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もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら四泊目

1 :冒険の書庫の書記 :2005/10/08(土) 23:00:44 ID:oCXhwG/I
ここは
「もし目が覚めた時にそこがDQ世界の宿屋だったら」
ということを想像して書き込むスレです。
小説形式、レポ形式、一言何でも歓迎です。

前スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら三泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1122390423
前々スレ
「もし目が覚めたらそこがDQ世界の宿屋だったら二泊目」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1116324637/
初代スレ
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」(DAT落ち)
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1110832409/

まとめサイト
「もし目が覚めたら、そこがDQ世界の宿屋だったら」冒険の書庫
http://www.geocities.jp/if_dq/

147 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:42:55 ID:EaQc6O74
「――……あ、お二人とも、こちらでしたか」

仲良く肩を組んでいる俺達に、ミネアは安堵の笑みを浮かべる。
これが肩でなく腕だったなら、また違ったリアクションを見る事が出来たのかもしれないが。

「……マーニャは、何も無いなんて事、無いよ」

「ん――そうね。それは、あんたもだと良いわね。…いいえ、あんたもよ」

肩に回した手でばしばしと叩かかれる。
ソフィアに次いで長い付き合いになった姉妹に、俺は精一杯の笑みを返した。



太陽が休息に入り、入れ替わりに月がその姿を現す。
月下に映し出される魔城は、昼のそれとは全くの別物だった。
荘厳かつ、厳格さを滲み出す外観。
尖塔の上で、城壁の傍で、蠢く影。
――デスパレス。
人の悲鳴が聞こえてくる訳では無い。
魔物の雄叫びが響いてくる訳でも無い。
動物の気配もしないのは、捕食されるのを恐れたからだろうか。
聴こえるものと言えば、僅かな虫の音と、微かな草の音のみ。
目の前に恐怖の象徴が佇んでいるというのに、辺りは嫌になるほどに静かだった。

ソフィア、ソロ、アリーナ、ミネア、ブライ、そして俺の六人が変化の杖で姿を変える。
全員でぞろぞろと行く訳にもいかないので、残りのメンバーは待機し、有事の際には陽動を行う事となる。
しかしいくら姿が魔物になっても、仕草や細かい動きまでフォローしてくれるものでは無いだろう。
この辺り、多少意識していかないとマズイだろうか…。
軽く緊張しながらも、ソロを先頭に城門をくぐる。
彼は、呪怨装備を身につけていた頃、数度来た事があるらしく、ある程度勝手を知っていた。
城内に入ってすぐ、まるで兵士のように佇む虎の魔物がじろりと俺たちを睥睨する。

148 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:43:40 ID:EaQc6O74

大丈夫、な、筈――。
そう思ってはいるものの、背中を嫌な汗が伝うのを感じる。
いくら変化の杖を使うからといって何も真正面から入る必要も無かったのでは無いか等の雑念が浮かんでは消えていく。
時間にしては、それほど経っていない。
それでも、虎の魔物が俺達から視線を外すまでの間は、中々生きた心地がしないものであった。

「…どうやら、巧くいったようじゃな」

ブライがぼそっと呟く。
…実際のところ、コンジャラーに化けたブライが一番順応している気がするのだが…。
殆ど動きも変わらないし…。

「では予定通り二手に分かれよう。くれぐれも、気取られないようにな」

ソロとアリーナとブライが地下牢へ。
俺とソフィアとミネアは、先に二階を中心に探りを入れる。
…しかし、昼間、マーニャにあっさりと看破されてしまった事を思い出すと、
ソフィアとミネアの二人とだけ共に居るのは少し躊躇われた。
俺は直前にブライに入れ替えを求める。老人は、ふむ、と頷き了承してくれた。
ブライとしてはアリーナと離れるのには抵抗があったのだろうが、
この城にサントハイムの者が誰かしらいる可能性を考えると、彼女と別行動をした方が良いと考えたようだ。

地下牢の探索は、アリーナたっての願いであった。
もしかしたら、サントハイムの人々が幽閉されているかもしれない。
確かに、サントハイムで起きた神隠しがデスピサロの仕業だとするなら、その可能性は十二分に考えられる。

149 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:44:17 ID:EaQc6O74
慎重に階段を降りる。
まず飛び込んできたのは炊事場だった。
そして、忙しそうに動き回る女性――人間だ。
思わず声をかけそうになるアリーナだったが、テーブルに座る影に気付き、はっとする。
なるほど、どうやら女性は下働きのようなものをさせられているらしい。
…此処であの魔物を斃す事は恐らく可能だろう。
だが、その後が続かない。続かせる為には少なくとも、散らばっている仲間達との連携は必須であろう。
悔しさをぐっと堪え、更に奥へと進む。

――地下牢。
結果だけを言うならば、そこにアリーナの求める人々の姿は無かった。
何人かの人間が放り込まれていたが、どれも見覚えのある顔では無かったらしい。
しょんぼりと肩を落とすアリーナに、俺も、ソロも、言葉をかけられずにいる。
いや、ソロは敢えてかけないのかもしれない。
彼は恐らく知っていたのだろう。
サントハイムの大勢の人々がこの城に囚われているとなれば、出入りしていたソロが気付かぬ筈が無い。
それを事前にアリーナに伝えなかったのは…彼女の気性を考えれば、最良の判断だと思える。
機会があるのなら、自分の瞳で確かめたいのは当然だろう。
その機会が周りにかなりの無理を強いる等があれば少し話は違ってくるが、今回は比較的容易であった。

「げはげは、なんでもエビルプリースト様は愚かな人間を使って――」

「おい、声が大きいぞ」

「げはげは、すまんすまん。……ロ様の大……奪う……」

突如響いてきた声に、俺たちはドキリとして発生源を探した。
特に、アリーナの反応は過敏だった。
難なく場所を特定したか、近くにあった階段を二段飛ばしで駆け上がる。

「それが本当なら、エビルプリースト様が魔族の王になる日も近いか…」

150 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:44:51 ID:EaQc6O74
なんだ?なんの話をしているんだ?
…エビルプリースト?なんだそいつは…?
もう少し、聞きたい。心につられてか、身も乗り出る。

「それにしても、全く哀れなのはサントハイムの王だよな」

「自分たち人間が、エスターク様の復活を手助けしてしまう事を夢で知って……
アッテムトでの穴掘りをやめさせようとした為に、闇の力で消されたのであろう。
我ら魔族ですら、エスターク様があんな所に封じられたとは知らなかったもんな」

「…待て、誰かいるぞ!」

いっけね、見つかったか!?
――刹那、俺の後方から戦風が吹いた。
階段の踊り場で繰り広げられる一瞬の戦舞。まさに、獣のような動きで――って、そりゃそうか。今の俺たちは魔物に変化してるんだった。
彼女のスピードが勝り、二匹の魔物達は応援を呼ばれるまでもなく、その場に昏倒する。
肩で荒い息を吐くアリーナの肩に、ソロがぽんと手を置いた。

「がおーーーっ!!」

ぎゃっ!?
耳元で発せられる魔物の雄叫びに、飛び上がる。
やべ、軽くちびったかも…。

「うふふ、驚きました?なんか、なりきっちゃって…」

「ミネアかよっ」

「それよりも、急いでこちらに来てください。何でも、会議が始まるとか」

151 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:46:01 ID:EaQc6O74
俺達は急いで地下から這い出、別棟の更に二階へと向かう。
会議に使われる部屋には、それに相応しく長い机が二つ並べられていた。
机を挟むようにして、丸椅子がずらりと並ぶ。
そして、前方中央には一段高くなった演説台のようなものが鎮座している。
恐らく、此処に、ヤツが――。
俺達は逸る気持ちを抑え、それぞれ椅子に座る。
魔物がまだまばらにしか集まっていないのが幸いした。
どうやらこの会議――というか、招集は大分緊急のようであった。

やがて、ざわりとどよめきが起こると同時に空気が、変わる。

「静粛に!まもなくデスピサロ様がいらっしゃる頃だぞ!」

言われずとも解る。
ヤツが――来る……!
俺は、今居る場所から見て前方の廊下側通路――先ほど俺たちが入ってきた所から、ヤツも現れると思っていた。
だが――違う。このプレッシャーの発信源は、前方では、無い――。

かつん。

甲高い靴底の音が響く。
後ろから、だ。
バルコニーから入ってきた気配が、ゆっくりと演説台へと進んで行く…。
脂汗が止まらない。
その男は、気配だけで人を殺しかねない、凶悪な雰囲気を纏っていた。

「――聞いてくれ、諸君…。
たった今、鉱山の町アッテムトで大変な事が起こった」

演説台に登り、くるりと振り向く魔族の王。
銀髪を靡かせ、見る者を魅了して止まないその容姿に、笑み――の、ようなもの――を浮かべ、そう言った。

152 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:47:07 ID:EaQc6O74
「地獄の帝王エスタークが、人間どもの手によって蘇ったらしい。
どうやら人間どもは気付かぬうちに地獄の世界を掘り当ててしまったらしいのだ」

ぐるりと視線を廻らせる魔族の王。
その瞳が、俺達を順に捕えていく――。
気付かれている?いや…そんな事は無い、筈だ。現に、その視線は外れていく…。
その瞬間、俺にはヤツがにっと、口の端を歪めたような気が、した。

「兎に角、アッテムトだ。エスターク帝王を、何としても我が城にお迎えするのだ!
さあ、行くぞ!諸君も急いでくれ!!」

どよどよとざわめく場にデスピサロは頓着せずに、
さっさと演説台を降り、再びバルコニーに向かう。
瞬間転移(ルーラ)で飛んで行くのか、会議場に居た魔物達もまた、デスピサロに追従して行った。

そうして…まるで金縛りにあっていたかのような仲間たちにもまた、時間が流れ出す。

「――動けなかった……」

ぽつりと呟いたのは、アリーナだ。
悔しそうに、身体を震わせ拳を握り込む。

「どうして?今、此処で仕掛けたとしても多勢に無勢だったから?
違う…そんな理由じゃない…ただ、私は…!」

「落ち着いてくだされ、姫様。理由はどうあれ、動かなかったのは正解じゃ。
あの男は…強い。逃げ道も無く、我ら全員が倒されてしまってはおしまいじゃ」

153 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:48:26 ID:EaQc6O74
「でも!!」

