは霧に包まれ、毒におかされて苦しんでいる。
俺はそのスキを突き、火炎斬りを放った。
しかし、バトルレックスの鋼の肉体に俺の剣は全く効かなかった。
バトルレックスの尻尾で叩かれ、俺は壁に弾き飛ばされた。
更に突撃したボロンゴ、エテポンゲにも同じく、尻尾で弾き飛ばす。
なんてこったい。こうも好きにやられるとは。
そういえばあの剣士、イオラを使って斬りかかる時、剣からオーラのようなものが発していたが、俺もあれをすれば倒せるのではないだろうか。
やり方はわからないが、とりあえずやってみればいいんだ。適当にな。

533 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/30(水) 00:25:04 ID:BxcEwXFK0
俺はバトルレックスに勢いよく飛びかかった。
いっけえ!ハイパーオーラ斬りだぁ!!
ガキィン!!
結果、先程と全く同じで、剣を通さなかった。オーラのようなものも出ていない。
再び尻尾で弾き飛ばされる。
立った二撃で体が動かなくなった。体中痛すぎる。
ホイミでは回復しきらないか。と言うことは呪文書に載っていた中級回復呪文「ベホイミ」の出番と言う訳だ。
俺は精神を集中させ、ベホイミを試みた。
ベホイミ!!
数秒の沈黙。ゲラゲラと笑うエテポンゲ。ニヤニヤするバトルレックス。
だめか。やはり中級呪文ともなると、初級呪文のようにはいかない。
仕方ないので、ホイミで我慢することにした。まだ体の痛みが残っている。
さて、一見どうしようもない状況に見えるが、策はある。
俺はすばやく立ち上がり、バトルレックスに向かってバギを放った。
バトルレックスは悶えている。成功だ。やはり物理攻撃に弱くても、呪文には弱いらしい。
ボロンゴはスピードでかく乱し、エテポンゲは毒を吐き、俺はバギで攻撃する。
段々弱ってきた。順調だ。そろそろとどめといくかい。
バギ!バギ!…バギマ!!
その瞬間、バギよりも一回りも二回りも大きい竜巻が現れ、バトルレックスの身を、風の刃が切り刻んだ。
どうやら成功したらしい。バギ連発の後に勢いでいけば何とかなると思っていたが、本当にできてしまった。
バギマの一撃で、バトルレックスはその場に倒れこんだ。
よし、どうやら倒した様だ。一応確認するが、ピクリとも動かない。
が、バトルレックスを棺桶に入れようとすると、突然起き上がった。
しまった、フェイントか!?殺される!

534 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/11/30(水) 00:25:38 ID:BxcEwXFK0
「ググ…オマエツヨイ…オレ…オマエニツイテイク…。」
バトルレックスが仲間になりたそうにこちらをみている。仲間にしてあげますか?
はい いいえ →だが断る!
バトルレックスが土下座をしている。仲間にしてあげますか?
はい いいえ →狼牙風風拳を再びくらいたいらしいな…。
バトルレックスが泣きそうな顔でこちらをみている。仲間にしてあげますか?
…仲間にしないと先に進めないらしい。避けられないイベントと言うことか。
俺は少しビビりながらも、バトルレックスを仲間に加える事にした。
その後、帰る時に瀕死の剣士にエテポンゲが「はっはっは!じゃあな!」と言っていた。剣士の悔しそうな顔が面白かった。

Lv16
HP25/84
MP0/32
武器:鋼の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

535 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/30(水) 08:44:41 ID:9h2z4s25O
テリー・ヘタレ君ワロスw

536 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/30(水) 09:32:33 ID:9loMHBoBO
エテポンゲのファンになってしまいそうだ!

537 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/11/30(水) 20:36:21 ID:55a8UySF0
アミタソも乙
すっかりファンになってしまいますた
武道会終了後も続けてくれるのかな?

538 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/01(木) 14:35:02 ID:SuhbPgHR0
537
うはwウレシスwww
武道大会後はね…4の人とかぶるから今のところ考えてはいないです。


539 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/01(木) 23:03:49 ID:ugxymfum0
やれやれ

540 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/02(金) 00:54:05 ID:30BYf5G+O
4の人最近こないなぁ。
結構好きなのに。

541 : ◆B3LZLiGmaE :2005/12/02(金) 01:03:02 ID:yWQFBLd40
ベットの上でオレは意識を取り戻した。
今日は日曜日のハズだから今日は寝まくるべな!と細く目を開けて
再び眠りについた。包丁がまな板と叩く音が聞こえるし、いつもの朝だ。

そう思って眠りについて何時間経ったんだろうか。
「お兄ちゃん、朝ごはんできたよ。」
と聞いた事もない優しい声に起こされた。
内心、キタコレ、妙リアルの夢だwwwwwwww
と覚醒したら2chの妹スレにでも報告しようと思いながら体を起こした。
傍には青い髪の女の子がたってる、超鳥山顔だ。正直萎えた。
萎えすぎて朝勃ちもしないくらい萎えた。んで、早く目覚まさないかなって思ってた。

「今日の夜は精霊祭なんだから早く起きて支度してよね!」
とか言ってるナニコレ、ファンタジー夢?全然把握できないwwwwww
ケツをボリボリと掻きながら、ベットから下りた。
本当、スンゲーリアルな夢だな、とかオレ思ってる。
ちゃんと眠いし、ちゃんと歩いてる、ここがどこだかまったくわからないけど。
おもむろにその女の子に「洗面所の場所キボンヌ。」とか言ってみた。
どうせ夢だし、日頃抑えてる2ch語でも使いまくるか、とか思ったんだ。
「キボンヌ?それいいね!私もつかってみよーっと!で、まだ寝ぼけてンの?」
うはwwwwwwww把握してくれたwwwwwww
というか、本当に洗面所がわからないのでウロウロしてみた。
テーブルには結構豪華なメシが並んでて、カラアゲを一つ撮み食い。

滅茶苦茶美味かったので二個も三個も食べておいた。
そして女の子に、うはwwwwテラウマスwwwwwww
と述べて、洗面所にたどりついた。蛇口がなかったので桶の中の水で洗ったら
無茶苦茶怒られた。それは飲み水だとかどうとか。
顔も洗ってサッパリして鏡を見たらオレ青い髪で超イケメンなのwwwwwwww
メシは美味いし、超イケメンだし、何よりリアルな夢だから絶対報告しようと思った。

後は、鳥山顔じゃなかったら文句はなかったのに………

542 : ◆B3LZLiGmaE :2005/12/02(金) 01:23:37 ID:yWQFBLd40
「村長さんに昼前に家にきてほしい。って言われてたでしょ?
 早くゴハン食べて支度して行ってきなよー?」

と鳥山顔の女の子に言われたので
渋々身近なタンスを開けて支度をしようと思ったんだ。
(この夢はファンタジー世界で、オレはナニモノかになりきってるんだな。)
と現状をまとめてタンスをあけたら、【65Gをみつけた!】とか
視界に埋まるようにウィンドウがでてきた。凄い邪魔。
ともすれば「あー!私のお小遣い!」と横で吼えられた。

オレは超イケメンの青髪の青年で、妙に自信があったので
鳥山顔のその女の子の額にキスしてやった。現実じゃありえん。
そしたら頬を赤らめて、もー、とか言ってるの。

萌えねえって。



543 : ◆B3LZLiGmaE :2005/12/02(金) 01:24:06 ID:yWQFBLd40
さておき、身支度を整えたオレは家の外に出てみた。
一瞬クソまぶしいフラッシュが起きて、なんかBGMまで流れ出した。
(見た感じド田舎なのに、BGMなんか流される村なんだなあ。)って思ったよ。
というか、なんか2Dのゲームでこんな地理を見たことあるなあ。って暫くブラブラ歩いてて思ったよ。
なんだかそんな記憶があるんだけど、全然思い出せない。
とりあえずイケメンになったオレはその辺を歩いてた鳥山顔の村娘に声をかけてみたよ。
「うはwwwwwwおはようwwwwwいい朝だねwwwっうぇwww」
2ch語炸裂、村娘は小首を傾げて「おはようございますホニャララララさん」と返答してきた。
ハ?何そのトリビアの種のアレみたいなごまかし方!って思った直後
【名前を入力してください】また視界一杯にウィンドウが広がった。邪魔だって。
入力もクソもキーボードねーし、どうすりゃいいんだ?とか思って
「わかんねー」って声にだしたら
【ワカンネでいいですか?】とか表示がでた。
「ハ?」って声を出したら、それに決定された。
決定された直後、オレはどうしても自分の名前が思い出せなくなった。激しく後悔した。
もう自分の名前は【ワカンネ】って思い込んでるんだけど。自分でもワカンネって名前なんだけど凄い不愉快。

(テラウゼエ夢だなあ、とか思ってる矢先に)
「ワカンネさん、村長がワカンネはまだこない!って息巻いてましたよ!」
とか言ってくるの、もうね、アホかとバカかと。マジでラチがあかないので
「村長んちどこだっけ?」って聞いてみた。マジわかんねーんだもん。参った。
そして早く夢が冷めればいいのに、って凄い思った。
「ワカンネさん、寝ぼけてるんですか?w」

ワカンネって言うんじゃねえッ!


544 : ◆B3LZLiGmaE :2005/12/02(金) 01:43:37 ID:yWQFBLd40
「ワカンネ、お前にしては珍しく遅刻したのう。お前を拾って早数年…」
無事村長の家にたどり着いたオレはすでにとても疲れていた。
村長の家にたどり着くまでに
ツノマスクのマッチョ兄貴に精霊の鎧テラカッコヨスwwwwwwwとか言われて
イライラしてツボ蹴っ飛ばしたら、変な棒がでてきたし。
それをみた鳥山バアちゃんが、ちゃんと装備するんだよ。とか言ってくるし。
「装備ってどうすんの?wwwwwww」って聞いたら
ステータスの事をレクチャーされた。とりあえず、ステータスって呟くと
ステータス画面が出る事がわかった。
【HP24 MP0 65G 0EXP 特技・呪文ナシ。】
【ひのきの棒 布の服 ナシ ナシ ナシ】
そのほかにもなんか色々あったが何もかも記憶がぼんやりしてきた。
最早夢だろうと現実でもどうでもイイ気さえしてきた。
考えるのも億劫だ。その上村長の長い話。誰かオレを殺せ。
「という事で村の民芸品をシエーナまで売りに行ってほしいんじゃがな。」
どういう事だよ。ゴメン、オレが聞いてなかった。んで村長はテーブルの上にある
本当、なんかサンタがもってるようなデカイ袋をオレに渡してくるの。
なんでも道具袋だとか。見りゃワカるっつーの。ハゲ。
というかコレもってオレはでかけるの?明らかにこんな大きいのいらないよねエ!
とか反論する余地もなく、ウップンを溜めて村の玄関を潜った。
ダカダカダッ!て脳味噌に直接響き渡った効果音。
そして一瞬のフェードアウトの後、目を開けたら広大な世界が広がっていた―――――
クソデケエ袋をあさって地図を取り出して確かめた。

 ○ライフコッド
 △山はだの道上
 △山はだの道下
 □シエーナ

あまりのアバウトっぷりにオレははにかんだ………


545 : ◆B3LZLiGmaE :2005/12/02(金) 01:54:57 ID:yWQFBLd40
2chのみんな、聞いてくれ。
先日、ものすごい勢いで魔物に囲まれた。
ものすごいってのは別にギャグでもなんでもない。マジで瞬きの間に囲まれた。

思わず痴漢男の出だしにもなるよ。いきなり茂みからスライム5匹出てくるんだもん。
というか、この状況になったやっとわかったよ、オレ。DQの世界に明らかに紛れこんじゃってるんだよ。
しかも現実チックに。スライム達が牙を向いてるもん。超おっかないんだけど。
もうすでに引き返せない、ええい、ままよ!とひのきの棒を振り上げた。
まずは体当たりをしかけたスライムにナイスバッティング。青い液体がはじけ飛んでお金がでてきた。
足元にコロコロと転がるスライム眼球に吐き気を催した。今腹をやられたらイっちまうぜ!

果たして、スライム達との戦闘は死闘を極めた。
やっぱりドテっぱらに体当たりを貰って、嘔吐。吐いてる間にスライム三匹に手足を噛み疲れて
物凄い痛い。きっとDQNを怒らせたらこの位ボロボロになるんだろうな。と思った。
体当たりをしてきたスライムを心を鬼にして踏み潰した。眼球の感触が背筋を振るわせる。
腕を噛み付いてるスライムには鉄拳の制裁。脆いんだろうか、大抵一発ではじけ飛ぶ。
足に噛み付いてきたスライムは蹴り払い、現在はスライム三匹とガンのつけあいだ。
HPを見てみたらまだHPは22も余ってる。1とか2とかになったら絶対死んじゃう。
それだけは阻止しなければ、とか思ってると
今度はぶちスライムまできやがった。しかも3体だよ、畜生。もう嫌だ。
しかしHP1とか2とかになりたくないので、オレは深呼吸を整えて


その場から一気に逃げ出した―――――

546 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/03(土) 09:30:58 ID:0Yl/qYjP0
点呼10番目

何か書こうかとは思うけどDQが思いだせん。
どこに何の町があったかとか、主人公の目的が何か、とか。
攻略本でも買ってこようか・・

547 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 12:59:20 ID:CgJ4OEmp0
6日は、昼の後はマターリして終わってしまった。
まぁいいか。たまには。強制じゃないし。
今日も宿の裏にはマッチョたちは来ていなかった。やはり明日くるんだろう。んじゃ、おやすみ。
因みにドアは直してもらった。
7日目。
昼。(二度寝した)
今日はアリーナと付き合わない。
彼女は朝早くから誘いに来たが気乗りしないと伝えると、それならまた今度ね、と早々と踵を返した。
えーっ?!やだやだー!とか言われるかと思いきや結構サッパリしているもんである。
今日は、クリフトのところへ行こうかと思ってる。別に用事はないんだけどね。
格好は昨日と同じ。動きやすく半袖ズボン、腰に聖なるナイフを差して。煙草を持って。
彼のいる部屋へノックすると、「はい」と。ドアノブをひねる。
「あたしだよ〜ん」
「おや…こんにちは」
彼は振り向き、会釈する。入り口から飛び込んでくるのは南向きの大きな窓。日が差し込み部屋は明るい。その窓の右側の机に向かって本を読んでいた。彼に近づき、本を覗き込む。
「何読んでるの?エロ本?」
「なっ何をおっしゃいます?!いきなり!違いますよ!」
顔が一気に赤くなり慌てて否定する。
「これは魔法理論本ですよ」
見せてくれたものの、文字解らず。わかりませんか、と再び机に本を置き、
「これで最近勉強中なんです。ところでどうしたんですか?」
「別に用事はないんだけど」
「そうですか」
〜〜〜終了〜〜〜


548 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:01:28 ID:CgJ4OEmp0
会話…続かないな…。ブライやアリーナとはよく喋るんだけど…。今まで会話する機会なんてなかったからかな。これならブライと呪文講座、していたほうが良かったかも。
「あ、お茶淹れましょう。昨日色々な茶葉を混ぜて飲んだんですがおいしかったので是非。ベッドに腰掛けてて下さい」
椅子をたち、いそいそと淹れ始める。彼が淹れたお茶は美味しかった。
可哀想に。あたしは大のお茶好きで茶飲みババアというあだ名があるんだぞ。飲ませたら最後だ。
またそんなあたしにお茶をくれるのでクリフトは喫茶というあだ名を命名しよう。きっと嬉しくない。
眼鏡はお茶の湯気がたつと曇るので外した。読書をするときは眼鏡をかけるらしい。
イイヨー(*´Д`*)ハァハァ眼鏡萌え〜☆
「旅は…どうですか」
既に3杯目のお茶を戴いているあたしに問う。
「まぁまぁ。クリフトは?」
「私ですか…?ええ、まぁまぁです」
………。
続かないな…。
と思いきや。
「私、小さい頃から城の教会にずっといたのであまり城の外には出なかったんですよ。たまにサランには行きましたが」
アリーナといいクリフトといい城の中にいたから肌が白いんだな。今は両方日に焼けて少しは逞しいが。
「城にいる13年間、学びうるものは全て学びました。そろそろ巡礼の旅に出たいと思っていたのです。そんな折り、我が主君アリーナ姫が旅に出たいと申し、私もご一緒したのです」
一気に巻くしあげたので喉が乾いたのかお茶を一口。


549 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:05:34 ID:CgJ4OEmp0
ん…?13年間?
「あんた今何歳?」
「私は18。5歳までサランにいました。神の道はサランにいたときに得たのです」
そうなのか…。
「ブライ様やアリーナ姫と旅。あの方達は個性が強いですからね。一緒にいて大変ですよね」
苦笑する彼。
まぁ確かにあの2人の間にごく全うなこの青年だと陰は薄くなるな…。
あたしはもう慣れたが。
「旅をしながら今は呪いを解く呪文と魔法を封じ込める呪文を勉強しているんです」
「クリフトは攻撃呪文は覚えないの?」
「覚えようと思えば覚えるんですけど今はそちらの呪文を優先したいですね」
なるほど。
今の彼の役職は神官という肩書き。ちなみに神官、神父と聖職者があるが神父は教会にいて教会で行う仕事と(解毒など)冠婚葬祭を執り行うが、神官は上記に加え政治に対して発言力を持ち、王族の戴冠式を行う。
つまり神官のほうが位は高いが如何せん本人は勉強不足です、と。
二十歳未満で神官という肩書きを貰うのはまだ早いですと謙遜している。
サランの学校を主席で卒業したという理由が判った気がする。

550 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:07:47 ID:CgJ4OEmp0
それくらいいいものを持っているならば王族と結婚権もあるのでは?と尋ねると、私は民間人であって貴族や豪族の出身ではありませんからと。
日本の天皇制ではでは血が濃くなるのを防ぐのに一般人が選ばれるのに。
また王族とは違うかな…。
目をやれば、カップに口付ける彼。珍しい、深海のような青髪に、整った顔立ち。アクアブルーの瞳を縁取るは長い睫。
がっちりとした身体付きではないが、そこそこに筋肉がついた中肉中背。背もすらっとして見た目だいたい175cm。そして、眼鏡。
ヤバい。ヤバいぞこれわ。
あたしの心の中に面妖な気持ちが湧いてきた。

551 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:11:07 ID:CgJ4OEmp0
その日の夜、あたしたちは宿の裏側で待っていた。
あたしの手には黄金の腕輪。
時刻は推定8時頃。空には青白い満月が皓々と照らし、人影を作る。
風が鳴り、森がざわめく。
「どうやら約束のブツを持ってきたらしいな」
マッチョと猿轡と縄で縛られた姫が不安そうにこちらを見ている。マッチョの後ろには数名の黒装束。
「早くよこしな!」
「これは禍いを齎すものだぞ。どうしてこんなものを欲しがる」
ブライが交渉する。
「お前らには関係ない」
低い声で威圧するマッチョ。
「…お前ら魔法の匂いがする…下手なことしたら姫の命はない」
「いいよ」
と言おうとしたが止めた。
「渡すものさえ渡せばこちらだってお前らに危害は加えない。わかるだろう?俺達がちょっと力を出せばお前らなんて軽く一捻りだ。さぁ、どうする?」
そう。
マッチョと黒装束たち。
全く隙がない。
それどころか、殺気を振り撒き、こちらに威圧感さえ与える。
ここにいるだけでも息苦しい。だが。
「これが、一体、何に使われるのか、知っているのか!」
あたしはヤケクソのように言い放つ。