「…今はまだ、届かないのなら、階段を上り続ければ良い。そうだろう?
俺は、そうするつもりだ。…君はどうする?」

「……。征くわ、決まってるじゃない、そんな事……!」

ブライとソロに、噛み付くように気炎を吐いてみせる少女。
そんな中で、俺はソフィアの様子を窺っていた。
彼女もまた、デスピサロに対しては深い因縁を持つ。
激昂し、飛び出していってしまうのではと心配もしたものだが、どうやら彼女はとても冷静であったようだ。
そっと表情も窺ってみたが、以前、彼奴の名前を聞いただけで怨嗟を渦巻かせたとは思えないほどに、穏やかで。
いや、穏やかというのは正確では無い。やはり、そこには恨みのようなもの、悔しそうに、憎しみの炎を宿らせてはいたのだが、
今まで、唯、それだけだったのに対し…今は、もう少し複雑に色々な感情が渦巻いているかのような。
やはり肉親が…ソロが生きていた、というのが大きいのだろう。
俺では彼女を救う事はできなかった、という事なのだが…それでも、復讐しか考えられない、という呪いのようなものから少なからず解放されてきているのだとしたら、
それは喜ぶべき事だと思う。矮小な俺自身については、今はおいておこう。

「アッテムト…エスターク…」

ぽつりと、その名前を呟いたのはミネアだった。
彼女は顔面を蒼白にして、ふるふると身体を震わせている。
俺は慌てて彼女に駆け寄り、顔を覗きこむ。

「ミネア?大丈夫?」

「あっ…はい、すみません、聞いた名前に取り乱してしまいました…。
もし、先の話が真実ならば、このまま放っておいたら大変な事になってしまいます。
まずは、急いでアッテムトへ…!」

154 :デスパレス ◆gYINaOL2aE :2005/10/24(月) 19:49:09 ID:EaQc6O74
「よぉし、やるわよ!地獄の帝王エスタークを、こてんぱんにしてやるわ!!」

ぐっと、毛むくじゃらの腕を突き上げるアリーナ。
…ま、何となく、戦いになりそうな気はするけどな。
しかし今思い出したが、まだ魔物の城に居るんだった。残っているのも居るだろうし、長居は無用だな。
城を出て待機している仲間と合流しようと動き出した時、意気揚々としていたアリーナがぽつりと呟いた。

「……ところで、エスタークって誰だっけ?」

……前途多難だ……。
俺も知らないけどな!!!道すがら、ミネアやブライが話してくれるだろう。



そうして。
俺たちはマーニャのルーラで、辿り着く。
死都――アッテムトへ、と。


HP:98/98
MP:48/48
Eドラゴンキラー Eみかわしの服 Eパンツ
戦闘:物理障壁,攻勢力向上,治癒,上位治癒
通常:治癒,上位治癒

155 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/24(月) 20:02:00 ID:NgS+zDm2
キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!

おかえり&乙ー

156 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/24(月) 21:06:35 ID:vd2iUZnJ
きよったぁーーーーー!
待ってました!
緊張→緩和→緊張の流れに背筋ゾクゾクしちゃった…



それにしてもマーニャ姐さんは本当にいい女だなぁー

157 :1 :2005/10/24(月) 22:26:36 ID:4JkCgrYK
なんかスレが伸びてると思ったら…

>>139-154
ずっと帰りを待ちわびてました。
スレ立てて良かった(泣
おかえりです。乙です。
記念age

158 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/24(月) 22:33:05 ID:FMnDK4+G
キタ━━━( ・e・)´ー`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ´ ヮ`)━━━!!!!

どれだけ待ってた事か・・・(つ∀`)

159 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 00:41:49 ID:W8iBCJGJ
キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!

相変わらずキャラがみんなものすごい魅力的だ…

160 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 01:35:38 ID:X1KnzpTc
これはヤバイって
すっげぇ超大作

161 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 01:47:38 ID:YqQKvvTl
またDQ4がやりたくなってきた
ソフィアの後ろにいるはずのないgYINaOL2aE氏の姿を重ねてた時のデータどこやったっけ…

162 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 03:53:53 ID:aaeI4bNm
>>gYINaOL2aE氏
乙であります!
これからも楽しみにしてますよ!

んで・・・自己満足なんだけど
>>9の内容で結局携FOMA 900/901i用でつくっちゃったw
感動をくれたこのスレに、
せめてものお礼に投下しようと思うんだけどいいかな?


163 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 04:01:56 ID:mwqArEEh
これめちゃくちゃいいよ!

164 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 04:25:40 ID:BAJUMnJL
>>161
おもしろそう!
ぜひともお願いしたい!

165 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 12:25:11 ID:TAYmY6Ht
>>139-154
復活おめ。・゚・(ノД`)・゚・。

166 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 14:40:03 ID:IEr1VOhe
勇者の足跡を辿るって感じの話も良さそうだな

167 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 16:19:23 ID:QJWrzwDu
ギャgじゃないのに読ませるネタってのも珍しいな

168 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 17:43:28 ID:g7b2cSZB
5ヵ月も経ってるし、もう来ないのかと思ってたよ・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
とりあえず乙です!



他の職人さんも今まで通りに書いてくれよ。マジ期待してるから。

169 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/10/25(火) 17:53:13 ID:669QH1WP
(=゚ω゚)ノぃょぅ!
復活していたとは気が付かなかったっす(´・ω・`)ショボーン
このスレの住民の皆様には感謝します・゚・(ノд`)・゚・
ガンガンやりまっせ〜(`・ω・´)シャキーン

170 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 19:01:14 ID:XRVq80Iw
おー、みんな戻ってきてる
すげーうれしい
あとは総長だね

171 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/10/25(火) 21:07:23 ID:669QH1WP
タケ「ふぁ〜あ…」
目が覚めた。自分の部屋だと思っていたがローレシアの宿屋だった。
やはり夢の世界ではなくこの世界が現実らしい。
次の目的地リリザに向かうために出発準備するとしますか。
タケ「もょ。起きているか?」
もょ「う…う〜ん。あとすこし…」
やれやれ。この調子じゃ寝起きが悪いみたいだ。
皮の盾と薬草も持ったし昨日街娘がくれた毒消し草もある。準備も出来たしリリザに向かう事にした。



172 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/10/25(火) 21:09:01 ID:669QH1WP
さて、道中にスライムが現れるのだが今の俺達?なら簡単に蹴散らすことが出来た。
皮の盾のおかげでスライムが体当たりしてきても十分に防げる。

こりゃ楽勝ムードでリリザに向かっていたら新しい敵が現れた。ドラキーとアイアンアントだ。
ドラキーやアイアンアントの攻撃は大したことが無いのだがこちらの攻撃がなかなか当たらない。
ドラキーはニヤニヤしながらはばたき攻撃してきやがる。しかもアイアンアントは普通に切り掛かったら両断する事は難しい。以外と打たれ強い。



173 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/10/25(火) 21:11:23 ID:669QH1WP
さぁどうする?
ここで焦っても状況が悪くなるだけ。実戦では使えるかどうかは解らないが試してみるか。
まずはかすみ二段をドラキーに試すことにした。一段目は意図的に外して二段目に当てる小細工な技だがいけるか?
うぉりゃあ!

あ、当たった!クリーンヒットではないがドラキーはふらふらしながら地面に落ちた。
ドラキーはピクピクして動かない。なりふり構わず突いてとどめを刺した。
後はアイアンアントだがドラキーが殺されて怒っているようだ。
猪みたいに体当たりを仕掛けてきやがる。ここは耐えてバックステップをし、飛ぶ事にした。
アイアンアントは体当たりしまくったせいか疲れて動きが鈍った。

ここで決める!って感じで俺は高く飛んで剣を体重を乗せた。

アイアンアントがカステラを斬るようにあっさり両断した。強撃も成功した。俺って天才じゃね?と思わず思ってしまった。



174 :レッドマン ◆U3ytEr12Kg :2005/10/25(火) 21:12:17 ID:669QH1WP
なんとか魔物を倒した後、もょが話掛けてきた。
もょ「おおっ!タケ。いつのまにつよくなったんだ?」
タケ「今頃起きたんか。まったく、しっかりしてくれよ。」
もょ「はは、すまん。」
タケ「俺も昨日たまたま編み出した剣術を試してみただけやで。」
もょ「そうなのか。」
タケ「色々試行錯誤しなくちゃいけないけどな。」
もょ「タケ。おれにもおしえてくれないか?」
タケ「かまへんけど…俺もイメージでしか言えへんで。しかも剣術って言っても素人やで。」
もょ「かまわない。おれもつよくなりたいんだ!」
タケ「オーケー。わかった。宿屋に休む前に練習するで。」
もょ「おう!」
タケ「もょ、俺が言うだけじゃなくお前も何か閃いたらアドバイスしてくれ。そうじゃないと試す事に越したことはないからな。」
もょ「わかった!」

こうして無事リリザに着いた。まず宿屋に予約をとって街を見回る事にした。

175 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/25(火) 22:58:34 ID:hSqe6ZU2
だいぶ戻ってきたね。待っててよかった。
職人さん達がんばれ!

176 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/26(水) 04:10:31 ID:IfRP9By5
レッドマソ氏キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
みんながんばれ(*´ヮ`)ハァハァ

177 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/26(水) 06:28:25 ID:zXBhdZo6
昔の神達が復活した!みんなガンガレ!超ガンガレ!あと最近の新人さんもガンガレ!
これであとは総長さえ帰ってきてくれれば…

178 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 19:58:20 ID:3Hc3jIG0
職人さん達復活キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
これからも頑張って下さい。応援してます。
乱文ですが、投下します。

179 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 19:58:53 ID:3Hc3jIG0
朝起きると自分の家に戻っていた。などと言う事は無く、やはり昨日泊まった宿屋にいた。
目をこすりながらベッドから起きる。外がうるさい。何があったか知らんが、とりあえず俺は宿屋を出る事にした。
いや、その前に部屋のタンスを調べてみる。何かあるかもしれない。
タンスを調べてみると銅製の剣がしまってあった。他の客が忘れたのだろうか。俺は銅の剣を取り出し、握り締めた。丁度良い長さと重さだ。
もう一つのタンスを調べた。エッチな下着を発見した。誰の物かは知らないが、貰える物は全て貰う主義なので、両方貰っていく事にした。

外に出ると、畑の所に人が集まっていた。暇なので行ってみる。
「また魔物にやられた!」
「罠も全く意味が無かった…。どうすればいいんじゃ…。」
どうやら畑が魔物に荒らされたらしい。作物が全て無くなっている。
「あの魔物を倒してくれる者がいれば…。」
「私達には無理だ…。あんな化け物を倒す事など…。」
相当深刻な事態らしい。しかし俺には関係ないので旅立つ事にする。
俺が村を出る為歩き出そうとしたその時
「おお、旅のお方!まさか魔物を倒して頂けるのですか!?」
長老らしき人物が俺に話し掛けてきた。何故魔物を倒しに行くと思ったんだろうか。まさか銅の剣を持っていたからか?
俺は否定しようとしたが、周りを見ると村人全員が期待の眼差しで俺を見ていた。まずい。断りにくい。
仕方ないので了承だけして、村を出たらそのまま次の町に向かおう。俺ははい。と返事をした。
「ありがとうございます!魔物を倒して頂けたらお礼は是非します!」
お礼?




180 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 20:00:02 ID:3Hc3jIG0
そうして俺は今、村を出て畑を荒らす魔物がいるという、西の洞窟へ向かっている。
長老から草を2枚貰った。体の怪我を瞬時に治す薬草らしい。どうも胡散臭い。
銅の剣を握り締めながら歩いていると、魔物に遭遇した。紫の覆面を被っていて、かなり大きいきづちを持っている。1m以上ある。
俺はきづちに警戒しながら、魔物に斬りかかった。
魔物は避けようと言うそぶりは見せたが、簡単に命中した。どうやらデカイきづちのせいで素早く動けないようだ。
魔物が体勢を立て直し、持っていたきづちを振り下ろした。やはり振り下ろす速度が遅く、簡単に避ける事が出来た。
俺は余裕で倒せると思い、スピードで魔物をかく乱し、次々に攻撃を当てていった。
が、さっさと倒さなかったのがいけなかったのだ。いきなり魔物の目つきが鋭くなり、物凄いスピードできづちをブンブン振ってきた。
速い。さっきの何倍の速さだろう。俺は避ける間もなく、顔面にきづちがぶち当たった。
その場に倒れ、鼻が折れて血がダラダラ出る。歯も折れてしまった。昨日の青い流動体の攻撃の比ではなかった。
段々意識が薄れてくる。ああ、ここでゲームオーバーか。コンティニューはナシだ。グッバイ俺の人生。
そうだ、確か薬草があった。どうも信用できんがこれに賭けるしかない。
長老から貰った袋の中から薬草を取り出し、かじる。まずい。小学生の時、消臭していないトイレの匂いがするお菓子を食べた事があるが、あれに似た味だ。あの時は誰も食べなくて冷蔵庫に保存していたので、冷蔵庫を開けて中を漁るのが本当に辛かった。
薬草を飲み込んだ途端、意識が完全に回復し、折れた鼻と歯もすっかり元に戻っていた。凄い効果だ。
俺は速攻で立ち上がり、魔物に斬りかかった。
突然起き上がったので、魔物は避ける事ができずに真っ二つに斬られた。
魔物はその場に倒れ光となって消え、お金が出現した。4Gだ。
金を袋に入れ、更に西に向かった。




181 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 20:00:58 ID:3Hc3jIG0
洞窟に入ると、何故か明るかった。明かりもないのに何故だろうか。まあそんな事はどうでもいい。さっさと魔物を倒してお礼を頂きたい。
さっきからニヤニヤ笑っている青いコウモリが俺の頭の上を飛び回っていたので、チョップで払い落とした。こんな奴も魔物なんだろうか。
暫く進むと宝箱が2個置いてあった。大層な箱だが、誰が何の為に用意したのかが気になる。
左の宝箱を開けると、革のムチが置いてあった。銅の剣の方が強そうだが、とりあえず貰っておく。
右の宝箱を開けると、そこには確かに顔があった。何だこの宝箱は。ビックリ箱か?
「グハハハハ!また欲深い人間が現れたな!」
どうやら魔物の様だ。喋れるとは、相当知能が高いのだろう。
「貴様も死ね!ザ…」
台詞の途中で蓋を閉め、左の宝箱にあった革のムチで縛って開かない様にした。さっき何か言っていたが気のせいだろう。
更に進むと正方形の大きな部屋に出た。何故か知らんが今までの凸凹の壁と違って綺麗だ。
部屋の奥を見ると、今まで戦ってきた魔物より一回りも二回りもでかい魔物が待ち構えていた。
黄色い体毛に赤い鬣、鋭い牙を剥き、こっちを睨みながら唸っている。血祭りにあげてやると言わんばかりの形相だ。
とりあえず逃げても無駄そうなので、剣を構える。効くがどうかは分からないが。
魔物がゆっくりと迫ってきた。魔物退治なんか引き受けるんじゃなかったと初めて思ったのはこの時である。
などと考えてももう後の祭りなので、ヤケクソで正面から突っ込んだ。


182 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 20:01:38 ID:3Hc3jIG0
ザクッ

腹に違和感を感じる。何だろう。何が起こったんだ?
腹を見ると、魔物の鋭い爪が俺の腹に突き刺さっていて、血がドクドク流れ出ていた。
魔物の爪が俺の腹から抜けると同時に、俺はその場に倒れ込む。
今度こそゲームオーバーだろうか。これだけの出血量だ。薬草を飲んで助かるのか。
期待半分諦め半分で薬草を食べた。すると、腹の出血が止まり、傷が見る見るふさがって痛みも消えた。
一体この薬草にはどんな成分が含まれているのだろうか。便利すぎて恐い。副作用とかありそうだ。
魔物がすぐ傍にいたので、俺は立ち上がって転びそうになりながらも部屋の入り口に逃げた。
このままでは勝てないと思った俺は、袋を漁った。

4G エッチな下着 小さなメダル

しまった。準備不足にも程があった。自信過剰の戦士より酷い。仕方ないので、エッチな下着でも投げてみた。
するとどうだろう。魔物がその下着を嗅ぎ出したではないか。しかも突然表情が変わり、俺になつき始めた。俺の足に頬擦りをしている。
どう言う事だ。何故あの下着を嗅いで俺になついたんだ。俺は昨夜何をしたんだ?
…昨日普通に寝た記憶しかないので、これ以上気にしない事にした。気にしたら負けかなと思っている。
それより今こいつは隙だらけだ。一撃で倒せる。
俺は剣を強く握り締めて思い切り振りかぶった。

………。

ダメだ。いくらさっきまで俺を殺そうとしてた奴でも、こんなになついている奴を殺す事なんて出来ない。仕方ないので、殺したと言う事にしてお礼だけ頂くとしよう。
ついてくる魔物、いや虎?を追い払い、俺はさっさと洞窟を出た。




183 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/26(水) 20:03:55 ID:3Hc3jIG0
赤く染まった夕日を背に、俺は早足で平原を歩く。
そろそろこの世界から抜け出す方法を、本気で考えた方が良いのではないだろうか。
こんな世界にいたらいくつ命があっても足りない。これからもっと強い魔物が現れるかもしれない。
元の世界に戻る方法を探す旅にでも出るか…。しかし方法が無かったらどうする?こんな危険な世界で一生暮らすのか?
…まあいい。考えるのも面倒だし、なる様になるだろ。

村に戻ると、長老が不安そうな顔で待っていた。
「ま、魔物を倒したんですか?」
俺はコクリと頷く。
「あ、ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
ペコペコとお辞儀をする長老。夕飯を用意してありますのでどうぞお入り下さい。と言い、長老は村で一番大きな家に入っていった。俺も続いて入る。
中に入ると、真ん中のテーブルに夕飯が用意されていた。スープやサラダが並べられている。
よく考えたら朝から何も食べていなく、物凄く腹が減っていたので、俺はすぐに椅子に座り肉にかぶりついた。

晩飯を食べ終わり、お茶をすすっていると、長老がどこからともなく一枚の紙を取り出した。
「お礼の1000Gです。お受け取り下さい。」
1000と書いた、紫の鬣がある筋肉質の白い馬の絵がかいてあるお札を渡された。1000Gと言うのはどの程度の価値があるのかはっきりとはわからないが、宿屋に333回泊まれるという事は相当の大金だろう。俺はありがたく頂いた。
長老が今日は泊まっていって下さいと言ったので、好意を受け取る事にした。
今日でこの世界に来て2日だ。時間が経つのが遅く感じる。もう1週間以上いる様な気分だ。
とりあえず村の北の方に山があるので、明日はそこへ行く事にする。
明日は今日以上に疲れそうなので、早く寝る為にベッドにダイブした。

Lv3
HP26
MP0
武器:銅の剣 鎧:布の服

184 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/26(水) 23:35:08 ID:BLb6REAV

オモシロスwww
なんかセンスイイ感じ。
一人称、且つ展開が速めなのもイイね。
Xの世界?かな。

185 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 01:09:50 ID:uHdvlwhP
ある朝起きると知らない部屋にいた、どこだここは。
この緑の太ったおっさんなんだよセンスねえな。パジャマの俺はつぶやく。
とりあえず今自分がおかれてる状況とここはどこかということを聞く。
どうやら昨日街の外で倒れてたところを勇者様がつれてきてくださったらしい。そしてここはアリアハンだと言う
かねてから妄想癖があった俺はかなりテンションがあがった。ここはDQ3の世界だ!旅してぇ!
「今日は勇者様が旅立たれる日ですよ。」
やばい!俺は急いだ。先に行かれると無意味にここで暮らすことになる。
俺はダッシュで酒場に向かった。

いたいた!勇者様は案の定旅の共を探していた。
しかし…女のケツばっかおっかけてやがる。軽い男だ。こんなやつが世界を背負っていいのか
様子を伺うとまずはいかにもアホそうな女性に話しかけていた。どうやら魔法使いらしい。まず一人…二人目は…遊び人女に話しかけていた。この男終始ヘラヘラしている。こう軽くては端から見てる俺が心配になる。


突然おっさんがキレた。
「勇者殿、あなたは世界を救う旅をするのでしょう。遊び半分では困ります」
堅そうなおっさんだ。こいつは戦士だな。
「私が行きましょう」勘弁とばかりに凹む勇者。反論するかと思いきや
「はい…」
ヘタレだぁ( ̄〇 ̄;)
「勇者殿、後一人は?」
「ハイ!!」キレたおっさんのせいでしずまりかえっていた中ですごくいい返事をした。
「元気そうな若者ですな。勇者殿後一人は彼でいいですね?」勇者は嫌そうなオーラを放っている。
「いいですな?」戦士は低い声でつぶやいた。
「ハイ…」