552 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:13:30 ID:CgJ4OEmp0
「知らん。ただ、俺達は姫を浚い、黄金の腕輪を手にしろ。言われたのはそれだけだ」
「アミさん、渡しましょう。分かっているようですが、私たちにはかなう相手じゃないようです…。ここで私たちが戦いをふっかけても返り討ちになります」
クリフトが小声で囁く。
わかってる、わかってるよ!でも!
これは!
「アミ…渡そう。あの子を助けようよ」
アリーナが優しく諭す。
悔しいぃぃぃ!
あたしは腕輪を森へと投げた。
素早く黒装束たちは動き、森へ入ってあっと言う間に腕輪を探し当てた。
黒装束の手に月光を受けて輝く腕輪。
「確かに貰った。じゃあ姫を返してやる。じゃあな」
姫を突き放し、マッチョたちは風に消えた。
「…いくらあれが禍いを呼ぶものだとしても、必ずしもそうであるとは限らないぞ」
ブライがあたしに話しかける。
違う、そうじゃないんだよ!
それに、付け焼き刃とはいえ、体術も習ってバッチリだった。魔力もあるし、イオも習得出来たんだよ!
なのに、なのに、どうして止められなかったんだ!
あたしは悔しくて悔しくて…。涙がボロボロ溢れて、拭いさっても溢れて、鼻水すら拭かなくてグシャグシャな顔で慟哭した。
「大丈夫でしたか」
クリフトがナイフで縄と猿轡を外した。
「あ…ああ…!」
安心したのか、姫はアリーナの胸に飛び込み、泣き出した。
「怖かったでしょう」
アリーナは姫の頭を撫で、背中を抱きしめた。


553 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/03(土) 13:17:29 ID:CgJ4OEmp0
「あ、あたしの名前は、メイ。だだの、旅芸人なの。お姫様の格好をしたら皆ちやほやしてくれるから、つい気をよくしちゃって…。悪気は、無かったの。本当に、こんなことに巻き込んじゃってごめんなさい」
しゃっくりを上げながらメイは言う。
いいのよ、と頭を撫でながらアリーナ。
「これ、お礼にもならないんだけど、あたしの宝物。受け取って」
メイは鍵を渡した。
「お迎えも来たようだし、あたし、行きます」
振り向けば、メイの同行している宿で負傷していた神官と老人が立っていた。今はもう身体は大丈夫なようだ。
「ありがとう、命を救ってくれて。ありがとう、本当のお姫様…」
アリーナから離れるとメイは涙を拭き、同行者と町を出るまでアリーナの姿を見送り、手を振っていた。


554 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/03(土) 21:12:11 ID:d7Jnrb4Z0
「ところで二代目よ、このことは知っているか?」
俺は剣を磨いているところにどこからか現れたバラモスに驚きながらも聞き返す。
「知っているって何が?」
「まだいっていなかったが、お前やわしのように魔の血が体内に流れている物が、
死後どうなると思う?」
俺は何も言わずにただ聞いているだけだった
「魔の血がその体内に流れるものは、死後天国や地獄にもいけずに、死んだときの苦しみを受けたまま魂だけが永遠に漂うことになる」
「そのまま続けてくれ」
「そしてそのうち精神もなくなり、魂だけが永遠に漂うことになる、永遠にな」
・・・・・
「そう言うのはもっと早くいってくれないか、今さら遅いだろ」
「いったところでお前は魔人王になっていただろうからな、お前の場合」
・・・・・・・・・・・
「それじゃあ、死後そうなるのは、俺、バラモス、ゾーマ、一代目、魔人達、か」
「いや、あの魔人達には魔の血は流れておらん、あいつらは生まれたばかりの子供達をできるだけきずかれなすように
モンスター達にさらわした子供達を魔人として教育しただけだから、魔の血は流れていない」
「それも初めて聞くな、なぜ教えなかった」
「説明したがお前が聞かなかったんじゃろうが・・・」


555 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/03(土) 21:45:10 ID:d7Jnrb4Z0
そういえば修行を始めたばかりの頃、そんな感じのことをいってたような
「そんなことより二代目よこの間のサマンオサの件だが、なぜ正面からたたかなかった」
「そんなことをすれば、サマンオサとつながっている国全てを敵に回すことになるし、
現に今の状況はそんな感じなんだが、今あそこをつぶせば別国に本拠地の場所がばれてしまう
かもしれないしな、それならいっそのこと内部から操ってしまったほうが楽だし、
犠牲も少ないしな」
とりあえず呼吸を整える
「それにゾーマ様から送られてくるモンスターもレベルの低い連中ばっかりだからな、
少しでも戦力は多い方が良い」
HP:399/399
MP:320/320
E魔界の剣 E魔界の鎧 
呪文:エビルデイン・イオラ・ベホイミ・ルーラ
特技:魔人斬り(強)


556 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 12:59:45 ID:g1xdcl+vO
サマルトリアからムーンペタに向かう事になった俺たちはローラの門を抜け無事ムーンペタについた。
街に入ったら犬が俺たちを迎えてくれた。しっぽもふって可愛い子犬だ。
リア「この子かわぃぃ〜☆」
リアが子犬を抱き抱えた。子犬もリアを気に入っているみたいだ。
サマル 「この犬は不思議だね。」
タケ「ああ。雰囲気で何か感じたのかなぁ?」
普通犬は警戒して吠えるのだがこの犬は人なつっこいのだ。
リア「おにいちゃん、もょもとさん。この子と遊んでいい?」
サマル 「ダメだよ。勝手な行動をしちゃ。」
タケ「まぁいいじゃないか。ただし街の外に出ないのが条件だぞ。」
リア「はぁ〜い。」

リアと子犬は一緒に離れていった。やっぱ女の子は笑顔が一番だ。
サマル 「甘やかし過ぎじゃないかい?もょ。」
タケ「色んな物に興味がある年頃だから無理もない。それに、新しい事を知る良い機会じゃないか。」
サマル 「それもそうだけど…」タケ「サマルがお兄さんだから心配する気持ちは理解できるけどあの娘の気持ちも理解してあげるのも必要だ。」
サマル 「それもそうだね。じゃあ僕達は武器防具を見にいこうか。」


557 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:01:42 ID:g1xdcl+vO
ここの武器防具は今持っている青銅の剣が真ん中のランクで鉄の槍、鋼の剣が売っている。
防具も鉄の鎧や盾、兜など重い装備品が売っていた。
サマル 「うーん。僕やリアにはちょっと重すぎるね。」
タケ「少なくても武器だけは買い替えたいな。」
サマル 「リリザで僕の武器防具を揃えてくれたんだからもょが何か買いなよ。」
タケ「いいのか?」
サマル 「戦力を上げるために必要な投資はしなくてはいけないからさ。もょが僕に教えてくれたじゃないか。」
タケ「わかった。」
俺は鋼の剣を購入することにした。これで一人前の剣士になった気分だ。

サマル 「格好いいじゃないか!僕も足を引っ張らないようにしなくっちゃ。」
タケ「その意気だ。サマルは頼もしい奴だよ。」
サマル 「そんな事無いよ。」
タケ「そんな事無いよな。」
サマル 「ひどいじゃないか!」
タケ「アハハ。まぁ落ち着けって。」
おっちょくったら小学生みたいに怒ってサマルは愉快な奴だ。パーティのいじり役はこいつに決まりだな。
街をふらついていると兵士の格好をした女がいた。街には相応しくない服装で何か挙動不振だ。

タケ「あのー」
兵士「ひぃっ!」
タケ「あっ〜びっくりした。どうしたのです?」
兵士「ム、ムーンブルグの城が…」
タケ「なんやて!?ど、どないしたんや?」
サマル 「…んっ?しゃべり方がおかしいよ。もょ?」
タケ「あ、アハッ…何でもないぞ。」
あぶね〜、気を付けないと。
サマル 「一体何があったのです?」
兵士「ハーゴン軍に攻められ、国王様は殺されました…」


558 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:02:28 ID:g1xdcl+vO
タケ「やはり、あの兵士が言った事は本当だったのか!」
兵士「あの兵士って!?あなた方はいったい…?」
タケ「自己紹介が遅れてすまない。俺はローレシアの皇子もょもと。こっちにいるのがサマルトリアの皇子サマルだ。」
兵士「あ、あなた方がローレシアとサマルトリアの…失礼致しました。私の名はカタリナです。」
サマル 「カタリナさんはどうやってハーゴン軍から生き延びたの?」
カタリナ「私も必死に戦ったのですが…国王様や王女様を置いて逃げてしまったのです。会わす顔がありません…」
タケ「カタリナさん。あんまり自分を責めるな。それより、王女はどうなったのだ?」
カタリナ「それが…行方不明なのです。」
サマル 「そんな…」
カタリナ「はい。王様がハーゴン軍に殺されたのは目撃しましたが王女様までは…うっうっ…」
タケ「もしかしたら…生きている可能性があるかもしれないな。」
サマル 「で、でも…ムーンブルグ城は…」
タケ「わかってる。しかしこの目で確認しないと納得できないからな。」
カタリナ「それなら私も連れていってください!」
タケ「あんたはここに残っておいてくれ。俺達でなんとかするから。言っては悪いが足でどまいなるだけだ。」
カタリナ「し、しかし…」
サマル 「それにカタリナさんには危険な目には会わせたくないからね。」
タケ「余計な事を言うなバカ!」
思いっきりサマルをブン殴ってやった。空気を読めない奴は困ったもんだ。
サマル 「い、痛いじゃないか!・゚・(ノд`)・゚・」
タケ「教訓してやったんだから感謝しろ。」

まさに外道!



559 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:03:52 ID:g1xdcl+vO
カタリナ「あ、あの、よろしいですか?」
タケ「すまない。どうした?」
カタリナ「じゃあこれをお持ちください。」
カタリナは俺達に綺麗な翼を渡してくれた。
サマル 「これは確か…」
カタリナ「はい。キメラの翼です。耳文学なのですが一度立ち寄った場所に一瞬で行けるみたいです。」
タケ「すごいアイテムだな。しかしどうやって手に入れたんだ?」
カタリナ「ハーゴン軍が落としていったのでそれをくすねたのですよ。」
サマル「キメラの翼はなかなか市場に出回らないから結構貴重だよ。一回買ったことあるけど300ゴールドはしたなぁ。」
タケ「そ、そんなに高いのか?」
サマル 「うん。」
なんてこった。貴重なアイテムは使いたくないという心理が働くからな。
リア「お兄ちゃん!もょもとさん!どうしたの?」
サマル 「び、びっくりしたじゃないか!」
カタリナ「こちらの方は?」
タケ「彼女はサマルの妹のリア。リアちゃん、その前に挨拶しないといけないだろ。」
リア「ごめんなさ〜い。」
教育係かよ俺は?
リア「ねえねえ、何の話しているの?」
タケ「こちらの方にムーンブルグ城について話してもらった。今から向かう事にしたよ。」
リア「本当!?」

タケ「多分相当危ないから気を引き締める様にな。」
リア「う、うん…」
リアがちょっととまどったのだが実際問題ハーゴン軍の残党がいてもおかしくはない。油断は禁物だ。
タケ「じゃあ行くとするか!」
サマル 「ああ。」
カタリナ「お気を付けて。無事に戻ってきてください!」
リア「任せて!必ず戻ってくるからね!」
俺達はムーンブルグ城に向かう事になった。

560 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:05:32 ID:g1xdcl+vO
滅ぼされた跡地に向かうのは気が進まないが何かてがかりが欲しい。

事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!

って言う風に青島刑事は言っていたもんな。

もょ(いまからムーンブルグにむかうのか!?)
タケ(そうやで。何かあったん?)
もょ(わがままいってわるいがかわってくれないか?)
タケ(またまた、どないしたんよ?)
もょ(このめでかくにんしたいんだ。たのむ!)
タケ(も〜。まぁええけど、そのかわり今までより厳しい場所になるから下手だけは打つなよ。)
もょ(おんにきるよ。)
タケ(その代わり、戦闘は任せるで。その時は完全に引っ込むから。俺も見ておきたいんよ。)
もょ(じゃあ、まわりのけいかいをしてくれ。)
タケ(あいよ〜)

話をしている間に建物が見えてきた。その建物は小学校の時、修学旅行で見に行った戦争博物館の写真の様な状態だった。

これが…戦争…

生で崩壊した戦争の跡地を見たのは初めてだ。平和な時代に生まれた俺にとってはあまりにもショックが大きかった…
俺だけではなくもょもと達もとまどっているみたいだった。
リア「こ、これがムーンブルグ城…」
サマル 「じ、実際に滅んでいるなんて…」
もょ「とりあえずはいろう…ふたりともきをつけろよ。」

561 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:06:32 ID:g1xdcl+vO
三人はムーンブルグ城に入った。内部の壁はボロボロに崩れ、人、モンスターの死体が転がっている。
人の体がバラバラになっていたりモンスターの目がえぐれていたり…
軽々しく表現するのは嫌だがまさに、『地獄』だ。
サマル 「うっ…おぇぇぇ〜」
リア「お、お兄ちゃん、どうしたの?」
サマル 「ち、ちょっと気分が悪くなってね…」
もょ「おもてでやすむか。サマル?」
サマル 「だ、大丈夫。探索を続けよう。」

もょもと達は王の間についた。赤い炎の様な物がうろついている。

もょ「みんなかまえろ。こうげきをしかけるぞ。」

もょもとのが炎の物体に斬り掛けようとした時に炎が話し掛けてきたのだ。

炎 「ダレカイルノカ…?」
もょ「な、なんだ?」
炎 「ワタシハムーンブルグノオウ。ハナシヲキイテクレ…ワシニハナニモキコエヌ…」
サマル 「もょ、リア、黙って聴いてみよう。」
王?「ワガムスメムーンガハーゴンノマホウニヨリコイヌニサレテシマッタ…」
王?「マモノタチノハナシデヒガシノヌマニワガシロノヒホウ『ラーノカガミ』ヲカクシタラシイ…ワシハコレヲダレカツタエルタメニシヌワケニハイカヌ…」

562 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:07:54 ID:g1xdcl+vO
どうやらこの炎はムーンブルグ王の魂らしい。よーするにラーの鏡を探せって訳か。
もょ「ラーのかがみをさがしにいこう。なにかてがかりがつかめるかもしれない。」
サマル 「そうだね。もっと探索もしたいけど、その方が先決だね。」
リア「で、でもあの炎は本当に王様なの?」
もょ「おれにはなにかひびくものをかんじた。しんようしてもいいとおもう。」
三人が話をしている内に何かの気配を感じた。
タケ(もょ!聞こえるか?)
もょ(どうしたんだ?)
タケ(早めにラーの鏡を探しに行った方がいい。ハーゴンの部下に聞かれたかもしれへん。何かの気配を感じたで。)
もょ(そいつはどのあたりにいるんだ?)
タケ(俺達が入ってきた場所や。急いで戻ってくれや!)
もょもとに頼み込み、入り口辺りに戻ると一人の兵士の服装をした男が立っていた。
その男はボロボロな服装で体中血がついていた。


563 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:09:58 ID:g1xdcl+vO
兵士「お、お前達は…?」
もょ「おまえこそだれだ?ここでなにをしている?」
兵士「俺はここの兵士だ。ハーゴン達にやられたんだ…」
もょ「そうなのか。疑って悪かった。俺はローレシアのもょもと。この二人はサマルトリアのサマルとリアだ。」
兵士「あっ…し、失礼致しましたぁ!私の名はトーマス。ムーンブルグの兵士長です。」
リア「トーマスさんはどうやって生き残ったの?」
トーマス「モンスターの攻撃で気を失って、気が付いたら誰もいなかったのです。」
サマル 「しかしムーンブルグがこんな事になるなんて…信じられない」
トーマス「まさかハーゴン達があんなに強いとは…」
もょ「ぶじでなによりだ。トーマスさん、ラーのかがみってしっているか?」
トーマス「いえ、私には分かりませんが…」
もょ「おれたちはそれをさがしている。おうじょについててがかりをえることができるかもしれないからな。」
トーマス「それなら私にも協力させてください!」
サマル 「そ、その傷じゃ危ないよ。ムーンペタに戻ったほうが…」
トーマス「いえ、王女様が生きておられるのなら命を賭ける。それが私の役目です。」
もょ「それならいっしょにいこう。きょうりょくしてくれ。」
トーマス「はい!ありがとうございます。もょもと皇子!」
リア「じゃあラーの鏡を探しに行きましょ!」

トーマスが加わり東にある沼にラーの鏡を探しに行くことになった。


564 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/04(日) 13:10:31 ID:g1xdcl+vO
しかしこのトーマス、槍の使い手だが少なくともサマルよりは強い。
マンドリルには致命的にダメージを与え、タホドラキー達を串刺しにするなどなかなかの腕前だ。
リア「トーマスさんすごおぃ!」
トーマス「私はまだまだですよ。もょもと皇子の方が私よりも強いでしょうね。」
サマル 「でも心強い人が増えると頼もしいよ。」
もょ「そろそろもくてきのばしょがみえてきたぞ…」
俺達はラーの鏡がある沼についた。それにしても広い沼だ。
サマル 「こ、この中から探さなきゃいけないの?」
もょ「やるしかないだろ。」
リア「頑張って探そうよ。絶対あるはずだよ。」
もょ「そうだな。あきらめてはだめだ。さっそくはじめるか!」
トーマス「じゃあ私は皆様の警護をしておきますね。」

俺達はラーの鏡を探し始める事にした。

もょもと&タケ
Lv.11
HP:69/80
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)


565 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/05(月) 00:23:31 ID:CMbra5wTO
埋めマンさんage

566 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/05(月) 03:02:54 ID:LmwMJOBgO
レッドマンGJ!!
サマルの妹が出ているのは(・∀・)イイ!!ね。

567 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/05(月) 03:31:59 ID:GMDTpU9u0
アミタソ(;´Д`)ハァハァ
なんか凄く好きかも
中の人のキャラですか?