こうして俺たち四人の魔王討伐の旅が始まった。
不安すぎる

186 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 01:14:17 ID:uHdvlwhP
ごめんあげてしまった…

187 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 01:26:14 ID:AQys6hL3


188 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 02:58:42 ID:uHdvlwhP
次の日俺たちは北の村に向かって旅立った。
ヘラヘラ笑いながらね〜ちゃんと話す勇者、そのときスライムが四匹と遭遇した。ふん、ザコキャラめと思いながら初めての戦闘にドキドキする。
ね〜ちゃんが先手をうった。
「いや〜ん」と言いながらひのきの棒で殴る。
あの…魔法は…?
勇者は相変わらずヘラヘラ笑いつつ体当たりをかわして戦っている。わりと滑らかな動きだ。さすがといったところか。
戦士は本気だ。こいつはまじでつええ。ちなみに俺はさっき買ってもらったこんぼうでゴンゴンやっている。
どうやら俺はヘラヘラ勇者やね〜ちゃんより弱いらしい。ザコキャラでもけっこうやる。まぁ倒しましたが。
スライムをやっつけて再び歩いているときにね〜ちゃん何故魔法を使わないか訪ねた。するととんでもないことを言い出した。
「まだなんにも使えないのよw服がかわいいから選んだだけだもんw」
おっさんと俺だけ凍り付いた。勇者とね〜ちゃんは「ありえねー」とか言いながら大爆笑だ。
というわけで途中何回かカラスやらうさぎさんやらと戦ったが(肉弾戦オンリー)さすが魔物というだけあってそこそこ強い。
俺だけぼろぼろになりながらなんとか夜にはレーべ村にたどり着いた。
その日はすぐに宿に入り死んだように眠ってしまった。


189 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 03:00:34 ID:yhkm8P0n
>>181
ひとくい箱テラワロスw

190 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 07:04:17 ID:qyrf+AUW
>>189
ミミックミミックw

191 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 09:20:29 ID:xmLJBcMg
首が痛い。背中も、おまけに尻まで痛い。
硬いベットに体を横たえたまま、私は視線だけを壁に天井にと動かした。
見慣れない粗末で殺風景な部屋。
これは、まさか。布団を跳ね飛ばし部屋を出る。
カウンターの前を通り過ぎ、途中人にぶつかったが気にしない。
外に出ると村というには粗末な、木造の家が数件並んだ集落に私は来ていた。
ゆっくり深呼吸して振り返る。
そこでは木の看板が早朝の風に揺られ、パタパタと音を立てていた。
「INN」−宿屋。

なんだこれは。なんだこの展開は。
かつてない興奮にガクブルしてきた。
これは、ドラクエだ。あのスレの展開だ。
おいおいおいおいおいおい。どうするよ。どうすればいい?
指が、全身の震えが止まらない。
私は何をするでもなく、おそらく世界で一番であろうアホ面を下げ宿屋の前に立ち尽くしていた。

そのまま長い時間が過ぎただろう、子供の笑い声を聞いてようやく私は我に返った。
「あの人変な服!」振り返ると私を堂々と指差している。

お気に入りの、柄パジャマだった。

192 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 09:50:50 ID:xmLJBcMg
顔面が熱くなるのを感じた。
私はあわてて部屋にかけ戻った。
後ろ手にドアを閉め、瞼を閉じ深呼吸。震えはまだおさまらない。

どうする。とりあえず落ち着きたい。ゆっくり今後の事を考えなければ。
タンスの引き出しをかたっぱしから開ける。
タオルに使い捨て歯ブラシ、そしてルームサービスのメニュー。
何だこれは。こんなリアリティいらねーよ。普通ここは服とかゴールドの出番だろ。

私はパジャマ姿のまま宿を後にした。
さっきの子供はまだ宿の前にいた。
しかも友達まで集めてきたのか、子供は4、5人に増えていた。爆笑が響く。
…子供は嫌いだ。なんか泣きたくなってきた。

乱暴に民家のドアを開けた。
椅子に腰をかけていた爺さんが驚いてこちらに向いた。
爺さんは何か私に言いかけようとしたようだが口をパクパクさせるだけで
音を発しようとはしなかった。
部屋のタンスを開ける。
缶詰とかハサミに紛れて一本のナイフをみつけた。
鈍い銀色の刃に、しゃれた鞘がついていた。
なんか戦闘用じゃない気がするがもらえる物は貰っていこう。
黙って貰って行く事に後ろめたさを感じ、肩口からそっと後ろを伺った。
爺さんが、こちらを見つめている。


193 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 10:09:51 ID:xmLJBcMg
気まずい空気が流れるが気にしたら負けだ。
目を合わせないように黙って戸口に向かう。
錆びたドアノブに手をかけたとたん、爺さんが叫んだ。
「泥棒!!!!!!!」

サッと顔から血が引くのを感じた。
爺さんの声を聞きつけ、村人が武器を手に家から飛び出す。
走った。言い訳なんかしようが無い。
タンスの中身は持ち出していいと思ったなんてふざけた理屈が通るわけがないんだ。
集落を飛び出し平原に出た。
荒々しい声とたくさんの足音が迫ってくる。
振り返る余裕も無かった。遠くに森が見えた。あの中だ。
足がもつれ、肺に痛みが走った。
足音がどんどん近くなってきている。
走っているうちに、いつのまにかナイフは落としてしまったようだ。
痛い、足が痛い!夢なら覚めてくれ!!

瞬間、左肩を強く突き飛ばれ、体が地面に落ちた。
手をついて起き上がろうとするも、腕に力が入らない。
左肩に矢が突き抜けている。急に目の前が暗くなっていく。
バタバタと自分の周りに人が集まってくる音だけが聞こえた。
そこから先の意識は無い。


194 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 10:16:58 ID:pADZlBRG
         /\       /\
         /  \     /  \
        /    \__/    \
      ,.‐''                ゙''‐.、
    ,.‐'"                    ゙'ヽ、
   /        /           \   \
  /        /              \  ヽ
  /       /                  \ ヽ         
 .|             ●      ●       |  
 |                 __          |
 |                  |    |       `_っ')y━・~~ 超クソスレずっさ〜
 ヽ    γ´~⌒ヽ.       /     |       /  
  ヽ   /      ヽ    /      |      /⌒ヽ
   \/       |    | ̄ ̄ ̄ ̄|     /    ヽ  
     /        |             /       

195 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 10:26:40 ID:xmLJBcMg
ぼんやりと、黒い網目が見える。
手で触って初めてそれが鉄格子だという事に気づいた。
悪い夢でも見ているだろうか。
石造りの床の冷たさはリアルに実感できるのに、
私は自分の置かれた状況が未だ現実だと思えないでいる。

そうだ、肩は?
あわてて服から左肩を出したが、傷一つ見当たらない。
これがたぶん、呪文の力なんだろうな。納得し、少し安堵した。
とはいえ、この情けない状況は何も変わらない。
欝だ。死にたい。

196 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 11:08:39 ID:xmLJBcMg
今私の前にはテーブルを挟んで神官のような男が座っている。
「何故あのような事をした」
私と目を合わせないまま、ノートををパラパラとめくり男は言った。
「…私は、何もしていません。きっと…」
手錠をかけられた両手をきつく握り締め、続ける。
「おじいさんの何か勘違いでしょう」
背中を嫌な汗が流れるのを感じた。
私がタンスを開ける所はあの爺さんしか見ていない。
そして捕まった時、私は持っていなかったはずだ。
きっとこれが一番いい選択肢だと、自分に言い聞かせた。
ひょうひょうと嘘をつく罪悪感に胃がつぶされそうになる。

男は黙ってノートを閉じ、初めてこちらを見つめた。
そして沈黙。自分の心臓の音だけがうるさく鳴り響いていた。
きっと数秒だったに違いない、それが永遠にすら感じられた。
と、男が何かをテーブルの上に置いた。

ナイフ。平原で、私が落とした。
心臓の音が倍に跳ね上がった。顔が蒼白になる。最悪だ。
最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ最悪だ

「何故あのような事をした」
男は繰り返した。

197 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 11:25:51 ID:xmLJBcMg
牢獄の朝は寒かった。
私は膝を抱き、粗末な毛布に包まって横になっていた。
吐く息が白い。

鉄格子の向こうの登り階段から歌声が聞こえてくる。
たぶん、宗教歌だ。
どうやらここは教会の地下らしい。

取調べのあの時、私は嘘がばれた焦燥と恐怖で取り乱し、
嗚咽でろくにしゃべる事もできなかった。
ただ、村の外に出る為に武器が欲しかったのだと、
肝心な所はぼかして正直に伝えた。
伝わったかどうかはわからないが…。

目を閉じて耳をすました。綺麗な歌だ。
なんか自分情けなさスで涙が出てきた。
階段の前の衛兵に私の超絶ブサ泣き顔が丸見えだったが
恥ずかしいとかそんな感情はわいてこなかった。

198 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 16:36:59 ID:wejEIQyR
>>188の人、ちょっと面白いと思ったんで猛ちょっと続けてみて欲しいw

199 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 17:28:26 ID:AQys6hL3
とりっぷを

200 : ◆JessicaHsc :2005/10/27(木) 19:34:41 ID:+52hPZCm
     ((/iiiiiii)ミ}}))
     从゚ヮ^,リ ((
      ,ィ,,ノ"⌒i )
     (::::::::::ノ',:::l.       ┏━━━━━┓
      .):::::::;( ',::(二ニm━┫  200get!! ┃
    ノ//^: )`        ┗━━━━━┛
   /⌒ヽ、:_ ゝ
 /   イ━━━
.(  、イ´
 \ ヽ
   \

201 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 19:40:35 ID:0EoOfkYb
>>200
目が覚めたらぬるぽがガッされていた。

202 :191 ◆4Ga38uI4wg :2005/10/27(木) 20:22:58 ID:xmLJBcMg
つーかこの仕打ちは何だ。
今頃他のちゃねらー冒険者共は
4の女勇者といい感じになってみたり
舎弟を増やしてオーブ集めにいそしんでみたり
夢が広がりんぐな冒険を楽しんでいるに違いない。
なのに私はいきなり牢獄か。
やった事といえば「しらべる」コマンドを使っただけじゃないか。
ドラクエ神は不公平だ。

次の朝は、衛兵の呼び声から始まった。
なにやら服と木靴を差し入れ、これを着て出ろと言う。
釈放か?!と心をときめかせたがさすがにそんな上手い話ではないだろう。
ゆったりとした服の上に、付属の帯を腰の所で締める。ああ、なんかドラクエっぽい。
衛兵に連れられて階段を上がると、
そこには人々が一斉に頭をたれて座り込んでいた。
つーかここすごい。
馬鹿みたいに高い天井に、これまた馬鹿みたいに空いている無数の小窓から光がそそいでいる。
綺麗とかそんな言葉じゃ表せない。まじすごい。

と、前に神官が出てきて、ぶつぶつと聖書を読み始めた。
そうか、罪人は強制的に祈りの時間につきあわされるらしい。

203 : ◆4Ga38uI4wg :2005/10/27(木) 20:39:05 ID:xmLJBcMg
話がひとしきり続いた後、周りの人間は一斉に立ち上がり聖歌を歌い始めた。
そしてそれが終わると、そこら辺の人間は適当にばらけ始めた。
出口へ向かう奴、再び座りこみ一心に祈る奴、神官に話を聞き始める奴。
よくわからんが熱心な奴らだと思う。
私が来ている白い服はやはりというか、罪人の象徴らしく、
時折通りすがる人は哀れみの目を投げかけてきていた。

地下牢への帰り道、衛兵がなぜ聖歌を歌わなかったのかと私に尋ねた。
なぜも糞も、聖歌など知らない。
それを聞いたとたん、衛兵達の目もとたんに哀れみの目に変わる。
ここにいる奴らにとって宗教は相当人生の中でウェイトを占めているようだ。
そんな奴らにとって、宗教を知らない奴は、無知で無学でとにかく哀れな存在なのだろう。
独房に戻ると、衛兵の一人があわててどこかへ消えた。
しばらくして戻ってきた彼の手には聖書が握られていた。
鉄格子の隙間から差し出されたそれをとりあえず開いてはみるが、文字が読めず私はさじを投げた。
その様子を見てさらに衛兵はもう見てられないといった顔になった。
価値観の相違だよ馬鹿野郎。無性に腹が立ったから寝た。

204 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/27(木) 20:49:39 ID:cTihUGhk
>>162
欲しい!!

205 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 00:19:40 ID:AHzR329d
昨日は早く寝てしまったので午前四時ごろに目が覚めた。
あたりはまだ真っ暗だ。
勇者は寝顔さえもへらへらだった、なんておめでたいやつだろう。
おっさんは難しい顔をしている。世界はたぶん貴方にかかっているだろう。
ね〜ちゃんは…屁をこいた。もう何も言うまい。

急にもよおしてきたのでトイレついでに散歩に出ることにした。
夜風が気持ちいい、星もすごい数だ。
近代的なものは何一つないがこれはこれでいいと思った。

「…。」
何かの気配を感じた。瞬間俺はその場を跳びのいた。
「メラ…」
さっき俺がいた場所にソフトボールほどの火炎球がとんできた。
魔導師か…この世界で魔法を使う相手は初めてだ
一人では勝てない…しかしみんなを起こしに行く余裕はない。
もしここで俺が死んでも生き返るのかな…考えたくないことを考えてしまう。

トスッ
魔導師の頭にナイフが刺さっている。
宿屋の入り口には勇者がたっていた。
「危ないよー」
相変わらずノリが軽い。
「トイレ行くなら誘ってよ」
これにやられた魔導師に同情をしてしまう。
二人で仲良く連れションして宿に戻る。
帰り際ボソッと彼はつぶやいた
「俺たちこれからどうなるのかなー。みんなと仲良く旅するだけでよかったよ。」
いつも通りのへらへらの彼だがこんな素直な彼だからこそ勇者なのかなとふと思った。きっと純粋にイイ奴なんだろう。
部屋に戻り二人ともふたたび床について眠った。

明日はナジミの塔へ

206 : ◆4Ga38uI4wg :2005/10/28(金) 00:44:09 ID:AtP7jAJg
地下牢にまで下りてくる情報は無いに等しかった。
未だ私は自分がどこにいるのかすらわからない。
ここについてわかった事は、今現在収容されている罪人は自分一人だという事くらいか。
昨日は聖職者が泣いてカーペットに額を擦りつけているのを見た。
聞くに、ここ建物はそういう奴らにとって憧れの地なのだと。私にはわからない。
結局何も起きず、三日間が過ぎた。
罪状はまだ言い渡されていない。

これからずっとこんな生活が続くのだろうか。
一瞬でも夢見た冒険の日々が眩しい。
銅の剣を振り回し、魔物をもりもり倒してレベルを上げるんだ!
そんなドラクエの王道は、どうやら私には歩めないらしい。
半ばあきらめていた頃、変化の日は来た。

207 : ◆4Ga38uI4wg :2005/10/28(金) 00:47:01 ID:AtP7jAJg
その日は聖歌斉唱の後、少しの時間の間があった。
聖堂ではちょっとだけ自由だ。私は隅に見慣れない物を見つけ、かけ寄った。
ありふれたオルガンの上に、太い金のパイプが天井まで伸びている。
パイプオルガンだ。初めて現物を見た。
ちょっとくらい触ってもいいだろう。好奇心が私の指を鍵盤の上に乗せた。
後先も考えず指先を下ろすと、予想を遥かに上回る大音量が聖堂の静けさを破った。
あまりの音の大きさにギョッとして指を引っ込めるがもう遅い。
衛兵が血相を変えてこちらに向かってきた。
彼の言葉は怒りのあまり震えて何を言っているのかあまり聞き取れなかったが、
まずい事をしたということだけはよくわかった。
この楽器は神聖な物でどうとか奴がまくしたてている内、
あまりの相手の声の大きさに他の礼拝に来た人々、他の兵士達も何事かとぞろぞろと寄ってきた。

と、小さな子供の影がこちらに向かってくる。
気づいた人々は道を開け、姿勢を正した。
怒鳴る衛兵と私の前で子供は立ち止まった。
そして私は硬直した。たった私の腰までの背しかない、小さな子供だと思っていた彼は、皺枯れた老人だった。

小さすぎる。
何か見てはいけないものを見てしまったような気がして、私はつい目を背けた。

「院長、…」
怒鳴っていた奴は何かまだいい足りない顔をして、押し黙った。

208 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 13:28:09 ID:v6vTLO+y
ほっしゅ

209 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 13:56:38 ID:WIof2ZJD
この板は本当に厨の集まりだなw

210 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 14:29:18 ID:Xfd8JS3b
まとめ読んだけどクオリティ高くてびっくりした。
更新されないのかな

211 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 17:38:06 ID:AHzR329d
明くる朝
ナジミの塔は孤島にあるがみんなはどうやって行くんだと悩んでいる。
知ってる俺は先導した。(弱いので後ろから)
草むらの中にあるんだよ。と説明する。「だるい〜」この女を連れてきたのは失敗だったとしみじみ思う。
おっさんはため息をついた…

「めら〜」
草むらに火がついた。ね〜ちゃんが魔法を唱えたのだ。いつの間に覚えた!?

あたりは瞬く間に目の前は一面火の海となった。
おっさんは卒倒した。
燃えさかる中動物や人間の声とは違う異質の声が聞こえた。
「ひぃぃいぃい」
遠くで魔導師やらきのこやらが右往左往している。
待ちかまえていたのだろうがあまりにもかわいそうな結果だ。

「どうせあたりは何もないし村で飯たべよーおっさん倒れてるしさ。」
勇者は言った。

…もういいや。あなたについて行きます…

俺がおっさんを担いで村に戻った。
おっさんを寝かせて飯を食う。
満腹になってのんびりしているとおっさんがめをさました。俺がだんだんこの二人に免疫ができているのに対しおっさんはまだだめなようだ。
しばらくして…
俺たちはまたさきほどの草むらへ向かった。
そこには洞窟が口をあけていた。
初めてのダンジョンにドキドキと不安があったが魔物と遭遇することはなかった。途中宝箱があり中身は大したことはなかったがね〜ちゃんは宝箱の方を気にいったらしく、持っていくはめになった。かなり邪魔だ。
そしてそこをぬけ塔の内部へと進入した。
外でみるよりも中は遙かに広さがあった。
魔物の気配がする。ここでは魔物と遭遇してしまうだろう。
おっさん、勇者、俺、ね〜ちゃんの順に並びゆっくりと歩きだした。

212 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 17:49:00 ID:WG6nmBfJ
トリップなかったからほかの話とごっちゃになりました

213 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 18:04:19 ID:FudNVGVA
トリップの付け方
(名前)→#(但し半角で)→(適当な文字列)

214 :失業者クエスト11 :2005/10/28(金) 18:50:43 ID:iKUnID4B
村を出る。もう決めたんだ。付き合ってくれて・・・ありがとな。

「そうですか・・・気をつけて。でも装備は整ってますか?そのまま村の外に出ると危険ですよ?」

えっ・・・ああ、それはまあ・・・大丈夫だ。あんたは心配しなくて良い。それよりもうすぐ
夕方だ。あんたも家に帰ったほうが良い。

「えっ・・ああ、ほんとだわ。それじゃ、失礼します。・・・気をつけて行かれますよう。」

ああ。ほんとに姉さんそっくりで心配性だな、・・・・・またいつか会おうぜ。・・・じゃあな。
・・・・・・ふう、行ったか。さてと、これからが大変だ。金も無いし、この大陸?がどんなのか
わかんないし・・・。取り合えず、金が要るな。なにか金と引き換えになる物、落ちてないかねぇ。
あー――――くそっ!見つかるわけねえだろーーーが!人間そんな物落としたりしねーよ!!
・・・・・・・・あっ・・・・・やべ・・・民家の樽・・・割っちゃった・・・。
金無いのに弁償なんて出来ね―よ。・・・どうする?・・・逃げるか?