エイコタソも待ってるYO

568 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 11:53:15 ID:rI+RCuBz0
567
アリガト!
批判、感想、誤字脱字を教えてくれると大変有り難いし嬉しい。
読んでいてくれる人がいるんだなって思うし。
ちなみに中の人…かも。
投下します

569 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 11:55:00 ID:rI+RCuBz0
かくて一つの事件が終わった。そして次の日。
「この町から南下して、海まで出た後西へ歩けば砂漠のバザーが開かれているんですって。沢山他国の商品が売っているみたい。行きましょう」
町から得られた情報を手掛かりに、行き先を決めた。
ブライは一国の王女がお忍びで旅をするなんて、偽姫さらいの件でお分かりじゃろう、帰りましょうと提案するが聞き入れず、逆にブライが城へ帰ればと言い放つ。
それは困ります!姫に…とブツブツ言っているが、まぁ年をとれば説教くさくもなるし放っておく。
アリーナは他国エンドールで武術大会。そう主君が申し上げている以上ご一緒させていただくのが筋な気もするし、危険な目にあおうがそう決めた以上アリーナの全責任である。
可愛い子には旅させろという言葉を知らないのか。
ブライを尻目にあたしたちは武装し、さっさと町を出た。
後からブツクサ言いながら付いてきたが。
教育係で付いてゆくとか、巡礼の旅だとか、色々理由つけているけど、皆ただアリーナが好きなんだよね。
だから、思う。アリーナとずっと一緒にいたいから。元々自分のいた場所に拘りはないからホームシックにもならなかったし、それより色んな場所に行きたいし。
日本に帰りたいとは思わなくなっていた。
大好物のラーメンとチョコレートと自分の吸っている煙草が手に入らないのは残念だが。


570 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 11:58:18 ID:rI+RCuBz0
人さらいがあって、要求されたものを得る為に洞窟に潜ったり、アリーナやクリフトとは語る時間があったり、丘の上から眺める風景は絶景であり。何よりじゃじゃ馬精神旺盛の、温かい人々たち。
サントハイム領フレノール。いい町である。
フレノールを出立し、街道を南下。あの野宿した場所でもう一度野宿。朝起きてまた更に南下。
途中、様々な魔物に襲われたが連携して倒してゆく。習得したイオ、大活躍。たまに木も一緒に巻き込んで火事おこしたりした。
あとで利用を控えるようにとヒャダルコで消火活動をしたブライに叱られたが。
森を抜けると平原が広がると同時に彼方地平線には海が見えた。夕日がゆっくりと海へ沈んでゆく中、あたしたちは祠へと到着した。
フレノールで見た木造ではなく、煉瓦を隙間なく埋め、海風に耐えられるよう強化されたのか。
一戸建ての広そうな祠である。
「ここはエンドールへの玄関口。サントハイム王よりアリーナ様を通すなと勅令を賜っております」
と入るなり口調も固ければ頭も固そうなおっさん兵士が通せんぼした。
今はエンドールに行かず、砂漠のバザーへ行く予定だし、何より夜。野宿は嫌なのでここで一泊泊めてもらう理由で立ち寄っただけ。
ここからエンドールへ行ける、というのは覚えておいたほうがいい。


571 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 12:03:19 ID:rI+RCuBz0
「えっ、ここに泊まるんですか」
兵士が別の理由で立ち寄ったことでやや面食らった顔をする。
「駄目かしら」
「いえ、ですが、まぁ確かに多数の兵士がここに滞在しベッドはありますからお貸し出来ますけれども」
「それなら良いではないか。まさか国に仕える兵士が王女様に外で寝ろと?」
ブライが既に武器防具を外し椅子に腰掛けリラックスしている。
「お茶、飲みたいのう。お湯はあるか。クリフト、疲労回復の薬草がええな。あるか」
「ありますよ。用意します」
クリフトは兵士を押しのけてずけずけと台所へ入ってゆく。
「ねぇ、お風呂あります?汗かいちゃって。お茶飲んでから入りたいんだけど」
「ごはんはないの?(・∀・)ニヤニヤ」
「さ、皆さんお茶ドゾー。⊃旦」
「ちょww宿ぢゃねーしwwwおまいらw勝手杉ww」
兵士が喚く中、あたしたちは勝手に祠の中で行動した。


572 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 12:04:56 ID:rI+RCuBz0
次の日の朝、祠を発った。
西には360度広がる大海原。入道雲は海から生まれ、ゆっくりと高度を上げてゆく。波は緩やに白い砂浜を往復する。海水浴を楽しむ人々。海の反対側を臨めば残雪残る険しき山脈が連なる。
あの祠、海よりそう遠くない場所に位置する。
あそこに海の家なり宿屋があればそこに一泊してエンドールへ疲れを残さずに行けると思うし、海水浴にきている人は宿に長く滞在していくらかお金を落としていけるしと思うのんだけど。
サントハイムは観光に力をいれていないのか。
(そんなこと知らないby王女)
一行は砂漠のバザーを目指す。


573 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 12:08:34 ID:rI+RCuBz0
祠から西側へ歩いて行くと、足場は草原からやがて砂地に変わって行き、景色も一面砂の山に変わった。
砂漠のバザーへの行き方は看板が50m間隔で立っていた為迷わなかったし、遠くからでもバザー開催地を臨めた。
魔物は砂漠仕様で熱に強く、身体が硬いものばかり。ブライのヒャダルコとルカニが大活躍。
おじいちゃん使えるやーん。
日差しは強く、砂からの照り返しも強く、吹く風は熱風と化し、汗は噴き出して滝の様に流れ、こぼれると同時に砂に染み込んでゆく。
装備を外し真っ裸になって今すぐ水風呂に浸かりたい。
暑くてダレて、早く着きたいと思っても砂に足を捕られ、なかなか前に進めず。いつしか皆無口であった。
這々の体で辿り着く頃には、夕日は砂浜へと落ちて行った。
砂漠の夜。
日中の温度と夜の温度の落差が激しいと聞くけれども、確かにやや寒い。
宿に行き、皆真っ先に飛び込んだのは風呂だった。水風呂じゃなかった。念のため。
期間限定のバザーだが宿は簡易に出来ていない。そこらの宿と引けを取らない程度に良くできたもの。
異国風味のタペストリーやカーペットがひかれて眺めていたかったが、日中の疲れが睡眠を誘い、ベッドに入り込むと瞼はすぐに閉じてしまった。
次の日。
宿を出ると日差しが真っ先に降り注いだ。お買い物日和。…というよりはやや暑い。
皆半袖に着替えてバザー散策。
露天に所狭しとと並んだ品物に目を奪われる4人。


574 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 12:11:32 ID:rI+RCuBz0
「これ可愛い」
服をとり、胸に当ててみる。
「儂はつばつきの帽子が欲しいのう。お前たちは髪があるからいいが皮の帽子じゃ頭が暑くてかなわんわい」
「暑いというより眩しくてブライの姿が見れません」
「何じゃと?」
「これだけ店があるなら強い武器あるかしら。防具はいいのよ。動きやすければ」
「ここには教会はないのですね。残念です」
アリーナの要望で武器屋へ行くとめぼしいものは見つからず、彼女は拗ねた。
鉄の槍で槍の使い方がうまくなったクリフト君が調子に乗り第2弾、ホーリーランスを購入。これは軽いし使いやすいかもと感想を述べた。騎士が使うような槍で、彼の格好良さ2倍。
あたしとブライは武器を売ってそれぞれ毒牙のナイフを購入。ナイフに毒が付着して稀に麻痺を引き起こすそうだ。
持ち手が蝶になっていて可愛い。
アリーナの鎖鎌を売り、新たな鎖鎌を購入。使い古し、血や汗で錆が出来ていたからだ。
そんな武器たちを買い取りしてくれるのもまた磨けば使えるからさ、と日に当たり真っ黒になった武器屋のおじさんが言う。
夜出会ったらどこからが人間だかわからないこと受け合いである。
防具屋を覗くとめぼしいものは見つからなかったが、唯一鱗の盾をあたしとクリフトとブライが購入。皮の盾よりやや大きく、しっかりした鱗がきっと魔物からの攻撃に文字通り盾になってくれるだろう。
アリーナは盾を装備しない。そんな邪魔なもの持ったら動きが阻害されると遠慮した。代わりに左腕に露天で買ったブレスレットをはめた。


575 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 12:15:35 ID:rI+RCuBz0
このバザーの中央にあるオアシスでジュースを飲みながら一休み。椰子の木が木陰になり気分は南国。周りが砂ばっかなのが気にくわないが…。
「あっ!姫様!」
見たとこ若い小太り兵士があたしたちの姿を見、小走りしてくる。
「ここなら姫様がくると思い、待っておりました。至急サントハイムにお戻りください!王様のお声が出なくなったのです!」
「なんですって!?」
なんでぇ大したことないじゃん。
「こうしちゃいられないわ…。クリフト、ブライ!行くわよ!ちょっとアミ!変顔でジュース啜らないでよ気持ち悪い」
気持ち悪いって…。
「声が出なくなっただけでしょう?何でそんなに慌てるのよ?」
煙草に火をつけ一口吸いながらあたし。
「アミさん…こう見えてもアリーナ様、父上様の王陛下が大好きなのですよ」
とクリフトがこっそり耳元で教えてくれた。
ファザコンかい?
「ここからまたサントハイムに戻れと申されるか。帰るには遠いのう。しからば…あの呪文を試すか」
「あの呪文とは?」
「ルーラだ。空間の一部を歪ませ、一度行った場所へと戻る」
「着けばいいわ。それお願い」
「それでは皆、集まれ。…唱えるぞ。サントハイムへ、ルーラっ!」
あたしたちは小さな光になった。

576 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/05(月) 14:49:53 ID:6YQfsasxO
http://h.pic.to/56n59
スレ違いかもしれないが、絵を描いてみた。
一応アリーナ。

577 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/05(月) 14:53:40 ID:YPhiPVqS0
>>576
PCでも許可

578 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/05(月) 23:35:56 ID:lB+EsVSj0
>>576
テラウマスw

579 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:19:35 ID:5v0nYTh10
ドランゴ(バトルレックスの愛称)を城付近に待機させ城に戻った俺は、英雄として歓迎された。
死体については、ドラゴンキッズをギラで骨にし、「バトルレックスは骨にした」と王に言うというエテポンゲの浅はかな提案を実行した。
バレるかと思ったが、案外簡単にだまされた。王はバカなのかもしれない。
夜、宴が始まった。俺は例によってオレンジジュースをチビチビと飲む。
王は酔っ払い、札束を地面にばら撒き「わははは!金だ金だ!」といいながら金の上をごろごろ転がっている。
マトモな王と思っていたが、王はどこに行ってもバカだらけらしい。
エテポンゲも参加し、「世の中は俺と金と中心に回っているのだ!」と言っている。アホか。妄想は夢の中でしとけ。
夜も大分更けてきたので、寝る事にした。城にある客用の寝室を使っていいらしい。
バカ笑いをしながらのたうち回っているエテポンゲを殴り倒して気絶させ、またエテポンゲに飲まされて酔い潰れたボロンゴと気絶したエテポンゲを引きずって、その日は夜中の1時に眠りについた。

…苦しい。体調を崩してしまったのだろうか。体が重い。
まぶたをゆっくりと開くと、俺の上に何かが乗っていた。
…エテポンゲと王だ。何で俺の上に乗っているんだ。
普段なら俺の膝蹴り→羽交い絞め→ジャーマンスープレックス→起き上がった所にマッハパンチというく○お君ばりのコンボが炸裂していたが、やはり朝は弱く力が出ない。
そう言えば力が出ないと言えばアン○ンマンだが、あのアニメはオープニングに「愛と勇気だけが友達さ」というとんでもない事をがさらっと言っている。気弱で友達のいない園児にはグサリと来る歌詞だろう。これは教育に悪いとして訴えるべきだ。

とりあえず二人とどかして部屋を出ると、兵士に「昨晩はお楽しみでしたね。」と言われたが適当に聞き流した。
城を見回ると、随分散らかっており兵士が片づけをしていた。どうやら昨日は宴で相当散らかったらしい。

580 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:20:23 ID:5v0nYTh10
数十分後、王が起床して宝を渡されることになった。
俺の目の前に宝箱が置かれる。また大層な箱を用意しやがって。中身は大した事ないんだろう。
左の宝箱…静寂の玉。敵の呪文を封じる玉。
右の宝箱…錬金釜。最大三つのアイテムを合成できる釜。
真ん中の宝箱…雷鳴の剣。振りかざすと雷と呼び起こす神秘の剣。
三つともかなり貴重なアイテムらしい。ドランゴは倒してはいないのだから詐欺に近いが、やはり貰える物は貰う主義と言うのは変わらない。



城を出た俺はドランゴと合流し、開通された南の洞窟を抜けた。
洞窟を抜けると、目の前には砂漠が広がった。
城を出たのは夕方前で、今は太陽も沈みかけているので快適な気温だ。
砂漠は昼夜の気温差が激しいので、夕方と明け方に移動し、昼は岩陰で夕方になるまで待つ。
できるだけ早くオアシスの町につきたいので、俺たちは早足で南下する。
日は沈み、徐々に気温が下がる。夜の寒さが俺たちの体温を奪う。
寒さでガタガタ震えていると、目の前に一匹のともしび小僧が立ち憚った。
その瞬間エテポンゲの目がギラリと光り、ともしび小僧に飛びかかった。
エテポンゲは一瞬でともしび小僧を半殺しにし、こういった。
「おい、死にたくなければ黙って俺たちについてきな。」
ともしび小僧が震えながら頷く。エテポンゲに一瞬で半殺しにされたのが余程恐ろしかったんだろう。


581 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:20:53 ID:5v0nYTh10
暖かい。非常に楽な砂漠の旅だ。
ともしび小僧の頭にある炎が、俺達の体を温める。ともしび小僧の周囲に密集し歩く俺達。ともしび小僧はむさ苦しそうにしているが、そんな事は構っていられん。
旅人たちは砂漠で体力を奪われ、魔物たちに苦戦する事が多いらしいのだが、ともしび小僧のお陰で楽に魔物を倒すことができる。
いや、寒くないから戦闘も楽ということもあるが、一番はドランゴの存在だ。
ドランゴはパーティの中でもズバ抜けて攻撃力が高く、巨大なバトルアックスで出てくる魔物を次々になぎ払う。ドランゴを仲間にして正解だった様だ。
現時点でのそれぞれの長所をあげるとこうだろう。
俺…呪文が使える。
ボロンゴ…スピードがズバ抜けている。
ドランゴ…驚異的な破壊力。
エテポンゲ…知らん。
ホイミで足の痛みを和らげながら歩いていると、東の空が明るくなり段々と夜も明けてきた。
「これから暑くなってくるな…。」
エテポンゲがそういうと、薬草を取り出してともしび小僧に渡した。
「無理矢理つれてきて悪かったな。もう行っていいぞ。」
エテポンゲが良い笑顔でともしび小僧をポンと叩く。
…実は朝になったらともしび小僧を殺すかもしれないと思っていたが、まさか助けるとは…しかも共有の薬草でなく自分用の薬草まであげて…。
エテポンゲがどんどんかっこいいキャラになっていく。最初の頃を考えると信じられん。



582 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:22:15 ID:5v0nYTh10
暑い暑い熱い熱いあついあついアツイアツイ。
昼間の太陽の日差しが、容赦なく俺たちの体力を奪う。
ともしび小僧と別れた後、ドランゴより遥かに大きな岩を見つけたので岩陰で休んでいるのだが、それでもかなり暑い。
汗がダラダラ出て眠れん。ボロンゴもドランゴもぐったりしている。
そんな中、エテポンゲは一人瞑想をしていた。文句一つ言わない。
おいおい、エテポンゲってこんな奴だったか?いったい何が奴を変えたんだ。
水がめに入っている水も、夜に比べ消費量が激しい。出来るだけ飲まないようにしているが、それでも見る見るうちに水が減っていく。
その上、360度回りを見渡しても砂漠しか見えない、砂の海。体力だけでなく精神力までも奪われてしまう。
こんなときにヒャドが使えたら良いのだが、魔力があっても心身ともに疲れているので使えない。
これは、夕方になるまで持久戦か。辛いが頑張るしかない。
そう言えば錬金釜を早速使ってみた。500G玉を2つ入れると、1000G札に変わった。便利なので全て1000G札に変えてやった。城の秘宝なのになんか夢のない事をしてるな、と思ったがその辺は気にしない。

オアシスの町が見えてきたのは、次の日の明け方だった。
昨日の夕方からダラダラと歩き出し、ほとんど寝ていなかったので夜中に毛布を被って仮眠を取り、明け方にはまたダラダラと歩いていると南の方にやっと町が見えてきた。
「ヒャッハー!!水場だ!!これでもう旅はしなくていいぜー!!」
エテポンゲが馬鹿笑いをしながら走り出す。
今まで文句一つ言わなかったが、多分あまりに疲れて喋る気力もなかったのだろう。




583 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:22:49 ID:5v0nYTh10
オアシスの町はかなりの人で賑わっていた。
大きな水場、砂漠の城、城下町、カジノ。
取り敢えず水は尽きて、喉がカラカラだったので水場へ直行した。
「水はコップ一杯10Gです。」
ニコニコと笑うデブ。何だこいつは。金を取る気か?
いや、オアシスと言っても砂漠での水は命同然。それも仕方ないか。
突然エテポンゲがデブのビール腹を鷲掴みにし、真上に投げる。
「水一杯に金を取るデブなど必要ない!」
落下してきた所にエテポンゲの鉄拳が炸裂する。デブはその場に倒れこみ気絶してしまった。
エテポンゲは何もなかったかのように水を飲む。こいつ、一般人にまで手を出すなよ。
喉も潤った所で、今度はカジノに行く事にした。最近戦闘ばかりで全然遊んでいなかったので、たまには遊ぶのも良いだろう。

カジノにはスロット、モンスター格闘場、スライムレースがあった。
思っていたより狭く種類も少ないが、娯楽があるだけマシだろう。
俺は200Gでコイン10枚を買い、5枚をエテポンゲに渡すと格闘場の方に行った。俺はスライムレースでもすることにする。
スライムレースは5匹のスライムが競争し、一着二着を当てるというものだ。
取り敢えず1−4に2枚かけた。倍率は4倍だ。
レースが始まると、一斉に客がレース場の周りに集まってきた。かなり賑わっている。
「行けー!突っ走れー!!」
「隣のスライムぶち殺せ!構わん!俺が許す!!!」
時々罵声が飛び交う。恐ろしい。ギャンブル狂か。

584 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:23:24 ID:5v0nYTh10
結果、1−4が見事に当たった。2×4=8枚のコインを入手する。
コインを貰っている時に大金を賭けて負けた奴に足を踏まれたので、正拳突きを放って気絶させた。
本当なら即ポリさんが駆けつけてくるが、そこは殺伐とした世界だ。誰も関わろうとしない。弱肉強食の世界である。
さっきエテポンゲに一般人に手を出すなと言ったが、まあ今回は正当防衛ということで。あまりに無理矢理だが。
もう一度スライムレースをしようかと思ったところで、エテポンゲが俺の所に来た。
「稼いでるじゃねえか。少しまわしてくれ。」
エテポンゲに11枚全てのコインを奪われる。ちょっと待てお前。もう5枚使い切ったのか。
エテポンゲについていくと、格闘場でコイン11枚全てを賭けていた。
メタルスライム、ホ意味スライム、バブルスライム、スライムで、倍率108倍のスライムに賭けていた。
ちょ、待てやお前!あたるはずないだろ!?
開始直後、三匹のスライムにノーマルスライムが集中砲火をかけられ、秒殺された。
「ガッデム!金返せこの野郎!!」
それは俺の台詞だ。大穴にも程がある。
エテポンゲが袋を漁る。何を取り出すのかと思うと、その手には全財産約2000Gが握られていた。
「全部コインにしてやる!待ってろ!」
ちょっと待て!ギャンブルジャンキーかお前は!
走って追いかけるも、信じられない速度でコイン売り場に走っていく。
俺が辿り着いた時には、全財産は100枚のコインに替えられていた。
「へっへっへ。これで一回100コインのスロットで当ててやるぜ!」
そう言ってスロットのほうへ行く。…もういい。好きにしてくれ。ボロンゴ、疲れたろ。僕も疲れたんだ…。

585 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/06(火) 00:24:24 ID:5v0nYTh10
数分後、エテポンゲはスタスタとこちらに戻ってきてすれ違いざまに俺の肩を叩いてこう言った。
「中々楽しかったぜ。」
一瞬殺意を覚えた。こいつ、装備や道具を買う為の金を100コインスロットで一瞬で消しやがって。

さて、今日はもう宿屋で休みたいが、金がない。どうしよう。
俺が考えていると、エテポンゲが突然歩き出した。
「金なんて魔物を倒せば手に入るだろ。待ってろ。」
エテポンゲが一人で町を出た。まあこいつのせいで2000Gすったんだから、これぐらいは当然だ。
数時間後、町に戻ってきたのは、本物のゾンビの如く地面を這って水を求めるエテポンゲと、ギリギリの宿屋代(4人で48G)であった。

Lv17
HP89/89
MP35/35
武器:鋼の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

586 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/06(火) 01:42:28 ID:buVityjU0
>>ローディ
めちゃワラタww
エテがイイ味出してるなぁ

>>アミ
絵もウマいっすね
物語も絶好調な感じ
アミタソ好きだー

587 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/06(火) 03:37:59 ID:ozqwM9xkO
良スレ発見
自分でも書いてみたいと思ったが、みんなクオリティ高杉てむりぽ

588 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 00:23:49 ID:nCbjRJ04O
>>587
ユーやっちゃいなよ!