215 :失業者クエスト12 :2005/10/28(金) 19:06:21 ID:iKUnID4B
あ・・・?なんか光ってる・・・?これは・・・コイン?ひょっとして、この村の・・・通貨?
やりぃ!ついてるな――俺って!このコインなんか彫られてるぞ、なになに・・・。難だこりゃ。
・・・『G』?なんの略だろ?ジジイ?それとも・・・わかった!『ガウス』だ!聞いたことあるぞ!
それに一枚じゃないみたいだ。『50G』が3枚と・・・『100G』が一枚、か。えーっと、300ガウス?
じゃねえや。250ガウス、か。コレだけあれば何か買えるだろ、幸い小さな村だしな。
・・・おっ、店がある。なになに・・・『武器屋』?物騒だなあ、おい。でも護身用として持つ分には良いかも
知れないな。入ってみよう・・・。すみませ―ん!・・・おっ、たくさんの槍やら棍棒やら置いてあるぞ。
いかにも武器屋って感じだ。

「はーい!あっ、いらっしゃいませ。なにを御求めですか?」

あ、いたのか。何を御求めって言っても・・・何があるんだ?見せてくれ。

「はい、えーと・・・こんなところですね。」

棍棒と、剣?ああ、銅の剣ってーの?あとこれは?・・・ふーん、樫の杖ねえ・・・。何にしようかな・・・。
扱いやすいのが良いよなあ・・・・・・。うーん・・・・・・・・・。

216 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/28(金) 22:03:26 ID:XgzQk5jj
>>212
判別だけなら名前入れるだけでいいんですけどねー
読む側はそれで充分なのですが、トリップつける意味は騙り防止だね

217 :162 :2005/10/29(土) 00:31:58 ID:AjD6DSgf
>>204
http://dqs.dw.land.to/
にアップしておきました。

218 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 00:54:18 ID:7UaAX5Rq
夜の帳が降りた頃、あたしたちは教会へと集う。
「アミ。ずっと宿で呪文を唱えていたり喫煙したり盆踊りみたいな踊りを踊っていたりしたがホイミは覚えたかね?」
ブライが聞いてくる。なんかやたらと行動を見られているなぁ。ってか盆踊りじゃなくてパラパラっていうんだけど。
「うん、まぁ…付け焼き刃だけど一応は。ヒャドは…あまり練習してないから多分無理。その代わりメラでがんがる(`・ω・´)」
ブライはクリフトとアリーナに目配せしそれぞれ頷くのを確認すると、
「よし…。皆行くぞ!」
おーっと武器を空へかかげ、檜の棒が、聖なるナイフの切っ先が触れ合う。
防具も完璧。皮の盾、皮の鎧(サランで買える最強装備)で固めてある。鉄よりははるかに弱い素材ではあるがそのぶん軽く、あたしの様な可憐な乙女にも持てる。
「では、この中に入りなされ」
初老の神父が籠を差し出した。
「籠ちっちゃ!」
「…まぁ…一人用ですから」
「…これに四人は無理ですね」
「あー、あたし、外に出てるよ」
「え?ですが」
あたしの申し出てに神父が困憊する。
「ってかむしろ籠になんて乗らなくてもいいじゃん。あたしたちは生贄になるんじゃなくて、魔物を倒しにきてんだから。ね?アリーナ。行きましょ」
アリーナの腕を引き北の扉へと向かう。「そ…そうですか…それでは皆さん神のゴカゴがありますように」
背中でぼそりと神父が言う。神父…いままでここから旅立つ娘たちにもそんなベタなシャレ言っていたのか…。

219 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 00:59:03 ID:7UaAX5Rq
「んじゃ行きましょ。…北へ」
夜道は暗かったが一本道であるため迷うことはなかった。
「アミさん、何してるんです?」
「さっきからね、緊張してどうしようもなくてね…こうね…掌に人と言う字を書いて飲み込むと落ち着くんだよ」
そう教えると四人が歩きなががら人という字を書き、飲み込むという異様な風景がみられた。
北にあるという祭壇に辿り着いた。
祭壇、というよりは村人が集まり集会を開くという場所といったほうが似合うかもしれない。
床は思ったほどフラット。結構広い。ここでドンパチするにはいいかもしれない。
ブライが魔力を光として祭壇上空へ放ち、昼間のような明るさを生み出す。暗闇に慣れた目には眩しいが、これで敵味方はっきり区別出来る。
「生贄が来てやったわよ!出てきなさい!」
アリーナがあさっての方向へ叫ぶ。声は祭壇周辺の森へと吸われてゆく。
ぶるっ。
何?この寒気…。
「イケニエガキタ」「イケニエガ」
「イケニエガ」


220 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 01:04:03 ID:7UaAX5Rq
祭壇に霧と共に現れたのは三匹の魔物。
「あばれこまいぬじゃ!しかも二匹!あいつは…カメレオンマンじゃ!」
カメレオンみたいな顔をしているからカメレオンマンなんて安直なネーミングセンスに命名神マリナンもびっくりである。
一瞬、風が通りすぎたと思った。
アリーナの左拳があばれこまいぬAの顔面にごきり、と鈍い音をたてて食い込む。素早く手を引き抜くと右手に持つ聖なるナイフで顔面に何度も斬りつける。
一方的に攻撃を食らったあばれこまいぬAは、登場してまもなく倒され、びくんびくんとその躯を二度大きく痙攣させ、動かなかなくなった。
アリーナは死体を祭壇の外へと蹴り落とした後、再び間合いを取る。
「まずあばれこまいぬから倒せ!」
ブライの声に、クリフトの聖なるナイフが煌めく。
「はぁっ!」
裂帛の気合いを込め、あばれこまいぬBの脇腹を殺いだ。斬りつけた部分からバッと血液がほとばしる。斬りつけている間、あたしとブライは呪文を唱える。あたしはメラ。ブライはヒャド。
あばれこまいぬBは躯に受けた傷もなんのその。…あたしへと駆け出す!

221 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 01:11:10 ID:7UaAX5Rq
小柄だが力はある。いとも簡単にあたしを押し倒してのしかかり、唾の滴るその鋭利な牙で、頭を咬み潰そうとする。
喰われないように口蓋を両手で抑え付けるのが精一杯。腕がワナワナしている。一瞬でも気を抜いたら、多分、頭に牙が貫く。
「ヒャド!」
先程クリフトが傷つけた傷口をブライは狙い氷柱を放ち、串刺しにする。キャウン、と鳴き声を上げ、床に叩きつけられる。束縛が解かれ、あたしはゆっくり起き上がる。
くそ…迂闊だった。小柄な躯で小回りがきくから突進には注意するとテンぺ周辺で出現したとき学習したのに。まさか力もあるとは…。
串刺しになっているし、もう立ち上がれないだろうけども息がある。あたしには考えがある。あばれこまいぬBの口元に右手を翳す。
「危ないです!咬まれますよ!」
クリフトが言うよりも早く。
あばれこまいぬBは喰いちぎろうとばかりに口を開いた。
今だ!
「メラァァア!」
あばれこまいぬBの体内で炎がはじけた。
アリーナは既にカメレオンマンと対立していた。そこにあばれこまいぬを処理したブライとクリフトが加わる。ブライは既に呪文を唱えて終わっている。
「ルカニ!」
ブライへ向けて突進して行くカメレオンマンにブライは呪文を放つ。もしこれが攻撃呪文であれば当たらなくとも牽制にはなっただろう。唱えていた呪文がまずかったか?


222 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 01:18:18 ID:7UaAX5Rq
至近距離では避けれない。カメレオンマンはそのままブライに突っ込み、タックルをかます。小さな体躯は軽々と宙を飛び、床に叩き付けられ、呻く。
老人は大切に!
「ブライ!」
アリーナが一瞬目を離した隙にカメレオンマンの錫杖がみぞおちにヒット!
「姫様!」
悲鳴にも似た声を発し、クリフトがアリーナが駆け寄る。アリーナは腹を抱え、息も出来ない状態。急所をやられた。
いけない。このままではやられる!
「援護を!」
言わずもがなクリフトはすでにホイミをかけアリーナを回復させる。
あたしはすっくと立ち上がり呪文を唱える。ブライ、ごめん。あとで治療するから!
「メラ!」
炎の玉を生み、投げつける。ブライに襲いかかるカメレオンマンに直撃!爆風で吹っ飛ばされたカメレオンマンに再度メラをぶつける。
が。カメレオンマンは呪文を唱え、緑の光が躯を包むと、負わせた火傷がなくなり何事もなかったように立ち上がる。
ホイミを使えるのか!?
なら回復量を超えるダメージを与えればいい!
カメレオンマンは素早い動きで床に伏せってる弱ったブライを更に錫杖で殴る。

223 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 01:23:09 ID:7UaAX5Rq
ブライが発する呻き声がやがてすやすやと寝息をたてる。
…あ…。
一つ、疑問があった。
魔物が、カメレオンマンがどうやって娘たちを喰ったのか。殺してから喰う、と考えていたのだが。眠らせたんだ。これなら痛みもなく苦しまない。
………。
「よくもやってくれたわね」
クリフトのホイミにより全回復したアリーナが立っていた。背後から闘志が燃えたぎっているのがわかる。なるべくなら近寄りたくない。
拳に力を溜め、目をカッと開き、見定める。そして。
「これわぁ、娘たちのかたきいぃいい!!」
ごすっ!
力がこもった拳がカメレオンマンのみぞおち付近にめり込む。くはぁ、と体液を口から吹き出した。…あとはアリーナが袋叩きにしていた。
カメレオンマンの命の炎が消えるとその躯は灰のようになり、さらさらと音もなく風にさらわれた。
「はあはあ…やったわね」
アリーナは額から流れ出る汗を手首で拭き取る。
「もうこんなのはこりごりじゃわい」
クリフトのホイミにより、ある程度回復したブライが疲労のこもった声で呟く。
終わった。村へ帰ろう。
村長の家に行くと村人全てが集まっており、倒したことを伝えると歓喜に湧いた。


224 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 01:33:08 ID:5nXQX6Y+
>>217
GJ!明日試してみるわ

>>◆36yZlE15gs
投下中かもしれんが…乙です。これからもがんばれ

225 : ◆36yZlE15gs :2005/10/29(土) 01:33:44 ID:7UaAX5Rq
ホイミで回復はしたが一応傷を看てもらい、尚且つ食事もいただいた。血なまぐさい後ではあまり食欲は湧かないが…。戦ってぐったりな四人は宿をとり、休んだ。
翌朝。
テンぺの村は喜びに満ちていた。魔物に脅かされることがなくなったこともあるが、生贄候補だったニーナの結婚が決まったそうだ。
武器屋の主人もこれで商売に身が入ります。そのお礼にとクロスボウをくれた。使い方が簡単で軽いということでブライが装備した。村長からもいくばかりのお金をいただいた。
更に東の大国エンドールでは武術大会が行われるそうです。と情報をくれた。これが武道家アリーナの目を輝かせる。
ブライは当然止めたが、もう一人の世界にいっているアリーナの耳には入らず。
「さぁ、夢のエンドールへ行きましょう!行かないなら置いてゆくわよ!」
アリーナが北に向かい歩いてゆく。
「姫ぇ。行きますよ。待ってくださいよ」
クリフトが急ぎ後を追う。
「やれやれ…仕方ないですな」
溜め息ひとつ吐いてとぼとぼと歩くブライ。
まずはこれより東、フレノールへ一行は向かう。
LV 6 up!
HP28
MP30


226 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 09:42:36 ID:qKQD4zh7
おおっ!楽しみになってきたな。総長はまだかな?

227 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 09:47:32 ID:8LklvRrl
>>217
やばい!ありがとう!

228 : ◆4Ga38uI4wg :2005/10/29(土) 16:05:57 ID:ESqIa8RF
才能が無い。
そう気づいたのは中学に上がったぐらいの頃か。
私がピアニストという夢を捨ててからもう長い月日が経つ。
あのあたりから私の人生はどうもうまくいかなくなっていった気がする。
高校受験、大学受験と立て続けに失敗し、職についても半年も続かなかった。
常に苛々とした日々。
辛辣、ドライ、血が通っていない。随分な暴言を捨て台詞に、寄る男は皆逃げる。

奇妙な縁だ。今、私はよくわからない世界でパイプオルガンの前に座っている。
深呼吸。寺院の早朝は寒く、依然として吐く息は白い。
手指を鍵盤の上に構え、そして。
パイプオルガンの音色と共に聖歌がこだました。

私には職が与えられたのだ。オルガン奏者という。

罪人だという事実は変わらない。
それでも寺院の為に働くのは評価される行為なのだと、
院長と呼ばれる小せぇ爺さんが言っていた。
理屈はよくわからないが、周りからの扱いが変わった事だけは喜んでおく。
質素なドレスを貰ったので肩に穴の開いたパジャマと罪人服は処分してもらった。

聞くに、本来オルガン奏者はある程度格式のある聖職者が担う物で、
罪人なんてとてもありえない話とのこと。
それでもそういう事をしてしまうのがオディロ院長なのだと、歯を見せて彼は笑った。聖書をくれた衛兵だった。
オディロ院長には感謝しなくてはならないな・・・。

229 : ◆4Ga38uI4wg :2005/10/29(土) 16:06:49 ID:ESqIa8RF
とにかく、院長の名で、ここが8の世界だという事がようやくわかった。
8か。プレイはヤンガスの知り合いの女に会うあたりで止まっている。
こんな事になるならせめてもう少し進めておけばよかったな。
わりと馴染んできた地下牢の一室でそう考えながら私は寝転んだ。

結局この部屋と聖堂とを行き来するだけの狭い世界で、私は一月あまりを過ごした。



釈放と知らされたのはとある日の夕方だった。
オディロ院長とナイフの持ち主だった老人の厚意による早期釈放だという。
全身の力がどっと抜けた。ようやくか……。

金も行く所も無いので、もうしばらく修道院で雇ってもらう事とした。
まずは旅立ちの資金を得よう。焦ってはまた失敗しかねない。
寝泊りは近くの港町の宿屋を取る事とした。ここは基本的に女子禁制なのだそうだ。

話を院長とつけた所で、修道院から外に出た。
目の前にいっぱいの草原が開ける。すげえ。私は今、自由だ。
貰った銅の剣を握り締める手に自然と力が入る。
しかしこの剣、なかなか重い。
金属の塊なんだから当たり前と言ったらそうなんだが…こんな物振り回せるんだろうか。

考えても仕方が無い。
私は港の宿を目指し、フィールドに踊り出た。

230 :失業者クエスト13  :2005/10/29(土) 16:22:57 ID:QUo7XKgF
・・・・よし、決めた!この竹の槍にしよう!これ、いくらだ?・・・『50ごーるど?』
ガウスじゃないのか・・・。まあいいや、はい『50ゴールド』。

「ありがとうございます。ここで装備していかれますか?」

装備?解らないが・・・一応しておこうか。・・・へえ、こういう風に肩に掛けて背中にしょ
って歩くのか。便利で良いな、これ。

「これから村の外に出るんですか?ならば、盾や鎧もあったほうが良いですよ。最近物騒
 ですからね、準備はぬかりなく。」

たて、と・・・よろい?そんなもんまでいるなんてどういう世界だよ。でも、もしもの為に
あったほうが良いかもな。買っとこうか。

あ、これか?『防具屋』。・・・すいませーん!たてとよろい、くださーい!
・・・へぇ・・・意外と高いのな。残金200ゴールド、か。一番安いのは?コレ?
・・・ちょっと・・・・頼りないな・・・。2番目に安いやつは?
・・・・・・『旅人の服』と『皮の盾』?合わせて140ゴールド?お値打ち?じゃあ、
コレにしようか。・・・装備?ああ、後で自分でするよ。

「それより・・・薬草はありますか?怪我した時の為に買っておいてはいかがですか?」

・・・俺はそんなにドジじゃねぇよ。確かに怪我したら嫌だな、買っとこう。

231 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 16:28:06 ID:DkRdNOKV
4の人が復活してスゴく嬉しいです!
他の職人さん達も頑張って下さい!

232 :失業者クエスト14 :2005/10/29(土) 16:41:11 ID:QUo7XKgF
道具屋、か。入ってみよう。すいませーん、薬草くださーい!・・・何々?8ゴールド?残金60ゴールド
だから7つ買えるな。お釣り4ゴールド・・・もう金がねぇ。まぁなんとかなるか。

これで準備万端だ。やっと村から出られる!おい、警備員のおっさん!そこ通せよ。

「おっ?さっきの小僧か。・・・よし、準備してきたようだな。この村を出るんか?気ぃつけてな。」

おう、ありがとよ。

・・・・・・・・これが、村の外?なんつーか・・・空は夕焼けしてるのに・・・なんか・・・不気味だ。
早めに目的地に・・・って、他にどこに村があるか知らねえよ!聞いた話では・・・サンタローズ?っていう
所があるらしいが・・・・・・。地図が無いから方角がわからねえ・・・。
・・・・・・・・・ん!!??なんか・・・・なにか・・・居る!?ガサガサ音が・・・・・する!!??
いったい・・・なんなんだ、なんなんだこの世界はよ!
・・・・・・・こっちに近づいているようだ・・・。・・・・・・徐々に徐々に近づいてくる・・・。

・・・・・・とまった?・・・いや、違う!!・・・・・・俺の足元か!!


                うわっ!!!

233 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 20:06:07 ID:shqPMaOQ
ここも活気付いてきたなー

>>217
システムエラーばっかり発生するんだけど仕様?

234 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 20:20:53 ID:EC4CkgAl
>>217
装備は色々でるけど回復アイテムがさっぱりでらんな
いつも死にかけ

235 :217 :2005/10/29(土) 21:17:44 ID:AjD6DSgf
>>233
仕様じゃないですw
考えられるのは、初回起動で通信を許可してないときぐらい。

また、試せない実機での動作確認はとれてないので
動かないのもあるかもしれないです。
一応900i準拠の開発環境では正常動作してます。

>>234
単純な確率論で言えば回復アイテムの取得確率は装備品の2倍としてあります。
ただ、調べた内容回復アイテムの種類自体が少ないので、装備品より出にくく感じるかと思います。


ってか、明らかにスレ違いな話題すみません。
したらば借りたので以降は

http://jbbs.livedoor.jp/game/26277/

でお願いします。


236 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:50:16 ID:7K8h/iGv
村で飼っている鶏の鳴き声で目が覚めた。朝5時半だ。早過ぎる。鶏をミンチにしてやろうかと思ったが、朝は弱いのでそんな気力も無い。
もう一度寝ようとするが、鶏の鳴き声と長老のいびきが煩すぎる。老人は体力が無いから早起きのはずだが、この長老はでかい口をあけて幸せそうな顔で寝ている。永遠に眠らせてやろうか。
仕方ないので、ベッドから起きて、顔を洗いうがいをして外に出た。
外に出ると、朝日が眩しかった。空気が澄んでいて肌寒い。気持ちの良い朝だ。元の世界にいた時はこんな気分味わった事なかったかもしれない。
それはともかく、俺はもう村を出る事にする。山登りはかなり時間がかかりそうだからだ。
長老を起こさないように長老の家に忍び足で入り、俺が寝ていたベッドの横に置いている袋と武器を持って、家を出た。
その後、こんな朝っぱらから開店している道具屋へ行った。こんな時間に客が来るのだろうか。
道具屋の主人の話によると、山にバブルスライムと言う毒を持っている魔物が出るらしいので、毒消し草1個と薬草5個を買った。
次は武具屋へ行く。こんな村に強い装備があるとは思えないが。


237 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:50:50 ID:7K8h/iGv
「らっしゃいらっしゃい!」
ツノマスクを被った半裸の変態が、手を叩きながらでかい声をあげる。朝から元気な奴だ。
壁には色々な装備がかけられていた。武器はもうあるので、身を守る為に防具を探す。
その中で、マント付きの青い服に目がいった。防御力がどうこうより、かっこいいと思った。変態に試着させて下さいと言った。
「おう、旅人の服だな!ほらよ!」
旅人の服を渡される。さて、試着室は…ない?
「試着室?そんなもん無いぜ!ここで着替えな!」
何てこった。本物の変態だ。女の客に行ったらセクハラで訴えられるぞ。
まあ胸毛が異様に多いとか、胸に七つの傷があるとか言う訳ではなかったので、その場で着替える事にした。
布の服を脱ぎ、旅人の服を着ようとする。その時何となく変態の方を見てみると、まじまじとこっちを見ていた。しまった、ホモだったか。そこまで考えつかなかった。
「あまり良い体つきとはいえねえな。初級冒険者にしてもあまりにも締まりがなさすぎる。」
何が言いたいんだ。筋肉質だったら「や ら な い か」とでも言うつもりだったのか?
旅人の服を着てみると、思ったより軽く、肌触りも良かった。防御力も高そうだ。俺は旅人の服を買う事にした。
「毎度あり!70Gだぜ!」
70G払い、新品の旅人の服を貰って着替えた。
「今度来る時はもっと締まった体で来いよ!」
変態は最後まで変態だった。やはり締まった体だったら例の台詞を言うつもりだったんだ。俺は世界中に、この村の武器屋は変態だった。という事を伝える旅に出る。