589 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 19:45:58 ID:8PlDYnuv0
>>魔神
全然感想かかれてないね、いまいちだとは思うけど。

590 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/07(水) 21:35:16 ID:dY3KH3uYO
ダークヒーロー路線も(・∀・)イイ!!と思うぞ。
がんがれ
(・∀・)つ魔神

591 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:57:27 ID:q2rPUAv70
次の日の朝、町全体がざわついていた。何か事件に匂いがする。
…しまった!水場の管理人を気絶させた事か!?それはまずい。早くエテポンゲを真犯人としてつき出さねば。
話を聞くと、どうやら違うようだ。城の王子コリンズが行方不明らしい。
それは大変だ。まあ頑張ってくれ。エテポンゲがさらったのではない限り、俺はそんな面倒事には関わらないつもりだ。
荷物をまとめて旅立とうとすると、町の出口に一人の少年が立っていた。
緑の髪で、貴族っぽい服を着ている。王様ごっこでもしているのか?
「おい、お前!」
話しかけられた。ギブミーチョコレート少年か?チョコはないが腐った死体パンなら買ってやろうか?
…しまった。今文無しだった。1Gの腐った死体パンすら買えない。エテポンゲでも差し出すか?
「お前昨日水場にいた奴を一発で倒した奴だろ。」
ああ、あいつか。あれはエテポンゲが倒したんだが…。まあエテポンゲが倒せるなら俺でも一発で倒せるだろう。俺はああ、と言った。
「お前たちはしらんだろうが、あいつは一ヶ月前から水場を占領していた奴なんだ。中々手強くてみんな渋々金を出して水を買っていた。」
あのスマイルデブが?そうは思えん。ただの雑魚にしか見えなかった。エテポンゲに倒されたから尚更そう見える。
「その腕を見込んで頼みがあるんだ。」
「だが断る!」
エテポンゲが少年の頭を押しのけて町を出ようとする。
「いたた!何するんだ!俺は王子ヘンリー様だぞ!」
エテポンゲが分かった分かった。と流している。いくら子供といっても、王子にこの態度とはある意味尊敬する。

592 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:58:01 ID:q2rPUAv70
「ふん!お前はいい!おいお前!頼みを聞いてくれるな!?」
ヘンリーは俺を睨む。面倒だが、ここで嫌だと言えば何をされるか分からないので、一応聞く事にした。
「よし。俺の弟コリンズが行方不明になった事件は知っているだろう。あれは実は昨晩魔物にさらわれてしまったんだ。」
魔物…。このパターンは魔物退治か。まあ今の時点では頼みを聞くという約束だけで、引き受けるとは言っていないのでもう少し聞いてやろう。
「魔物はここから西にある塔に行ってしまった。お願いだ。魔物を倒して弟を取り戻してくれ。」
やはりか。子供の考えは読み易い。そして騙し易い。断ってやるか。
「報酬は30000Gだ。前金として10000Gをやる。」
「引き受けましょう!王子様!!」
エテポンゲがヘンリーの手を握る。態度変わりすぎだろう。
ヘンリーから10000Gを貰った。紫のローブをまとい、不気味に笑っている魔道士の絵がかかれてある。
ヘンリーは頼んだぞ!と言い残し城に戻っていった。
俺は速攻で武器屋へ行き、俺用に破邪の剣、ボロンゴ用に鋼の牙、ドランゴ用に鉄の鎧を買った。
ドランゴに装備できる鎧など普通に考えてないが、ちゃんと用意されてあるのがこの何でもありの世界だ。
因みにエテポンゲはずっと裸一貫だ。装備など必要ない。





593 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:58:38 ID:q2rPUAv70
西の塔に到着する。町からはそれ程遠くなく、水の消費量も少なかった。
中には火を吹く竜の像がいくつも設置されており、火を避けるのが大変だった。
当たっても回復すればいい、という選択肢はない。
何故なら、像の近くでアームライオンと戦っていると、像に近づいたアームライオンが火の直撃を受け一瞬にして燃え尽きてしまったのだ。
あまりに強すぎる炎。史上最強。向かう所敵無しである。この像を持って旅をしたい。
何とか像を潜り抜け、最上階に辿り着く。
ボスのお出ましかと思ったが、オークとキメーラが襲い掛かってきた。前座という訳か。
こんな奴ら一瞬で倒せるだろうと思っていたが、これが意外と強い。
いくら攻撃してもキメーラのベホイミで回復される。鬱陶しい。
仕方ないので、エテポンゲがオークを挑発し、その間に三人でキメーラを叩くという作戦に出た。
オークがエテポンゲに必死で攻撃するが、エテポンゲは軽くかわす。オークは鼻をブヒブヒ言わせて怒っている。豚か。
キメーラをボロンゴでかく乱させ、混乱したところをドランゴと俺が攻撃する。
俺の攻撃では死に至らなかったが、ドランゴの強烈な一撃で絶命してしまった。
エテポンゲはまだオークを挑発している。エテポンゲも体力がなくなってきたせいか、時々攻撃をくらっている。いかん。さっさと倒してしまおう。
俺は後ろからゆっくりと近づき、オークの肩を叩いた。
「ん?」
オークが振り返った所に俺のバギマが炸裂する。オークの体が宙を舞い、天井に頭をぶつけて地面に落ち、絶命してしまった。
倒し方がエグイかもしれないが、その辺は気にしたら負けである。

594 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:59:09 ID:q2rPUAv70
俺はダメージを負ったエテポンゲにベホイミを施す。
実は、町からここに来るまでに練習し、習得したのだ。結構時間はかかったが。
奥に進む。さっきから俺達を見ていたボスと思われる奴にゆっくりと近づく。
よく見ると、ボスの容姿は10000G札に載っていた奴に似ていた。
「ほっほっほ…。ようこそデモンズタワーへ。待っていましたよ…。」
魔道士が不気味に微笑む。俺はこの魔道士から底知れぬ魔力を感じた。
「私はあなた達に会いたかった…。近頃強い魔物を次々に倒しているという魔物使いがいると聞きましてね…。王子をさらったのも、あなたに会えると思ったからです。」
なるほど、それで俺達がこれ以上調子に乗らないように、殺そうという訳か。面白い。
「まあ、強い魔物と言っても所詮それは人間レベルでの話…。私たち魔族の世界ではせいぜい下の中といった所ですか…。」
「そうだな…その程度だろう。あんな魔物が強いなんていったら俺はがっかりだぜ。」
エテポンゲが一歩前に出る。
「随分自信がおありのようですね…。しかし、先程の戦闘を拝見させて頂いて、答えは出ました。」
「ほう…。お前は俺たちに一瞬で殺される、という答えか?」
魔道士はニヤリと笑い、少し間をあけて言った。
「…あなた達の力は、私の部下二人、いや一人にも及ばない。」
その瞬間俺は背筋が凍りついた。
「面白い…。ならやってみるか?」
エテポンゲが構える。
俺は嫌な予感がした。奴の言っている事は当たっている気がする。そう感じたのだ。

595 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 22:59:41 ID:q2rPUAv70
「いいでしょう…出でよ!ジャミ!ゴンズ!」
次の瞬間、落雷と共に紫の鬣の馬ジャミ、盾を持っている紫の豚ゴンズが現れた。
よく見りゃ1000G札と5000G札に載っていた奴らじゃないか。そんなに有名なのか?
「へっへっへ。お前らなんざ俺達で十分だぜ。」
ゴンズが嘲笑う。ジャミも同じく明らかに俺達を見下していた。
「死んでも恨むなよ!」
エテポンゲが一直線にゴンズに突っ込む。
「遅すぎる!」
ドガッ!!!
ゴンズが繰り出した拳は、エテポンゲの腹を抉る様に打ち込まれていた。
「あが…が…。」
エテポンゲがその場に倒れこみ、気絶する。
「へっへっへ、こんなもんか?」
ゴンズがニヤニヤと笑う。
まさか…ここまでとは…力の差がありすぎる…。
「ググ…ナメルナ…!」
ドランゴがバトルアックスをジャミに向かって振り下ろす。
「おっと。」
ジャミはその巨大な斧を片手で受け止めた。
「おねんねしてな!魔族に刃向かう悪い子が!」
ジャミの回し蹴りがドランゴに炸裂する。ドランゴは勢いよくその場に倒れこんだ。
次々と仲間が突っ込んでいく中、俺はというと、完全に震えていて動けなかった。
どうあがいても勝てない。そう悟った。

596 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 23:00:34 ID:q2rPUAv70
「グルルル…!」
ボロンゴが牙を剥き、魔道士達を睨む。
やめろ、ボロンゴ!殺されるぞ!
が、俺の叫びも虚しく、ボロンゴは敵の中心に突っ込んでいった。
結果は、言うまでもなかった。
ゴンズの頭突きで口から大量の血を吐き、その場に倒れ気絶するボロンゴ。
そして遂にこちら側で立っているのはただ一人、俺だけとなった。
「ほっほっほ…。後はあなただけですね…どうしますか?逃げてもいいんですよ?」
………。
「どうせ初めから殺すつもりなんだろ…さっさと殺せよ…。」
俺は死を覚悟した。
俺の様な一般人が少し強くなったところでどうにかなるようなものではない。
それが可能なら、もうとっくに実力者たちが集結して魔族を壊滅させていただろう。
魔族に刃向かうなど、愚か過ぎる行為だったのだ。
「諦めましたか。しかし下の中程度の魔物を倒されたと言っても支障が出るわけではない。命はとりません。ただし…。」
魔道士は倒れているボロンゴ達を一人ずつゆっくりと見て、再びこちらに向き直す。
「ただし石になってもらいますよ。魔族にとって邪魔な存在に変わりありませんから…。」
魔道士がゆっくりとこちらに掌を向ける。
「最後に…。」
「ん?」
「最後に聞かれてくれ…お前の名前を…。」
魔道士は少し考え、俺の目を見つめ不気味に微笑んだ。

597 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/07(水) 23:01:08 ID:q2rPUAv70
「ゲマ…。次期魔王三大候補の一人…。」
ゲマの掌から灰色の煙が放たれ、俺の体を包んだかと思うと足の先から徐々に石化しだした。
それ以降、俺の意識は完全に途絶えた…。

「この二匹は元々凶悪な魔物のようですね…。かなりの実力があるようなので利用させてもらいましょうか。」
「こっちの腐った死体はどうしますか?」
「一見腐った肢体に見えますが、一応人間のようです。…こうしてしまいましょう。」
ゲマが掌をエテポンゲに向けると、エテポンゲの体が光の包まれ、ふわりと宙に浮いた。
「バシルーラ!!」
次の瞬間、エテポンゲの体が動き出したかと思うと窓を突き破ってどこかへと飛んでいった。
「魔族に刃向かう人間はこうなるのです。では行きましょうか。ほっほっほ…。」
そうして、ゲマ達はボロンゴ、ドランゴと共に消えていった。
石化した俺一人を残して…。

第一部 終

Lv18
HP93/93
MP39/39
武器:破邪の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、ベホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

598 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 01:29:48 ID:5JqD+NkLO
ヤベェェェェェ!!!!
オラわくわくしてきたぞ!!!!

599 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 02:28:45 ID:BPMnCQFvO
ツヅキミタイ
ソウキュウニタノム

600 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 15:47:14 ID:UfSDeH9I0
ツヅキガミタイよ

601 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/08(木) 18:30:17 ID:5JqD+NkLO
早急じゃなくていいから確実にうpしてくれ!頼む。
ヌカ喜びだけはさせねぇでくれorz

602 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:27:15 ID:x4FNczCa0
586
アリガト!嬉しいよ(ノД`)
前の文で間違いがありました。
○180度
×360度
盛り上がっている中失礼ながら投下します。

603 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:29:06 ID:x4FNczCa0
目を開けると目の前に城が飛び込んできた。
城、といえば日本なら姫路城とか彦根城(いずれも国宝)が思い浮かぶし、西洋風なら崖壁に聳え立つドイツやフランスの城が思い浮かぶ。
目の前にあるのはどちらかというと西洋風の城だがあそこまで華美ではない。
白い壁に群青色の屋根。入り口には色とりどりの花が植えられ、目を楽しませる。
城、というよりただ大きい家、という感じ。他国が攻めてきたときに応戦出来るように壁に大砲口や防御の為の鉄柵や堀もない。せめて高い城壁でもあれがいいがそれすらない。
これ…だいぶ設計ミスだと思うんだけど…。ここを攻められたら1日も持たず陥落させられること受け合いである。
城門にはただ物々しく兵士が2人立っていた。青銅の鎧を着込み、ホーリーランスを携えた兵士。あまり様になっていない。
あたしたちの姿を見ると同時に背筋を伸ばし、敬礼した。
「アリーナ様、無事にお帰りで!」
「アリーナ様、お聞きになりましたか、王様が…」
「聞いたわ。今から行くところよ。開けてもらえる?」
はっ!と威勢良く返事をすると兵士たちは城門を開ける。
中は思ったより広い。
天井は高く、高名な画家が描いたであろう天井画が一面に張り巡らされている。
その天井を支えるのは丸太程の白柱。入り口から左右規則正しく並んでいるが、そのうち一本真ん中から折れているのはどこぞのお姫様が戯れで壊したもの。


604 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:31:03 ID:x4FNczCa0
足場には赤の天鵞絨、金糸を使った豪華な絨毯が真っ直ぐ二階への階段に続く。
窓は見当たらないがその代わり蝋燭を大量に利用し城の中を明るくする。蝋燭台は職人の手により細かな細工が施されている。素材は真鍮、黒ずみやすいものだが手入れされているので輝きは色褪せていない。
外観と同じ、城内も白色の大理石でまとまっている。それ故に花の色が映えるのであろう。
初めてみる城の内部に、はーっとかほーっと感心しているあたしとは対象に、アリーナは始終無言。クリフトやブライは久々に帰ってきた城に安堵した様子。
寄り道もせず真っ直ぐに歩き、二階へ上がる。
階段を上がるとすぐ観音開きの戸が現れ、両手で開ける。(やたら大きい。取っ手なんぞ鍍金ではなく黄金で出来たもの。大理石ではなく本革を貼り付けて高級感を演出。それがここに王がいると予感させる)。
謁見の間。
赤い天鵞絨が床いっぱいに広がる。入り口から王座までおおよそ50m程。フル装備の兵隊が何人か警護にあたっている。
二階は一階と違い大きな窓が壁を占め、太陽光が差し込み明るく部屋を照らす。
王座の左右には水場が設けられ、水瓶を右肩に担いだ少年の顔をした有翼人像の水瓶からは絶えず水が流れ水面に波紋を投げかける。
水が生み出す霧に周りの植物たちは生き生きと大輪の花を咲かせる。
謁見の間というよりは、憩いの場として、会議場として、または舞踏場として、活用出来る多目的スペース。


605 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:35:49 ID:x4FNczCa0
頭上を臨めば水晶と金細工で作られた精巧且つ巨大なシャンデリアがいくつも飾られ、夜になればキラキラと輝き高級感溢れる部屋の演出に一役買うだろう。
流石一国の領主がいるだけあって、ものは豪華だし掃除は行き届いて清潔感はあるし、いて心地よい。
感動しているあたしを見てアリーナは苦虫を噛み潰したような顔をした。
城の広さ、大きさ、職人たちの匠技。パンピーから見れば目を輝かすものばかり。生まれながらのお姫様にわかるものか!
王の姿を見るなりアリーナは走る。あたしも続く。
「お父様!」
王冠をかぶり、赤いマントを着込んだいかにも王様といういでたちの王に飛び込むアリーナ。
「おお、アリーナ様!大変なことになりました。王の声が出なくなったのです。筆談も試しましたが、手は震えてとても…!医者にも看ていただきましたが原因不明。この国は王で保っています。ああ、どうなるのでしょう…!」
「あなたが、大臣がそんなに取り乱してどうするの!」
大臣と呼ばれた恰幅のよい男は一喝するアリーナにびくりと身体を震わせる。
「医者にでも判らない…?何の病気でしょう。私に看させてください」
クリフトが名乗り出て王の口や舌を覗き込み、舌を出したり引っ込めたりしてもらう。怪訝な顔をして、特に発熱や外見や口に異常は認められませんと首を振った。
「お父様…声を出してみて」
娘の要望に答えようとするが、うまくいかず、歯を噛み締める王。
「何で?どうしてなの?」
アリーナの問い掛けに勿論答えられない王。パクパクと口を動かすばかり。


606 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:38:57 ID:x4FNczCa0
「最近までは身体共に良好でおりましたがある日、あまりにも毎日同じ夢をみると申し上げ、それを私に伝えようとしたときから声が出なくなったのです」
大臣が焦りながら言う。
「王はご病気でと近隣国に鞭撻しておりますが、このまま意思を伝える手段がないと近隣国との会議や会合に摩擦がおきかねまする…」
どうも…いきなり声がでなくなったというもの。病気ではなさそうである。
「奇怪な」
ブライが考え込む。
「儂は分からないがこの城にいる物知りゴン爺ならもしや声が出ない時の対処法を知っているかもしれないな。ゴン爺は城の裏手におる」
「行くわよ!そのゴン爺の元へ!」
アリーナはこの城の屋根と同じ群青色のマントを翻し、颯爽と城を出た。
城の裏に回り、ゴン爺の部屋と思われるべきドアにノックするが返事が返ってこず。ドアノブを引くと鍵が掛かっていて開かない。
アリーナはあのメイから貰った鍵を取り出しノブに差し込み回すと、かちゃんっと音を立て施錠が開く。どうやら一致したようだ。
中には城のあの豪華さはなく殆ど物置のような部屋でブライより更に年老いた老人が1人椅子に腰掛けていた。
ゴン爺に王の声が出ないから治療方法をと聞くといきなり取り乱し、この国もおしまいじゃ!と泣き喚いた。


607 :アミ ◆/MA4zYDgBI :2005/12/08(木) 21:42:23 ID:x4FNczCa0
落ち着かせるとサランの町にいる吟遊詩人マローニも昔喉を痛めたことがある。今は綺麗な声で歌を歌っているから何かわかるかも、と教えてくれた。
声が出ないのと喉を痛めたのでは似て非なるものだが今はそれしか情報がない。今度はサランへ急ぐ。
サランの町はあたしが来た頃から何も変わっていない。
クリフトやブライが城へ帰って安堵する気持ちが分かる。あたしはサランの町に懐かしさを覚えた。
あの頃と今。少しは成長したかな…。
感傷に浸る間もなくマローニの元へ急ぐ。
「そうです、私がマローニです。え、王様の声が出なくなった?ええ、それは隠密ですね」
判ったようなことを言い、紫色がかった長髪をふわさっと後ろに流した。
「で、私の声がどうして美しいといいますとね、昔声が出なかった時がございまして、定期的に行われる砂漠のバザーでさえずりの蜜を購入して舐めたら声がよくなったのでございますよ」
「今開催している砂漠のバザーよね?」
「そういえば今開催しておりますよね。あるかもしれません。蜜は即効性がありますから嗄れた声などすぐよくなりますよ」


608 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:45:46 ID:x4FNczCa0
「わかった。行ってみる。情報をありがとう」
「お気をつけて。一刻も早く王様の声が戻ることをここで祈りを込めて続けていましょう。ララ〜♪」
マローニ、確かにイイ声をしているんだけど、やたらキーが高いんだよな…。
「ブライ、聞いたわよね。もう一度、砂漠のバザーへあの呪文を」
「判っておりますとも。さぁ、唱えますぞ。ルーラ!」
目を開けると、あの砂漠のバザー一瞬にして着いていた。
「おい、おまい!蜜キボンヌ」
「うはwwwねぇよwwwうぇwうぇww」
「ちょww」
そこらの露天商のおっちゃんに聞いたらわからんかなと思ってわざわざバザー開催者に聞いたのに…。
「昔はあったが最近はないなぁ。その蜜、さえずりの塔で採れるんだよね〜」
「さえずりの塔?」
「この砂漠を出て南西に向かい、半島にある。塔の一番上でエルフが花から蜜を採っているんだ。これは技術的に人間には不可能でさ。貴重なもんだ。エルフと物々交換して手に入れていたが最近はエルフがこないからものもないんだ」
そうか…。なんだか絶望的だな。


609 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/08(木) 21:52:31 ID:x4FNczCa0
「どうします?」
困り顔のクリフトがアリーナに問う。
「…行くわ。もしかしたらいるかもしれないし…行ってみなければ判らないでしょ。行って諦めがつくのと、行かないで諦めるのは違うでしょ、例え結果が残念でも…。だから、行く」
ブライとクリフトは頷いた。
前から思っていたけど、彼女、やると思ったらやるという人なんだな。意志が強いというか。
自分が持っている力を、可能性を、何より自分自身を信じているからこその意志。
そんな彼女が彼女であるうちはこれからも強くなれる。
だけどこれだけは忘れないで。
あなたが最大限に自分の力を発揮出来るのは、あなたを全肯定し、サポートするブライとクリフトがいるからこそ。
そして、弱音を吐きたいときに吐ける強さもあるんだと。

610 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:29:26 ID:TYYarTqo0
嘗て。
戦いがあった。竜神と、魔帝。
この二柱は烈しくぶつかり合い、空は鳴動し、海は裂け、大地は割れた。
竜神マスタードラゴンと、進化を極めた地獄の帝王エスターク。
勝負は幾年、幾十年、幾百年にも及び、それでもマスタードラゴンはかろうじて、エスタークを地の底に封印する事に成功する。
帝王は長い眠りに就いた…。