238 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:51:45 ID:7K8h/iGv
村のパン屋で売っていたスライムパン(4G)というカレー味のパンをかじりながら平原を歩く。カレーパンと言えよと思ったが、この世界の住人は味より形に拘るんだろう。因みにスライムとは最初の日に出会った青い流動体の名前らしい。
丁度カレーパン、もといスライムパンを食べ終わった頃、山についた。
山は緩やかな斜面で、道も整備されていたので、登るのはさほど苦痛ではなかった。
突然山の上から魔物が落ちてきた。緑の流動体だ。横に長い体で、体の周りに緑の粒が浮遊している。
スライムやドラキー(青いコウモリの名前らしい。長老が言っていた)と同じく、ニヤニヤ笑っていた。何故魔物にはニヤニヤ笑う奴が多いのか。自信からくる余裕のせいだろうか。
俺は剣を構え、魔物に斬りかかる。魔物は何の抵抗もせずに斬られ、緑の浮遊物が飛び散って俺の手についた。浮遊物をはらう。
魔物を倒した。意外に弱い。この調子なら楽そうだ。


239 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:52:15 ID:7K8h/iGv
さっきから気分が悪い。腐った物でも食ったのだろうか。俺の体が蝕まれていく感じがする。体中痛くなってきた。
その時膝が地についてしまった。足が震えて動かない。
一体どうしたんだ。腐った物とか言うレベルじゃない。毒物でも飲まされた感じだ。
…毒?そうか、さっきの奴が道具屋の言っていたバブルスライムとか言う奴か。緑の浮遊物が手についた時毒におかされたんだ。
俺は急いで袋から毒消し草を取り出し、かじった。まずい。実は毒草なんじゃないか?
毒消し草を飲み込んだ途端、体の痛みが治まり、吐き気や頭痛もなくなった。が、体が動かない。体力は回復しないらしい。俺は薬草を取り出して飲んだ。
まずい草を一気に2つも飲んだら、逆に腹を壊しそうだ。大丈夫だろうか。心配だ。
不安を抱えつつ、再び山を登り始めると、今度は腐ったキノコが現れた。
キノコは舌を出して、やる気のなさそうな目でこちらを見つめている。こちらもやる気が出なくなりそうだ。
向こうが動きを見せない。魔物ではないのだろうか。俺は剣を握って、微動だにせずキノコを警戒する。
それよりさっきから甘い匂いがする。何だろう。まさかこの腐ったキノコからこんな匂いが?
なんか眠くなってきた。まぶたが重い。睡眠不足じゃあるまいし。
だめだ。眠すぎる。もう寝てしまおう。死のうがどうなろうが関係ない。俺は眠さには弱いんだ。
俺はその場に倒れこみ、眠ってしまった。




240 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:52:52 ID:7K8h/iGv
目をあけると、何処かの建物にいた。殺されはしなかったらしい。
目の前に神父がいる。教会のようだ。神父が助けてくれたのだろうか。
「目が覚めましたか。ここは山頂の村。お仲間の方が、傷だらけのあなたをここまで運んできたんです。一日近く寝てたんですよ。」
仲間?俺は一人旅だぞ?一体誰が…。
「教会の外でお待ちしておられる様ですよ。」
神父にそう言われ、俺は小さな教会を出た。すると目の前に、黄色い体毛に赤い鬣の魔物が待ち構え…ってあの時の虎!?
驚いた。どうやら俺の匂いを嗅いでついてきたらしい。あの時のように俺になついている。しかもエッチな下着を口にくわえて。
ここまで追いかけてくるとは…しかし助けてもらって、追い払う事などできない。
…仕方ない。こいつと一緒に行く事にする。かなりの戦力にもなりそうだ。

さっきから村を探索している訳だが、虎を連れているのにみんな驚かない。子供は可愛いと言って、頭を撫でている。集団催眠術にかかっているのではないだろうか。
村を探索したが、武器屋や道具屋がない。無用心な村だ。しかも手に入れたのは、子供から貰った種だけだ。食べると力が湧くらしい。
俺は朝飯代わりに、力の種を食べた。こんな物では腹も心も満たされないが。
飲んだ途端、俺の腕の筋肉が盛り上がり、太さが二倍になった。
違う。一瞬幻覚を見ただけらしい。種一つでは外見にほとんど変化はないだろう。まあ二の腕の脂肪ぐらいは多少誤魔化せたかもしれん。
話は急に変わるが、村人の話によると、村の東にある橋を越えると山中の洞窟があって、そこから山を降りられるらしい。
それを聞いて、俺と虎はすぐに橋を渡る。山の向こうに見える景色が美しい。平原しか見えないが。
あのキノコのおかげで登りきるのに丸一日かかってしまったが、降りは楽そうだ。夕方になる前に降りきってやる。
俺は気合十分で、山中の洞窟に入っていった。




241 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:53:36 ID:7K8h/iGv
薄暗い洞窟を、慎重に進む。どこからともなく聞こえてくる水滴が落ちる音が、緊張感と恐怖を倍増させる。
とその時、前方に火のついたロウソクが見えてきた。デカイ。1m近くある。
恐らく魔物だろうと思い、警戒しながらロウソクに近づくと、いきなりロウソクが突進してきた。避けきれずに直撃し、尻餅をつく俺。
やはり魔物だった。今まで魔物と言ったら猛獣や、巨大化した虫などしか思い浮かばなかったが、変わった魔物も多くいるようだ。
俺は立ち上がり、銅の剣でロウソクの目を突いた。目を押さえてハァハァ言いながら悶えている。なんか面白い光景だ。
魔物は片目で俺を睨んだ。
「…メラ!」
ロウソクが謎の言葉を発した瞬間、ロウソクの火から小さな火の玉が現れ、俺に向かってきた。
俺は間一髪で避ける。が、後ろにいた虎に当たって、虎の体が燃えた。
火は3秒ほど燃え続け、自然と消えた。虎は悶えている。
すまない。俺が弱いばかりに迷惑をかけて。今は反省している。安眠してくれ。
その時、虎がいきなりロウソクに飛び掛った。物凄いスピードで、ロウソクに噛み付く。
虎の鋭い牙はロウソクを簡単に貫通し、噛み切ってしまった。ロウソクは倒れ、消滅する。
恐ろしい力だ。こんな奴が俺になついているのか。頼もしくもあるが、もし敵になったらと思うと恐ろしい。




242 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:54:11 ID:7K8h/iGv
暫く歩いていると、光が見えてきた。もう山を降りたのか、と思いながら洞窟を出る。
…違った。まだ山の中腹辺りだ。やはり山道は厳しい。
残念な気持ちを抑えながら、だらだらと山道を降りる。
でかい岩が見えてきた。おっさんが岩に押し潰されている。そう言えば落石注意みたいな看板があったな。
おっさんに構ってる暇などないので、俺はスルーした。おっさんが苦しんでいる横をずかずかと通る。
「ちょっと!見捨てないでくれよ!」
やはり話し掛けられた。面倒な事になった。俺がこんなでかい岩を持てるはずがない。
「そ、そんな…。」
…仕方ない。俺も鬼ではないので、一応やるだけやってみてやる。
俺が岩を押すと、簡単に岩が動いた。何だ?実はかなり軽かったのか?
いや、違う。よく見ると顔がある。またしてもニヤニヤと笑っていやがる。
俺はこの岩を魔物と判断し、銅の剣を構え…いや、こんな剣効きそうにない。と言う事で崖から蹴り落とす事にする。
俺は魔物に向かってダッシュし、飛び蹴りを放った。
「…メガンテ。」
蹴りが当たると同時に、魔物が謎の言葉を発した。魔物はゴロゴロと転がり、崖から落ちる。
崖から落ちていく魔物を見ていると、急に魔物の体が光りだした。
「ぬわーーーーー!!!」
物凄い断末魔の後、轟音と共に魔物が爆発した。俺は爆風で飛び散る砂が目に入らない様に、腕で目を防ぐ。
恐らくさっきのメガンテと言うのは自爆する時に言う言葉で、俺達を巻き添えにするつもりだったが、タイミングを間違えたらしい。ニヤニヤして油断してるからそう言う目に遭うんだ。
「あ、ありがとうございます!」
俺はああ。とだけ言い、すたすたと歩き出す。これ以上おっさんに構ってられん。
「あ、あの!お礼に近道を教えるだ!」
その言葉を聞くと同時に、足を止める。そういう事なら話は別だ。




243 : ◆qdB5QYIaRc :2005/10/29(土) 21:54:43 ID:7K8h/iGv
5分後、俺達は幅1m足らずの、隣がすぐ崖の道を通っていた。
…畜生。ジジイめ。こんな危険な道通りやがって。突き落としてやろうか。
俺がジジイを後ろから睨んでいると、何やらギャースギャースと鳴き声が聞こえてきた。空を見ると、1羽の鳥がこっちを見ながら鳴いていた。
「まずい!キメラだ!早く逃げるだよ!」
オヤジが急に早足になる。
ちょっと待て、速すぎだ。崖から落ちるだろ。
俺は足を滑らせそうになりながらも、おっさんについていく。
キメラが俺に狙いを定めたらしく、クチバシで俺の頭を突いてくる。
痛い。頭がかち割れそうだ。なんか血が出てきた。やめろ、お前。
俺は銅の剣で抵抗する。と言っても、剣をブンブンと適当に振ってるだけなので、キメラに簡単に避けられた。
「バギ!」
おっさんが謎の言葉を発した直後、キメラの周りに小さな竜巻が現れる。竜巻は刃の如く、キメラの体を切り刻んだ。
キメラは羽を怪我したらしく、そのまま下に落ちていった。
「さあ、行くだよ。」
何事もなかったかの様に進みだすおっさん。…そんな力があるなら初めから使えよ。

その後は敵に遭う事もなく、昼過ぎには山を降りる事ができた。
「ここから北に行くと港町があるだ。じゃあわしは行くだよ。」
おっさんが再び山に登っていく。さて、俺も行くか。
俺達は更に北にある港町に向かった。

Lv6
HP39
MP0
武器:銅の剣 鎧:旅人の服

244 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/29(土) 23:09:00 ID:SJ7dDM8q
>>qdB5QYIaRc
乙。
相変わらずギャグの切れイイ!!
続き期待。

>>4Ga38uI4wg
♀だったのかよ!!

245 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/30(日) 12:21:03 ID:6pCxrFVu
>>217
なぜしたらば
携帯電話ゲー板にでもスレ立ててくれ
したらばじゃ人こなさすぎ

246 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/30(日) 13:24:31 ID:T5Y5Ii5M
えらそー

247 :名前が無い@ただの名無しのようだ :2005/10/30(日) 14:03:46 ID:tdsY7W8l
>>245
人こない代わり、dat落ちを気にする必要が無い。

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