クリフトが語る物語は、神話、と呼ばれる話であり、一般人に取ってみれば寝耳に水、と言って良いレベルのものだった。

「それが…今、復活しようとしているの?だけど、どうして…」

アリーナの問いに、今度はミネアが答える。
彼女の足は、急がなければならないと、この中で誰より理解しているというのに、決して早いものではなかった。

「アッテムトには、鉱山がありまして…金が出るという事で、とても栄えた町でした。
毒性のガスが出て、人が倒れる事も少なくないにも関わらず、金を求める人は後を立たず…。
人が集まれば、今度はその人達を目当てに色々な商売を担う人がやってきて…その連鎖で、良くも悪くも、賑やかな…。
ですが、最近は金の出る量が減り、鉱夫の数が減ると共に町も少し賑やかさが減ってきて…いたの…です、が…」

「ちょっと、ミネア?大丈夫?」

苦しそうに息を吐くミネアを、マーニャが気遣う。
だが、それも無理は無いだろう。
アッテムトと呼ばれる、嘗て栄華を誇った鉱山都市は、今や見る影も無い。
毒と、腐敗と、絶望が渦巻く死の都でしかなかった。
最盛期の頃とも違う、マーニャとミネアが訪れた時とも違う。
広大に広がる毒の沼地の中には、まだ新しい死体もあれば腐りかけのもの、それどころか人骨すら無造作に転がっている。
大気は鉱山から噴き出すガスで染められ、うっすらと紫がかっていた。
そして、まだ生きている人は…中には死にたくなければこの町から出て行けと忠告してくれた老婆や、この地獄においても人を救おうとする神官の姿も見えるものの、
その大多数は既に死を悟り、ただその時を待つ肉塊と化してしまっていた。

611 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:29:58 ID:TYYarTqo0
「地獄の帝王、エスターク…まさに、ね。今やこの街は地獄そのものだわ…」

ぽつりと呟いたマーニャが、ミネアに此処で待っているように諭している。
一応、宿屋の建物の中はガスも入って来難いのか、まだマシな環境だと言えた。
ミネアはその強い感受性で、恐らく鉱山の中で待つものに対し、恐れを抱いてしまっているのかもしれない。
それに加えて、このガスは繊細な彼女にはかなり厳しいものとなっている。

この雰囲気は、そう…あの時に、似ている。
一番最初、ソフィアと出逢ったあの山奥の村。
さっきまであった生き物の気配が、一瞬で消え去ったあの空虚さと、この町での生物がもがき、苦しむ姿をまざまざと見せ付けられる様は、
どちらがどうと言うには、少々相応しくないだろう。
俺はちらりとソフィアへと視線を送った。
彼女の細い肩は…小さく震えていた。
手を、置こうかと。少しだけ逡巡して…止める。

しかし、そうなると鉱山に潜るメンバーの選出はどうなるだろうか。
大人数で潜るには、坑道は狭すぎる。身動きが取れなくなり余計な危険を招く恐れもあるので、やはり半分程度の人数で赴くのが望ましい。
ミネアがいけないとなると、やはりマーニャが途中までの道を知っている唯一の存在になる。
更にクリフトも外せまい。治療に長けた者を外せるほど、楽な相手とも思えないので。
…ま、もし噂のエスタークがお話通りの力を持っているのなら、正直逃げるしかないかもしれないが。
それに、一行のリーダーでもあるソフィア。実力を考えれば、ソロもまた参加となるだろうか。
後はライアンか、アリーナだが…。

「…ふむ、そうですな。ここはアリーナ姫にお任せいたしましょう」

「良いの!?ありがと!」

嬉しそうにぴょんと跳ねるアリーナ。全く、そりゃあれだけ眼で行きたい行きたい訴えてればそうもなるわな。
恐らく、実力で言うなら…現段階では、ライアンの方が良いのだろう。
俺はさりげなく、ライアンに本当に良いのかと訊ねてみた。

612 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:31:37 ID:TYYarTqo0
「ええ。…これは私の戦士としての勘、なのですが。
アリーナ姫にはまだまだ、伸びしろが沢山あるように思うのです。それこそ、年を取った私よりも。
それはきっと、更なる強敵との戦いの中で…開花するのではないかと。
そうすれば、その力は一行の助けとなる筈です」

ソロやソフィア、そしてクリフトと共に、一緒に行ける事を喜ぶアリーナを、
ライアンは面映そうに、その皇帝髭をしごきながら見守っていた。

「こちらに残る皆の事は私にお任せを。
貴公は、彼らを見守っていてください」

……誰に言ってんだ、この中年戦士は。

「ほら、行くわよ!」

何かを言う前に、マーニャに腕を掴まれずるずると引き摺られる。
ぬおーっ、助けてトルネコさん!!

「ハハ、私が行ってはお腹がつっかえてしまいますから」

爽やかに笑って言うデブ。
痩せろやああああああああ!!!!
俺の叫びは地獄への入り口の中で反響し、やがて消えていった。



坑道内は、町よりも更に濃い紫がかった霧が充満していた。
服の裾を口元に当てて、直接吸い込むのを防ぐ。とはいえ、魔物が出てきた時はそうも言ってられないのだが。
いずれにせよ、速く脱出したい所である。
途中までの道のりはマーニャが知っている事もあり、すいすーいと進む事ができた。

613 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:32:04 ID:TYYarTqo0
「…前に来た時は、確かここまでしか道が無かったわ」

マーニャが足を止めた先にも、更に奥に坑道は広がっている。
無言で進める行程――地の底へと進んでいくような道のりの果てに、やがて坑道は終わりを告げ俺たちの眼の前にぽっかりとした巨大な空間が広がる。
地下に此処までの空間が広がっているとは思いもしなかった。

それは城だ。
俺たちはデスパレスを見ていたから、ただ、その威容だけで足がすくむという事は無い。
だが…何なのだろうか、この…威圧感は。
身体が押し潰されてしまいそうなプレッシャー。
城の内部から漂う、生き物全ての生殺与奪を握っているかのような気配…。
居るのだ。この中に、地獄の帝王が。
主の居ない城と、居る城とでは此処まで違うものなのか。肌で感じられるのは、果たして良い事なのか悪い事なのか。

仲間に視線を送ると、皆、一様に蒼白な面持ちでこの帝王の城を見上げている。
マーニャはその中で、ふと坑道の端に倒れていた工夫へと歩み寄り、膝を屈めた。
それはもう、九割九部死んでいるただの肉であり、それだというのにうっすらと――歌っている。
欲望への賛歌を。

「金、金、金……人の欲望が、地獄の帝王を復活させるきっかけになるだなんて……笑っちゃうわね。
この土地に金が眠っていたっていうのも、出来すぎた話だわ」

皮肉気に嗤うマーニャを見て、俺は少し逡巡する。
進化の秘法…錬金術…金を生成する学問では無いとはいえ、それがある種代表的な事例になっているのは間違いない。
地獄の帝王エスタークが進化の秘法を極める程に、錬金術に長けていたのだとするなら、あながち相関関係が無いとも言い切れないのか。
封印されていながら、何かできたのかどうかは解らないが…。

耳が痛む程の静寂の中を、靴音で破りながら城へと突入する。
デスピサロが先行している以上、躊躇している暇は無い。
恐らくは彼らもこの城の内部構造を完璧には把握していないであろうから、そこに活路を見出したい所である。
後ろから俺たちが来ている事にも気付いていなければ、足も遅い筈だ。

614 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:32:53 ID:TYYarTqo0
途中に転がっていたガスの噴き出すツボを拾ったりしながら、やがて俺たちは辿り着く。
彼の帝王の、御前に。



「――これが、地獄の帝王、エスターク……」

大きかった。
あの変成したバルザックよりも更に巨大な、青い身体。
角が生え、突き出たショルダーガードのような外郭が見える。
両の手には、軽く反りの入った剣。

だというのに――静かだ。
恐ろしいまでの静寂の中、実はアレは石像か何かなのではないかと思う。いや、そう思いたいだけか。
僅かに揺れる身体を見れば、確かにアレが生きている事が解る。解ってしまう。

「眠っている…?」

クリフトがぽつりと呟いた。
それでようやく、俺たちの間に時間が流れ出す。

「なら、やっちゃうわよ、幸いあの美形もまだ来て無いようだしね!」

ばっと鉄扇を開き、術の詠唱に入るマーニャを皮切りに、ソフィアが、ソロが、剣を抜き、アリーナが跳躍する。

「範囲物理障壁(スクルト)!!」

クリフトの援護が皆に届く中、特大の火球がエスタークに直撃する!

615 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:33:20 ID:TYYarTqo0
「やぁ!!」

火球が着弾した箇所に爪を突き立てるアリーナ。
それと時を同じくして、それぞれ足を切り裂くソフィア、ソロ。
皮膚が焼ける匂い、裂かれる皮、噴き出す体液。
効いている…!そう確信した俺たちは、攻撃の手を休めない!

ブライから教わった俺の速度上昇(ピオリム)が更に皆を加速させる。
特に、ソフィアとアリーナの動きが顕著だ。
速い。最早、それは残像でしかない。彼女たちの攻撃は時に、重さが足りなくなりがちだが、攻勢力向上(バイキルト)がそれをも補う。
文字通り血煙を吹き上げるエスターク。いける…!そう、思った矢先であった。

カッ!!!

エスタークの身体から、光が溢れる。
そう、それは光であったから、光ったと思った瞬間には――既に、俺たちの身体に到達していて。

灼熱する。

俺はいつのまにか、床に倒れこんでいた。
かろうじて首を折り、辺りの様子を窺う。だが、そこに立っているのはエスタークただ一人。
仲間達は皆、一様に床に倒れ、身体を起こそうともがいている途中であった。

一体何が起きたのか。
それすらも俺には解らなかったが、だが、今から始まるものこそが――真の地獄に相違ないと、そう思う。

エスタークが、両の手を振り上げる――その巨大な鉈のような剣が、無造作に、まるで何事もないかのように。
振り下ろされた。その下には、ソフィアと、ソロの姿。

616 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:33:57 ID:TYYarTqo0
ゴッ、鈍い音と共に剣が大地に埋まり込む。
俺は最悪を予想しソフィアの名を呼ぼうとした。だが、喉が焼け付き上手く声が出ない。
ゆっくりと持ち上がる剣――沈んだ床の中央に、横たわる二人の身体。
一瞬、浮かんだ青白いスクルトの光が、圧力が無くなると共に再び姿を消す。
補助魔法はかなりの効果を生んでいる。それを確認した俺は、すぐにソロへの攻勢力向上を練り上げる。

「――タァァァァァ!!!」

エスタークのターゲットから外れたアリーナが雄々しく勇躍する。
彼女は大地と、エスタークの身体をすら蹴り上がり、顔面へと肉薄した。
繰り出される脚線による曲線美。メシリ、鈍い音が響く!
だが、まるで揺らぐ事無くその彼女に向かって繰り出される剣。迫る凶悪な刃を前に、アリーナの胴と足が血液による泣き別れを演じる姿が思い浮かぶ。

それすらも、杞憂だ。
彼女はまるで柳の枝のようなしなやかさで、その剣の勢いを利用し更なる速度でエスタークへと肉薄し、炎の爪を突き立てる!!

「…信じられない、あの剣の刃に足を当てて…勢いに逆らわず、斬られる事も無く、やり過すだなんて…」

身体を起こしたマーニャがぽつりと呟いた。
それも無理は無いだろう。今のアリーナは、スクルト、バイキルト、ピオリムを受けまさに鬼神と化している。
エスタークが目線に入ってくるアリーナに気を取られた、その隙に。
ソフィアが入れた切り口に、バイキルトを受けたソロが全力で剣を叩きつける!
傾ぐ、巨体。膝が折れる――彼の、地獄の帝王が膝を折った!

いける…!そう思わせるに十分な一撃に、誰もがそう思った刹那。

突き出される帝王の剣の柄。拳――否、指先から、心身を凍てつかせるかのような波動が迸る!

「え…力が…抜ける…!」

「補助呪文が…!?まずい、ソフィア!アリーナ!下がれ!!」

617 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:34:29 ID:TYYarTqo0
ソロの叫びに反応し、二人が後方に跳躍する。
しかし――それすらも、帝王は予測していたかのように。
凍える吹雪がフロア一面を覆いつくす!
急激に下がる気温に身体が凍てつき、固まった皮膚を雪が、細かい氷が縦横無尽に引き裂いていった。

これは…マズイ。
攻撃が広範且つ、強力過ぎる。
クリフトもソロも、自分の治療で精一杯になってしまえばいずれ女たちが倒れ、その後は…。
まさか補助魔法が全て打ち消されるなんて…それが解っていれば、最初からこまめに治療の術を撒いていったというのに。

「ごめん、なさい…」

ソフィアがぽつりと誰にとも無く呟いた。
今迄の戦術が上手くいっていたから、今回も。それは決して間違いでは無かったろう。
それでも、彼女は一行のリーダーとして、謝ったのか。

「…いえ、謝る事はありませんよ」

彼女に優しく笑いかけ、そう呟いたのは緑色の神官だった。
彼は素早く身体を起こし、一度ずつ、皆に向かって掌を向ける仕草をする。彼の手から、暖かな波動が響いてくるかのように。
その都度、仲間達の身体を淡い光が包んで行く――。

「――集団治癒(ベホマラー)」

神官が力を篭めた言葉を呟くと、光が一斉に弾け、皆の身体に染み込んでいく。
それは見事な、更なる逆転劇、治療の術は一人ずつという既存の価値観を打ち破る、独創性の勝利か。

「凄い、凄いわ、クリフト!」

「いえ、まだです、姫様。エスタークは未だ膝をつきながらも立っている。
勝利をお掴みください!治療は私にお任せを!」

618 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:34:58 ID:TYYarTqo0
こちらをも見ながら頷くクリフトに対し、俺もまた腰の剣を抜く。

切る、斬る、キル。

ソロが、アリーナが、俺が、そしてソフィアが。
治癒をクリフトに任せ、全力で斬りつける。
巨大な剣が、凍える吹雪が、俺たちの身体を切り裂くが、その度にクリフトが背中を支える。

ズドォン!

一際派手な音はマーニャの火球だ。
彼女の術は、コンスタントに、且つ、止まる所を知らず次々と生み出され、帝王を焼き尽くさんとする。

「ヤァァァァァァ!!!」

幾度、幾十度にも及ぶ攻撃の末に、遂に、ソフィアがエスタークの額に剣を衝き立てる。
それが合図かのように――蒼い、エスタークの身体が、ゆっくりと変色していき……やがて、その動きを止めた。

「…やった…の…?」

「恐らくは、な。完全に消滅させる事は、彼の竜神でも出来なかった所業だ。
これで、暫くは眠りから覚める事は無い…と、思いたいが。後でミネアやブライさんにも調べてもらうか」

注意深く動きを止めたエスタークの様子を窺っていたソロが、ふっと一つ息を吐いた。
それを切欠に、喜びが弾ける。

「あー、疲れた!早く戻って汗を流したいわ」

619 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:35:48 ID:TYYarTqo0
マーニャがぱたぱたと鉄扇を仰ぎ、少しでも清浄な空気を近くに寄せようとしている。
ソロがソフィアに近づき治癒を施している間に、アリーナはクリフトの手を取って上下に揺らしている。
今回の殊勲はクリフトだろう。彼の範囲治癒が無ければどうなっていたか…一度に、全員の傷を癒す、その強力な効果は目を見張るものがある。
ずっと修練していたのか。それでも、度重なる使用で彼の精神は極限まで磨耗し、顔面は蒼白になってい――た、筈なのだが。
嬉しそうな姫君を前に、少なからず紅潮しているようにも見えなくは無い。
ご褒美としては、これ以上ないものなのかもしれないな。

今回の戦いは、逆転に継ぐ逆転だった。
それでも、最後の最後にはこちら側に引っくり返せたのだから、とりあえずは由としよう。反省は後でするとして。



此処で、反省していれば。後の事態を防げたのだろうか。



マーニャはエスタークの傍で、睨むようにその巨体を見上げていた。
ソロとソフィアは、まだ少したどたどしいやり取りで互いの無事を確認している。
アリーナは、完全に背を向け、意識はクリフトに傾いていた。

クリフトが気付く。だが、それもまた彼を苛む疲労故に、余りにも遅すぎた。



「……ぇ……?」

アリーナの、小さく可憐な唇から、ついぞ聞いた事のないような、小さく呆けたような声が漏れる。

620 :アッテムト、最奥で待つ者 ◆gYINaOL2aE :2005/12/09(金) 00:37:06 ID:TYYarTqo0
彼女の腹から異物が生えていた。
腕。
まるで母を殺し無理矢理この世に魔が生を受けたかのような、悪魔めいた光景。
噴き出す真っ赤な鮮血が、眼の前のクリフトの紅潮していた頬をしとどに濡らしていく。
逆転する。
コインが、表裏を返るように。
一度は表を向きかけたそれは、今また裏の姿を見せ付けていた。


HP:79/105
MP:23/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒

621 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 01:36:55 ID:Vh5/1MFj0
4の人キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

622 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 02:29:17 ID:I7bpCBKu0
◆gYINaOL2aE氏おつ!
続きが非常に気になります…。
ピーちゃんとソロ・ソフィアの邂逅になるのだろうか。

ところで◆gYINaOL2aE氏、しばらく姿を見なかった間は
ロワのほうにいませんでしたか?

623 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 02:33:26 ID:Y48/GlyBO
◆gYINaOL2aE氏、乙!

シリアスな雰囲気の中、
>ぬおーっ、助けてトルネコさん!!

「ハハ、私が行ってはお腹がつっかえてしまいますから」

爽やかに笑って言うデブ。
痩せろやああああああああ!!!!

大爆笑www
そして続きが早く読みたいです。頑張って完結させてもらいたいってのがものすごく希望です。

624 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 08:42:53 ID:lzZvaajM0
◆gYINaOL2aE氏キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!

これからじっくりねっとり嘗め回すように読んでくるッ

625 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 18:48:21 ID:vLjXT3qXO
ところでまとめ人はどこいった

626 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 20:49:40 ID:tUFe4gIJO
このスレって何かのシリーズを元にして話を展開してくのが原則なんですか?
完全にオリジナルストーリーで、世界観がドラクエってのは却下?

627 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:16:32 ID:Fzl1E52w0
別に良いと思う、魔神なんかは完全オリジナルぽいっし。

628 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:23:55 ID:Fzl1E52w0
ギャグ・シリアス・・・◆gYINaOL2aE氏、レッドマン氏、アミ氏、エイコタン
シリアス・・・・・・・ローディ氏
シリアス・ダークヒーロー・・魔神氏
分けるとこんな感じかな?

629 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:32:05 ID:zSss3TZK0
宿屋だったら・・・。
やべぇ、俺宿題終わってないぜ?
学校行って起こられちまうよ;;;
超問題ありじゃねぇ?

まぁ、それはさておき、仲間がいるかどうかがもんだいになるわけで、もしも仲間がいなかったりなんかしたら・・・。
きっと絶望的だろうな。それもレベル1とかで、最終ダンジョン近くとかだったらさ。
マジで死ぬぜよ?

630 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 21:34:24 ID:bKBWrUtp0
まず、宿代を所持してるか確認する。

631 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/09(金) 22:47:21 ID:tUFe4gIJO
>>627
そっか。
じゃあ今度なんか書いてみようかな、構想練ってからまとめて投下。
多分シリアスな雰囲気になりそうだけど・・・ギャグとか面白いの書けん

632 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:01:18 ID:fM0O3XB30
-3-

「やっと静かになったわ。まあ、ククールのルーラですぐ戻ってくるでしょ」
「ふむ……」
私は寝返りを打った。窓の外に木々が見える。
「あ、ここはベルガラックよ、戻って来たの」
何も言ってないのに、ゼシカが言葉をかけた。
伸び上がって窓の外をのぞいたので、場所を探ってると思ったのだろう。

「ねえエイコ。あなたホントに何者? っていうか、ホントにエイトじゃないの?」
うわ、きたよ。クー坊の次はこいつかよ。
「同じことクー坊にも聞かれたよ」
「何て答えたの? ククールにだけ教えたの?」
へっ?
「クー坊には何も言ってないっつか。別に何も言うことねえし……」
「うそ! だって色々知ってるわ、あなた。どうして?」

ああそうか、冒険を共にする前のエピソードについて、知ってるのが不自然なんだ。
こいつらにとってはあくまで「エイコ」は、
『サザンビークからここベルガラックまで10日程行動を共にした』だけなのに、
マイエラやリーザス、それどころか旅の始まりからのエピソードを知っているのが
不自然に感じてきたのだろう。
しかし、そこをどう説明したらいいか、だから面倒なのはイヤなんだよな。

633 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:02:09 ID:fM0O3XB30
「どういう仕掛けなの? やっぱりあなた……」
「私がエイトだと、困るのはお前さんじゃないの?」
もう具合悪いとか言ってる場合じゃない。何とか言いくるめないと。
「何でよ」あくまで気丈な娘だ。まったく。
「だって、『エイト』だと男なんだよ? 男の人と宿屋に二人っきりで居ちゃっていいのか?」
「えッ?」
今度はゼシカがビックリする番だ。

「いい? 目の前にあるコト、それが現実なの。
 どーしてこうなったかとか、あーしたからこうなったとか、
 考えてもムダなコトってあるのよ。
 私は、ここにいる。ゼシカもいるし、ククール、ヤンガス、馬姫に王様も。
 それが現実なの。しょうがないの」

まるで自分に言い聞かせるような言葉が、私の口からすらすらと流れ出た。


634 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:02:32 ID:fM0O3XB30
「何で色々知ってるか、種明かしするよ。王様から聞いたんだ。
 あんまりいっぺんに教わったから、まだ混乱してるけど、
 この旅であんたたちに起こった事、大体教わったの」
「それじゃ……」
「あなたのお兄さんが残念なことになったこと、
 ククールが仲間になった経緯、
 王様のお城で起こった恐ろしい出来事、
 そして、そのことすべてにドルマゲスが関わっていること、色々聞いたの。
 ゼシカ、あなた若いのに大変な思いをしてきたのね」

ああ、私って詐欺師になれるかも。だってゼシカは胸を打たれたようにうつむいてるもの。

「ごめんね、エイコ。変な事言って。体調は大丈夫?」
「うん、だいぶよくなった。もう少しでククールとヤンガスも戻るでしょ。そしたら出発しよう」
「そうね、エイトと、ドルマゲスを探しに」
私は、ゼシカの固く組んだ両手をそっと手で包み込んだ。

あー、よかった、単純だなガキって。


635 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:03:42 ID:fM0O3XB30

*12日目*

エイコ LV.6 その他変更なし

-1-

「ひゃっほーう♪」
バウムレンの鈴で呼び出したキラパンの背中に乗って、
ベルガラック地方をくまなく走り回るよ。
「おうさま〜、ひめさま〜、ちゃんと付いて来てるか〜?」
「ヒヒ〜ン!!」
「何とか大丈夫じゃ〜」
オッケ、薬草を錬金釜にぶち込むのも忘れるなよ。

点在する宝箱、やたら追いかけて来るスカモン、もれなくミルクをくれる牛。
どんどん北上して、岬の教会に着いた。
あー、やっぱり海が見えるっていいなあ〜。

「んーッ、なあ、あそこの教会で一休みしようよ」
キラパンを野に放し、伸びをしながら提案する。
「そうねえ、今日は結構走り回ったから」
ゼシカも賛成する。
教会の周りは牛が飼われているらしく、草並みもきれいだ。
王様も馬姫も、こういう所の方が休みやすいだろ。


636 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:04:09 ID:fM0O3XB30

教会の中へ入る。中にいた人がちらりとこちらを見ると何故か驚き、
確認するようにじろじろと私を見つめる。な、なんだよ。
不機嫌にガンをたれていると、誰かがものすごい勢いで私の方へ突進して来た。
「きっ、キミ!! 無事だったかね!!」
「ハァ?」
思わず声がひっくり返った。
それは、この教会の神父さんだった。

太った神父は、暑いのか興奮しているのか、汗だくで詰め寄ってくる。
「ん? よく似ているが違う……」
「エッ、この人に似た人を見たんですか?!」
ゼシカが駆け寄った。興味なさそうに建物内に入ったククールもこちらを振り向く。
「この姉貴と、似た人を見たんでがすか? オッサン!」
神父にオッサンはねえだろヤンガス。デブ同士でそんなに額を突きつけ合うな。
暑苦しい。

「え、ええ、確かにこの方とよく似た方を、見ました」
「何処で!!」
「えーあーあのー」
「どこなんですか!!?」
神父はゼシカの胸をチラ見して慌てて目を逸らしながら叫んだ。

「そんなに寄らなくても喋りますから!!」

637 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:05:10 ID:fM0O3XB30
そこで二人は初めて、神父を壁際に追い詰めていたことに気付く。
「少しは状況を考えろよなおめーら。脅してどーすんだよ」
私の言葉に、二人とも顔を赤らめながら後ずさりした。
「で、私に似た人って、何処にいたの?」
「ええ、それが……」
改めて訊く私の言葉に、神父は言いよどむ。なんだよはっきりしろ。
「飛んでいきました、空を」
「あぁコラ?! 何ぶっこいてんだよマルデブ!!」
顎をしゃくりながら襟首を持ってガクガクした時、
「こいつ脅してどーすんだよエイコ」
ククールが私を後ろから羽交い絞めにして止めた。


638 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:05:47 ID:fM0O3XB30

-2-
ビクビクした神父が説明してくれた話はこうだ。
私に似た青年――エイトと思われる人物――は、一人旅をしていたらしい。
この教会の近くにある日現れ、ここを拠点にとある人物を探していた。
探していた人物とは、ドルマゲス。
私が3人と2匹の珍道中に乱入した頃、エイトは地道に目標を見失わずに旅をしていたらしい。

1週間ばかり経った頃、リブルアーチの海峡(ここから近いらしい)あたりで、
海の上を歩く化け物の話が聞こえてきた。
エイトは早速そちらに向かおうとしたが、なんせ一人では無謀。
とりあえず偵察に様子を見に行ったところ、帰ってこない。
夜になっても戻らないので、心配した神父が外へ出て様子を伺っていると、
白い化け物が空をバッサバッサと飛んでいて、その足にしっかりとエイトが捕まっていた、とのこと。

「つまり、エイトはドルマゲスと遭遇して、そのまま捕まっているのね」
ゼシカがまとめる。うぬ、そのようだなあ。
ククールは椅子にも座らず、壁際に腕組みしながら立って床を見つめている。
ヤンガスは落ち着かない様子で部屋中をウロウロしている。
こっそり事情を説明して、窓から馬姫が顔をのぞかせ、室内に王様もいる。
外は夕闇が支配し、瞬く星が姿を現し始めていた。


639 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:06:19 ID:fM0O3XB30

「あー、じゃあ、返してもらいに行くべよ」
私がいとも簡単に言ってしまったので、部屋に漂う緊張の糸が音をたてて切れた。
「あのなあ……何処にいるのかも分からないんだぞ?」
「大丈夫さ、今日ここに泊まって、このまま南下するんだよ。
 そしてベルガラック、サザンビークの順に辿れば、きっと手がかりがあるはず。
 分かれ道もたくさんあっただろ」

緑の王様を小突いて地図を出させる。
「どうせうまく活用出来ないならとっととよこしな」
濃く淹れたコーヒーをブラックのまま啜りながら、地図を奪い取る。
東側の2つの大陸、つまりトロデーン国領とトラペッタ地方がある北大陸、
マイエラ地方やアスカンタ国領がある南大陸、
そして今いるのは西中央大陸、つまりサザンビーク国領とベルガラック地方だ。
大陸に囲まれた海の真ん中にあるのは、まずゴルドとかいう聖域だろう。
となると、南中央大陸か、北中央、そして。

「北西の島が怪しい。だいいち、記録には樹木の生育が確認されていない」
とんっ、と地図を指差す。大概、ドラクエはこういう場所には何かある。
「ここから近いな。とは言ってもかなりの距離はあるがな」
「ええ、ここからでもちょっと見えませんね。反対側のオークニス地方の山脈は見えるのですが」
どこだそりゃ。訊くとこの教会の塔に登ると見える雪山のことらしい。つまり北中央大陸だな。


640 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:06:40 ID:fM0O3XB30

「根拠は?」
ゼシカが尤もな質問を投げかける。
「私の長年の経験からなる勘だ」
ふんぞり返って言ってやる。
あたぼうよ、あたしゃI・IIン時からドラクエは並んで買ってるのよ。
あ、スーパーファミコン版だけどね。
「ふぬ、おぬしはこの年まで世界を股にかけた冒険をしてきた、とそういう訳じゃな?」
「おうよ、伊達にあの世は見てねえぜ」
「ブルッ、ブルッ!」
なんだよ馬、文句あっか。

「ま、エイコの話が9割聞かなかったことにしてもだ、俺もその島が怪しいと思う」
黙って聞いていたクー坊が口を開いた。失敬な、私はボケた老人扱いか。
「じゃ、決まりだな。船まで戻って一気に北上だ! 今夜はもう休もうよ」
ガタン、と私は立ち上がる。夜ももう遅かったせいか、特に誰も反対することなく、就寝の準備を始めた。

この時気付かなかった。
翌朝、ベルガラックへルーラで戻ることになろうとは。
寧ろ、教会でルーラして教会から島を目指した方が近い事が判明しようとは。
更に、ルーラ+船酔いになろうとは。



641 :エイコ ◆h97CRfGlsw :2005/12/09(金) 23:10:43 ID:fM0O3XB30
以上、続く。
待たせてスイマセン。
次回はいよいよアノ人がッ!(まだ書いてないけど)

642 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 00:20:55 ID:puD9cHuIO
エイコ乙!

イイヨーイイヨー!エイト似のガラの悪い女の子イイヨーイイヨー!

643 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 01:41:53 ID:yvU5Ymkj0
あああああああっ!!
4の人キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

職人さん皆佳境気味超乙
続き気になりまくりんぐwwww

新規の人もどんどん来てね

644 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 13:09:06 ID:FuE7ziBVO
魔神とレッドマンが来ないな…
降臨まだー?

645 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/10(土) 17:31:16 ID:wdxvUQ9yO
総長も…

646 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:11:27 ID:sZEAscILO
タケ「なぁ、もょ。」
もょ「どうしたんだ?」
タケ「何かひっかかるねん…」
もょ「なにが?」
タケ「あのトーマスって言う兵士長だけが生き延びた点やで。」
もょ「かんがえすぎじゃないのか?」
タケ「普通なら敵を全滅させるのが当たり前やねんよ。それに罠かもしれへん…」
もょ「タケ、それはないとおもうぞ。」
タケ「話が上手く行きすぎているからな…」
もょ「しんぱいしょうだなぁ、タケは。きらくにいこうぜ。」
タケ「ああ…勘違いやったらええんやけど…」

俺は不信感でいっぱいだった。100か0かという二極化する判断力を持つもょもとは頼もしいのはいいのだが、今回は裏目に出るのか心配なのだ。
今のところトーマスはおたけんだりしてモンスター達をおっぱらっている。

やっぱり考えすぎだろうか…
もょ「サマル―!そっちはどうだー?」
サマル 「まだ見つからないよー!」
もょ「リアちゃんはー!?」
リア「こっちにもないよー!」
もょ「もっとべつのばしょでさがすか。」

もょもとは移動をして、別の場所から探すことになった。



647 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:12:11 ID:sZEAscILO
数十分後………

リア「あったー!」
もょ「みつけたか!」
サマル 「どんなのか見てみよう。」
その鏡は神秘的な雰囲気をただよしており、不思議な魅力が感じられた。
タケ(もょ。これに間違いないで。不思議な感じがするわ。)
もょ(ああ。おれにもかんじたぞ。)
タケ(リアちゃんを誉めてやれよ。ええか?)
もょ(おう。)
もょ「リアちゃんよくやったぞ!」
リア「私は宝探しの名人だからね!エッヘン!」
サマル 「これで解決の糸口がみつかったね。」

サマルが言ったのならなら「なんでやねん!」ってつっこむけどリア仕草が可愛いからやめておくか。

しかし束の間トーマスの叫び声が聞こえた。

トーマス「ぐわぁーーーーーーーー!!」

サマル 「い、今の叫び声は!?」
リア「トーマスさんの声だよ!」
もょ「いそいでトーマスさんのところにむかおう!ふたりともいいな!」
サマル 「わかった!」
リア「うん!」



648 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:13:29 ID:sZEAscILO
トーマスの所に向かうと全身火傷をした人間が倒れていた。これは間違いなくトーマスだ。
それに変な仮面を被っていてローブを身につけている人間が立っていた。
リア「ひ、ひどい…」
? 「クックックッ」
もょ「だ、だれだおまえは!?」
? 「私は名を捨てた人間。あえて言うなら祈祷士。貴様等がロトの子孫達か…」
サマル 「だったらどうしたのさ?」
祈祷「ザコ一匹で大物が釣れたわ!何とも運が良い!ラーの鏡を壊さなかったのは貴様等を寄せ付けるため。そこの男をムーンブルグで殺さなかったのは正解だったな。」

やはりトーマスを泳がせて俺達を誘きだしのか。

祈祷「ハッハッハ…貴様等を皆殺しにしてやる!ハーゴン様もお喜びになるからな。」
リア「よくもトーマスさんを…許さない!」
リアはギラを唱えたのだが祈祷士が手から炎を出して相殺したのだ。
リア「そ、そんな…」
祈祷「ふん…小娘のギラにしてはなかなかの威力だが私の足元にも及ばぬな。貴様等の相手はこいつらでいいだろう…いでよ、リビングデッド!!」

祈祷士が怪しげな捻唱をすると土の中から人間の死体が2体出てきた。
しかも異様な雰囲気を漂わせて動いている…
ホラー映画やバイオハザードで出てくる『ゾンビ』だ。
もょ「な、なんだ…こいつらは…?」
祈祷「私の魔力で甦らせた死んだ人間よ。元の原型は崩れさっているのだがな。こいつらの餌になるがいい!」
リビングデッドの1体がサマルに襲い掛かった。



649 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:15:48 ID:sZEAscILO
サマル 「くっ…な、なんて力が強いんだ。」
サマルが何とか攻撃を防いでいるのだがこのままじゃ危ない。
祈祷「貴様ごときの力で適うものか。そのまま潰してしまえ!」

もょ「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
もょもとの強撃がリビングデッドに斬り込んだ。綺麗に脳天かリビングデッドをら両断した。
もょ「だいじょうぶか。サマル?」
サマル 「僕は大丈夫だよ…ああっ!もょ!」
両断したはずのリビングデッドの半身がもょもとの首を掴んだ。
もょ「ぐっ…ガハッ…!」
リア「な、何なの?もょもとさんが両断したのに!?」
サマル 「もょ!ちょっと我慢してね。リアも援護して。ギラッ!」
サマルとリアのギラで半身なったにリビングデッドをそれぞれ焼き尽くした。
もょ「あ、ありがとな。サマル。」
サマル 「しかし何という生命力だ。半身になっても動いているとは…」
リア「とにかく一気に攻めなきゃ。」
祈祷「ほう…リビングデッドを倒すとは。だが遅すぎた!」
もょ「どういうことだ?」
祈祷「リビングデッドは囮に過ぎないのだよ。私の古代魔法の時間稼ぎにな…」
サマル 「何だって!?」
祈祷「永遠の眠りにつくがよい!ラリホーマ!」

祈祷士が魔法を唱えるともょもと達がフラフラしながら倒れていった。
もょ「くっ…くそ…」
サマル、リアが眠り、もょもとも眠る様だった。


650 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:23:45 ID:sZEAscILO
祈祷「ふん…ロトの子孫もたいした事は無かったな。男二人はリビングデッドの餌にし、小娘は味見して奴隷にするか…」
こいつ何考えてやがる。変体野郎が。ロトの子孫3人掛かりでも適わなかったのだが勝つ、負けるなどの勝算を考えている暇はない。
こんな腐れ外道は許せない!ただそれだけ。

タケ「このロリコン野郎がぁ!!!!!!!」
祈祷「な、なにィ!?ぐはっ!」
俺は鋼の剣で祈祷士を突き刺した。
タケ「おんどれは許さへんでぇ!!俺の大事な兄弟と仲間に手を掛けやがって!」
祈祷「ばっ、ばかな!ラリホーマが完全に決まったはず…」
タケ「さぁ、なんでやろーな?この答えは歩く下ネタ野郎には理解出来へんけどな。」
祈祷「くっ!だ、誰が下ネタ野郎だと!?」
タケ「アホかお前は。お前の名前は亀頭氏=ミスターペニペニやないかい!素晴らしいギャグセンスやな!。」
祈祷「き、貴様〜!私を侮辱した事を後悔するがいい。必ず殺してやる!行けぃ!リビングデッド!」
挑発が上手く行った。これでラリホーマが来る可能性がかなり無くなった。

タケ「今の俺はかなりテンションが高いんや。冷酷!残忍!その俺がお前等を倒すで!」

俺は自分自身を奮い立たせ戦闘態勢に入った。



651 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:26:14 ID:sZEAscILO
リビングデッドが俺に襲い掛かる。もょもとの強撃でも一撃必殺とはいかなかった。つまり強撃は使えない。
ここで一発開発中の技を試してみるか。
タケ「ゾンビ斬りィ!」
教会のシンボルマークをインスパイヤして斬り付けた。
だがリビングデッドは踏ん張って立っているのだ。
タケ「ちぃぃぃぃ!やっぱ無理か!?クソっ!」
祈祷「貴様ごときでは一撃必殺は無理だったな。リビングデッド!奴を取り押さえろ。私が直々に処刑してやる。」
リビングデッドが俺に捕まえ始めようとした瞬間、体が白く光ったのだ。
数秒後、リビングデッドは崩れる様に消滅した。

祈祷「そ、そんな…」
タケ「み、見たかぁ!ロトの血を舐めんるやないわ!ボケェ!」
祈祷「だが最後に勝つのは私だ。貴様だけは確実に殺す。全魔法力をかけたベギラマで焼き尽くしてやる。あの男以上のな。」
タケ「な、なんやて!?」
やっかいな魔法を持ち出してきたか。トーマスが一撃でやられるのは無理もない。
祈祷「貴様だけ逃がしてやってもいいぞ。後ろの仲間達は丸焦げになるがな。」

ハッキリ言って怖い。しかし今の俺には恐怖より祈祷士に対しての怒りの感情が高まっていた。


タケ「誰が逃げるやと!?舐めんのも大概にせえ!あいつらは俺が必ず守る。耐えきったら俺の勝ちやで!こいや!」
祈祷「生意気な…安っぽいプライドと共に焼き尽くれてしまえ!ベギラマ!」


652 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:27:54 ID:sZEAscILO
包み込まれる様な炎が俺に向かってきた。サマル、リアのギラと大違いだ。この時はおどおどしても最悪な結果になるだけ。
覚悟をした以上はやってやる!
俺は鱗の盾を前に屈め、腕を十字に組み、耐えることにした。

大防御(クロスアームガード)

岩の様に堅くなるみたいなのだが物理的な攻撃しか対応できないのはわかっている。でもゾンビ斬りを成功した様な奇跡に俺はかけた。
炎が俺を包み始めた。すごく熱い。体中がひりひりするし感覚が少しづつ無くなってきた。

耐えろ…今は耐えろ…

普段の俺自身では考えられないほど粘っていた。やはり仲間を守るという意志の力は人を強くするみたいだ。
祈祷「ハハハァ〜…燃えちまえ!!」
あのアホの声が聞こえた。こんなクズには絶対負けたくない。
しだいに炎が徐々に弱まり完全に消え去った。

祈祷「き、き、き、貴様はっ!?」
タケ「な、何とか耐えきったで…今度はこっちの番や…」
祈祷「ひっ、ひっ、ひっ…かかか…」
祈祷士はかなり怯えている。てか、精神的にイッている。全魔法力を込めたベギラマが俺を焼き尽くしたのではなく、寧ろ俺が生き残ったのだ。
トーマスを重傷に負わせ、もょとサマルを魔物の餌代りにし、リアを強姦未遂にした罪は重い。

こいつを殺すのは今しかない。

タケ「この外道が…殺したるわ…」
祈祷「た、た、助けてくれぇ〜」
タケ「…俺の条件を飲んだら助けたる。」
祈祷「ほ、本当ですか!?」
タケ「条件は俺の質問に答えるだけや!ええな!?」祈祷「は、はい〜!何でも答えます!」


653 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/11(日) 07:29:04 ID:sZEAscILO
タケ「ハーゴンとは何者や!?」
祈祷「わ、私が知るかぎりでは以前は有名な神父だったのです。確か誰かに裏切られて自ら新しい宗教を作り出したのです。」
タケ「他には?」
祈祷「わ、わかりません…」
タケ「ほうか。じゃあ、約束通り助けたるで…」
祈祷「あ、ありがとうございます。」













タケ「気が変わった。やっぱり死ね。」
祈祷「そ、そんな…やくそくが…」
タケ「うるさい。命乞いした人間を助けた事は無いやろが。」
俺は祈祷士の首をはねた。
タケ「ムーンブルグの人々の無念な気持ちを思い知れ…」

もょもと&タケ
Lv.12
HP:18/86
MP: 0/ 0
E鋼の剣 E皮の鎧 E鱗の盾 E木の帽子 
特技:かすみ二段・強撃・チェンジ・はやぶさ斬り(もょもと専用)・ゾンビ斬り・大防御(タケ専用)

654 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:26:10 ID:cHFY1Fs20
「リーダー」
「はい、何ですか」
リーダーと呼ばれた男は後ろ姿を見せたまま答える
「リーダー、オルテガは現在ポルトガルの周辺のF地点にいると情報がありました」
「では、至急に連絡を取り合流しますか」
「それではサマンオサの方にも連絡を取っておきます」
「いえ、サマンオサは、どうせならサマンオサに関わる全ての国が魔人王の
手にかかったと考えた方が良いでしょう」
「しかし、サマンオサの王は健在です」
「どうも私には違和感を感じるんです、この間偵察に行きましたがどうも人間とは
別の気を感じました、それに王の秘書、あれからは今までのとは違うなにかを感じ
られました」
「・・・・・わかりました、それではサマンオサとそれに関わる全ての国をNG指定します」


第二反魔人組織レジスタンス

655 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:37:15 ID:cHFY1Fs20
――オルテガーー
ふと、オルテガの耳に聞き慣れない声が聞こえてきた
「誰だ、モンスターか!」
ーーいえ、モンスターではありませんある特別な方法を使ってテレパシーを送っていますーー
「いったい誰なんだ」
ーーレジスタンス ですーー
「レジスタンス?」
ーー裏の組織とでも思ってくださいーー
「そのレジスタンスが私に何のようだ」
ーー単刀直入に言います、仲間になってもらいたいのですーー
「仲間に・・・・」
オルテガはしばらく考え込むと
「良いでしょう、それでどこに行けば良いのです?」
ーーそれでは今から教える所にきてください、一度しかいいませんのでーー

656 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:41:31 ID:cHFY1Fs20
――オルテガ――
ふと、オルテガの耳に聞き慣れない声が聞こえてきた
「誰だ、モンスターか!」
――いえ、モンスターではありませんある特別な方法を使ってテレパシーを送っています――
「いったい誰なんだ」
――レジスタンス です――
「レジスタンス?」
――裏の組織とでも思ってください――
「そのレジスタンスが私に何のようだ」
――単刀直入に言います、仲間になってもらいたいのです ――
「仲間に・・・・」
オルテガはしばらく考え込むと
「良いでしょう、それでどこに行けば良いのです?」
――それでは今から教える所にきてください、一度しかいいませんので ――




657 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 09:42:40 ID:cHFY1Fs20
あまりにも情けない誤字だったんで修正しました。

658 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 10:14:12 ID:cHFY1Fs20
おれは習慣となった剣の手入れをしている
――魔人王――
「!だれだ」
――レジスタンスリーダー――
「レジスタンス?」
――貴様のしようとしていることはだいたい見当が付く、あながち人間に絶望して
滅ぼしたいとでも思ったのだろう――
・・・・・・・・・・・!!!
「ほう、当たってるじゃないか、二代目よ」
いつの間にかバラモスが俺のすぐ後ろに立っていた
――貴様は正義のつもりだろうがこれだけはいえる 貴様のしていることは 悪 だ!――
「何だと・・・この俺が、悪だと」
――魔人王、今は闇の結界がそこら中にあってこうやってテレパシーを送るのが
やっとだ、しかし!――
「俺は貴様を!」
――私は貴様を――


必 ず こ の 世 か ら 消 し 去 る !!!!


659 :魔神戦争 ◆vNFYAR5c0g :2005/12/11(日) 10:20:57 ID:cHFY1Fs20
読み返してみたらどこぞの漫画みたいになってしまってる……(;´Д`)


660 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/11(日) 10:27:54 ID:gu967P+lO
デスノート?

661 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/11(日) 10:37:08 ID:tiRl0Bdn0
(#'A`)イ
ヾ|ノ



662 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/12(月) 11:43:29 ID:ip8Gip5rO
タケカッコヨスwwwwwwwwwwてか外道wwwwwwwwww

663 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:17:40 ID:32o4JhEj0
「魔王様―――」
一匹の魔物の声が、薄暗く、とても広い部屋に響く。
魔王、と呼ばれた王座に座るとてつもなく巨大な存在が、平伏すかの様に片膝を地につき魔王を見上げる魔物に対して口を開く。
「待っていたぞ…。結果は…聞くまでもないが、一応聞いておこう…。」
魔王のとても低く、威厳を感じさせる声が部屋中に響き渡る。
「はっ…。先程ジャミ率いる部隊が、アークボルトを壊滅させました…。一人、負傷しながらも逃げてしまった者がいた様ですが…。」
「一人か…。まあ、負傷しているのなら、辺りにいる魔物が見つけて殺すだろう…。よくやった。下がって良いぞ。」
「はっ。」
魔物が、膝を地から離し立ち上がる。
「…いや、待て。まだ話があった。」
「何でしょう、魔王様。」
再び、魔物が片膝を地につく。
「例の実験体の事だが…。そろそろ、試験的に使用するつもりだ。実験相手や場所についてはお前に任せたい。」
「承知しました。魔王様…。」
「うむ…頼んだぞ。――――――――――ゲマ。」



「ふう…。魔物はいなくなっている様だから楽だが…半日近く歩きっぱなしだから流石に疲れたな。」
一人の青年が、歩き続けて棒になった足を引き摺りながら塔を登る。
「しかし、この日の為にこの杖を探し続けてきたんだ。休んでもいられないだろう…。」
青年の手にしっかりと握られているのは、一本の素朴な杖。
腰の聖柄には、使い古した剣がさしてある。どうやら杖は武器として使っているようではない様だ。
塔の最上階に辿り着いた所で、青年は薬草を取り出してかじり、疲れ切った体を癒した。

664 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:18:33 ID:32o4JhEj0
「やはりあったか。あの男の石像、いや…身体が…。」
青年は、最上階の王座の前に置いてある男の石像に近づき、像の目の前で立ち止まる。
「親父の言っていた事が正しければ、このストロスの杖で…!」
持っていた杖を空高く掲げた。
すると突然杖が光りだし、杖から放たれた光は石像を包み込んだ。
全身灰色だった男の石像が、徐々に鮮やかさを取り戻していく…。

突然俺の意識が覚醒する。
10年ぶりに突如意識を取り戻したので、状況を判断できない。
俺の身体…動く。石ではない。一体何が…?
パニックになりつつも、一人の青年が俺の目の前にいる事に気がつく。
「お前は…?」
青年がふっと微笑むと、ゆっくりと話し出した。
「久しぶりだな…。いや、お前は覚えていないか。何しろ10年間も石になっていたんだからな。」
「10年!?」
その言葉を聞いて仰天する。
10年も…?それが本当なら、ボロンゴやエテポンゲ、ドランゴは一体今どうしているんだ?そして元の世界は、この世界と同じく10年の歳月が過ぎてしまったのだろうか。
…そう言えば長く眠っていた様な気がする。石になっていたのだから時間は経過していないのだが…。
とりあえず無理矢理自分を落ち着かせ、青年の正体を聞いた。
「俺か?分からないか?俺だよ俺。」
「ああ、オレオレ君ね!ちょっと事故しちゃったからお金振り込んどいて!50000G!」
パニックで頭もおかしくなってしまっている。いかん。
「やはり分からないか…ヘンリーだよ。」
ヘンリー?聞いた事ある様な…。
………。

665 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:19:05 ID:32o4JhEj0
ああ、砂漠の城の王子か。あの生意気な餓k…
違う。餓鬼などではない。ヘンリーはすっかり成長し、肩までかかる緑の長髪、逞しい体つき、剣にマント、175p程の身長。僅かだが俺より背が高い。
すっかり大きくなって…父さんは嬉しいぞ…。
涙が出そうになる。あの生意気な餓鬼に身長や体格で負けた屈辱感からだろう。
「それよりお前に話さなければいけない事がある。今は時間が惜しいから黙って聞いてくれ。」
突然ヘンリーが真剣な顔になる。
話さなければいけない事とは何だろう。彼女いない歴=年齢の俺に恋の相談だろうか。自爆する気か?
「まず、10年前…。お前が石になった後、数ヵ月後に魔族の王『竜王』が病気で死んだ。不治の病で、それより数年前から死が近い事が分かっていたらしい。」
ほうほう。で、竜王が死んで世界が平和でハッピーエンドか。めでたしめでたし。
「勝手に話を終わらせるなよ!…その後、次期魔王三大候補のミルドラース、ゲマ、イブールが魔王の座を争ったんだ。」
ゲマ――――――――――
その言葉を聞いた瞬間、過剰反応してしまった。
ゲマに対する恐怖と、怒りがそうさせてしまったのだろうか。
「結果、ミルドラースが魔王の座を勝ち取った。」
………まさか。
俺はゲマが魔王になったと思った。それ以外考えられなかった。
ゲマより強い奴がいると言うのか…?
「そしてミルドラースはゲマ、イブールを側近にし、人々を襲い始めたんだ。しかも一気にでなく、じわじわと恐怖を増幅させる様に…。それが10年経った今でも続いている。もうほとんど町は壊滅し、人々は絶滅に近いがな。」
すると10年前の、魔族がいてもそれを感じさせない程平和で、笑いがあったあの時と違うのだろうか。
あまり考えたくない。盗賊の頭やブラスト等の実力者、そして…ボロンゴ達が死んでしまったかもしれないなどとは。
「とにかく俺について来てくれ。今は一人でも強い奴が必要な時なんだ。」
そう言うとヘンリーは階段に向かって歩き出す。
まだ考えたい事は山ほどあったが、今はヘンリーについていくしかないだろう。


666 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:19:37 ID:32o4JhEj0
塔を降りている時も、俺はずっと考え事をしていた。
人々の事、魔族の事、ゲマの事、ボロンゴ達の事、元の世界の事――――――――――
不明な事は数え切れない程ある。それを解明するには、今は現在生きてる唯一の知り合い、ヘンリーが必要だ。
「1階に着いたな…。あそこが入り口だ。お前が扉を開けてみろ。」
俺は大きな扉の入り口に近づき、ゆっくりと扉を押す。
ギギギ…と音をたて、扉の向こうを想像したのは晴れ渡る青い空、360度砂の海、照りつける眩しい太陽であった。
が、そんな期待を裏切る光景が、扉の向こうに待ち受けていた。
紫の暗雲が立ち込める空。真昼だと言うのに全く射さない光。辺りに散らばる人間や魔物の死体。
どれをとっても、決して気分の晴れる光景ではなかった。
この世界は、本当に魔族に支配されてしまったのだ。



オアシスの町に着く。いや、最早完全に廃墟としか言えなかった。
城は崩れ、町は崩壊し、水場は毒の沼と化していた。
「…俺の両親も、死んでしまった。魔物から俺をかばって…。」
ヘンリーの声が震えている。
「コリンズ…お前は…生きているよな………お前だけは…。」
ヘンリーの足元の乾いた砂は、一滴、一滴、零れ落ちる涙によって濡らされていた。
俺は、かける言葉もなかった…。
ガキィン!!
静まり返った砂漠に、鈍い音が響き渡る。音は、城の方から聞こえてきた。
「な、何だ!?…行ってみよう!」
ヘンリーはポケットから取り出したハンカチで涙を拭い、走り出す。
俺も、それに続いてほとんど崩壊した城の中に入っていった。


667 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:20:23 ID:32o4JhEj0
王座の間で、二匹の魔物が対峙していた。
「ま、魔物同士が戦っている!?」
ヘンリーの言うとおり、エリミネーターとりゅうき兵が斧と剣を交えていた。
「ハァ…ハァ…。に、人間か…!早く逃げろ!」
負傷したエリミネーターが俺達に逃げる様に言う。
魔物が人間を助ける…?一体どうなってるんだ?
「…ん?おい、そっちの奴、どっかで会った事ねえか?」
エリミネーターが俺に尋ねる。
会った事も何も、魔物なんて量産型だしなあ…。
「…そうだ!あの時の奴だ!ほら、宝の塔で会ったじゃねえか!」
宝の塔?宝の塔と言ったら確かゴーレムと………カンダタ!
そうだ、カンダタだ。エリミネーターと容姿が一緒だから分からなかった。
「い、いや!そんな事より早く俺から離れろ!」
カンダタが、息を切らしながら必死に叫ぶ。
「何言っている!人間の命が危ないのに、放っておけるか!」
ヘンリーが剣を抜き、戦闘態勢に入る。
同意だ。これ以上人間が死ぬ訳にはいかない。何としてもカンダタを助けねば。
俺は10年ぶりに、破邪の剣を構えた。石化していたので時間は経っていないのだが、柄の感触が妙に懐かしく感じた。
「お、お前ら…何やってるんだ…。…いや、ありがとう。助かる…。」
カンダタも、左手で傷口を押さえながら右手で斧を構える。
「はああ!」
ヘンリーが素早く斬りかかる。かなり滑らかな動きで、如何にも剣士といった感じだ。
りゅうき兵はヘンリーの攻撃を紙一重でかわした。
「キシャアアアアア!!!」
りゅうき兵が奇声をあげて剣を掲げると、りゅうき兵の右腕から剣の先まで紅の光に覆われた。
恐らく、一時的に攻撃力を高める呪文「バイキルト」だ。厄介な呪文である。

668 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:20:57 ID:32o4JhEj0
りゅうき兵はヘンリーに突進し、突きを繰り出す。
突然の事にヘンリーは避ける間もなく、腹部に剣が突き刺さった。
りゅうき兵がヘンリーの腹から剣を引き抜くと同時に、ヘンリーは勢いよく倒れ込む。
「ちっ!おい小僧!同時に突っ込むぞ!」
カンダタと俺が、二方向からりゅうき兵に突撃する。
りゅうき兵は、俺を無視してカンダタに斬撃を繰り出した。
「ぐあ!」
りゅうき兵の斬撃で、カンダタの左肩を切り刻む。
カンダタも同じく、その場に倒れこんでしまう。
俺は、ただその光景を見ていただけでなく、確かにりゅうき兵の背中に一撃をいれた。
が、俺の剣はりゅうき兵の体に傷一つつけることなく、皮膚の所でピタリと止まってしまった。
「ギャァァァァス!!」
りゅうき兵の左の鉄拳が、俺の体を弾き飛ばす。俺は壁に激突し、その場で尻餅をついた。
「まだ…まだぁ!」
ヘンリーが腹の傷を押さえながら立ち上がる。
負傷している上に更に攻撃をくらったカンダタも、続いて立ち上がる。
「イオラ!!」
ヘンリーがそう叫ぶと、りゅうき兵の周囲に熱風が巻き起こり、激しく爆発する。
りゅうき兵は多少怯んだものの、再び体制を立て直す。
「隙あり!!」
りゅうき兵が剣を構えなおした瞬間、カンダタの斧がりゅうき兵に襲い掛かる。
紙一重でりゅうき兵は斧を避け、カンダタの左腕に剣を突き刺す。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
カンダタは悲鳴をあげ、傷口を押さえながら悶えている。

669 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:21:39 ID:32o4JhEj0
「ちぃ!ラリホー!」
ヘンリーの左手から、りゅうき兵に向かって紫色の光が放たれる。が、りゅうき兵は盾で紫色の光の進行を妨げた。
「バカめ!囮だ!!」
ヘンリーがりゅうき兵に突撃する。
りゅうき兵は盾でラリホーを防いでいたので、眼前の視界が遮られてヘンリーに気付かなかった。
ヘンリーの剣が、りゅうき兵の左足を切り落とす。俺が攻撃した時よりも、素早く、容易に。
りゅうき兵がその場に倒れこんで悶絶する。その時カンダタがゆっくりと立ち上がった。
「これならモーションのでかい俺の攻撃でも当たるぜ…。死ね!!」
カンダタは魔人の如くりゅうき兵に斬りかかった。
斧は、りゅうき兵の体を真っ二つに切り裂いた。
「グギャアァァァァァ!!!!」
耳鳴りがする程の奇声をあげ、絶命するりゅうき兵。どうやら勝った様だ。
俺は自分と、ヘンリー、カンダタ全員にベホイミを施す。
「ふう、助かった。俺は回復呪文は使えないし、薬草も切れたからどうしようかと思ったよ。」
ヘンリーとカンダタが安堵の表情を浮かべる。
俺は、気付いていた。恐らく、カンダタも、ヘンリーも。
俺は3人の中で一番弱い、と。
俺はりゅうき兵の攻撃を一度くらっただけで、体中激痛で動けなかった。
カンダタは立ち上がった。いや、カンダタは体力がありそうなので分かる、が。
ヘンリーも同じだ。苦しみながらも、立ち上がった。そして、りゅうき兵の体に傷をつけた。
更に言ってしまうと、ヘンリーとカンダタは剣で刺された。が、俺は弾き飛ばされただけだ。痛みがまるで違う。
10年前の俺は、パーティの中でも攻撃力、スピードとバランスも取れていて、尚且つ呪文も使えた。万能タイプだっただろう。自分で言うのもどうかと思うが。
が、今の俺の取り柄は回復、補助呪文だけ。言わば俺はパーティでの役割は僧侶だ。
僧侶とは言っても、呪文の種類はそれ程多彩ではない。つまり、これから必死の思いで剣術の修行をするか呪文を覚えなければ、足手纏いとしか見られなくなってしまうかもしれない。
皆、10年の間に強くなったものだ。恐らく、10年前に倒したカンダタも、餓鬼だと舐めきっていたヘンリーも、今の俺では到底かなわないだろう。
そこから、悔しい気持ちが生まれる。10年間も石になっていた俺に。

670 :ローディ ◆qdB5QYIaRc :2005/12/12(月) 22:22:12 ID:32o4JhEj0
「それにしても、ボスクラスの魔物がこんな所にいるとは…危なかった。」
俺はふう、と溜息をつく。
「ボスクラス?…何言ってやるんだ。あんな奴ボスクラスじゃねえよ。その辺にゴロゴロいる雑魚クラスだ。」
カンダタの言葉に、俺は耳を疑った。
あんな、三人がかりで苦戦した奴が雑魚クラス?ゴロゴロと?
信じ難い話だ。10年前は、ボスクラスでもない限りあんな強い魔物はいなかった。
「どんどん魔物が強さを増してきてるからな。この男の言っている事は本当だ。今のこの世界では魔物一匹相手でも、一人で戦おうなど自殺行為だ。」
俺はまた一つ、魔物の恐ろしさを実感した。
じゃあ、向こうが複数で来たらどうするんだ?確実に死、なのか?
恐ろしすぎる…今のこの世界は。10年前の面影が全くない程に。
「おい、お前はここで何をしていたんだ。」
ヘンリーがカンダタに話し掛ける。
「俺か?…まあ、世界を回って俺の子分を探していたんだよ。城の中を探してたら魔物と出くわしてな。」
「そうか…。これからも子分を探すのか?」
「…ああ、そのつもりだ。」
「じゃあ、俺達と行動しないか?その方が安全だ。」
ヘンリーが、仲間になる様促す。
確かに仲間は多い方がいいし、カンダタの破壊力は魅力的だ。
「お前達と…?そ、そうだな…。じゃあ…行くか…。」
カンダタの発言に、所々途絶えた部分があったのが気がかりだが、あまり気にしない方がいいだろう。
俺達三人は、オアシスの廃墟を後にし、砂漠を南下した。
それぞれの目的を果たす為に…。

Lv19
HP98/98
MP42/42
武器:破邪の剣 鎧:鉄の鎧 兜:鉄兜
呪文;ホイミ、ベホイミ、バギ、バギマ、ギラ、スカラ
特技:はやぶさ斬り、火炎斬り、正拳突き

671 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/12(月) 23:04:33 ID:zYMxUeKU0
オラなんかワクワクしてきたぞ

672 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 01:04:57 ID:bTaXipjz0
ローディ>SUGEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジ超面白い。
その辺の糞RPGのシナリオよりずっと引き込まれるものがある。
本物だなこれは。

673 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 18:52:41 ID:gyLemsdn0
誰か別のまとめサイトを作ってくれ、良作神作が大量にでてるのにもったいなすぎる。

674 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 20:27:39 ID:lcAmqvuI0
僕も投下させてもらいます。
世界観は結構適当なので間違いなどあれば指摘してください。


この真っ青な空を目に焼き付けよう。
それが、俺にできる最後のことだ。
俺から少し離れたところに、大さそりが転がっている。
体からは、紫色の体液が流れ、毒の沼のような水溜りを作っている。
俺だってやつのことは言えない。
仰向けに寝転んでいるので、直接は見えないが、背中が教えている。
大きな紅い水溜りが出来ていることだろう。
その水溜りの中は、暖かくて何故だか安らげる。
握り締めていた折れた剣の柄をはなす。
もうそろそろいいだろう。
しがないサラリーマンだった奴にしては、よくやっただろう。
俺は薄れてゆく意識の中で、この世界に始めてきたときの事を考えていた。

675 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 20:44:33 ID:lcAmqvuI0
この世界に迷い込んだのは、おそらく一ヶ月ほど前だ。
もしかすると、二ヶ月前だったかもしれない。
この世界に来てから、どうも日にちの感覚が曖昧だ。
社会にも時間にも囚われない世界。
当たり前といえば、当たり前だ。
この世界で始めて見たものは、知らない天井だった。
少し足がはみ出る質素なベットは、安っぽい俺には、ピッタリだった。
宿屋の女将に聞いた話では、近くの森に倒れていたらしい。
運良く通りかかった旅人が、ここまで運んでくれたのだそうだ。
初めこそ困惑していたものの、俺はすぐのこの世界に馴染んだ。
気のいい人間たち、美しい景色、そして自由。
時間に縛られた毎日、多くっていた俺には、逆に刺激的だった。
しかし、この世界は、平和な世界とは言えなかった。
街の外を魔獣たちが、徘徊し隙あらば襲ってくる。
さらに、湖の中央に存在している島には、魔王の城があるという。
近くの城からは、王女がさらわれてかなりの時間が経っていた。
その話を聞いたあと、俺は剣を取った。

676 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:06:43 ID:lcAmqvuI0
すでにこの頃、何故この世界に連れてこられたのか、
という疑問はなくなっていた。
この美しい世界を救うことが、俺がこの世界に呼ばれた理由のような気がした。
手始めに、街の周りの青い魔物を倒すことからはじめた。
この俺でも十分倒すことが、できる相手だった。
100と8の魔物を倒したとき、俺は城に呼ばれた。
王女を救い出してほしいという王たっての頼みだった。
俺は即答で、その頼みを聞き入れた。
深々と頭を下げお辞儀をして、自分を奮い立たせる意味を込めて大声で叫んだ。
「必ずや王女様を、助けてご覧に入れましょう!!」
王は、俺にお金を与えてくれた。
以前、俺のほかにもこの城に、呼ばれた若者がいたそうだ。
その若者は、真っ青な鎧を身に纏っていたそうだ。
人々はその若者のことを、勇者と呼んでいた。

677 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:17:47 ID:lcAmqvuI0
俺は、まず勇者と合流することに決めた。
平和を願う決意は、彼にも負けないつもりだが、体はそうはいかない。
一人で旅をしていては、長くは持たないと、考えたのだ。
そして、今俺は森のなかで、息絶えようとしている。
ついに彼と、会うことはなかった。
だが、後悔はない。
これまで生きてきた21年間、人に強く頼られることはなかった。
使命感に燃えることもなかった。
しかし、この世界に来てからは、どうだろう。
いろんな人が、俺を応援し必要としてくれた。
そういう意味では、この世界に来てからの、
数ヶ月は、生きていた時間の中で最も重かった。
これほどにも充実した日々を送れたことを、感謝しながら逝けそうだ。

678 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:24:25 ID:lcAmqvuI0
ガサガサ
足元で草むらを、掻き分ける音がする。
血の匂いが、魔物を引き寄せてしまったようだ。
もう思い残すことはない。
殺すなら殺すがいい。
その物音は、俺のほうに徐々に近づいてきた。
ついに、最後のときがやってきた。
今に、この体に鋭い爪が、食い込むことだろう。
しかし、その予想は、大はずれだった。
次の瞬間、空よりも青い鎧が目に入った。
俺は絶句した。
捜し求めていた人に、最後の最後で会えるとは。
この世界の神様は、ずいぶんと粋なようだ。
「大丈夫ですか? 今回復をします。」
彼は、俺の横にひざまづき俺を救おうとしてくれている。
最後の力を振り絞り、彼が俺にかざしている手を掴んだ。
「自分の体だ。俺にはわかる。もうダメだ。」
傷口付近の感覚は、もう無くなっていた。
指の先や、足の先が冷たくなってきている。
「あきらめないでください!!」
彼は、必死で俺を助けようとしている。
いくら言ってもこの優しい若者には、通じないだろう。

679 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:24:50 ID:lcAmqvuI0
「俺の最後の言葉。聞いてもらえないかな」
彼は回復の手を休めず答えた。
「何でも言ってください。でも、死なないでください。」
彼の澄んだ目は、瀕死の俺になおも、力を与えてくれるようだ。
「俺はこの世界に来てから間もない。
しかし、この世界を本当に、好きになっちまったんだ。
だから、本気で救おうと思った。」
彼は潤んだ目を俺に向けて、真剣な顔で話を聞いてくれている。
俺は、さらに続けた。
「でも、非力な俺には、それは出来なかった。
だから、せめて君に俺の思いを背負って、魔王を必ず倒してほしい。」
彼は、無言で頷いた。
俺はすぐそばに落ちている剣の柄を指して言った。
「それさっき手放しちまったんだ。拾ってくれないか?」
彼は柄を拾うと、しっかりと俺の手に持たせてくれた。

680 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:25:12 ID:lcAmqvuI0
今日は、本当に空が青い。
雲ひとつない晴天だ。
最後の最後で、すばらしい人に会えた。
彼は、この世界を救ってくれることだろう。
これで本当に思い残すことは無い。

本当に空が青い。
――本当に...

681 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:26:08 ID:lcAmqvuI0
これで終わります。
連投失礼しました。

682 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 21:29:01 ID:Ns/ElvAiO
終わりか( ゚д゚ )YO!!
けど泣けた

683 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 21:32:29 ID:l7apo8xQ0
>>673
まとめの人にメール送ってみた?
確認するかどうかわかんないけど

684 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 21:35:42 ID:c4HXMS7E0
>>673
自分には無理なものを人に頼るな。

685 : ◆jyYqCHnpIA :2005/12/13(火) 21:43:41 ID:lcAmqvuI0
>>682
感想ありがとうございました。
自分の書いたものを誰かが読んでくれるのは最高です。

まとめ拝読させていただきました。
その中で宿で目が覚めるところから
始まるものが多かったように思いました。
なので僕はそれを崩して書いてみました。

以上DQの中で使命感に生きた男の話でした。


686 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 22:39:17 ID:0CwA3I/S0
>>685
天然か。スレタイ嫁
でも良かったんでまた書いてクレクレ

687 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/13(火) 23:36:07 ID:1YElQczKO
おおっ!また書いてくだされ。期待してるぞ。
>>レッドマン
もょもととタケが活躍するのは良いけどサマルを生かしてほしいね。がんがれ!
>>魔神
オルテガ達とバトルがどうなるのか楽しみだ。
>>ローディ
先の展開が読めないのがおもしろいな。ヘンリーが原作より生かされそう。

688 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 00:16:00 ID:+GwPilSM0
アミタソ・エイコタソ、マダー?
粗野系女子萌えス

689 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 01:13:49 ID:FSm98lRU0
>674
すごく良かったと思うよ。
あなたのお話をもっとよみたい!

690 :一 五明 ◆l4DKXvv9Lw :2005/12/14(水) 08:27:54 ID:l+bJ/Onh0
>686
一応>675で宿の描写してあるから、スレタイは読んでるんじゃね?

691 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 09:09:51 ID:x1rgZodM0
>>◆jyYqCHnpIA
全米が泣いた
良い文章書くな〜。ヨカタヨ〜

692 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 19:19:30 ID:/LeooKx00
>>レッドマン
タケかっこいいな、
>>魔神
バラモスのキャラが俺は好きだな、それとオリキャラのこと思い出してあげて
>>ローディ
神なおもしろさ、期待してる、主人公がどう成長していくか楽しみだ。

693 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 20:05:19 ID:76jU0f9n0
鬼浜総長期待上げ

4の人の続きも激しく気になる・・・

694 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 20:25:17 ID:bngSEMg40
lcAmqvuI0氏はDQの資料をクレ、ってスレ立ててた奴か?
紹介した者として、書いてくれて嬉しいよ。いい文章書けるじゃないか。

まあ、その後該当スレで、46と50書いたのも俺だがなw


695 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 20:36:59 ID:oyv/Ueal0
バーバラ「っあん!いっちゃう!!」
やはり若い女の体は最高だ
魔法使いのバーバラと出会ってから、魔法使いだった俺は勇者となった。


696 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/14(水) 21:09:55 ID:kNJDDgiy0
エルフは警戒心が大変強い。ことに人間に対しては。わしは何度も会っているから少しは和らいできているように感じるが、それでもまだ。お前たちのような初対面な人間にはすぐさま逃げるかもしれない、とあの開催者は教えてくれた。
それでも行かなくてはならない。
ほんの少しの希望を手の中に握りつつ、あたしたちはさえずりの塔を目指す。
塔は遠目からでもよく見えるので迷うことはなかった。
夕刻、塔に到着。
見た目これといった特徴がないただの塔である。石灰岩で出来たと思われる白い壁が夕日に照らされ赤く染まる。
扉を開けるとそこは魔物たちの巣窟になっていた。気味悪いくらいに。ここまでくるのに疲れ過ぎて戦う元気がないので目を盗みそろそろと忍び足。
こんなところに人がいた。ここの扉、鍵がかかって上に上がれないと。
盗賊の鍵を差し込み回すとかしゃんと施錠が開く。
その人を尻目に中へ入る。上がりと下がりの階段が目に入る。近いほうの地下へと降りる。
地下は宿になっていた。
さえずりの蜜を取りにくる人の為のものか。そうでなかったらこんな魔物だらけの場所に客などくるはずがない。
すでに夕方だったので今日はここで休むことにした。

697 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/14(水) 21:11:57 ID:kNJDDgiy0
次の日、上と登る。二階…三階…。それに伴い景色も移ろい、地表から遠ざかる。
「おぬしらなんでそんなに震えているんじゃ」
「だだだっだってですね」
「たか、たか、高いじゃん」
「棒読みじゃない…」
「高所恐怖症か…」
そこの2人っ!ため息つくなよ!高いところ、怖いからいやなんだよ!
「高いところ、気持ちいいじゃない」
ひょいっと塔から身体を乗り出すアリーナ。
ギャーーーッ!!!
叫ぶあたしとクリフト。
「何やってんだ!こっちにこいっ!おーちーるぅー!」
「ひひひひひひ姫様、こっこちらにいらっしゃってくださいよ。危険ですからねっ」
「全然危険じゃない場所にいてお前たちが落ちるみたいじゃないか。ほれ」
ブライが背中を軽く押した。
「ひぃーーっ!馬鹿ぁ!何すんだyo!素で怒るでしかしー!」
「情けない…」
ブライが再度ため息をついた。
この塔、三階は何故か壁ないの!景色もいいし、下からいい風吹いて気持ちいいなぁ、とは感じるよ。だけどさ。
せ め て 壁 つ く れ
しかも床には落とし穴がぽっかりと口を開いている。
ああ…このまま失神してしまいそう…。
流石に戦闘となると震えてばかりはいられない。落とし穴に落ちないよう床を見ながら戦う。
この塔、平地に現れるような魔物よりだいぶ強い。体力的なものもあるが、バギやギラといった集団攻撃呪文を使えるやつらが多数。
そろそろ攻撃呪文の充実をと密かにこっそり勉強していたベギラマで対応。閃光の壁が飛翔して攻撃の手が届かない魔物をも燃やし尽くす。その効果に思わずガッツポーズをとる。


698 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/14(水) 21:16:24 ID:kNJDDgiy0
ポイズンリザードが吐く毒の息。臭い息だけなのかもしれないが、くらうと身体全体がダルくなる。避けられればいいのだけれど、物質攻撃でない以上なかなかそういうわけにはいかない。
食らった場合、クリフトが調合した毒消し草、及びキアリーの解毒中和呪文。
また、あたしは体力回復にホイミ以上の効力と素早い治療を行うベホイミも習得。前線で戦うアリーナとクリフトをサポート。
マホトーンを唱える蝿男。これは呪文を封じ込めてしまう。呪文に頼るブライとあたしにはつらい。そういう場合は買ったばかりの毒牙のナイフで切りかかる。
初戦闘時は例え魔物と呼ばれるものでも生き物に手をかけることに違和感があったが、今となってはあまり思わなくなった。
慣れというやつだ。恐ろしいもんである。
更に震えながら上を目指す。
タカイトコロハモウイイヨー(ノД`)


699 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/14(水) 21:19:23 ID:kNJDDgiy0
光が満ち溢れていた。
「うわっ、眩しい…。こっ、ここですか、最上階は?」
「そうらしい。おやエルフがおるぞ」
あたしたちの姿を見ると今し方花の蜜を集めていたとおぼしきエルフ2人がいた。
空に向かって伸びる耳朶、背中に生えた玉虫色の4枚の羽。緑色の、珍しい髪色。まるで妖精のような出で立ちである。あれが、エルフ…。人間の亜種を見るのは初めてだ。
「きゃっ!あなたたち人間ね?!」
「そうですが何か?」
「行くわよリース!人間よ!」
「あ、お姉さま!薬を落としてしまったわ!」
「そんなのいいわよ!さ、早く!」
エルフたちは塔の上から羽ばたいて行ってしまった。
「何か…見かけるなり逃げるとは…しゃくに障るね」
人間嫌いとかいうレベルじゃない気が…。
最上階。今までの塔内部のことを思えば想像出来ない風景が広がっていた。
狭いながらも花は場所一杯に咲き誇り、花についた玉の様な雫が太陽光をキラリと反射した。天井はなく、青空が広がっている。
なるほど、ここなら背中に生えた羽で飛んでこれるしバザー開催中以外なら人間も殆どこないだろう。
「薬って蜜よね?もしかしたらそれがさえずりの蜜かもしれないわ。探しましょう」
それはすぐ見つかった。エルフがいた場所の下を探せばいいだけなので。
鳥をかたどったガラス瓶を囲む4人。
「ほう、これがエルフが摘んだ蜜か。貴重な代物じゃのう」
「これただの蜜だったらどうする?ちょっと舐めてみようよ」
「そうだったら心配よね…でもいいわよね、こんな満杯に瓶に入っているなら少しくらい」
「皆さんで味見をしてみましょうか。私、花の蜜を啜るなんて子供の時以来です」

700 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/14(水) 21:20:43 ID:RBYKZfPa0
>>685
文章力が群を抜いてる
構成力も真似とかじゃないしオリジナリティあふれてる
マジでこれからも書いてくれ
長編書いたらはっきりいってこのスレの神になる

701 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/14(水) 21:23:37 ID:kNJDDgiy0
そして4人、蜜を舐めてみた。そしてリレミトで塔を脱出し、ルーラでサントハイムに向かった。
「お父様〜♪蜜を持ってきましたよ〜♪これで声が出るかもしれません♪」
「ささ、王様♪どうぞ♪」
「儂等の汗と涙の結晶ですじゃ♪」
「どうやら蜜を味見したようですね…」大臣がツッコむ。
そんなこと言わないでよ♪エルフが集めた蜜が珍しいからちょっっっと味見しただけよ♪なかなか甘くて美味だったわん♪一口だけ舐めたから後の半分は全部王様にあげる♪これで声が出るといいね♪
王様はジト目で蜜を受け取り瓶さら口を付けて、蜜をごくりと飲み干した。こちらは固唾を飲んで見守る大臣とあたしたち。
「ん…あ。あーあー。お…こ、声が出るぞ?治った、治った!」
『やったー!』
「ごほん。まずは礼をいう。ありがとう。最近妙に同じ夢をみる。地獄から巨大なものが蘇り、世界崩壊がおきる夢だ。あまりにも何度も見るので不安になり大臣に相談しようとした矢先、声が出なくなったのだ…」
王は一通り巻くしあげると黙り込んだ。「…もしかしたら何かが変わりはじめているかもしれん。もう止めはせぬ。世界を見て参れ。ブライ、クリフト、アリーナを頼んだぞよ。して、そちらの女性は?」
「アミっていうの。パラパラ馬鹿よ」
そんな紹介の仕方はないだろ。
はぁ。パラパラ…ってなんだ?と王は呟く。Night-Of-Fire 、踊って差し上げましょうか?
「今日はもう疲れたし、久々、お城で休みたいのう」
ブライが提案する。旅の許可が正式に貰えた!嬉しい!と飛び跳ねるアリーナも異議なし。クリフトはふんわり微笑み、教会でお祈りしていきたいです、と言った。
今日はサントハイム城に泊まることにした。
LV 15
HP 55
MP 93
装備
E毒牙のナイフ
E鎖帷子
E鱗の盾
E皮の帽子
呪文
メラ、ギラ、ヒャド、バギ、イオ、ベギラマ
ホイミ、ベホイミ


702 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/12/15(木) 22:26:52 ID:xBk0MEUGO
>>662>>687>>692
ありがとう。励みになるよ。
てか頑張る。

703 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/12/16(金) 23:01:04 ID:W59jei4q0
続き期待age

704 :アミ ◆36yZlE15gs :2005/12/17(土) 00:47:52 ID:rOehAdWo0
その日、城内では王女帰還の食事会が開かれ、王とアリーナは勿論、クリフト、ブライ、大臣そしてあたしが出席した。
サントハイム地方の名物料理が細かい刺繍が施された白いテーブルクロスの上にずらりと並び、目を楽しませ、舌鼓を打つ。
食事が終わると王に今までの旅の経路を報告するアリーナ。相槌を打ちながら話す王。声は出るようになり本当、安心。教会に戻るクリフト、グラスを傾けホロ酔いになっているブライ。
あたしは席を外し風呂場へ向かった。
周りは全て大理石。大衆風呂のような広い風呂に一人浸かり、旅の垢を落とす。マッサージオイルを持った女官に薦められ、マッサージを施してもらうと思わずウトウトしてしまう気持ちよさ。
湯船に浮かぶ花びらの香りも相まってリラックスできた。
こんなデカい豪華な風呂を独り占めできるなんてお姫様もあながちいいかもしれないな〜。
あたしに用意された部屋は2階、客人用の部屋。
ホテルでいうスイートルーム。ベッドはフカフカして飛び乗るとふわぁんと布団が跳ね返ってくる。気持ちいい。
アリーナの部屋は食事会前に見せてもらったけど、部屋は綺麗なものの、旅に出る時に部屋の壁をキックしてぶち壊し、未だ修理しておらずそのまま。
どこの世界に壁ぶち壊わすお姫様がいるんだとあたしは思わず指差して笑ってしまったよ。
彼女はだって父は取り入ってくれないし、城門は開けてくれないから。部屋の壁を破るしかないと思ったんだもんと膨れた。全くとんでもないお姫様だ。
本当に。
あたしはベッドの上で高い天井を眺めた。シャンデリアが光を受けてキラキラと輝く。


500KB
新着レスの表示

掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

img0ch BBS 2005-07-01 PHP0ch